五苓散エキスとは?効果・効能と副作用|ツムラとクラシエの違いも解説

むくみが気になる、水のような下痢が続く、雨の日になると頭痛がする。こうした症状で処方されたり、ドラッグストアで手に取ったりする漢方薬のひとつが五苓散エキス製剤です。


五苓散は5種類の生薬から成る漢方処方で、体内の水分の偏りを整えることを目的として用いられてきました。医療用では「ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)」、市販では「クラシエ五苓散料エキス錠」といった名称で流通していますが、同じ五苓散でありながら製品によって効能効果や1日量が異なることは、あまり知られていません。


この記事では、五苓散エキスの成り立ちと含まれる生薬、期待される働きと作用の仕組み、メーカーごとの効能効果の違い、飲み方と飲むタイミング、副作用と注意点、そして市販品と医療用の違いまでを、添付文書などの公開情報をもとに整理してお伝えします。



※注意事項

  • 本記事は、執筆時点で公開されている添付文書などの情報をもとにした一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療や製品の使用をすすめるものではありません。診断や治療方針の決定に代わるものではない点をご理解ください。

  • 漢方薬の効果や副作用の現れ方には個人差があります。漢方では体質や症状の現れ方を「証」として捉え、それに合っているかどうかで適否が判断されます。同じ症状でも、人によって適した処方は異なるとされています。

  • 医療用の五苓散エキス製剤は、医師の処方が必要です。服用の可否や用法用量については、必ず医師または薬剤師の判断を仰いでください。市販品を使用する場合も、添付されている説明書をよく読み、不明な点は薬剤師や登録販売者に相談してください。

  • 体重を減らすことを目的とした効能効果は承認されていません。ダイエットのために用いるものではありません。

  • むくみや下痢、頭痛といった症状の背景には、検査が必要な疾患が隠れている場合があります。症状が続く場合や強い場合は、自己判断せず医療機関で原因を確かめてください。

  • 添付文書の内容や薬価は改訂されることがあります。最新の情報については、製造販売元の公式情報や医療機関でご確認ください。

五苓散エキスとは?効果・効能と特徴

五苓散エキスは、漢方製剤に分類される医薬品の有効成分です。5種類の生薬を組み合わせた処方から抽出したエキスを、顆粒や細粒、錠剤といった飲みやすい形にしたものが流通しています。


漢方では、体内の水分がうまく巡らずに偏っている状態を「水滞」あるいは「水毒」と表現します。五苓散はこの水の偏りを整える代表的な処方として位置づけられ、利水剤と呼ばれるグループに属します。


内科や小児科、耳鼻咽喉科、脳神経内科など、幅広い診療科で処方される漢方薬です。


五苓散という処方の成り立ち

五苓散は、中国の後漢時代に成立したとされる古典医書『傷寒論』および『金匱要略』に収載されている処方です。1800年以上の歴史を持つ古方に分類されます。


名称の由来には、構成生薬のひとつであるチョレイが関係しているとされています。もともとは主薬にちなんで猪苓散と呼ばれていたものの、同名で構成の異なる処方が存在したため、5種類の生薬から成ることを示す名称へと変わっていったという説が知られています。


日本では1986年に医療用の五苓散エキス顆粒が販売開始されており、医療現場で長く使われてきた実績があります。


「五苓散」と「五苓散料」の違い

製品名を見比べると、「五苓散エキス顆粒」と「五苓散料エキス錠」のように、「料」の有無が異なることに気づきます。この違いに戸惑う方は少なくありません。


もともと漢方の剤形には、生薬を粉末にして用いる「散」と、煎じて液体として用いる「湯」があります。五苓散は名称のとおり、本来は粉末として用いる処方です。


一方、現在流通しているエキス製剤の多くは、生薬を煎じて得たエキスを乾燥させて作られています。つまり「散」として作られた処方を煎じる形で用いていることになるため、その旨を示して「五苓散料」と表記する製品があるのです。


したがって、「五苓散エキス」と「五苓散料エキス」は、処方そのものが違うわけではありません。製造上の考え方の違いを名称に反映しているかどうかの差と理解して差し支えありません。


五苓散エキスの読み方と製品番号

五苓散の読み方は「ごれいさん」です。「料」がつく場合は「ごれいさんりょう」と読みます。


医療用の漢方製剤には製造販売元ごとに番号が振られており、ツムラの製品では五苓散に17番が割り当てられています。処方箋や薬袋に「ツムラ17」と記載されているのを見かけることがありますが、これはこの番号を指しています。


なお番号はメーカーごとの管理番号であり、他社の製品では異なる番号が使われている場合があります。

五苓散エキスに含まれる5つの生薬

五苓散エキスの特徴を理解するうえで、含まれる生薬を押さえておくと役立ちます。


ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)の場合、1日量7.5g中に混合生薬の乾燥エキス2.0gが含まれており、その原料となる生薬の配合はタクシャ4.0g、ソウジュツ3.0g、チョレイ3.0g、ブクリョウ3.0g、ケイヒ1.5gとなっています。


タクシャ・チョレイ・ブクリョウ

タクシャは、サジオモダカという水生植物の塊茎を用いた生薬です。この処方の中で最も配合量が多く、中心的な役割を担っています。


チョレイは、チョレイマイタケという菌類の菌核を乾燥させたものです。処方名の由来にも関わる生薬とされています。


ブクリョウは、マツの根に寄生する菌類の菌核を用いた生薬で、数多くの漢方処方に配合されています。


これら3つはいずれも、体内の水分の巡りに関わる生薬として位置づけられています。


ソウジュツとケイヒ

ソウジュツは、キク科の植物の根茎を用いた生薬です。製品によってはビャクジュツが用いられることもあり、メーカーによる違いが生じる部分でもあります。


ケイヒは、いわゆるシナモンの原料となる樹皮を用いた生薬です。この処方の中では配合量が最も少ないものの、体を温める方向に働く生薬として組み込まれています。五苓散エキス製剤を口に含んだときにわずかに辛みを感じるのは、この生薬によるものです。


甘草を含まない処方であること

漢方薬について語られる際によく話題になるのが、カンゾウという生薬です。多くの漢方処方に含まれており、複数の漢方薬を併用すると摂取量が重なりやすいことが知られています。


カンゾウを多く摂ることで、血圧の上昇やむくみ、体のだるさ、手足のしびれといった症状が現れる偽アルドステロン症が問題になることがあります。


五苓散はカンゾウを含まない処方です。この点は、他の漢方薬と併用する場面や、長期にわたって使用する場面で考慮される要素のひとつとなっています。


ただし、カンゾウを含まないからといって注意が不要というわけではありません。他の漢方製剤を併用する場合は、含有生薬の重複に注意することが添付文書でも求められています。

五苓散エキスの効果と作用の仕組み

五苓散エキスがどのように働くのかについては、いくつかの薬理作用が報告されています。


アクアポリンを介した水分の調節

近年の研究では、アクアポリンと呼ばれる水の通り道に関わるタンパク質への作用を通じて、体内の水分調節に影響する可能性が示されています。

動物実験では、腎臓における水分の再吸収に関わる働きを調節し、尿量を増やす作用が報告されています。


利尿作用と利水作用の違い

五苓散は、単純に尿量を増やすことを目的とした薬ではなく、漢方では体内の水分バランスを整える「利水」という考え方に基づいて用いられます。

動物実験では、水分が過剰な状態で尿量を増加させる作用が報告されています。ただし、こうした結果がそのままヒトでの作用を示すものではありません。


止瀉作用と口渇に対する作用

五苓散には、下痢や口渇に対する作用も報告されています。

動物実験では、下痢を抑える作用や唾液分泌の低下を抑える作用が示されています。ただし、これらは動物実験の結果であり、そのままヒトでの作用を示すものではありません。

五苓散は、体内の水分バランスを整えるという考え方のもと、口渇や下痢などを伴う場合にも用いられます。

五苓散エキス製剤の効能・効果

ここで注意しておきたいのが、同じ五苓散でありながら、製品によって承認されている効能効果が異なるという点です。処方された製品の添付文書を確認することが基本になります。


ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)の効能・効果

五苓散は、口渇や尿量の減少を伴う場合に、むくみ、下痢、吐き気、めまい、頭痛などの症状に用いられます。

症状や体質によって適否が異なるため、使用する際は医師や薬剤師に相談しましょう。


クラシエ五苓散料エキス錠の効能・効果

クラシエ五苓散料エキス錠の効能効果は、「のどが渇いて、尿量が少なく、はき気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症」として、水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、頭痛、むくみが挙げられています。急性胃腸炎については、しぶり腹のものには使用しないという注記が添えられています。


比べてみると、ネフローゼ、尿毒症、糖尿病、二日酔、めまいといった項目が含まれていないことがわかります。


メーカーによって効能・効果が異なる理由

同じ五苓散でも、メーカーによって効能・効果の記載が異なる場合があります。

そのため、使用する際は手元の製品の添付文書を確認し、自分の症状が対象となっているか確かめることが大切です。


一般用の五苓散エキス製剤の効能・効果

ドラッグストアなどで購入できる一般用の製品では、効能効果の範囲がさらに限定されます。


のどが渇いて尿量が少ないものを対象として、水様性の下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔といった症状が挙げられています。ネフローゼや尿毒症、糖尿病といった医療機関での管理が必要な疾患は含まれていません。


製品ごとに記載が異なるため、購入時にはパッケージや添付文書の効能効果を必ず確認してください。


五苓散エキスの飲み方と飲むタイミング

五苓散エキス製剤の用法用量も、製品によって異なります。


ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)の用法用量

通常、成人1日7.5gを2回から3回に分割し、食前または食間に経口投与するとされています。年齢、体重、症状により適宜増減されます。


分包品では1包が2.5gに設定されているため、1日3包を目安に飲む形が一般的です。


クラシエ五苓散料エキス錠・細粒の用法用量

クラシエ五苓散料エキス錠では、通常、成人1日18錠を2回から3回に分割し、食前または食間に経口投与するとされています。


錠剤は、顆粒が苦手な方でも服用しやすい一方、1日に服用する錠数が多くなることがあります。細粒は製品によって服用量が異なるため、医師や薬剤師の指示に従って服用してください。 


食前・食間に飲む理由

漢方薬の多くは食前または食間に飲むよう指示されます。食間とは食事と食事の間、つまり食後2時間程度を経過した空腹の時間帯を指します。食事中という意味ではありません。


空腹時に飲むことが基本とされるのは、生薬の成分が吸収されやすいと考えられているためです。


ただし、胃腸が弱く空腹時に飲むと不快感が出る場合には、食後に変更されることもあります。飲むタイミングで困っている場合は、医師や薬剤師に相談してください。


飲み忘れたときの対応

飲み忘れに気づいたときは、次に飲む時間まで十分な間隔があるかどうかで判断します。次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして次の分から通常どおり服用してください。2回分を一度に飲むことは避けてください。


顆粒が飲みにくいときの工夫

漢方の顆粒は独特の味やにおいがあり、飲みにくさを感じる方がいます。


少量の白湯に溶かして飲む方法や、オブラートを利用する方法が知られています。特に五苓散エキス顆粒は、温かい湯に溶かして飲む方法が紹介されることがあります。


ただし、他の飲み物や食品に混ぜてよいかどうかは製品や状況によって判断が分かれます。自己流で工夫する前に、薬剤師に確認することをおすすめします。


五苓散エキスの処方が検討されるケース・注意が必要な人

五苓散エキスは体力の程度を問わず用いやすい処方とされていますが、誰にでも適しているわけではありません。


五苓散エキスの処方が検討される主なケース

のどが渇いて水分を多く摂るにもかかわらず、尿の量が少ないという状態が基本的な目安になります。そのうえで、むくみ、水のような下痢、吐き気、嘔吐、頭痛、めまいといった症状をともなう場合が対象とされています。


暑い時期に体調を崩しやすい方、飲みすぎた翌日の不調が気になる方、天候の変化にともなう頭痛が気になる方が用いることもあります。


いずれの場合も、症状が該当していれば必ず適しているというわけではなく、漢方でいう証に合っているかどうかが判断の中心になります。


五苓散エキスの服用に注意が必要な人

使用にあたって患者の証を考慮して投与すること、経過を十分に観察し、症状や所見の改善が認められない場合には継続投与を避けることが求められています。


妊娠中の方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。授乳中の方については、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して、授乳を続けるか中止するかを検討することとされています。


高齢の方については、一般に体の機能が低下していることから、減量するなど注意して投与することとされています。


持病がある方、他に薬を飲んでいる方は、開始前に必ずその旨を医師または薬剤師に伝えてください。


五苓散エキスは子供に使えるか

五苓散は子どもに処方されることもありますが、小児を対象とした臨床試験は実施されていなませ。 


実際の使用にあたっては、年齢や体重に応じて量が調整されます。市販品にも小児向けの用法が設定されているものがありますが、対象年齢は製品によって異なります。


お子さんに使う場合は、自己判断で大人用の量を減らして与えるようなことはせず、小児科や薬剤師に相談してください。

五苓散エキスの副作用と注意点

漢方薬は副作用がないと思われがちですが、医薬品である以上、副作用の報告があります。


五苓散エキスで報告されている副作用

ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)の添付文書には、重大な副作用の項目は設けられていません。その他の副作用として、次の2つが挙げられています。


ひとつは過敏症で、発疹、発赤、そう痒などです。もうひとつは肝臓に関するもので、AST、ALT、γ-GTPなどの上昇をともなう肝機能異常です。いずれも頻度は不明とされています。


発疹や強いだるさなど、気になる症状がみられた場合は、自己判断で服用を続けず、医師や薬剤師に相談してください。


五苓散エキスと他の漢方薬を併用するときの注意

他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意することが求められています。


漢方薬は複数の生薬から構成されているため、別々の処方であっても同じ生薬が含まれていることがあります。その場合、意図せず特定の生薬を多く摂ることになります。


複数の医療機関から漢方薬を処方されている場合や、市販の漢方薬を併用したい場合は、お薬手帳を提示したうえで薬剤師に確認してください。


五苓散エキスの効果を感じないときの考え方

経過を十分に観察し、症状や所見の改善が認められない場合には継続投与を避けることと明記されています。


漢方薬は長く飲まなければ効かないという印象を持たれることがありますが、五苓散のように急性の症状に用いられる処方では、比較的短い期間で判断されることもあります。

一定期間服用しても症状が改善しない場合は、漢方薬が体質や症状に合っていない可能性や、別の原因が隠れている可能性があります。自己判断で服用量を増やさず、処方した医師に相談してください。

五苓散エキスの製品ごとの違い

五苓散エキス製剤は複数のメーカーから販売されており、名称も剤形も異なります。


ツムラ・クラシエ・コタローの違い

医療用では、ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)、クラシエ五苓散料エキス錠および細粒、コタロー五苓散料エキス細粒などが流通しています。


いずれも五苓散という同じ処方に基づいていますが、生薬の配合量や抽出方法、1日量、効能・効果の記載は製品によって異なる場合があります。そのため、使用する製品の添付文書を確認することが大切です。


また、ソウジュツを用いるかビャクジュツを用いるかといった構成生薬の選択にも違いが生じることがあります。


顆粒・細粒・錠剤という剤形の違い

剤形は主に顆粒、細粒、錠剤の3種類です。


顆粒と細粒は粒の大きさが異なるもので、いずれも粉末状の製剤です。水や白湯で服用します。錠剤は飲み込みやすい一方、1日に必要な錠数が多くなる傾向があります。


味やにおいが苦手な方には錠剤が選ばれることがあります。どの剤形が適しているかは、飲みやすさや生活スタイルによって変わるため、希望があれば処方時に伝えてください。


医療用と一般用の五苓散エキス製剤の違い

医療用と一般用では、含まれるエキスの量が異なることが一般的です。一般用の製品では、医療用の2分の1量や3分の2量といった設定になっているものがあります。


また、一般用の製品の中には、エキスではなく生薬を粉末にしたものを用いているタイプもあります。パッケージの成分表示を確認すると、「エキス」と記載されているか「末」と記載されているかで判別できます。


効能・効果の範囲は、医療用と一般用で異なる場合があります。 市販品で対応できる範囲かどうかは、購入時に薬剤師や登録販売者に相談してください。


茵蔯五苓散との違い

名称の似た処方として、茵蔯五苓散があります。五苓散にインチンコウという生薬を加えた処方で、別の医薬品として扱われます。


用いられる場面も異なるため、五苓散エキス製剤と混同しないよう注意してください。処方箋に記載された製品名を正確に確認することが大切です。

五苓散エキスは市販で買える?

五苓散エキスは、医療用と一般用の両方が流通しています。


市販の五苓散エキス製剤

ドラッグストアや薬局では、一般用医薬品として五苓散エキスを含む製品が販売されています。ツムラ、クラシエ、コタローなど複数のメーカーから、顆粒や錠剤の形で流通しています。


一時的なむくみや二日酔、水様性の下痢といった症状であれば、市販品で様子を見るという選択肢はあります。


一方、むくみが長く続く場合、急に体重が増えた場合、尿の量が明らかに減った場合、息苦しさをともなう場合などは、腎臓や心臓の疾患が背景にある可能性があります。市販品で対応を続けず、医療機関を受診してください。


薬価と市販価格

医療用の薬価は、ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)で1gあたり13.5円、クラシエ五苓散料エキス錠で1錠あたり6.3円と添付文書に示されています。保険が適用されるため、窓口での負担はこれに自己負担割合を掛けた金額に、診察料などが加わる形になります。


市販品は全額自己負担となり、価格はメーカーや包装によって幅があります。症状が継続・再発する場合は、自己判断で市販品を使い続けず、医療機関を受診して適切な診断と指導を受けることが推奨されます。


医療機関で処方してもらう場合

処方を希望する場合は、内科を受診するのが一般的です。お子さんであれば小児科、頭痛が主な悩みであれば脳神経内科や頭痛外来で相談できることもあります。


漢方薬は保険診療で処方されるため、症状に応じた病名がつけられます。むくみや下痢、頭痛といった症状が、その製品の効能効果の範囲に含まれているかどうかが処方の前提になります。


診察の際には、のどの渇きの有無、尿の量や回数、むくみの出方、症状が出やすい状況などを具体的に伝えると、漢方薬が適しているかを判断する参考になります。 


五苓散エキスに関するよくある質問

五苓散エキスについて検索されることの多い疑問をまとめました。


五苓散エキスは何に効く薬ですか。

体内の水分の偏りを整えることを目的とした漢方薬です。のどが渇いて尿量が少ない状態を前提に、むくみ、水様性の下痢、吐き気、嘔吐、めまい、頭痛、二日酔、暑気あたりなどに用いられます。承認されている効能効果は製品によって異なるため、手元の製品の添付文書を確認してください。


ツムラとクラシエで効果は違いますか。

処方の考え方は同じですが、生薬の配合量や1日量、承認されている効能効果には差があります。ツムラの医療用製品にはネフローゼや尿毒症、糖尿病、二日酔、めまいが含まれる一方、クラシエ五苓散料エキス錠にはこれらの記載がありません。


五苓散エキスを飲むと痩せますか。

体重の減少や肥満の改善は、承認された効能効果に含まれていません。水分の偏りが整うことで一時的に体重の数値が動くことはありえますが、脂肪が減る性質のものではありません。ダイエットを目的とした使用は範囲外にあたります。


子供でも飲めますか。

小児科で用いられることのある漢方薬ですが、医療用の添付文書には小児等を対象とした臨床試験は実施していないと記載されています。年齢や体重に応じた調整が必要なため、必ず小児科や薬剤師に相談してください。


五苓散エキスはいつ飲むのが正しいですか。

食前または食間に飲むよう指示されています。食間とは食事と食事の間、食後2時間程度の空腹時を指し、食事中という意味ではありません。空腹時に胃の不快感が出る場合は、飲むタイミングの変更を相談してください。


五苓散エキスに副作用はありますか。

発疹、発赤、そう痒といった過敏症と、AST、ALT、γ-GTPなどの上昇をともなう肝機能異常が報告されています。いずれも頻度は不明とされています。漢方薬であっても副作用はあるため、異変を感じたら相談してください。


妊娠中でも飲めますか。

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。自己判断で市販品を使わず、必ず医師に相談してください。


効果が出るまでどのくらいかかりますか。

症状や体質によって異なります。急性の症状に用いる場合は比較的早く変化を感じることもありますが、一定期間続けても改善が見られない場合は継続投与を避けることとされています。漫然と飲み続けず、経過を医師に伝えてください。

五苓散エキスの効果と副作用に関するまとめ

五苓散エキスは、タクシャ、ソウジュツ、チョレイ、ブクリョウ、ケイヒの5種類の生薬から成る漢方処方をもとにした医薬品です。『傷寒論』『金匱要略』に由来する古典的な処方で、体内の水分の偏りを整える利水剤として位置づけられています。


作用の仕組みとしては、アクアポリンという水の通り道に関わる遺伝子発現への影響が報告されており、水分が過剰なときには排出を促し、不足しているときには過剰に出さないという調節的な働きが示唆されています。一般的な利尿薬とは考え方が異なる点が特徴です。


注意しておきたいのが、同じ五苓散でも製品によって効能効果や1日量が異なることです。ツムラ五苓散エキス顆粒(医療用)にはネフローゼや尿毒症、糖尿病が含まれる一方、クラシエ五苓散料エキス錠には含まれていません。手元の製品の添付文書を確認することが基本になります。


副作用としては過敏症と肝機能異常が報告されており、いずれも頻度は不明とされています。カンゾウを含まない処方である点は他の漢方薬と併用する場面で考慮されますが、含有生薬の重複への注意は変わらず必要です。


体重を減らすことを目的とした効能効果は承認されておらず、ダイエットのために用いるものではありません。また、むくみや下痢が長く続く場合には、腎臓や心臓、消化器の疾患が背景にある可能性があります。市販品で様子を見続けず、医療機関で原因を確かめることをおすすめします。

参照リンク

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