ウルソデオキシコール酸とは?効果・副作用・飲み方と市販薬との違いを解説
健康診断で肝機能の数値を指摘された、胆石が見つかった、胆汁の分泌に関連する消化不良がある。 こうしたきっかけで処方される薬のひとつがウルソデオキシコール酸です。
ウルソデオキシコール酸は長く使われてきた薬でありながら、何のための薬なのかがわかりにくいと感じる方は少なくありません。肝臓の薬とも胆のうの薬とも胃腸の薬とも説明され、実際にそのすべてに関わっているためです。ドラッグストアでウルソデオキシコール酸を含む市販薬を見かけたことがある方もいるでしょう。
この記事では、ウルソデオキシコール酸の承認されている効能効果、作用機序、効果が出るまでの期間、飲み方と飲むタイミング、副作用と飲み合わせ、痩せるという話の真偽、そして市販薬と処方薬の違いまでを、添付文書などの公開情報をもとに整理してお伝えします。
※注意事項
本記事は、執筆時点で公開されている添付文書などの情報をもとにした一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療や薬剤の使用をすすめるものではありません。診断や治療方針の決定に代わるものではない点をご理解ください。
ウルソデオキシコール酸の効果や副作用の現れ方には個人差があります。同じ薬であっても、体質や年齢、持病の有無、併用している薬によって適否は変わるとされています。
医療用医薬品としてのウルソデオキシコール酸錠は、医師の処方が必要です。服用の可否や用法用量については、必ず医師または薬剤師の判断を仰いでください。自己判断での服用や、他の人に処方された薬を使用することは避けてください。同じ成分を含む市販薬もありますが、承認されている効能効果の範囲が異なります。
ウルソデオキシコール酸には、体重を減らすことや二日酔いを解消することを目的とした効能効果は承認されていません。こうした目的での使用は範囲外にあたります。
肝機能の数値の異常や腹部の痛みは、その背景に検査が必要な疾患が隠れている場合があります。症状がある場合は自己判断せず、医療機関で原因を確かめてください。
添付文書の内容や薬価は改訂されることがあります。最新の情報については、製造販売元の公式情報や医療機関でご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の医療行為·医薬品の使用を推奨するものではありません。治療や服薬に関しては必ず医師にご相談ください。
※オンライン診療では触診や精密検査が行えないため、症状によっては対面受診を勧められる場合があります。
※記載の料金·診療時間·処方薬の取り扱い等は2026年8月時点の情報です。最新情報はクリニックの公式サイトをご確認ください。
ウルソデオキシコール酸とは?効果・効能と特徴
ウルソデオキシコール酸は、薬効分類上「肝・胆・消化機能改善剤」に分類される医療用医薬品の有効成分です。肝臓や胆道に作用し、消化機能にも関わる点が、ウルソデオキシコール酸の特徴です。
内科や消化器内科で処方されることが多く、健康診断で肝機能の数値を指摘された方や、胆石が見つかった方に対して用いられます。
ウルソデオキシコール酸は胆汁酸の一種
ウルソデオキシコール酸は、人の体内にもともと存在する胆汁酸の一種です。胆汁酸は肝臓でコレステロールから作られ、胆汁の主成分として脂質の消化吸収を助けています。
体内の胆汁酸にはいくつかの種類があり、性質もそれぞれ異なります。細胞にとって刺激の強いものもあれば、比較的おだやかなものもあります。ウルソデオキシコール酸は、後者に近い性質を持つとされています。
ウルソデオキシコール酸という名前の由来は、クマを意味するラテン語のUrsusにあります。クマの胆のうを乾燥させたものが古くから生薬として用いられてきた歴史があり、その中に含まれる成分として見出された経緯があるためです。現在流通しているウルソデオキシコール酸は化学的に製造されており、動物から採取したものではありません。
ウルソデオキシコール酸の効能・効果
ウルソデオキシコール酸の承認された効能効果は、次のとおりです。
胆道系疾患および胆汁うっ滞をともなう肝疾患における利胆。慢性肝疾患における肝機能の改善。小腸切除後遺症や炎症性小腸疾患における消化不良。外殻の石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解。原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善。C型慢性肝疾患における肝機能の改善。
このように対象が幅広いのがウルソデオキシコール酸の効能効果の特徴です。利胆というのは胆汁の分泌を促すことを意味します。
なおC型慢性肝疾患については、添付文書に注意書きがあります。まずウイルスを排除する治療を考慮することが望ましく、ウルソデオキシコール酸にウイルスを排除する作用はないため、インターフェロン治療が無効だった場合や適用できない場合に投与を考慮することとされています。
ウルソデオキシコール酸錠とウルソ錠の関係
「ウルソ」は、田辺ファーマが製造販売する先発医薬品の商品名です。その有効成分がウルソデオキシコール酸にあたります。
処方箋やお薬手帳に「ウルソデオキシコール酸錠100mg」と記載されている場合、それはウルソ錠と同じ有効成分を含む後発医薬品、いわゆるジェネリック医薬品です。後発医薬品には製造販売元の名称が付記されることが一般的で、カギカッコの中に会社名が入る表記を見かけるのはそのためです。
ウルソデオキシコール酸錠の後発医薬品については、先発品との生物学的同等性が確認されています。有効成分と含有量が同じであれば、期待される働きも基本的に同等とされています。
ウルソデオキシコール酸錠50mgと100mgの違いと薬価
ウルソデオキシコール酸錠には50mgと100mgの2つの規格があります。効能効果によって必要な1日量が大きく異なるため、規格を使い分ける形になっています。
薬価は改定によって変動します。ウルソ錠50mg・100mgの薬価については、最新の薬価基準を確認する必要があります。 含有量が2倍でも同じ価格であるため、多い量を必要とする場合にはウルソデオキシコール酸錠100mgのほうが費用の面で有利になります。
ウルソデオキシコール酸の作用機序と効果の仕組み
ウルソデオキシコール酸の作用機序は単一の働きではなく、複数の作用が組み合わさって効果を発揮すると考えられています。
ウルソデオキシコール酸の利胆作用
ウルソデオキシコール酸は胆汁の分泌を促進する作用によって胆汁うっ滞を改善するとされています。これが利胆作用と呼ばれるものです。
胆石を摘出する手術を受けた患者を対象とした試験では、ウルソデオキシコール酸を1日150mg、14日間服用してもらったところ、肝臓から分泌される胆汁の流量が服用5日目から増加したと報告されています。
胆汁の流れがよくなることで、脂質の消化吸収が助けられ、胃のもたれや消化不良の改善にもつながると考えられています。
疎水性胆汁酸と置き換わる置換効果
ウルソデオキシコール酸の作用機序として重要なのが、置換効果と呼ばれる働きです。
体内の胆汁酸の中には、細胞を傷つける作用が強いものがあります。これらは疎水性胆汁酸と呼ばれ、肝臓の細胞に負担をかける要因のひとつと考えられています。
ウルソデオキシコール酸を服用すると、肝臓においてこの疎水性胆汁酸と置き換わり、胆汁酸全体に占める割合が変化します。その結果、肝細胞への障害が軽減されるという仕組みです。
抗炎症作用と肝機能の改善
ウルソデオキシコール酸は、炎症に関わる物質の産生を抑える働きや、肝臓への炎症細胞の浸潤を抑える働きによって肝機能を改善するとされています。
ウルソデオキシコール酸の胆石溶解作用
コレステロール系の胆石に対しては、また別のウルソデオキシコール酸の働きが関わっています。
胆のうの胆汁に含まれるコレステロールの相対的な比率を下げること、胆汁中に液晶を形成してコレステロールを溶け込ませること、腸でのコレステロールの吸収を抑えることなどが報告されています。これらが組み合わさることで、胆石が溶けやすい環境をつくると考えられています。
ただし、ウルソデオキシコール酸による胆石溶解の対象となるのは、外殻の石灰化を認めないコレステロール系の胆石に限られます。すべての胆石が対象になるわけではありません。
ウルソデオキシコール酸の腸肝循環
ウルソデオキシコール酸を理解するうえで欠かせないのが、腸肝循環という仕組みです。
服用したウルソデオキシコール酸は腸で吸収され、肝臓と胆のうを経て、再び腸に排出されます。そしてまた腸で吸収されるという循環を繰り返します。
健康な成人を対象とした試験では、腸肝循環しているウルソデオキシコール酸の量は約940mgと報告されており、服用したもののほとんどがこの循環に入っていたとされています。また、胆汁中の胆汁酸に占めるウルソデオキシコール酸の割合は最大で56パーセントに達したと報告されています。
ウルソデオキシコール酸は、腸から吸収されて肝臓に運ばれ、胆汁とともに腸へ排泄された後、再び吸収されるという循環を繰り返します。
ウルソデオキシコール酸の効果が出るまでの期間
ウルソデオキシコール酸の効果が出るまでの期間は、何を目的として服用しているかによって大きく変わります。
ウルソデオキシコール酸の血中濃度の推移
健康な成人を対象とした試験では、ウルソデオキシコール酸200mgを服用したときの血清中の最高濃度は1.90マイクログラム毎ミリリットル、400mgを服用したときは7.09マイクログラム毎ミリリットルと報告されています。
ただし、ウルソデオキシコール酸は血液中の濃度が高くなることで全身に作用するタイプの薬ではありません。腸肝循環によって消化器系の中を巡りながら働くため、血中濃度の数値がそのまま効果の指標になるわけではありません。
効果が出るまでの期間は目的によって異なる
ウルソデオキシコール酸の臨床試験で用いられた期間を見ると、目的によって差があります。
胆道系疾患の自覚症状に対する試験では2週間、慢性肝疾患の肝機能に対する試験では4週間の投与で、有効成分を含まない比較用の薬と比べて有意な改善が認められたと報告されています。
一方、コレステロール系胆石の溶解を目的とした試験では6か月から12か月の投与が行われています。原発性胆汁性肝硬変に対する試験では24週間、C型慢性肝炎に対する試験でも24週間の投与で評価されています。
つまり、胃のもたれや腹部の症状であれば比較的短い期間で変化が期待される一方、胆石を溶かす目的では年単位に近い継続が前提になるということです。ウルソデオキシコール酸の効果が現れるまでの期間は、治療の目的によって異なります。
ウルソデオキシコール酸の効果を感じないときの考え方
自覚症状がない場合は、服用による変化を自覚しにくいことがあります。 だからといって自己判断で中止すると、数値が元に戻ってしまう可能性があります。
一定期間の服用でも検査値や症状に改善が見られない場合は、自己判断での増量や中止をせず、処方した医師に相談してください。
ウルソデオキシコール酸の飲み方と飲むタイミング
ウルソデオキシコール酸の飲み方は、処方された目的によって用量が変わる点が特徴です。
用法用量は効能ごとに異なる
ウルソデオキシコール酸は、目的によって1日量が大きく変わります。処方された量が人によって違うのはこのためです。
利胆、慢性肝疾患における肝機能の改善、小腸切除後遺症などにともなう消化不良を目的とする場合は、通常、成人1回50mgを1日3回服用します。1日150mgが基本です。
外殻の石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解を目的とする場合は、ウルソデオキシコール酸として1日600mgを3回に分けて服用します。
原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善、およびC型慢性肝疾患における肝機能の改善を目的とする場合も1日600mgを3回に分けて服用し、増量する場合の1日最大投与量は900mgとされています。
同じウルソデオキシコール酸錠でも1日150mgから900mgまで幅があるということです。他の人と量が違っても、目的が違えば当然のことといえます。
ウルソデオキシコール酸を飲むタイミングと食事の影響
添付文書にウルソデオキシコール酸の服用時間の指定はなく、食前や食後といった条件は定められていません。1日3回に分けて服用するという指示が基本になります。
実際には、飲み忘れを防ぐ観点から食後に設定されることが多いようです。処方の際に飲むタイミングの指示があればそれに従ってください。
なお、ウルソデオキシコール酸を含む市販薬の中には1日1回服用する製品もあります。 処方薬とは用量も回数も異なるため、混同しないよう注意してください。
ウルソデオキシコール酸を飲み忘れたとき
ウルソデオキシコール酸の飲み忘れに気づいたときは、次に飲む時間まで十分な間隔があるかどうかで判断します。次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飛ばして次の分から通常どおり服用してください。2回分を一度に飲むことは避けてください。
判断に迷う場合は、処方を受けた医療機関や調剤を受けた薬局に問い合わせてください。
ウルソデオキシコール酸錠の保管方法
直射日光や高温多湿を避け、室温で保管してください。ウルソデオキシコール酸錠はPTPシートから取り出して服用します。シートのまま誤って飲み込むと、鋭利な角が食道の粘膜に刺さり、重い合併症につながるおそれがあることが添付文書で注意喚起されています。
ウルソデオキシコール酸の処方が検討されるケース・服用できない人
ウルソデオキシコール酸は比較的使いやすい部類の薬とされていますが、すべての方に適しているわけではありません。
ウルソデオキシコール酸の処方が検討される主なケース
胆道系の疾患や胆汁うっ滞をともなう肝疾患がある方、慢性肝疾患で肝機能の改善を目的に治療を受けている方、小腸の切除後や炎症性の小腸疾患によって消化不良が生じている方が、ウルソデオキシコール酸の対象です。
また、外殻の石灰化を認めないコレステロール系の胆石がある方、原発性胆汁性肝硬変の方、C型慢性肝疾患の方も、それぞれの条件のもとで対象となります。
いずれも診断と検査を経たうえで判断されるものです。
ウルソデオキシコール酸を服用できない人〈禁忌〉
次に該当する方にはウルソデオキシコール酸を投与しないこととされています。
ウルソデオキシコール酸を使用できない主なケースとして、完全胆道閉塞や劇症肝炎があります。
完全胆道閉塞とは、胆汁の通り道が完全にふさがっている状態です。ウルソデオキシコール酸には胆汁の分泌を促す作用があるため、このような場合には症状が悪化するおそれがあります。
また、劇症肝炎でも症状を悪化させるおそれがあるため、使用できません。
これらに該当する場合は、ウルソデオキシコール酸を服用せず、医師に相談する必要があります。
ウルソデオキシコール酸の服用に注意が必要な人
禁忌には該当しないものの、ウルソデオキシコール酸の服用にあたって慎重な判断が求められる方もいます。
重篤な膵疾患のある方は、原疾患が悪化するおそれがあるとされています。消化性潰瘍のある方は、ウルソデオキシコール酸に粘膜を刺激する作用があるため、症状が悪化するおそれがあります。
胆管に胆石のある方は、利胆作用によって胆汁うっ滞を引き起こすおそれがあるとされています。胆石があれば必ずウルソデオキシコール酸を使えるというものではなく、胆石の位置や性状によって判断が変わるということです。
原発性胆汁性肝硬変の硬変期で高度の黄疸がある方、およびC型慢性肝疾患で高度の黄疸がある方については、血清ビリルビン値の上昇などが見られた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこととされています。
妊娠中の方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。
授乳中の方については、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して、授乳を続けるか中止するかを検討することとされています。ヒトで母乳への移行が認められています。
高齢の方については、一般に体の機能が低下していることから、用量に注意して投与することとされています。
ウルソデオキシコール酸の副作用と注意点
ウルソデオキシコール酸の重大な副作用
ウルソデオキシコール酸の重大な副作用として、間質性肺炎が挙げられています。頻度は不明とされています。
発熱、咳、呼吸困難、胸部X線の異常をともなうもので、こうした症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこととされています。
ウルソデオキシコール酸の服用中に、発熱、咳、息苦しさなどの症状が現れた場合は、間質性肺炎の可能性もあるため、服用している薬を伝えたうえで医療機関を受診してください。
その他の副作用
ウルソデオキシコール酸の副作用として最も多く報告されているのが下痢で、1から5パーセント未満の頻度とされています。胆汁の分泌を促す作用の延長線上で起こるものと考えられます。
0.1から1パーセント未満の頻度では、悪心、食欲不振、便秘、胸やけ、胃部の不快感、腹痛、腹部膨満といった消化器の症状のほか、そう痒や発疹といった過敏症、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇といった肝臓に関する検査値の変化、全身倦怠感、めまいが報告されています。
0.1パーセント未満では、嘔吐、蕁麻疹、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、白血球数減少が挙げられています。頻度不明として紅斑が記載されています。
ウルソデオキシコール酸で下痢が起きたときの対処
下痢はウルソデオキシコール酸の副作用の中で最も頻度が高いものです。臨床試験でも、量が多いほど発現頻度が高くなる傾向が認められたと報告されています。
症状が軽い場合は、水分をこまめにとり、脂質の多い食事を控えるなどして様子をみることがあります。 ただし、水のような便が続く、脱水が疑われる、腹痛や発熱をともなうといった場合は受診してください。
自己判断で市販の下痢止めを使う前に、処方した医師に相談してください。 ウルソデオキシコール酸の量の調整が検討されることもあります。
副作用で肝機能の数値が上がる理由
肝機能の改善を目的として飲んでいる薬で、AST上昇やALT上昇がウルソデオキシコール酸の副作用として記載されています。
これは矛盾ではありません。ウルソデオキシコール酸そのものが肝臓に負担をかけて数値が上がる可能性と、もともとの病気に対して数値を下げる働きの両方が存在するということです。ASTやALTの上昇が原疾患によるものか、薬の影響によるものかは、検査値の推移などをみながら判断する必要があります。
そのため、ウルソデオキシコール酸の服用中は、必要に応じて血液検査で肝機能を確認します。 数値の推移を見ながら継続の可否が判断されるため、指示された検査は受けるようにしてください。
ウルソデオキシコール酸の飲み合わせと併用注意
ウルソデオキシコール酸に併用禁忌の薬は設定されていませんが、飲み合わせに注意すべき薬として複数の薬剤が挙げられています。
コレスチラミンやコレスチミドといった、コレステロールに関わる薬との併用では、ウルソデオキシコール酸と結合して吸収が遅れたり減ったりするおそれがあります。可能な限り服用の間隔をあけることとされています。
アルミニウムを含有する制酸剤との飲み合わせでも、ウルソデオキシコール酸が吸着されて吸収が阻害されるおそれがあります。水酸化アルミニウムゲルや合成ケイ酸アルミニウムを含む胃薬が該当します。市販の胃腸薬にもこうした成分が含まれていることがあるため、併用する場合は薬剤師に確認してください。
クロフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラートといった脂質を下げる薬については、ウルソデオキシコール酸を胆石の溶解を目的として使用する場合に作用を弱めるおそれがあるとされています。これらの薬は胆汁中へのコレステロールの分泌を促すため、胆石の形成が促進される可能性があるという理由によるものです。
ウルソデオキシコール酸は痩せる薬なのか
ウルソデオキシコール酸で痩せるのではないかという情報は広く見られますが、承認された効能効果に基づくものではありません。
痩せる効能は承認されていない
ウルソデオキシコール酸について調べていると、痩せるのではないかという情報を目にすることがあります。胆汁酸と脂肪の代謝を結びつけた説明を見かけることもあります。
ウルソデオキシコール酸の承認された効能・効果に、体重減少や肥満の改善は含まれていません。ダイエットを目的とした使用は、承認された効能・効果の範囲外です。
体重を減らすことを目的に手元のウルソデオキシコール酸錠を飲んだり、そのために処方を求めたりすることは避けてください。
ウルソデオキシコール酸と脂肪肝の関係
ウルソデオキシコール酸は、脂肪肝に伴う肝機能異常に対して使用されることがあります。 慢性肝疾患における肝機能の改善という効能効果があるため、肝機能の数値が高い状態に対して処方されることはあります。
ただし、脂肪肝そのものは、ウルソデオキシコール酸の承認された効能・効果には含まれていません。 また、脂肪肝の背景には食生活や運動習慣、飲酒、体重といった要因があり、ウルソデオキシコール酸だけで解決する性質のものでもありません。
肝機能の数値を指摘された場合は、まず原因を確かめることが先決です。そのうえで、生活習慣の見直しと必要な治療が検討されます。
ウルソデオキシコール酸は二日酔いに使えるのか
ウルソデオキシコール酸が二日酔いに効くのではないかという疑問もよく見られます。肝臓に関わる薬という印象から連想されるものと考えられます。
ウルソデオキシコール酸の承認された効能効果に二日酔いは含まれていません。二日酔いの改善を目的に、手元にあるウルソデオキシコール酸を自己判断で服用することは避けてください。
なお、飲酒によって肝機能の数値が高くなっている場合は、薬に頼る前に飲酒量そのものを見直すことが本質的な対応になります。
ウルソデオキシコール酸の市販薬はある?
ウルソデオキシコール酸の市販薬は購入できる
ウルソデオキシコール酸を含む市販薬は販売されています。第3類医薬品として、薬局やドラッグストアで購入できます。
代表的なものとして、医療用のウルソ錠と同じ田辺三菱製薬が販売する「タナベ胃腸薬ウルソ」があります。そのほか、佐藤製薬の「レバウルソ」や「ハイウルソ顆粒」など、ウルソデオキシコール酸を配合した製品が複数流通しています。
ウルソデオキシコール酸の市販薬と処方薬の違い
ウルソデオキシコール酸の市販薬と処方薬は、同じ成分ではあるものの、承認されている効能効果と用量が異なります。ここが最も重要な違いです。
市販薬の効能効果は、胃もたれ、消化不良、消化不良による胃部や腹部の膨満感、食欲不振、消化促進、食べ過ぎ、胸つかえといった消化器の不調に限られています。医療用医薬品にある慢性肝疾患における肝機能の改善や、コレステロール系胆石の溶解、原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善は含まれていません。
用量も異なります。ウルソデオキシコール酸の市販薬の代表的な製品では、1日量として1錠に50mgが配合されており、1日1回の服用です。これに対して医療用のウルソデオキシコール酸錠では1日150mgから900mgが用いられます。
つまり、ウルソデオキシコール酸の市販薬は消化器の不調に対する日常的なケアを想定した設計であり、肝臓や胆道の病気の治療を目的としたものではないということです。
ウルソデオキシコール酸の市販薬で対応してよい範囲
脂っこいものを食べたときのもたれや、食べ過ぎによる胃部の不快感といった一時的な不調であれば、ウルソデオキシコール酸の市販薬で様子を見るという選択肢はあります。
一方、次のような場合は、市販薬で様子をみ続けず、医療機関を受診してください。健康診断で肝機能異常を指摘された場合、みぞおちや右上腹部の痛みを繰り返す場合、白目や皮膚が黄色くなる黄疸がみられる場合、尿が濃くなったり便が白っぽくなったりした場合、発熱を伴う腹痛がある場合です。
これらは胆石や胆道の炎症、肝臓の疾患を示唆する可能性があります。市販薬で症状をやわらげているうちに、原因の発見が遅れることは避けたいところです。
ウルソデオキシコール酸の通販・個人輸入のリスク
インターネット上には、海外から医薬品を取り寄せる個人輸入代行を名乗るサイトが存在します。ウルソデオキシコール酸は国内で市販薬が手に入る成分でありながら、より高用量のものを求めて通販や個人輸入を検討する方がいます。
しかし、届いた製品が本物である保証はありません。有効成分が入っていない、量が表示と異なる、不純物が混入しているといった偽造医薬品の問題が国内外で報告されています。
また、医薬品副作用被害救済制度は国内で適正に使用された医薬品による健康被害を対象としており、個人輸入したものは対象外です。
何より、ウルソデオキシコール酸の高用量が必要な状態というのは、診断と定期的な検査が必要な状態でもあります。医師の管理を離れて自己流で量を増やすことには、大きなリスクがあります。
医療機関で処方してもらう方法
ウルソデオキシコール酸の処方を希望する場合は、内科または消化器内科を受診するのが一般的です。
診察では、症状の経過に加えて血液検査や腹部超音波検査などが行われることがあります。肝機能の数値、胆石の有無や性状、胆道の状態を確認したうえで、必要な量が決められます。
ウルソデオキシコール酸の服用を開始した後も、定期的な検査を受けながら継続の可否が判断されます。数値が落ち着いてきたからといって自己判断で中止せず、医師と相談しながら進めてください。
ウルソデオキシコール酸に関するよくある質問
ウルソデオキシコール酸について検索されることの多い疑問をまとめました。
ウルソデオキシコール酸錠は何の薬ですか。
胆汁の分泌を促し、肝機能を改善し、コレステロール系の胆石を溶かす働きを持つ薬です。肝臓、胆道、消化管という3つの領域にまたがって用いられます。ウルソデオキシコール酸の承認された効能効果は複数あり、処方された目的によって1日量も変わります。
いつ飲むのが正しいですか。
ウルソデオキシコール酸の服用時間の指定はなく、食前や食後といった条件は定められていません。1日3回に分けて服用するのが基本です。飲み忘れを防ぐ観点から食後に設定されることが多いため、処方時の指示に従ってください。
ウルソデオキシコール酸は1日に何錠飲みますか。
目的によって異なります。利胆や慢性肝疾患の肝機能改善、消化不良が目的であれば1日150mgが基本です。胆石の溶解や原発性胆汁性肝硬変、C型慢性肝疾患が目的の場合は1日600mgで、増量する場合の上限は900mgとされています。処方箋の指示が優先されます。
ウルソデオキシコール酸を飲むと痩せますか。
体重減少や肥満の改善は、ウルソデオキシコール酸の承認された効能・効果には含まれていません。したがって、ダイエットを目的として使用する薬ではありません。
ウルソデオキシコール酸の市販薬と処方薬は同じものですか。
有効成分は同じですが、承認されている効能効果と用量が異なります。ウルソデオキシコール酸の市販薬は胃もたれや消化不良といった消化器の不調が対象で、1日量は50mg程度です。肝機能の改善や胆石の溶解は市販薬の効能効果に含まれていません。
ウルソデオキシコール酸は飲み続けても大丈夫ですか。
長期にわたって服用することを前提とした薬です。ただし定期的な血液検査によって、効果と安全性を確認しながら継続の可否が判断されます。なお、過去に胆石治療のために十二指腸の乳頭部の処置を受けた方では、ウルソデオキシコール酸の長期使用時にウルソデオキシコール酸を主成分とする胆石の形成が報告されています。指示された検査は必ず受けてください。
ウルソデオキシコール酸を飲んでいてもお酒を飲めますか。
飲酒に関する明確な制限はありません。ただし、肝機能の改善を目的としてウルソデオキシコール酸を服用している場合、飲酒はその目的と相反します。飲酒の可否や量については、服用している目的を踏まえて医師に確認してください。
副作用で肝機能の数値が上がることはありますか。
AST上昇やALT上昇はウルソデオキシコール酸の副作用として報告されています。一方で、もともとの病気による変化の可能性もあります。どちらであるかは検査の経過を追う必要があるため、自己判断で中止せず、結果を医師に伝えて判断を仰いでください。
ウルソデオキシコール酸の効果と副作用に関するまとめ
ウルソデオキシコール酸は、体内にもともと存在する胆汁酸の一種を有効成分とする、肝・胆・消化機能改善剤です。胆汁の分泌を促す利胆作用、細胞を傷つける性質の強い胆汁酸と置き換わる置換効果、炎症に関わる物質を抑える働き、そしてコレステロール系胆石を溶かす働きなど、複数の作用機序が組み合わさっています。
ウルソデオキシコール酸の承認された効能効果は幅広く、胆道系疾患における利胆、慢性肝疾患における肝機能の改善、小腸切除後遺症などにともなう消化不良、コレステロール系胆石の溶解、原発性胆汁性肝硬変やC型慢性肝疾患における肝機能の改善が含まれます。目的によって1日量は150mgから900mgまで幅があります。
一方で、ウルソデオキシコール酸に体重を減らすことや二日酔いを解消することを目的とした効能効果は承認されていません。痩せる薬として語られることがありますが、根拠のある使い方ではありません。
ウルソデオキシコール酸の副作用としては下痢が最も多く報告されており、重大な副作用として間質性肺炎が挙げられています。禁忌は、完全胆道閉塞のある患者と劇症肝炎の患者の2項目です。 肝機能の数値が上がることが副作用として記載されている点も、定期的な検査が求められる理由のひとつです。
同じ成分を含むウルソデオキシコール酸の市販薬は薬局やドラッグストアで購入できますが、効能効果は消化器の不調に限られ、用量も大きく異なります。健康診断で肝機能異常を指摘された場合や、腹痛を繰り返す場合は、市販薬で様子をみ続けず、医療機関を受診してください。原因となる病気がないか確認するため、必要に応じて検査を受けることが大切です。
参照リンク
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KEGG MEDICUS 医療用医薬品 ウルソ(ウルソ錠50mg 他)
-
日本医薬情報センター 添付文書情報 ウルソ錠50mg 他
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KEGG MEDICUS 一般用医薬品 タナベ胃腸薬ウルソ
-
医薬品医療機器総合機構 医薬品副作用被害救済制度