顔汗を止める最強の市販対策とは?選び方・即効テク・治療を解説

顔にだけ汗が噴き出し、朝ていねいに仕上げたメイクが昼にはすっかり崩れてしまう悩みを抱え、脇用ではなく顔に使えて確実に効く対策を探している方は多いはずです。人前や職場で顔の汗が気になり、思うように自信を持てないこともあるでしょう。
顔汗は、制汗剤の選び方と使い方しだいで、今よりぐっと抑えられます。市販品では止まらないほど汗が多いなら、顔面多汗症として医療機関で治療するという道もあります。
この記事では、外出先で今すぐ顔汗を止める即効テクニックから、最強といえる市販制汗剤の選び方と使い方、女性と男性で違う選び方、市販で止まらないときの治療の選択肢までを解説します。
この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)
1995年長崎大学卒業。亀田総合病院臨床後研修、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より国家公務員共済組合連合連合会虎の門病院救急科部長(現職)。東京大学医学部附属病院 総合研修センター講師。東京大学医学部講師。KAKENプロフィール。『早わかり! 救急科診療マニュアル』(共訳者)。
※オンライン診療では触診や精密検査が行えないため、症状によっては対面受診を勧められる場合があります。※記載の料金・診療時間・処方薬の取り扱い等は2026年7月時点の情報です。最新情報はクリニックの公式サイトをご確認ください。
顔汗が出る原因

汗の大半は皮膚にあるエクリン汗腺から出ており、体温を一定に保つという欠かせない役割を担っています。顔汗も基本の仕組みは同じですが、なぜ顔にばかり大量に出るのでしょうか。その答えは、汗が出るきっかけごとに見ていくとわかりやすくなります。ここでは主な原因を、次の3つに分けて紹介します。
- 気温や運動で出る温熱性発汗
- 緊張やストレスで出る精神性発汗
- 顔にだけ大量に出る場合は顔面多汗症の可能性もある
気温や運動で出る温熱性発汗
温熱性発汗は、上がった体温を下げるために起こる汗です。運動をしたり気温が高かったりすると、体は汗を蒸発させ、その気化熱で熱を逃がします。
顔や頭の汗には、温熱性発汗ならではの役割があります。高温に弱い脳を冷やす「脳冷却」の働きで、全身の温熱性発汗と同じく体温を調節するための反応です。頭部や顔面の発汗には、こうして脳を守る意味があると考えられています。
真夏の通勤で少し歩いただけでも顔から汗がしたたるのは、体が脳を守ろうと働いている自然な反応です。気温が高い時期や運動をしたときに顔や頭が汗ばみやすいのは、このためです。逆にいえば、顔から汗が出ること自体は、体が正常に働いている証でもあります。過度に気に病むよりも、うまく付き合う方法を知っておくことが大切です。
緊張やストレスで出る精神性発汗
顔汗が出るのは、暑さや運動のときだけではありません。緊張や不安で心に負荷がかかったときにも、汗は出ます。これが精神性発汗です。
体温が高くないのに出るのが特徴で、いわゆる「冷や汗」もこれにあたります。顔や頭は、この精神性発汗でも汗をかきやすい部分です。
人前でのプレゼンや初対面の会話で、急に顔から汗が噴き出した経験はないでしょうか。対人場面で顔汗が強まるのは、この精神性発汗が働くからです。会議での発言前や、上司と話すときなど、緊張する場面ほど顔汗が気になるのは、気のせいではありません。
暑さと緊張が重なりやすい夏場のオフィスでは、温熱性発汗と精神性発汗が同時に起こり、いっそう汗が出やすくなります。緊張して汗が出ると、その汗が気になってさらに緊張してしまう悪循環に陥ることもあります。まずは仕組みを知っておくと、必要以上に焦らずに対処できるようになるでしょう。
顔にだけ大量に出る場合は顔面多汗症の可能性もある
一方で、明らかな原因がないのに顔や頭に大量の汗が出て、日常生活に支障が出ることもあります。そうしたケースで考えられるのが、原発性局所多汗症です。
これは、はっきりした原因がないまま6か月以上にわたって過剰な発汗が続き、決められた6つの症状のうち2項目以上が当てはまる場合に診断されます。
顔だけ突出して汗が多いなら、ただの汗っかきではなく、この多汗症が隠れているのかもしれません。涼しい室内にいても顔からだけ汗が止まらない、汗が気になって人と会うのがおっくうになる、といった状態は、単なる体質だけでは説明しきれないこともあります。
気になるときは、皮膚科などの医療機関に相談してみるのも一つの方法です。多汗症と診断されれば、体質だと諦めていた顔汗にも、医療的な対処の道が開けます。
今すぐ顔汗を止める即効テクニック
外出先で急に顔汗が噴き出したときに、その場でできる応急処置があります。上半身を圧迫する方法、顔汗を抑えるツボ押し、体を冷やす方法の3つを、この後で手順として見ていきます。会議の前やエレベーターの中など、人前で急に汗が出て焦った場面の備えとして覚えておくと安心です。どれも特別な道具がなくてもできる、その場しのぎの方法です。
- 上半身を強く圧迫する
- 顔汗を抑えるツボを押す
- 首の後ろや脇の下を冷やす
半側発汗を利用して上半身を強く圧迫する
顔や上半身の汗を手早く抑えたいときに知っておきたいのが、半側発汗という体の反射です。体の一部を圧迫すると、その側の発汗が抑えられると言われています。
この反射を利用して、胸の上部あたりを強めに圧迫すると、顔の汗が一時的に抑えられることがあるとされています。着物の舞妓が胸高に帯を締めるのも、この仕組みを応用したものと言われています。
外出先では、ハンカチをたたんで脇の下にはさんだり、かばんのベルトを胸の上に通したりすれば、目立たずに圧迫できます。
圧迫による方法は、片手がふさがっていてもできる手軽さが利点ですが、効果は一時的で個人差があります。長時間にわたって強く圧迫し続けるのは避け、強く押しすぎると痛みや跡が残ることもあるため、心地よいと感じる程度の力で、あくまで一時しのぎとして取り入れるとよいでしょう。
顔汗を抑えるツボを押す
顔汗の対策としてよく挙げられるのが、ツボ押しです。代表的なものに、屋翳(おくえい)と労宮(ろうきゅう)があります。屋翳は胸の上部、労宮は手のひらの中央にあるとされるツボです。
これらのツボを押すと汗が抑えられるとされていますが、効果に科学的な裏づけが十分にあるわけではありません。即効性を過度に期待せず、外出先で手軽に試せる方法の一つと考えておくとよいでしょう。信号待ちや電車の中など、手が空いた時間に手のひらの労宮を押すなら、周囲に気づかれずに実践できます。
押すときは、痛気持ちいいと感じる程度の強さで、ゆっくり刺激するのが一般的です。ツボ押しは即効の応急処置と割り切り、根本的な対策は制汗剤や医療と組み合わせて考えるとよいでしょう。
首の後ろや脇の下を冷やす
体を物理的に冷やすのも、顔汗を抑えるのに役立ちます。首の後ろや脇の下には太い血管が通っているため、ここを冷やすと効率よく体全体の熱を下げられます。
体が冷えれば、体温を下げるために出ていた汗も抑えられ、顔汗の予防につながります。保冷剤やペットボトルをハンカチで包み、首の後ろや脇の下に当てるとよいでしょう。氷や保冷剤を直接肌に当てると刺激が強いため、必ず布やハンカチ越しに当てるのがポイントです。夏場は、コンビニで買った冷たいペットボトル飲料を、飲む前に首すじや耳の後ろに当てると、水分補給とあわせて手軽に体を冷やせます。ただし、冷やしすぎると体に負担がかかるため、当てる時間は短めにとどめるのがコツです。
顔汗を止める最強の市販制汗剤の選び方
顔汗対策の市販品は種類が多く、どれを選べばよいか迷いやすいものです。ここでは商品名ではなく、制汗成分・タイプ・医薬部外品の表示という選び方の基準から、結局どれが効くのかに答えます。自分がどの場面で汗に困るかを思い浮かべながら、まずは代表的な3つのタイプの違いを次の表で比べてみます。
| タイプ | 持続性 | 携帯性 | 仕上がり |
|---|---|---|---|
| クリーム | 高い | 低い | しっとりして化粧下地向き |
| ミスト | 中程度 | 高い | さっぱりして塗り直し向き |
| パウダー | 中程度 | 高い | さらさらしてテカリ抑制向き |
汗をしっかり抑えたいなら制汗成分の入ったものを選ぶ
汗をしっかり抑えたいなら、まず注目したいのが配合されている成分です。制汗剤は、汗腺を閉じたり引き締めたりして、出る汗の量を減らす薬剤です。
代表的な制汗成分が、クロルヒドロキシアルミニウムです。水分を含むとゲル化する性質があり、汗腺をふさいで発汗を抑えます。また、フェノールスルホン酸亜鉛のように、汗腺を引き締める収れん成分が使われることもあります。
成分表示を見て、こうした制汗成分や収れん成分が入っているかを確認して選ぶのが確実です。パッケージ裏の全成分表示に目を通す習慣をつけると、広告のうたい文句に頼らず、自分に合う一本を見つけやすくなります。
なお、制汗成分は肌質によっては刺激に感じる場合もあるでしょう。敏感肌の方は、腕の内側などで少し試してから顔に使うと、肌トラブルを避けられます。
メイクの下に使うならクリーム・化粧下地タイプを選ぶ
朝のメイク崩れを防ぎたいなら、クリームタイプや化粧下地を兼ねたタイプが向いています。肌になじませてから使うため、メイク前の仕込みとして取り入れやすいのが特徴です。
肌に密着して汗を抑えながら、そのまま化粧下地として使える製品もあります。メイク崩れに悩む人は、下地と一体になったクリームタイプを選ぶと、朝のひと手間で日中の崩れを抑えられます。ファンデーションの前になじませておけば、皮脂や汗でメイクが浮くのを防げるでしょう。とくにテカリやすい額や鼻を中心に塗ると、夕方までのメイク直しの回数を減らせます。
外出先で塗り直すならミスト・パウダータイプを選ぶ
日中に塗り直しながら使いたいなら、ミストタイプやパウダータイプが便利です。ミストは、外出先でも顔にさっと吹きかけて手軽に塗り直せます。メイクの上から使えるものを選べば、化粧を崩さずに汗対策ができます。
パウダータイプは、さらさらとした仕上がりでテカリを抑えたいときに向いています。持ち運びやすさを重視するなら、かさばらないミストやパウダーが使いやすいタイプです。
ランチのあとや外回りの移動中など、メイク直しのタイミングでさっと使えるのが強みといえます。パウダーは、あぶらとり紙で汗を軽く押さえてから重ねると、さらさらの状態が長持ちします。
効果を重視するなら医薬部外品の表示で選ぶ
制汗効果をより重視するなら、「医薬部外品」の表示を確認するのがおすすめです。医薬部外品(薬用化粧品)は、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けたもので、認められた有効成分を含んでいます。
そのため、一般の化粧品よりも、承認された範囲で効能や効果を表示できます。汗をしっかり抑えたいときは、パッケージに「医薬部外品」と書かれているかを確かめて選ぶと、効果が期待できます。
制汗を目的につくられた製品を選びたいなら、この表示は一つの目印です。成分表示とあわせて確認すると、選ぶときの精度が上がります。価格は一般の化粧品よりやや高めになることもありますが、制汗効果を優先するなら検討する価値があります。
手軽さ重視ならドラッグストアで買える市販品から選ぶ
今日すぐに手に入れたいなら、ドラッグストアで買える市販品から選ぶ方法があります。ドラッグストアにも、顔に使える制汗剤は数多く並んでいます。
選ぶときは、特定の商品名にこだわる必要はありません。これまで紹介した制汗成分の有無・タイプ・医薬部外品の表示を目安にすれば、売り場でも自分に合う一本を見分けられます。あわせて、顔への使用を想定した「顔用」と書かれた製品を選ぶと、肌への負担を抑えられます。
ドラッグストアなら、実際に手に取って使用感を確かめられ、迷ったときは店頭の薬剤師や美容担当者に相談できるのも利点です。初めて使う成分は、いきなり大容量を買わず、少量タイプやミニサイズから試すと失敗が少なくなります。
顔汗を止める制汗剤の効果を高める使い方と塗るタイミング
せっかく良い制汗剤を選んでも、使い方が合っていないと効果を十分に引き出せません。汗が止まらないと感じるときは、塗るタイミングや塗り方を見直すと変わることがあります。効果を高める使い方を、次の3つの手順で確認します。どれも今日から実践できる基本のポイントです。
- スキンケアの後、メイク前の乾いた肌に塗る
- 気になる部分にムラなく塗る
- 汗をかく前にこまめに塗り直す
スキンケアの後、メイク前の乾いた肌に塗る
制汗剤を塗るタイミングは、スキンケアを済ませた後、メイクをする前が基本です。ポイントは、肌が乾いた状態で塗ることです。
制汗成分は、乾いた肌のほうがしっかり密着するとされます。汗や皮脂、化粧水などの水分が肌に残っていると、成分が本来の力を発揮しにくくなります。スキンケアの後は肌を少し落ち着かせ、表面が乾いてから塗るのがポイントです。
乳液やクリームがなじみきる前に塗ると、べたついて密着が甘くなることがあります。塗った後も少し時間を置き、乾いてからメイクに移るのがポイントです。朝は時間に追われがちですが、スキンケアと制汗剤のあいだにわずかでも間を空けるだけで、日中の持ちが変わってきます。
気になる部分にムラなく塗る
制汗剤は、汗が気になる部分に適量をムラなく塗ることが大切です。塗る量が少なすぎたり、一部だけ厚く塗ってムラになったりすると、効果が偏ってしまいます。
顔の中でも、額・鼻の周り・生え際は汗をかきやすい部分です。こうした汗をかきやすい場所に、薄くムラなく塗り広げると、全体をバランスよくカバーできます。指の腹を使い、押さえるようになじませると、ムラになりにくくなります。
塗り忘れやすい生え際やこめかみも、忘れずに塗っておくと安心です。鏡でこまめに確認しながら、汗をかきやすい部分へ均一に行き渡らせることを意識するとよいでしょう。
汗をかく前にこまめに塗り直す
制汗剤の効果は一日中続くわけではないため、こまめな塗り直しが欠かせません。効果が切れてから塗るのではなく、汗をかく前のタイミングで塗り直すのがコツです。外出前や、屋外に出る前に塗っておくと予防になります。
すでに大量の汗をかいてしまった後は、そのまま重ねても密着しません。清潔なハンカチやあぶらとり紙で汗をやさしく拭き取り、肌を乾かしてから塗り直すと効果的です。汗を拭くハンカチと制汗剤をセットで持ち歩くと、外出先でもこまめな塗り直しが習慣になります。
とくに夏場の外回りや、屋外での予定が続く日は、効果が切れる前を意識して早めに塗り直すのがおすすめです。一度にたくさん塗るよりも、少量をこまめに重ねるほうが、肌の負担を抑えながら効果を保てます。
顔汗対策は女性と男性で選び方が違う
顔汗対策の基本は同じでも、何を重視するかで女性と男性では選び方が変わってきます。大きく分けると、メイク崩れを防ぎたい女性はメイクになじむタイプ、皮脂やテカリが気になる男性はさらさらしたタイプが向いています。
女性の場合は、化粧下地を兼ねたクリームタイプに、メイクの上から使えるパウダーやミストを組み合わせると、朝の仕込みと日中の塗り直しを両立できます。男性の場合は、汗と皮脂を同時に抑える、さらさら仕上げのタイプが快適でしょう。性別を問わず使える製品もあり、家族と共用しやすいものも選べます。
ただし、どちらの場合も、汗を抑える制汗成分が入った顔用の製品を選ぶという基本は共通しています。この基本を押さえたうえで、人と会う機会の多さや通勤スタイルといった生活のシーンから逆算してタイプを選ぶと、自分に合う一本を絞り込みやすくなります。季節に応じて、夏はさらさらのパウダー、乾燥する冬はうるおいのあるクリーム、と使い分けるのもよいでしょう。
顔汗がただの汗っかきか多汗症かを見分けるセルフチェック
顔汗が多いとき、それがただの汗っかきなのか、治療の対象になる多汗症なのかは気になるところです。両者は、汗の出方や日常生活への支障の程度から、ある程度見分けられます。
医学的には、原発性局所多汗症は、はっきりした原因がないまま6か月以上にわたって過剰な発汗が続く状態と定義されています。日本皮膚科学会のガイドラインでは、次のように説明されています。
頭部・顔面,手掌,足底,腋窩に温熱や精神的な負荷,またそれらによらずに大量の発汗がおこり,日常生活に支障をきたす状態を原発性局所多汗症と定義している
(出典: 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」 )
診断では、以下の6項目のうち2項目以上が当てはまるかどうかが目安になります。気になる方は、自分にいくつ当てはまるかを確認します。
☐ 症状が出始めたのが25歳以下
☐ 左右対称に汗が出る
☐ 睡眠中は汗が止まる
☐ 週1回以上、大量の汗をかくことがある
☐ 家族にも同じ汗の悩みがある
☐ 汗で日常生活に支障がある
明らかな原因がないまま6か月以上続き、2項目以上当てはまる場合は受診の目安です。
複数当てはまり、汗で生活に支障が出ているなら、皮膚科などの医療機関に相談するのが安心です。セルフチェックはあくまで目安のため、最終的な診断は医師にゆだねることが大切です。2項目以上当てはまった場合でも、過度に不安になる必要はありません。多汗症は対策の方法が整っている症状で、受診すれば選べる手立てが広がります。
反対に、当てはまる項目が少なく、生活に大きな支障がなければ、市販の制汗剤でのケアを続けながら様子を見ても問題ありません。汗が急に増えたり、症状が悪化したりした場合は、時期を置いてもう一度チェックしてみるとよいでしょう。
市販で止まらない顔汗は病院での治療を検討する
市販の制汗剤を正しく使っても顔汗が止まらない場合は、医療機関での治療という選択肢があります。顔面の多汗症は、皮膚科などで相談でき、症状に応じた治療を受けられます。
主な治療法には、外用薬・内服薬・ボトックス注射の3つがあります。どの治療が向くかは、汗の程度や生活への支障の大きさによって変わるものです。それぞれの内容を、次の表で比べてみます。
| 治療法 | 治療の内容 | 効果の持続 | 通院の要否 |
|---|---|---|---|
| 外用薬(塗り薬) | 汗を抑える塗り薬を塗る | 毎日の継続が必要 | 処方または通院 |
| 内服薬(飲み薬) | 汗を抑える飲み薬を服用 | 服用している間 | 要処方 |
| ボトックス注射 | 汗腺への神経伝達を抑える注射 | 1回で数か月持続とされる | 通院で注射、顔面は保険適用外 |
外用薬(塗り薬)
医療機関でまず検討されることが多いのが、汗を抑える塗り薬(外用薬)による治療です。代表的なものに塩化アルミニウムの外用があり、原発性局所多汗症で最初に試してよい治療と位置づけられています。
ただし、保険が適用される外用薬は、主に脇や手のひら向けのものです。顔への外用は、医療機関がその施設内で調製する院内製剤として処方されたり、保険適用外の扱いになったりすることが多くなっています。市販の制汗剤では効果が足りないと感じた段階で、比較的相談しやすい治療法といえます。
肌に合うかどうかには個人差があるため、顔の多汗症で検討するときは、対応している医療機関で医師の指導のもとに使うことが大切です。市販品と違い、医療機関の外用薬は汗を抑える力が期待できる一方、肌への刺激が出ることもあるため、経過を見ながら使うことになります。
内服薬(飲み薬)
塗り薬で十分な効果が得られないときには、汗を抑える飲み薬(内服の抗コリン薬)による治療もあります。外用薬などでは効果が不十分な場合や、顔の多汗症に対して用いられることがあります。
飲み薬は全身に作用するため、口の渇きや便秘といった副作用が出ることがあり、必ず医師の処方のもとで使う必要があります。内服薬のなかには、多汗症の治療に保険が適用されるものもあり、外用が難しい顔や頭の多汗症では選択肢の一つになります。
飲み薬は顔だけでなく全身の汗に働きかけるため、体の複数の部位で汗に悩む人にも向く治療といえるでしょう。自己判断で市販の類似薬に頼るのではなく、医師の診察を受けたうえで、症状に合った薬を処方してもらうことが大切です。体調の変化を感じたときは、早めに医師へ伝えるようにしてください。
ボトックス注射
ボトックス注射も、多汗症の治療法の一つです。ボトックス(A型ボツリヌス毒素)を注射し、汗腺への神経の伝達を抑えることで、発汗を減らします。
保険が適用されるのは、重度の脇(腋窩)の多汗症に対してのみです。顔を含むそれ以外の部位への注射は保険適用外となり、自由診療として受けることになります。効果は1回の注射で数か月ほど持続するとされ、効果が薄れてきたら再び注射を受けるのが一般的です。
効果が続くあいだは汗を抑えられるため、汗が増える季節や大切な予定の前に合わせて、計画的に受ける人もいます。顔への施術を希望する場合は、保険適用外で費用が医療機関によって差がある点も含めて、事前に確認するとよいでしょう。
顔汗の治療は通院不要のDMMオンラインクリニックで始められる
顔の多汗症の治療に関心はあっても、皮膚科に通う時間がなかなか取れないという方もいるでしょう。そうした場合に、通院せずにオンラインで診察から処方まで受けられる選択肢として、DMMオンラインクリニックがあります。自由診療にはなりますが、市販品で止まらない顔汗を医師に相談できる方法の一つです。次の2点から、その特徴を紹介します。
- 自由診療で医師が顔汗・多汗症向けの薬を処方
- 24時間オンラインで受診でき最短当日に届く
自由診療で医師が顔汗・多汗症向けの薬を処方
DMMオンラインクリニックでは、自由診療として、顔や全身の汗を抑える薬を医師が処方します。自由診療は公的医療保険が適用されない診療で、費用は全額自己負担になります。保険が使えない代わりに、保険の適用範囲に縛られずに薬を選べる診療形態です。
医師がオンラインで診察したうえで、症状に合わせて内服薬や漢方薬などを処方する仕組みです。市販品では抑えきれなかった顔汗にも、医師の判断で薬による対策を試せるのが、医療機関に相談する強みです。
対面の受診がむずかしい人にとって、医師に相談できる窓口がオンラインで用意されているのは、一つの利点といえます。まずは今の顔汗の状態を医師に伝えるところから始められます。ただし、薬の効果には個人差があり、すべての人に同じ効果が保証されるものではありません。
24時間オンラインで受診でき最短当日に届く
DMMオンラインクリニックは、24時間対応のオンライン診療を行っており、スマートフォンやパソコンから受診できます。仕事や家事の合間、深夜など、自分の都合のよい時間に診察を受けられるため、通院の負担がありません。
処方された薬は、最短で当日に届きます(当日到着の対象は東京23区と大阪市24区で、別途追加の費用がかかります)。通院のために仕事を休んだり、待合室で長く待ったりせずにすむため、市販の制汗剤で効果が足りなかった人も、通院なしで医師の処方による対策を続けられます。診察料はかからず、薬の配送料などが必要となる料金体系です。なお、料金やサービスの内容は2026年7月時点のもので、最新の情報は公式サイトで確認できます。
顔汗をなんとかしたいけれど受診の時間が取れないなら、まずはオンラインで医師に相談してみるのも一つの方法です。
顔汗を止める対策に関するよくある質問
顔汗をなくす方法はあるのか、ワキ用の制汗剤を顔に使えるかなど、よくある疑問をまとめました。
- 顔から汗が出なくなる方法はありますか?
- ワキ用の制汗剤を顔に使ってもいいですか?
- 顔の汗を無理に止めても体に問題はありませんか?
顔から汗が出なくなる方法はありますか?
顔の汗を完全にゼロにする方法はありません。汗には体温調節などの大切な役割があり、まったく出ないようにするのは体にとって望ましくないためです。
実際、多汗症治療のゴールも、発汗をゼロにすることではなく、汗で損なわれた生活の質を改善することにあります。市販の制汗剤や医療機関での治療で、日常生活に支障が出ない程度まで気になる汗を抑えることは十分に可能です。
ワキ用の制汗剤を顔に使ってもいいですか?
ワキ用の制汗剤の中には、顔への使用を想定していない製品もあります。顔の皮膚は敏感なため、顔に使うときは「顔用」と表示された製品や、顔にも使えると明記されたものを選ぶのがおすすめです。
使ってみて、赤みやヒリつきなど肌に合わないと感じたときは、無理に続けず使用を中止してください。顔用として売られている製品は、顔の皮膚に合わせて成分や使用感が調整されているため、はじめの一本には顔用を選ぶほうが無難です。とくに目のまわりや口もとに近い部分に使うときは、顔用と明記されたものを選ぶと安心できます。心配なときは、皮膚科で相談してみてください。
顔の汗を無理に止めても体に問題はありませんか?
汗には、体温を調節したり、皮膚の潤いを保って外部の刺激から体を守ったりする役割があります。そのため、全身の汗を薬などで過度に抑え込むのは避けたほうがよいとされています。
一方で、顔など一部の汗を市販の制汗剤で抑える範囲であれば、通常は大きな問題はないと考えられます。ただし、汗の量が急に増えたり減ったりしたときや、体調に不安があるときは、自己判断せず医師に相談してください。
まとめ:顔汗は市販の選び方で対策し、止まらなければ医療も検討する
顔汗は、正しい対策で十分に付き合っていけます。まずは、制汗成分やタイプ、医薬部外品の表示を目安に、自分に合った市販の制汗剤を選ぶことが第一歩です。スキンケア後の乾いた肌に塗る、こまめに塗り直すといった使い方を意識すると、効果を引き出しやすくなります。
外出先で急に汗が出たときは、上半身の圧迫やツボ押し、体を冷やす応急処置も役立ちます。それでも顔汗が止まらない、顔だけ汗が突出して多いという場合は、顔面多汗症として医療機関での治療を検討する段階です。
市販品で止まらない顔汗には、通院不要のオンライン診療という選択肢もあります。顔汗はひとりで抱え込みがちな悩みですが、知識があれば打てる手はいくつもあります。今日できる市販品の見直しから始め、それでも変わらなければ医療という次の一手を検討する、という順で進めるとよいでしょう。市販の対策と医療をうまく組み合わせて、顔汗の悩みを軽くしていきましょう。
未承認医薬品等に関する注意事項
本記事で触れている顔汗・多汗症の治療に用いられる医薬品のなかには、別の疾患や部位に対しては国内で承認されているものの、顔面の多汗症への使用が承認の範囲外(適応外使用)となるものが含まれます。適応外使用に関する注意事項は次のとおりです。
【入手経路等】
提携クリニックで処方する医薬品は、国内の医薬品販売代理店等を通じて正規に入手しています。
【国内の承認医薬品等の有無】
これらの医薬品は、過活動膀胱やわき・手足の多汗症など別の疾患・部位に対しては国内で承認されていますが、顔面の多汗症への使用は承認の範囲外(適応外使用)となります。
【安全性等に係る情報】
内服薬の主な副作用として、口の渇きや便秘などがみられることがあります。外用薬では、塗った部分のかゆみ・かぶれなどがみられることがあります。まれに重い副作用が起こる可能性もあります。
【医薬品副作用被害救済制度について】
適応外使用と判断された場合、万が一重篤な副作用が生じても、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
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