二日酔いに効く薬は?症状別の選び方・早く楽になる対処法を解説

飲みすぎた翌朝、頭が痛い、吐き気がする、体がだるいといった症状に悩まされることがあります。二日酔いという言葉でひとくくりにされがちですが、実際にあらわれる症状は人によって、また飲んだ量や状況によって異なります。


そして症状が違えば、適した薬も変わります。頭痛に使う薬と吐き気に使う薬は別のものであり、症状に合わないものを選んでも思うような結果にはなりません。


この記事では、二日酔いで起こる症状ごとに使われる薬を整理し、市販薬と処方薬の違い、飲むタイミング、薬以外の対処法までを解説します。薬を使ううえで押さえておきたい注意点についても取り上げます。



※注意事項

  • この記事は、執筆時点で公開されている情報に基づいた一般的な情報提供を目的としています。特定の治療法や医薬品の使用をすすめるものではなく、診断や治療にあたるものでもありません。

  • 紹介する薬のなかには、二日酔いに対する使用が承認された効能・効果に含まれないものがあります。承認された範囲を超えた使用は適応外使用にあたり、公的医療保険が適用されないほか、重篤な健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。

  • 効果のあらわれ方には個人差があり、記載した内容がすべての人に当てはまるものではありません。持病がある場合や、現在服用している薬がある場合は、自己判断で薬を使わず医師や薬剤師に相談してください。

  • すべての人に当てはまる万能な薬は存在しません。症状が重い場合や長引く場合は、医療機関を受診してください。

二日酔いの原因と症状ごとの違い

薬を選ぶ前に、二日酔いがなぜ起こるのかを知っておきましょう。二日酔いは、頭痛や吐き気、胃の不快感など症状によって原因が異なるため、適した薬も変わります。まずは、二日酔いが起こる仕組みから確認していきます。


二日酔いが起こる仕組み

お酒を飲むと、アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという物質に分解されます。このアセトアルデヒドが、二日酔いの主な原因とされています。


アセトアルデヒドはさらに酢酸へと分解されて体外に排出されますが、飲酒量が多いと分解が追いつかず、体内に蓄積します。顔の赤みや頭痛、動悸などは、こうしたアセトアルデヒドの影響によって現れる症状です。


原因はそれだけではありません。アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上の水分が尿として排出されることで脱水状態になります。また、肝臓がアルコールの分解に集中することで血糖値が下がりやすくなり、だるさや脱力感につながります。


胃への影響もあります。アルコールは胃酸の分泌を促し、胃の粘膜を刺激します。これが胸やけや胃痛の原因になります。


二日酔いで起こる症状の種類

二日酔いであらわれる症状は多岐にわたります。代表的なものを整理すると、次のようになります。


頭痛は最も多く挙げられる症状です。アセトアルデヒドによる血管の拡張や脱水が関係しているとされています。


吐き気や嘔吐、胃のむかつきは、胃腸への刺激とアセトアルデヒドの影響によるものです。胸やけや胃痛を伴うこともあります。


むくみやだるさは、水分バランスの乱れや低血糖が背景にあります。顔や手足がむくむ、体が重いといった形であらわれます。


顔の赤みやほてり、動悸は、アセトアルデヒドが体内に残っている状態で起こります。お酒に弱い体質の人では、飲んでいる最中から生じることもあります。


症状

主な背景

頭痛

アセトアルデヒド、脱水、血管の拡張

吐き気・嘔吐

胃腸への刺激、アセトアルデヒド

胸やけ・胃痛

胃酸分泌の増加、胃粘膜の炎症

むくみ

水分バランスの乱れ

だるさ・脱力感

低血糖、脱水

顔の赤み・ほてり・動悸

アセトアルデヒドの蓄積


二日酔いの症状によって効く薬が変わる理由

これらの症状は、それぞれ異なる原因から生じています。したがって、対処に使われる薬も変わります。


頭痛には痛みを抑える薬、吐き気には胃腸の動きを整える薬、胸やけには胃酸の分泌を抑える薬というように、作用する場所も仕組みも異なります。


二日酔いに効く薬という言い方をされることがありますが、あらゆる症状に等しく働く薬があるわけではありません。まずは、今どの症状がつらいのかを確認し、それに合った薬を選ぶことが大切です。


複数の症状が同時に出ている場合、組み合わせて使うこともあります。ただし自己判断での併用は避け、医師や薬剤師に相談してください。

二日酔いの頭痛に効く薬

二日酔いの症状として最も多く挙げられるのが頭痛です。使われる薬にはいくつかの種類があり、それぞれ作用の仕組みが異なります。注意点もあわせて整理します。


二日酔いの頭痛に使われる鎮痛薬

頭痛に対しては、鎮痛薬が使われることがあります。市販薬にも処方薬にも複数の選択肢があります。


代表的な成分としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物、イブプロフェン、アセトアミノフェンなどが挙げられます。このうちロキソプロフェンナトリウム水和物とイブプロフェンは、非ステロイド性抗炎症薬に分類されます。


これらの薬は痛みを引き起こす物質の生成を抑えることで作用します。ドラッグストアやコンビニで購入できる市販薬にも、これらの成分を含む製品があります。


なお、これらの鎮痛薬の承認された効能・効果に二日酔いという記載はありません。頭痛を和らげるために使用されます。



二日酔いの頭痛に使われる漢方薬

漢方薬のなかには、二日酔いが承認された効能・効果に含まれるものがあります。


五苓散はその代表です。医療用医薬品の効能・効果には、口渇や尿量減少を伴う場合の症状の一つとして、二日酔いが記載されています。あわせて浮腫、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなども挙げられています。


五苓散は、体内の水分バランスを整える働きを持つ漢方薬です。沢瀉、猪苓、茯苓、白朮といった生薬が余分な水分の排出に関わり、桂皮が加わって構成されています。


水分の偏りが二日酔いの症状に関係しているという考え方に基づいており、頭痛やむくみ、吐き気が同時にある場合に選択肢となります。


茵ちん五苓散は、五苓散に茵陳蒿を加えたものです。効能・効果には、嘔吐、じんましん、二日酔のむかつき、むくみが挙げられています。


二日酔いの頭痛で鎮痛薬を飲むときの注意点

鎮痛薬を使う際には、いくつか注意が必要です。


非ステロイド性抗炎症薬は胃の粘膜に負担をかけることがあります。二日酔いの状態ではアルコールによって胃の粘膜がすでに刺激を受けているため、負担が重なる可能性があります。空腹での服用は避けたほうがよいとされています。


アセトアミノフェンについては、肝臓で代謝される薬であることに注意が必要です。アルコールを分解している状態の肝臓に、さらに負担がかかる可能性が指摘されています。用量を守ることが特に重要になります。


また、飲酒直後の服用は避けるべきとされています。体内にアルコールが残っている状態では、副作用が出やすくなる可能性があります。


持病がある場合や、他に服用している薬がある場合は、購入時に薬剤師へ相談してください。


二日酔いの頭痛に鎮痛薬が効かないときに考えられること

鎮痛薬を飲んでも頭痛が和らがないことがあります。いくつかの要因が考えられます。


ひとつは、脱水が改善していない場合です。二日酔いの頭痛には脱水が関わっているとされており、水分が不足したままでは痛みが続きやすくなります。薬とあわせて水分を補うことが重要です。


もうひとつは、低血糖の影響です。頭痛とだるさが同時にある場合、血糖値の低下が背景にある可能性があります。この場合は糖分の補給が必要になります。


また、そもそもアセトアルデヒドが体内に残っている間は、根本的な原因が解消されていない状態です。時間の経過を待つ必要がある場面もあります。


痛みが通常と明らかに異なる場合や、けいれん・麻痺などの神経症状を伴う場合は、重大な疾患が隠れている可能性があります。自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。 

二日酔いの吐き気・胃のむかつきに効く薬

吐き気や胃の不快感も、二日酔いで多く見られる症状です。胃酸の影響によるものと、胃腸の動きの乱れによるものがあり、対処に使われる薬が分かれます。


二日酔いの吐き気に使われる胃腸の薬

吐き気や嘔吐に対しては、胃腸の動きを整える薬が使われることがあります。


ドンペリドンはその一つで、胃腸の運動を促すことで吐き気や嘔吐、胃のもたれを改善する薬です。医療用医薬品として処方されるほか、同様の作用を持つ成分を含む市販薬もあります。


メトクロプラミドも同じ系統の薬です。これらは処方薬として扱われるものが中心となります。


漢方薬では、前述の五苓散や茵ちん五苓散が該当します。いずれも効能・効果に嘔吐や二日酔のむかつきが含まれており、二日酔いに対する使用が承認された範囲内にあたります。


二日酔いの胸やけ・胃痛に使われる胃酸を抑える薬

胸やけや胃痛には、胃酸の分泌を抑える薬が使われます。


ファモチジンは代表的な成分で、胃酸の分泌を抑えることで胸やけやむかつきを和らげます。医療用医薬品として処方されるほか、同じ成分を含む市販薬も販売されています。


このほか、胃の粘膜を保護する成分を含む薬や、制酸剤と呼ばれる胃酸を中和する薬もあります。市販の胃腸薬には、これらの成分が組み合わされた製品が多くあります。


どの薬が適しているかは症状によって変わります。胃が痛むのか、むかつくのか、もたれるのかによって選び方が異なるため、購入時に薬剤師へ相談することをおすすめします。


二日酔いの吐き気がひどいときの対処

吐き気が強い場合、薬を飲むこと自体が難しいことがあります。無理に飲もうとすると、かえって嘔吐を誘発することもあります。


こうした場合は、まず少量ずつ水分を補給することを優先します。一度に多く飲むと胃が刺激されるため、少しずつ回数を分けて摂るほうが負担が少なくなります。


嘔吐が継続して水分摂取が困難な状態や、吐物への吐血・受血が認められる場合は、自己対応を行わず、直ちに医療機関を受診して適切な診断を受けてください。単なる二日酔いではない可能性があります。

二日酔いのむくみ・だるさに効く薬

翌朝の顔のむくみや体の重さも、二日酔いの症状としてよく挙げられます。水分バランスの乱れや肝臓への負担が背景にあり、対処の考え方が頭痛や吐き気とは異なります。


二日酔いのむくみに使われる漢方薬

むくみに対しては、五苓散が用いられることがあります。効能・効果に浮腫が含まれており、二日酔も明記されています。


五苓散は体内の水分の偏りを整える働きを持つとされ、余分な水分がたまっている状態と、脱水によって必要な場所に水分が届いていない状態の両方に関わると説明されます。飲酒後にむくみと喉の渇きが同時に起こるのは、この偏りによるものと考えられています。


茵ちん五苓散も、効能・効果にむくみが含まれています。五苓散に茵陳蒿という生薬を加えたもので、肝臓の働きに関わる成分が加わっている点が特徴です。


漢方薬は体質との相性があるため、合う人と合わない人がいます。継続して使う場合は、医師や薬剤師に相談してください。


二日酔いで肝臓の働きを助ける薬

肝臓の働きをサポートするとして使われる薬もあります。


ウルソデオキシコール酸は、胆汁の分泌を促す作用を持つ成分です。医療用医薬品としての効能・効果には、胆道系疾患および胆汁うっ滞を伴う肝疾患における利胆、慢性肝疾患における肝機能の改善などが挙げられています。


ただし、二日酔いという記載は効能・効果に含まれていません。二日酔いの予防や対処を目的として使用する場合、承認された範囲を超えた使用にあたります。


L-システインは、アセトアルデヒドの代謝に関わるとされる成分です。市販薬に配合されているものがあり、二日酔いに関連する効能を持つ製品も存在します。ただし製品によって承認された効能・効果が異なるため、購入時に確認が必要です。


二日酔いのだるさへの対処

だるさの背景には、低血糖と脱水があるとされています。


肝臓がアルコールの分解に集中している間、糖を作り出す働きが低下します。その結果として血糖値が下がり、脱力感や集中力の低下があらわれます。


このため、だるさに対しては薬よりも、糖分と水分を補うことが基本的な対処となります。具体的な方法については、薬以外の対処法の章で整理します。


だるさが数日にわたって続く場合や、飲酒量に見合わない強い倦怠感がある場合は、肝臓の状態を含めて医療機関で相談してください。

二日酔いの顔の赤み・ほてりに効く薬

飲酒中や翌日の顔の赤み、のぼせ、ほてりに悩む人もいます。これはアセトアルデヒドが体内に残っている状態で起こりやすく、体質が関係します。使われる薬を整理します。


二日酔いの顔の赤みに使われる漢方薬

顔の赤みやのぼせに対しては、黄連解毒湯という漢方薬が用いられることがあります。


黄連解毒湯は、体の余分な熱を冷まし、炎症を抑える働きを持つとされる漢方薬です。効能・効果には、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある場合の諸症として、二日酔が含まれています。


黄連、黄芩、黄柏、山梔子という4つの生薬で構成されており、いずれも熱を冷ます方向に働くとされています。


顔の赤みだけでなく、胃の不快感やいらいらを伴う場合にも選択肢となります。ただし体質との相性があり、冷えが強い人には向かないとされています。


飲酒前に飲む場合の考え方

顔の赤みが出やすい体質の場合、飲酒前に対処しておきたいという希望があります。


漢方薬のなかには、飲酒前の服用が想定されるものがあります。五苓散や黄連解毒湯は、飲む前に服用することで翌日のつらさを抑える目的で使われることがあります。


ただし、これはあくまで補助的な位置づけです。薬を飲んだから飲酒量を増やしてよいということにはなりません。


また、顔が赤くなりやすい体質は、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いことを示しています。この体質の人は、飲酒による健康リスクが高いことが知られています。薬で赤みを抑えることと、体への負担が減ることは同じではない点は理解しておく必要があります。


二日酔いの顔の赤みが強い人が知っておきたいこと

顔がすぐ赤くなる体質の人は、飲酒による健康への影響を受けやすいことが知られています。


アセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いため、体内に残る時間が長くなります。この状態が繰り返されることが、食道や咽頭などへの影響と関連づけて指摘されています。


薬で赤みを抑えられたとしても、アセトアルデヒドが分解される速度が変わるわけではありません。見た目の症状と体への負担は別のものです。


赤くなりやすい体質を自覚している場合、量を控えることが最も重要な対策になります。周囲から飲酒をすすめられる場面では、体質を理由に断ることも選択肢です。

二日酔いに効く薬の適応内と適応外の違い

二日酔いに使われる薬には、効能・効果として二日酔いが承認されているものと、そうでないものがあります。この違いは、保険適用の有無や費用にも関わるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。


二日酔いが効能・効果に含まれる薬

承認された効能・効果に二日酔いが明記されている薬があります。


五苓散は、医療用医薬品としての効能・効果に二日酔が含まれています。口渇や尿量減少がある場合の諸症として、浮腫、二日酔、頭痛、悪心、嘔吐などが挙げられています。


茵ちん五苓散も同様で、嘔吐、じんましん、二日酔のむかつき、むくみが効能・効果とされています。


黄連解毒湯にも、効能・効果に二日酔が含まれています。


これらは、二日酔いに対する使用が承認された範囲内にあたります。ただし、保険が適用されるかどうかは、医師が疾患の治療として必要と判断したかどうかによって変わります。


二日酔いが効能・効果に含まれない薬

一方、二日酔いという記載が効能・効果にない薬もあります。


ウルソデオキシコール酸の効能・効果は、胆道系疾患および胆汁うっ滞を伴う肝疾患における利胆、慢性肝疾患における肝機能の改善などです。二日酔いは含まれていません。


鎮痛薬や胃酸を抑える薬についても、頭痛や胸やけといった症状に対する効能はあるものの、二日酔いという記載があるわけではありません。


これらを二日酔いの予防や対処を目的に使用する場合は、承認された効能・効果とは異なる「適応外使用」にあたります。


二日酔いの薬が適応外使用となる場合の注意点

公的医療保険が適用されません。保険が適用されるのは、医師が診断した疾患の治療として必要と判断した場合に限られます。予防目的や、承認された効能に該当しない目的での使用は、自由診療として全額自己負担になるのが一般的です。


次に、医薬品副作用被害救済制度との関係です。この制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず重篤な健康被害が生じた場合に、医療費などの給付を行う公的な仕組みです。しかし、承認された効能・効果の範囲を超えた使用については、原則として対象外となります。


費用の面だけでなく、こうしたリスクを含めて理解したうえで判断する必要があります。判断に迷う場合は、医師や薬剤師に相談してください。

二日酔いに効く薬の市販薬と処方薬の違い

二日酔いに使われる薬は、購入できる場所によって種類が分かれます。分類の違いを理解しておくと、必要なものを選びやすくなります。医薬品ではないものも流通しています。


医薬品・医薬部外品・清涼飲料水の区別

ドラッグストアやコンビニに並んでいる二日酔い関連の商品は、実は複数の分類にまたがっています。


医薬品は、効能・効果が承認されているものです。第2類医薬品や第3類医薬品といった区分があり、パッケージに表示されています。


医薬部外品は、医薬品より作用が穏やかなものとして位置づけられます。効能の表示範囲も限られます。


清涼飲料水や健康食品は、食品にあたります。医薬品ではないため、疾患の治療や予防を目的とした表示はできません。二日酔い対策としてよく見かけるドリンク類の多くは、この分類に該当します。


同じ棚に並んでいても位置づけは異なります。パッケージの表示を確認する習慣をつけると、選び分けがしやすくなります。


二日酔いに効く薬でコンビニやドラッグストアで買えるもの

コンビニで購入できる医薬品は限られます。薬剤師が在籍している店舗では第2類医薬品や第3類医薬品を扱っていますが、すべての店舗で購入できるわけではありません。


ドラッグストアであれば、選択肢は広がります。鎮痛薬、胃腸薬、漢方薬、ウコンや肝臓エキスを配合した製品など、複数の選択肢から選べます。


市販の五苓散も販売されています。一般用医薬品としての五苓散には、効能・効果に二日酔が含まれています。


購入時には、症状を伝えて薬剤師に相談することをおすすめします。持病や服用中の薬がある場合は、必ずその旨を伝えてください。


二日酔いに効く薬で処方が必要なもの

市販されていない薬もあります。ドンペリドンや、医療用医薬品としてのファモチジンの一部規格などが該当します。


処方薬と市販薬では、同じ成分名が表示されていても、含まれる量や添加物、剤形が異なることがあります。そのため、効き方や実感に違いが生じる場合があります。


医療機関で処方を受ける場合、医師が症状や体質、既往歴、服用中の薬を確認したうえで薬を選ぶことになります。市販薬で十分に改善しない場合や、二日酔いを繰り返す場合は、医療機関への受診を検討してください。

二日酔いに効く薬を飲むタイミング

同じ薬でも、いつ飲むかによって位置づけが変わります。飲酒前に備えるのか、症状が出てから対処するのかで選択肢が異なります。それぞれの考え方を整理します。


飲酒前に飲む二日酔いの薬

飲酒前の服用が想定される薬があります。


漢方薬では、五苓散や茵ちん五苓散、黄連解毒湯が該当します。いずれも食前または食間の服用が基本とされており、飲み会の前に服用することで翌日のつらさを抑える目的で使われることがあります。


肝臓の働きをサポートするとされる成分を含む市販薬やドリンク類も、飲酒前の摂取を想定した製品が多くあります。


ただし、飲酒前に何かを摂ったからといって、アルコールの影響がなくなるわけではありません。飲む量そのものを抑えることが最も確実な対策である点は変わりません。


飲酒後や就寝前に飲む二日酔いの薬

飲酒後、寝る前のタイミングで服用する場合もあります。


このタイミングで重要なのは、薬よりもまず水分補給です。アルコールの利尿作用によって脱水が進んでいるため、就寝前に水分を摂っておくことで翌朝の症状が軽くなることがあります。


薬を服用する場合、アルコールとの併用に注意が必要です。飲酒直後は体内にアルコールが残っているため、薬の作用や副作用に影響する可能性があります。


特に鎮痛薬については、飲酒直後の服用を避けるべきとされています。胃への負担が重なることや、肝臓への影響が理由です。


翌朝や症状が出てから飲む二日酔いの薬

すでに症状が出ている場合は、その症状に応じた薬を選びます。


頭痛には鎮痛薬、吐き気には胃腸の動きを整える薬、胸やけには胃酸を抑える薬というように、つらい症状に対応するものを使います。


五苓散や茵ちん五苓散は、飲酒前と翌朝のどちらのタイミングでも使われる漢方薬です。症状が出てからでも、水分バランスを整える働きが期待されます。


ただし、症状が強い場合や薬を飲んでも改善しない場合は、無理に市販薬で対処しようとせず医療機関を受診してください。

二日酔いに効く薬以外で早く楽になる対処法

薬だけが対処法ではありません。二日酔いの背景には脱水と低血糖があるため、これらを補うことが症状の軽減につながります。避けたい行動もあわせて整理します。


二日酔いのときに水分と電解質を補う

最も基本的な対処が、水分補給です。アルコールの利尿作用によって、飲んだ量以上の水分が失われている状態にあります。


水だけでなく、電解質を含む飲み物が適しています。経口補水液やスポーツドリンクは、水分と電解質を同時に補えます。


一度に大量に飲むと胃に負担がかかるため、少量ずつこまめに摂ることが望ましいとされています。吐き気がある場合は特に、少しずつ飲むよう意識してください。


なお、迎え酒は避けてください。一時的に症状が和らいだように感じることがありますが、アルコールの分解が先延ばしになるだけで、根本的な解決にはなりません。


二日酔いのときに糖分を補給する

肝臓がアルコールの分解に集中している間、血糖値が下がりやすくなっています。だるさや脱力感の背景には、この低血糖があるとされています。


糖分を含む飲み物や食べ物を摂ることで、この状態を補えます。果汁を含むジュース、はちみつ、経口補水液などが選択肢になります。


食欲がない場合でも、飲み物であれば摂りやすいことがあります。無理に固形物を食べる必要はありません。


二日酔いのときに避けたほうがよい行動

かえって症状を長引かせる行動もあります。


先に触れた迎え酒は、その代表です。アルコールをさらに摂取することで、分解すべき量が増えることになります。


熱いお風呂やサウナも避けたほうがよいとされています。発汗によって脱水がさらに進む可能性があるためです。


激しい運動も同様です。汗をかけばアルコールが抜けるという考え方がありますが、脱水を招くリスクのほうが大きくなります。


カフェインを含む飲み物についても、利尿作用があるため大量の摂取は避けたほうがよいとされています。

二日酔いを予防する方法

起きてしまった二日酔いへの対処だけでなく、そもそも起こりにくくする工夫もあります。飲み方の見直しで変わる部分は少なくありません。体質による違いも理解しておきたいところです。


飲酒前や飲酒中にできる二日酔いの予防

最も確実な予防は、飲む量を抑えることです。これに勝る方法はありません。


そのうえで、いくつか工夫できる点があります。空腹での飲酒を避けることは、アルコールの吸収を緩やかにするうえで有効とされています。飲む前に何かを食べておくとよいでしょう。


飲酒中に水を挟むことも効果的です。アルコールと同量程度の水を飲むことで、脱水を防ぎやすくなります。


ゆっくり飲むことも大切です。短時間に大量に飲むと分解が追いつかず、アセトアルデヒドが体内にたまりやすくなります。


なお、厚生労働省は生活習慣病のリスクを高めない飲酒量として、1日あたりの純アルコール量20gという目安を示しています。ビール中瓶1本、日本酒1合程度に相当します。


二日酔いになりやすい人の特徴

同じ量を飲んでも、二日酔いになりやすい人とそうでない人がいます。


大きく関わるのが、アセトアルデヒドを分解する酵素の働きです。この酵素の活性は遺伝的に決まっており、日本人には働きが弱い人が一定数いることが知られています。


顔がすぐ赤くなる、少量で動悸がするといった特徴がある場合、この酵素の働きが弱い可能性があります。この体質の人は、アルコールによる健康リスクが高いことも指摘されています。


体重や体格、年齢、その日の体調も影響します。疲れているときや睡眠不足のときは、いつもより影響が出やすくなります。


体質は変えられません。自分の限界を把握して、それに合わせた飲み方をすることが現実的な対策になります。


二日酔いを予防するための飲んだ後の過ごし方

飲み終わった後の過ごし方も、翌日の状態に影響します。


まず、就寝前の水分補給です。アルコールの利尿作用によって脱水が進んでいるため、寝る前にコップ1杯程度の水を飲んでおくと、翌朝の症状が軽くなることがあります。


睡眠時間の確保も重要です。アルコールを分解するには時間がかかります。睡眠が短いと、分解が終わらないうちに起きることになります。


なお、飲酒直後の入浴は避けたほうがよいとされています。血圧の変動や脱水が進むおそれがあるためです。


翌朝の予定がある場合は、飲み始める時間から逆算して量を決めておくと、コントロールしやすくなります。

二日酔いで受診を検討すべき症状

多くの二日酔いは時間の経過とともに落ち着きます。ただし、なかには医療機関の受診が必要な状態もあります。判断の目安を整理します。


二日酔いで医療機関の受診が必要なサイン

次のような症状がある場合は、単なる二日酔いではない可能性があります。


意識障害や呼びかけへの反応低下が認められる場合は急性アルコール中毒等が疑われるため、直ちに119番通報を行うなど、緊急の医療対応をとってください。


嘔吐が続いて水分がまったく摂れない状態も、脱水が進むおそれがあります。吐いたものに血が混じる場合は、消化管からの出血が疑われます。


激しい腹痛、特に持続する痛みがある場合も注意が必要です。膵臓や肝臓の問題が背景にあることがあります。


強い頭痛が通常と異なる形であらわれた場合、けいれんや麻痺を伴う場合も、速やかに受診してください。


  • 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い

  • 嘔吐が続いて水分がまったく摂れない

  • 吐いたものに血が混じっている

  • 激しい腹痛が持続している

  • 通常と明らかに異なる強い頭痛がある

  • けいれんや手足の麻痺を伴う


繰り返す二日酔いが示すもの

頻繁に二日酔いになる状態が続いている場合、飲酒量そのものを見直す必要があります。


継続的な過度の飲酒は、肝機能の低下や生活習慣病のリスクにつながることが知られています。二日酔いは一時的な不調ですが、その頻度は飲酒習慣を映すものでもあります。


飲む量をコントロールできない、飲まないと落ち着かないといった状態がある場合は、専門的な相談先があります。各都道府県の精神保健福祉センターや保健所で、飲酒に関する相談を受け付けています。


薬で症状を抑えることと、飲酒習慣そのものを見直すことは別の問題です。気になる場合は医師に相談してください。

二日酔いに効く薬に関するよくある質問

二日酔いの薬について、寄せられることの多い質問をまとめます。判断の材料になる基本的な点を整理しました。個別の状況については医師や薬剤師にご相談ください。


二日酔いに一番効く薬はどれですか

すべての人に当てはまる薬は存在しません。二日酔いの症状は頭痛、吐き気、むくみなど複数あり、原因も異なるためです。今どの症状がつらいのかによって、適した薬は変わります。


二日酔いに効く薬はコンビニで買えますか

登録販売者が在籍している店舗であれば、第2類医薬品や第3類医薬品を購入できます。ただし、すべての店舗で扱っているわけではありません。品揃えはドラッグストアのほうが豊富です。


二日酔いの薬は飲酒前と後のどちらに飲むといいですか

薬によって異なります。漢方薬のなかには飲酒前の服用が想定されるものがあり、鎮痛薬や胃腸薬は症状が出てから使うのが基本です。飲酒直後の服用は、薬によっては避けるべき場合があります。


二日酔いに市販の頭痛薬を飲んでもいいですか

使用できる場合が多いものの、注意点があります。非ステロイド性抗炎症薬は胃への負担があり、二日酔いの状態では負担が重なる可能性があります。飲酒直後の服用は避け、用量を守ってください。持病がある場合は薬剤師に相談してください。


二日酔いに効く薬は保険が使えますか

医師が疾患の治療として必要と判断した場合には保険が適用されます。一方、予防目的の使用や、承認された効能・効果に含まれない目的での使用は、自由診療として全額自己負担になるのが一般的です。


ウコンやしじみのサプリメントは二日酔いに効きますか

これらの多くは食品にあたり、医薬品ではありません。そのため、疾患の治療や予防を目的とした効能の表示はできません。医薬品とは位置づけが異なることを理解したうえで判断してください。


二日酔いはどのくらいで治りますか

一般的には半日から24時間程度で落ち着くことが多いとされていますが、飲んだ量や体質によって異なります。2日以上続く場合や、症状が強い場合は医療機関で相談してください。


二日酔いのときに迎え酒をしてもいいですか

避けてください。一時的に症状が和らいだように感じることがありますが、分解すべきアルコールが増えるだけで、回復は遅くなります。

二日酔いに効く薬の選び方まとめ

ここまで、症状に応じた薬の選び方や、二日酔いに対する薬の使われ方について解説してきました。最後に、薬を選ぶ際に確認しておきたいポイントをまとめます。


二日酔いの症状別に薬を整理する

頭痛には鎮痛薬や五苓散、吐き気や胃のむかつきには胃腸の動きを整える薬や胃酸を抑える薬、むくみには五苓散や茵ちん五苓散、顔の赤みには黄連解毒湯というように、症状によって選択肢が分かれます。


複数の症状が同時にある場合は、最もつらいものから対処するか、薬剤師に相談して組み合わせを検討することになります。


すべての症状に等しく働く薬はありません。今の状態を見極めることが出発点です。


症状

使われる薬

二日酔いが効能に含まれるか

頭痛

鎮痛薬(ロキソプロフェン、イブプロフェン、アセトアミノフェン等)

含まれない

頭痛・むくみ・吐き気

五苓散

含まれる

吐き気・むかつき

五苓散、茵ちん五苓散

含まれる

吐き気・嘔吐

胃腸の動きを整える薬(ドンペリドン等)

含まれない

胸やけ・胃痛

胃酸を抑える薬(ファモチジン等)

含まれない

むくみ

五苓散、茵ちん五苓散

含まれる

顔の赤み・のぼせ

黄連解毒湯

含まれる

肝機能のサポート

ウルソデオキシコール酸

含まれない


二日酔いに効く薬を使う前に確認しておきたいこと

承認された効能・効果に二日酔いが含まれる薬と、含まれない薬があります。含まれない薬を二日酔いの目的で使う場合は適応外使用にあたり、公的医療保険が適用されないほか、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。


持病がある場合や、服用中の薬がある場合は、自己判断で薬を使わず薬剤師や医師に相談してください。特に肝臓や胃腸に関わる持病がある場合は注意が必要です。


薬はあくまで症状への対処であり、飲酒による体への負担をなくすものではありません。飲む量を抑えることが最も確実な対策である点は変わりません。


意識障害、持続する激しい嘔吐、吐血などの症状が見られる場合は二日酔いと自己判断せず、速やかに適切な医療機関を受診することが強く推奨されます。

参照リンク

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