生理前の肌荒れはなぜ起こる?原因とセルフケア・低用量ピルまで解説


生理前になると決まって肌が荒れたり、あご周りにニキビができたりして、スキンケアを変えても毎月くり返してしまう、そんなお悩みはありませんか。生理前の肌荒れは、女性ホルモンの変動に伴って多くの人に起こる、ごく自然な反応です。

この記事では、生理前に肌が荒れる原因とメカニズムを整理し、生理周期に合わせたスキンケアや生活·食事でのケア、さらにセルフケアだけでは治りきらないときの選択肢である低用量ピルまでを、順を追って解説します。

この記事の監修者

国家公務員暇組合連合会虎の門病院救急科部長

東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)

1995年長崎大学卒業。亀田総合病院臨床後研修、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年国家より公務員連合連合会虎の門病院救急科部長(現職)。東京大学医学部附属病院 総合研修センター講師。東京大学医学部講師KAKENプロフィール。『早わかり! 救急科診療マニュアル』(共訳者)。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の医療行為·医薬品の使用を推奨するものではありません。治療や服薬に関しては必ず医師にご相談ください。
※オンライン診療では触診や精密検査が行えないため、症状によっては対面受診を勧められる場合があります。
※記載の料金·診療時間·処方薬の取り扱い等は2026年6月時点の情報です。最新情報はクリニックの公式サイトをご確認ください。

生理前に肌荒れ・ニキビが起こる主な原因と特徴

生理前に肌が荒れたりニキビができたりするのは、気のせいでも生活の乱れだけが原因でもなく、女性ホルモンの変動と深く関わっています。ここでは、生理前の肌荒れがなぜ起こるのか、その主な原因と特徴を次の4つの面から見ていきます。

  • プロゲステロン増加で皮脂が過剰になる
  • エストロゲン減少でバリア機能が低下する
  • 皮脂づまりでニキビや赤みが出やすくなる
  • 生理が終われば回復する一時的なもの

まずは、皮脂が増える仕組みから見ていきましょう。

プロゲステロン増加で皮脂が過剰になる

生理前に皮脂が増えやすくなる背景には、黄体ホルモン(プロゲステロン)の働きがあります。生理が始まる前の時期は「黄体期」と呼ばれ、この時期にはプロゲステロンの分泌が増えていきます。

プロゲステロンには、体温を上げる、体内に水分をため込む、気分を不安定にさせるといった働きがあり、心と体にさまざまな変化をもたらします。生理前にむくみや気分の浮き沈みを感じやすいのも、このホルモンの働きと関わりがあります。

肌に関わるところでは、皮脂の分泌に男性ホルモンであるアンドロゲンが関わっており、皮脂腺が刺激されると皮脂の量が増えます。生理前はこうしたホルモンの働きが重なる時期にあたるため、皮脂が増えやすく、その結果としてニキビや肌荒れが起こりやすくなると考えられています。普段は肌の調子が落ち着いている人でも、この時期だけはべたつきやテカリ、ニキビが気になりやすくなる、ということはよくあります。

エストロゲン減少でバリア機能が低下する

生理前に肌が乾燥しやすくなったり、刺激に弱くなったりするのは、エストロゲンの減少が関係しています。エストロゲン(卵胞ホルモン)には、肌のつややハリを保つ働きがあり、肌のコンディションを左右する大切なホルモンです。

ところが生理前になると、このエストロゲンの分泌は減っていきます。その結果、肌のうるおいが保ちにくくなり、乾燥したり、ちょっとした刺激に敏感になったりしやすくなるとされています。

生理前は皮脂が増える一方でうるおいは不足しがちになるため、肌のバランスがゆらぎやすい時期だといえます。普段は問題なく使えていた化粧品がしみるように感じたり、メイクのりがいつもより悪く感じたりするのも、この時期に起こりやすい変化の1つです。肌がゆらいでいるサインととらえ、いつも以上にやさしく扱うことを心がけましょう。

皮脂づまりでニキビや赤みが出やすくなる

皮脂が増えると、ニキビや赤みといった肌トラブルが起こりやすくなります。ニキビ(尋常性痤瘡)は、皮脂の分泌が増え、毛穴の出口で角化が進んで皮脂がたまることから始まり、この状態は「面皰(めんぽう)」と呼ばれます。

面皰の段階では小さなふくらみやざらつきとして現れますが、ここからさらに進むと炎症につながります。たまった皮脂を栄養にアクネ菌が増えると、炎症が起きて赤みや腫れ、痛みをともなうニキビになっていきます。

生理前は皮脂が増えやすい時期のため、毛穴に皮脂がたまりやすく、こうしたニキビや赤みが出やすくなるとされています。毎月同じ時期に同じような場所が荒れてくり返すと感じるのは、この皮脂の増減のリズムが関係していると考えられます。早めにやさしくケアし、できてしまったニキビは無理につぶさないことで、悪化を防げるでしょう。

生理が終われば回復する一時的なもの

生理前の肌荒れは、多くの人に見られる一時的な反応です。自分のケアの仕方が悪いせいだと責める必要はなく、ホルモンの変化に体が反応している自然な現象ととらえましょう。

女性ホルモンは月経周期をコントロールしており、その周期に沿って肌の状態も変化します。生理前に不安定だった肌も、ホルモンのバランスが安定してくる生理後にかけて、少しずつ落ち着いていくとされています。

自分の周期と肌の調子の関係を把握しておくと、いまが荒れやすい時期なのか、落ち着きに向かう時期なのか、先の見当をつけやすくなります。生理前の肌荒れは毎月くり返すものと割り切り、この時期は新しいことを無理に始めず、肌を休ませる気持ちで過ごすことが大切です。

生理周期で変わる肌の状態

生理前だけでなく、肌の状態は月経周期に合わせて移り変わっていきます。ここでは、周期を3つの時期に分けて、それぞれの肌がどんな状態になりやすいのかを整理します。

  • 黄体期(生理前):皮脂が増えて肌荒れしやすい
  • 月経期(生理中):乾燥して刺激に敏感
  • 卵胞期(生理後):肌が安定して回復する

それぞれの時期の特徴を順に確認していきます。

黄体期(生理前):皮脂が増えて肌荒れしやすい

黄体期は生理前にあたる時期で、皮脂が増えて肌荒れやニキビが出やすい時期とされています。1か月の中でも、肌のコンディションがもっとも揺らぎやすいのがこの時期です。

肌の不調は生理前(黄体期)から始まり、生理が始まるころから生理後にかけて少しずつ落ち着いていく傾向があります。テカリやべたつき、ニキビ、ごわつきといった複数のサインがまとめて出やすいのも、この時期の特徴です。

今まさに肌が荒れていて、もうすぐ生理が来そうだという場合は、いま自分が黄体期にいる可能性を頭に入れておくとよいでしょう。そう考えるだけでも、原因の分からない肌荒れにあわてず、この時期に合ったケアへ落ち着いて切り替えやすくなります。

月経期(生理中):乾燥して刺激に敏感

月経期は生理中の時期で、肌が乾燥しやすく、ちょっとした刺激にも敏感になりやすい時期とされています。黄体期の不調を引きずったまま迎えることも多く、肌がごわついたり、乾燥してつっぱるように感じたりしやすい時期です。

体調そのものが揺らぎやすく、肌も不安定になりがちなので、この時期は攻めのケアよりも、肌を守ることを優先したいタイミングです。刺激の強いケアは控えめにし、保湿を中心に、刺激を与えすぎないやさしいケアを意識して過ごすとよいでしょう。

卵胞期(生理後):肌が安定して回復する

卵胞期は生理後の時期で、エストロゲンの働きによって肌のつややハリが保たれ、周期の中でも肌の調子が安定しやすい時期とされています。乾燥やべたつき、ニキビといったトラブルが比較的落ち着き、肌のコンディションがよいと感じやすいのがこの時期です。

肌が安定しているぶん、新しいスキンケアを試したり、気になっていたケアを取り入れたりするのにも向いたタイミングといえます。生理前のゆらぎに備えるためにも、この調子のよい時期に、保湿や生活リズムなど基本のケアをととのえておくと、周期を通じて肌の波を小さくしやすくなります。

生理前の肌荒れが出やすい部位とその特徴

生理前の肌荒れは、出やすい部位にもある程度の傾向があるとされています。ここでは、特に荒れやすい3つの部位とその特徴を見ていきます。

  • あご·フェイスラインはホルモンの影響を受けやすい
  • 頬はバリア機能の低下と外的刺激で荒れやすい
  • 口周りはくり返しやすい部位

出やすい部位ごとの主な背景を、目安として次にまとめます。


部位

荒れやすい主な背景

あご·フェイスライン

皮脂腺が多く、ホルモンの影響を受けやすい

バリア機能の低下と、マスク·紫外線などの外的刺激

口周り

ホルモンに加え、胃腸の調子やムダ毛処理などの刺激


なぜその部位が荒れやすいのか、ひとつずつ見ていきます。

あご・フェイスラインはホルモンの影響を受けやすい

成人女性のニキビは、あごやフェイスラインなど顔の下部にできやすいとされています。あごの周りは皮脂腺が多く、アンドロゲンの影響を受けやすい部位とされているため、ホルモンが変動する生理前は特に荒れやすいと考えられます。

同じ場所にくり返しできたり、しこりのように治りにくかったりすることもあり、気になりやすいパーツです。生理前にあご周りが決まって荒れるという場合は、ホルモンの影響が関係している可能性があります。

頬はバリア機能の低下と外的刺激で荒れやすい

頬は面積が広く、マスクや紫外線などの外的な刺激を受けやすい部位です。マスクのくり返しの摩擦や、エアコンによる乾燥、紫外線などの影響を日常的に受けやすく、もともと刺激にさらされやすい場所だといえます。

生理前はバリア機能が低下しやすいため、こうした外的刺激と重なって、頬がかさついたり、赤みやニキビが出たりと荒れやすくなるとされています。ファンデーションののりが悪く感じるなど、肌のゆらぎが表面に出やすいのも頬の特徴です。

口周りはくり返しやすい部位

口周りは、ホルモンの影響に加えて、胃腸の調子やムダ毛処理などの刺激の影響も出やすいとされています。食事の際の汚れやふき取りの摩擦、ムダ毛の自己処理など、日常のこまかな刺激が積み重なりやすい場所でもあります。

一度荒れると同じ場所でくり返しやすい部位ともいわれており、治りかけてはまたできる、という状態になりやすいのが悩ましいところです。

生理前に口周りが気になりやすいという人は、ホルモンの影響に加えて、ふだんの刺激をできるだけ減らすことを意識してみるとよいでしょう。胃腸など体の内側との関わりについては、まだはっきりとは分かっていない部分もあるとされています。

生理前の肌荒れをやわらげるスキンケアのポイント

ここからは、生理前の肌荒れをやわらげるために、今すぐ実践できるスキンケアのポイントを紹介します。肌がゆらぎやすい時期だからこそ、いつものケアを少し見直すことが大切です。次の4つを順に見ていきます。

  • 洗顔はこすらず1日2回をやさしく
  • 低刺激·ノンコメドジェニックな基礎化粧品で保湿する
  • 皮脂が多くても油分の多いクリームは控える
  • ゆらぎ期は新しい化粧品を避けて刺激を減らす

まずは毎日の洗顔から確認しましょう。

洗顔はこすらず1日2回をやさしく

洗顔は、生理前のゆらいだ肌をいたわるケアの基本です。皮脂が増える時期は、汚れや余分な皮脂をきちんと落とすことが大切ですが、落としすぎや強いこすり洗いは、かえって肌の負担になります。

1日2回を目安に、ごしごしこすらず、たっぷりの泡でやさしく洗うことが勧められています。洗顔料はよく泡立て、手と肌の間に泡をはさむようにして、なでるように洗うのがコツです。

すすぎ残しは肌荒れのもとになるため、熱すぎないお湯ではなく、ぬるま湯でていねいに洗い流しましょう。生理前のやさしい洗顔は、次の手順で行うとスムーズです。

  1. ぬるま湯で予洗いする
  2. 洗顔料をよく泡立てる
  3. 泡でこすらず洗う
  4. ぬるま湯でしっかりすすぐ

ポイントは、泡をクッションにして肌を直接こすらないことです。ごしごし洗いは必要な皮脂まで奪って乾燥を招くことがあるため、力を入れずに洗うことを意識しましょう。

朝晩の2回をていねいに行い、洗ったあとはすぐに保湿することを習慣にすると、敏感になりがちな生理前の肌への負担を抑えられます。

低刺激・ノンコメドジェニックな基礎化粧品で保湿する

スキンケアで保湿するときは、低刺激でノンコメドジェニックな基礎化粧品を選ぶことが勧められています。「ノンコメドジェニック」は、ニキビのもと(面皰)ができにくいように配慮された化粧品の目安で、ニキビができやすい肌の人がアイテムを選ぶときの参考になります。

生理前の肌はバリア機能が低下しやすく、刺激に敏感になりがちなので、香料やアルコールなどの刺激が少ない、肌にやさしい処方のものを選ぶと安心です。化粧水で肌に水分を与え、乳液やクリームでうるおいを逃がさないようにして、肌のうるおいを保ちましょう。

特別なことをするよりも、刺激の少ないアイテムで、いつものケアをていねいに続けることが、ゆらぎやすい時期の肌のコンディションを保つ助けになります。

皮脂が多くても油分の多いクリームは控える

生理前は皮脂が増えやすい時期のため、油分の多いこってりとしたクリームを重ね塗りすると、毛穴がつまりやすくなるとされています。皮脂でべたつくところにさらに油分を足すと、毛穴の負担になりやすいといえます。

ただし、皮脂が多いからといって保湿を控えてしまうのは逆効果で、乾燥が気になる部位には、しっかりとうるおいを補う必要があります。大切なのは、肌の状態を部位ごとに見極めることです。

皮脂が多くテカリやすいおでこや鼻のまわりは油分を控えめにし、乾燥しやすい目元や口元はしっかり保湿するというように、部位によってメリハリをつけるのがポイントです。同じ顔の中でもケアを使い分けることで、べたつきと乾燥の両方に対応しやすくなります。

ゆらぎ期は新しい化粧品を避けて刺激を減らす

肌がゆらぎやすい生理前は、新しい化粧品を試すのを控えるのがおすすめです。慣れない成分は肌に合わないことがあり、ただでさえ敏感になっている時期に使うと、刺激やかぶれの引き金になるおそれがあります。

せっかく自分に合うかもしれないアイテムでも、肌が不安定なときに試すと、本来の良し悪しを正しく判断できません。新しいスキンケアやコスメを取り入れるなら、肌が安定する卵胞期(生理後)まで待つほうが安心です。

生理前は、いつも使っていて肌に合うと分かっている低刺激のアイテムでケアし、肌をできるだけ刺激しないことを優先しましょう。気になるアイテムがあるときは、買っておいて生理後に使い始めるのもよいでしょう。

生理前の肌荒れ対策になる生活習慣と食事

スキンケアと合わせて意識したいのが、毎日の生活習慣と食事です。体の内側から整えることも、生理前の肌をいたわるうえで役立ちます。ここでは、次の4つのポイントを紹介します。

  • 睡眠を十分にとって肌の回復を助ける
  • 食事は一律に制限せず、自分の肌との関係を見て整える
  • ビタミンB群·ビタミンCを意識した食事をとる
  • サプリは不足を補う補助として使う

まずは睡眠から取り上げます。

睡眠を十分にとって肌の回復を助ける

肌の回復を助けるうえで、睡眠は大きな役割を果たします。体の修復に関わる成長ホルモンは、入眠直後の深い睡眠(徐波睡眠)に合わせて分泌されます。

そのため、寝つきをよくし、最初のまとまった深い睡眠をしっかりとることが、肌のコンディションを保つうえで役立つと考えられています。睡眠時間が足りなかったり、眠りが浅かったりする日が続くと、肌の回復が追いつかず、ゆらぎを感じやすくなることもあります。

生理前は気分が不安定になったり、寝つきが悪く感じたりすることもありますが、できるだけ決まった時間に休み、睡眠時間を確保することを意識しましょう。寝る前にスマートフォンの画面を見続けないようにする、湯船につかって体を温めるなど、眠りの質を高める工夫も取り入れてみてください。

食事は一律に制限せず、自分の肌との関係を見て整える

肌のために食事を見直すとき、特定の食べ物を一律に制限することは推奨されていません。「あれを食べたせいだ」と特定の食品を悪者にして、それさえ控えれば肌荒れが治る、といった単純な考え方も、適切とはいえません。

大切なのは、自分の食生活と肌の状態にどんな関係があるかを、日々のなかで観察してみることです。同じものを食べても肌に出る人と出ない人がいるように、影響の出方には個人差があります。自分の肌に影響しそうなものをつかみ、無理のない範囲で整えるほうが長続きします。

極端な制限ではなく、バランスを意識する姿勢が、肌にとっても、心や体の健康にとっても続けやすい考え方だといえます。

ビタミンB群・ビタミンCを意識した食事をとる

肌の土台づくりには、特定のものに偏らない、栄養バランスのよい食事が基本です。

なかでもビタミンB群やビタミンCは、皮膚や粘膜の健康に関わる栄養素です。ビタミンB群は豚肉·レバー·魚·卵·納豆などに、ビタミンCは野菜や果物に多く含まれるので、いろいろな食材から少しずつ取り入れるとバランスをとりやすくなります。

なお、ビタミンを食事でとること自体に問題はありませんが、にきびを治す目的でビタミン剤を薬として内服しても、有効性を裏づける十分な根拠は確認されていません。たくさんとれば肌荒れがよくなるわけではないので、薬として過剰に頼るより、日々の食事から自然に取り入れることを基本にしましょう。

サプリは不足を補う補助として使う

サプリメントは「にきびを治す薬」ではなく、食事だけでは不足しがちな栄養を補うための食品です。忙しくて食事が偏りがちなときに足りない分をおぎなう位置づけなら役立ちますが、飲めば肌荒れがなくなる、と効果を期待しすぎるのは避けたほうがよいでしょう。

にきびそのものを治したいなら、サプリ探しよりも市販薬や医療機関での治療を検討するのが近道です。何を選べばよいか迷うときや、ほかに薬を飲んでいる場合は、自己判断せず薬剤師などの専門家に相談すると安心です。

セルフケアで治らない・くり返す生理前の肌荒れの対処法

セルフケアを続けても肌荒れがよくならない、毎月ひどくくり返すという場合は、市販薬や医療機関の力を借りることも検討できます。ここでは、セルフケアの次に検討したい対処法を見ていきます。

  • 市販のニキビ薬で炎症やアクネ菌をケアする
  • 漢方で体質から整える
  • 治らない·くり返すときは医療機関に相談する

それぞれの選択肢を簡単に整理します。

市販のニキビ薬で炎症やアクネ菌をケアする

市販のニキビ薬には、症状に合わせて選べるいくつかのタイプがあります。

たとえば、アクネ菌を殺菌する成分(イソプロピルメチルフェノールなど)が配合されたものや、たまった角質をやわらかくして毛穴のつまりをケアする成分(サリチル酸など)が配合されたものがあるとされています。

赤みや炎症が気になるのか、毛穴のざらつきが気になるのかなど、自分の症状に合ったタイプを選ぶことがすすめられます。ドラッグストアなどで手に入れやすく、軽い症状であれば、こうした市販薬でしばらく様子を見るのも1つの方法です。

どれを選べばよいか迷うときや、使ってもなかなか改善しないときは、薬剤師に相談しながら選んだり、医療機関の受診を検討したりするとよいでしょう。市販薬で改善しないときに、漫然と使い続けないことも大切です。

漢方で体質から整える

漢方薬も、生理前の肌荒れに対する対処法の1つです。ほかの治療で十分な効果が得られない場合や、体質的にほかの治療が行いにくい場合などに、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などの漢方が、選択肢として勧められることがあります。

漢方は、その場の症状だけでなく、一人ひとりの体質や体の状態に合わせて選ぶという考え方が特徴です。そのため、同じ肌荒れでも、合う漢方は人によって変わります。

自己判断で選んだり、合わないものを飲み続けたりするのは避け、医師や薬剤師に相談しながら、自分の体質に合うものを選ぶことが大切です。市販でも手に入る漢方はありますが、生理前の不調や体質的なことも含めて相談したい場合は、医療機関で診てもらうのも一案です。

治らない・くり返すときは医療機関に相談する

生理が終わっても肌荒れが治らない、症状が重い、毎月のようにひどくくり返すといった場合は、医療機関に相談するのがおすすめです。セルフケアや市販薬で対応できる範囲には限りがあり、無理に自分だけで対処しようとすると、かえって悪化させたり、跡が残ってしまったりすることもあります。

皮膚科では、ニキビや肌荒れそのものに対する治療を受けられ、婦人科では、ホルモンや月経周期の観点から相談できます。生理前の肌荒れは肌と体の両面が関わるため、気になる症状に合わせて相談先を選ぶとよいでしょう。

専門家に相談するという選択肢を持っておくことで、つらい状態を長引かせずにすみますし、自分の肌や体の状態を知るきっかけにもなります。一人で抱え込まず、つらいときは早めに頼ることを考えてみてください。

繰り返すホルモン由来の肌荒れに低用量ピルが選択肢になる理由

ここまで紹介してきたセルフケアは、生理前の肌荒れをやわらげるうえで役立ちます。一方で、毎月くり返すホルモン由来の肌荒れには、ホルモンの変動そのものにアプローチする方法も選択肢の1つです。

その1つが低用量ピルです。ここでは、低用量ピルがなぜ選択肢になるのか、効果と注意点の両面から見ていきます。

  • セルフケアではホルモンの変動そのものは抑えられない
  • 低用量ピルがホルモンの変動を抑える
  • にきびの改善も報告されている(推奨度C·日本では適応外)
  • 服用前に知っておきたい副作用と処方の必要性

ここから順に見ていきましょう。

セルフケアではホルモンの変動そのものは抑えられない

スキンケアや生活習慣の改善は、生理前の肌荒れの症状をやわらげる、いわば対症的なケアです。肌の状態を整え、ダメージをやわらげるうえでとても大切ですが、肌荒れの引き金になっているホルモンの変動そのものを止めたり、変えたりするものではありません。

そのため、どれだけていねいにセルフケアを続けても、毎月ホルモンの変動が起こるたびに、肌荒れがくり返し起こりやすくなります。ケアをがんばっているのに毎月同じように荒れてしまうのには、こうした理由があるのです。

だからこそ、セルフケアで十分に手ごたえを感じられない場合や、毎月の肌荒れがつらく根本から見直したいと考える場合には、ホルモンの変動そのものにアプローチする方法も、選択肢として知っておく価値があります。

低用量ピルがホルモンの変動を抑える

低用量ピル(OC/LEP)は、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを含む薬です。本来は、避妊を目的として、あるいは月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として用いられます。

これらのホルモンを外から一定量補うことで、月経周期に伴うホルモンの変動をゆるやかに抑える働きがあります。生理前の肌荒れは、このホルモンの大きな変動が引き金の1つと考えられているため、変動そのものがおだやかになれば、その影響を受けて起こる肌の不調も起こりにくくなると考えられています。

毎月の変動の波が小さくなることで、肌の調子の浮き沈みもおだやかになることが期待されます。ただし、効き方や感じ方には個人差があり、すべての人に同じ変化が起こるわけではありません。

にきびの改善も報告されている(推奨度C・日本では適応外)

低用量ピルには、にきびを改善する効果が報告されています(推奨度C)。これは、ホルモンの変動が抑えられることで、皮脂の分泌に関わるバランスにも影響するためと考えられています。

ただし、ここで重要な注意点があります。日本では、にきびやPMS(月経前症候群)を目的とした低用量ピルには承認された効能·効果がなく、これらを目的に使う場合は、保険のきかない自由診療です。PMSに関しては、ドロスピレノンという成分を含むピルが、特に症状の重いPMDD(月経前不快気分障害)に有効とされる一方で、PMS全般への効果については、まだはっきりとは分かっていません。

つまり、にきびやPMSの改善は、ピルを使ううえで期待される作用の1つではあるものの、確実に効果が出ると約束されたものではありません。効果の感じ方には個人差があることを理解したうえで、自分に合うかどうかも含めて、医師とよく相談して判断することが大切です。

服用前に知っておきたい副作用と処方の必要性

低用量ピルには、メリットだけでなく、知っておきたい副作用もあります。代表的なものが血栓症(VTE)で、血管の中で血のかたまりができる病気です。

低用量ピルは、この血栓症のリスクを高めることが分かっています。だからこそ、低用量ピルは誰でも自由に使える薬ではなく、医師の診察·処方が必要な薬とされています。

たとえば、35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人や、過去に血栓症になったことがある人などは、リスクが高いため使用できません。こうした向き不向きは自分では判断がむずかしいため、医師が問診や必要な検査を通じて確認します。

市販されている薬ではないため、ドラッグストアなどで気軽に買うことはできず、自己判断で使うこともできません。服用を考える場合は、必ず医師に相談し、リスクと効果の両方を理解したうえで判断することが大切です。

低用量ピルが検討の選択肢になりうるか、また使用できるかは、最終的に医師が診察して判断します。下の表は、相談を検討するときの大まかな目安です。


検討の選択肢になりうる人

使用できない人(例)

毎月くり返すホルモン由来の肌荒れに悩んでいる人

35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人

セルフケアや市販薬で十分に改善しない人

過去に血栓症になったことがある人

肌荒れに加えてPMSや月経のつらさも気になる人(適応外·自由診療)

医師が診察してリスクが高いと判断した人


向いているかどうかは自己判断がむずかしいため、気になる場合は医師に相談して確認しましょう。

生理前の肌荒れと低用量ピルの相談はDMMオンラインクリニックへ

毎月くり返す肌荒れを根本から見直したいときに、低用量ピルを相談できる選択肢の1つが、DMMオンラインクリニックです。オンライン診療を通じて相談ができ、自宅からスマホやパソコンで医師の診察を受けられるため、通院の負担を抑えられます。

診療は自由診療(保険適用外)で、医師が診察したうえで、体質や状態によっては処方できない場合もあります。料金や薬の配送などの詳しい内容は、専用ページで確認できます。

セルフケアで整いきらない、毎月くり返す肌荒れに悩んでいるなら、ホルモンの変動そのものにアプローチする低用量ピルも選択肢の1つです。DMMオンラインクリニックなら、自宅から医師のオンライン診療を受けられ、自由診療として低用量ピルを相談できます。服用には副作用や向き不向きがあるため、まずは医師に相談してみてください。

生理前の肌荒れに関するよくある質問

最後に、生理前の肌荒れについてよく寄せられる質問にお答えします。気になる点をここで確認しておきましょう。

  • 生理前の肌荒れは何日前から起こりますか?
  • 生理前に肌荒れするのはなぜですか?
  • 生理前はいつもより肌が荒れるのはなぜですか?
  • 生理前に急にニキビが増えるのはなぜですか?
  • ピルを飲むと太りますか?

生理前の肌荒れは何日前から起こりますか?

生理前(黄体期)から始まり、生理が始まると落ち着いていくとされています。ただし、肌荒れが始まるタイミングや、どのくらい続くかには個人差が大きく、具体的に何日前からと一概にいうことはできません。

自分の場合はどのあたりで荒れやすいかを、生理周期と照らし合わせて記録しておくと、おおよその傾向がつかめます。前もって荒れやすい時期が分かっていれば、その少し前からやさしいケアに切り替えるなど、早めの対策がとりやすくなります。

生理前に肌荒れするのはなぜですか?

プロゲステロンの増加で皮脂が増え、エストロゲンの減少で肌のバリア機能が低下する、ホルモンの変動が主な原因とされています。生理前はこの2つのホルモンの働きによって、皮脂がたまりやすく、また肌が乾燥して刺激に敏感になりやすい状態が重なります。

その結果、ニキビや赤み、乾燥といった肌荒れが起こりやすくなると考えられています。気のせいや手入れ不足ではなく、ホルモンによる自然な変化が背景にあります。

生理前はいつもより肌が荒れるのはなぜですか?

ホルモンの変動によって皮脂が増えたり肌が敏感になったりするため、普段より荒れやすくなるとされています。同じスキンケアをしていても、生理前は肌のコンディションそのものが揺らいでいるため、いつもなら気にならない刺激にも反応しやすくなります。

そのため、普段と同じケアでは物足りなく感じたり、逆に刺激に感じたりすることがあります。肌の状態に合わせて、ケアの強さを調整するとよいでしょう。

生理前に急にニキビが増えるのはなぜですか?

皮脂の増加に加えて、毛穴のつまりやアクネ菌の増殖が重なり、ニキビが増えやすくなるとされています。生理前は皮脂が一気に増えやすいため、毛穴に皮脂がたまって面皰ができ、そこから炎症へと進むことで、短い期間にニキビが目立つように感じられることがあります。

とくに皮脂腺の多いあごや口周りは、生理前に急にニキビが増えたと感じやすい部位です。気になっても無理につぶさず、やさしくケアすることが悪化を防ぐポイントです。

ピルを飲むと太りますか?

低用量ピルの服用と体重増加との間に、はっきりとした因果関係は示されていません。「ピルを飲むと太る」というイメージを持つ人は少なくありませんが、必ず太るというわけではないと考えられています。

体重や体調の変化には個人差があり、感じ方も人それぞれです。飲み始めてから気になる変化があるときは、自己判断で中止する前に、処方を受けた医師に相談することが大切です。

まとめ:生理前の肌荒れと上手に付き合い、繰り返すならピルも検討を

生理前の肌荒れは、女性ホルモンの変動に伴って起こる、多くの人に見られる一時的な反応です。ホルモンの変動で皮脂が増えて肌が敏感になることが主な原因で、やさしいスキンケアと睡眠·食事の見直しで症状はやわらげられます。くり返すホルモン由来の肌荒れには、低用量ピルも選択肢になります。

つらい状態が続くときは、一人で抱え込まないことが大切です。毎月の肌荒れを根本から見直したいときは、オンライン受診という選択肢も覚えておいてください。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、医師による診断·治療の代替となるものではありません。記事中で紹介した対策や治療法の効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。実際の治療や医薬品の服用にあたっては、必ず医師の診察を受け、ご自身の体質·症状に合わせた判断を仰いでください。服用中に体調の異変を感じた場合は、自己判断で中止·継続せず、速やかに処方医または最寄りの医療機関へご相談ください。

参考:

日本産婦人科医会「低用量経口避妊薬(OC)の 医師向け処方についての情報提供資料」

厚生労働省「 働く女性の心とからだの応援サイト」

日本皮膚科学会「尋常性痤瘡·酒皶治療ガイドライン2023」

厚生労働省 eJIM「サプリメント·ビタミン·ミネラルの情報」

国立医薬基盤·健康·栄養研究所「ビタミンについて」

PMDA「ヤーズフレックス配合錠」

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