汗っかきは体質改善できる?原因と今日からの対策・受診の目安を解説

軽く動いたり少し暑くなったりするだけで人より汗をかいてしまい、ハンカチやタオルが手放せないという方もいます。そんな汗の多さを「体質だから仕方ない」と諦めかけながらも、治せるものなら治したいというのが本音ではないでしょうか。
汗っかきは、生活習慣の見直しで汗の質を整えていける余地があり、体質改善で変えられる可能性があります。ただし、対策を続けても汗が減らない場合は注意が必要です。その裏に、多汗症など別の原因が隠れていることもあります。
この記事では、汗っかきになる主な原因から、今日から始められる体質改善の方法、応急処置との違い、受診を考える目安までを解説します。
この記事の監修者
国家公務員共済組合連合会虎の門病院救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)
1995年長崎大学卒業。亀田総合病院臨床後研修、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より国家公務員共済組合連合連合会虎の門病院救急科部長(現職)。東京大学医学部附属病院 総合研修センター講師。東京大学医学部講師。KAKENプロフィール。『早わかり! 救急科診療マニュアル』(共訳者)。
汗っかきの主な原因

そもそも汗は、体温が上がったときに皮膚の汗腺から水分を出し、体を一定の温度に保つはたらきをしています。この汗をつくるのがエクリン汗腺で、体温調節の汗も、ストレスによる汗も、辛いものを食べたときの汗も、ここから出ています。汗のかき方は、大きく分けて温熱性・精神性・味覚性の3種類です。
こうした発汗の仕組みに、いくつかの体質的な要因が重なって、汗っかきの傾向が生まれます。主な原因として、次の4つが挙げられます。
- 生まれ持った汗腺の数と遺伝的な体質
- 自律神経の乱れによる発汗
- 代謝・体格による発汗量の違い
- 肥満による熱のこもりと発汗
生まれ持った汗腺の数と遺伝的な体質
汗のかきやすさには、生まれ持った体質や遺伝的な素因が関わると考えられています。実際、手のひらや足の裏の多汗症では、家族にも同じ症状がみられることがあり、体質の一部が受け継がれる可能性も指摘されています。家族に汗をかきやすい人が多いなら、その背景には体質的な影響があるのかもしれません。
とはいえ、汗腺の数が多いことが、そのまま汗っかきの原因になるわけではありません。生まれつきの素因は変えられなくても、汗のかき方そのものは生活習慣で整えていけます。大切なのは、まず自分の汗の背景を知ることです。そのうえで後ほど紹介する対策に取り組むと、変化を実感しやすくなります。
自律神経の乱れによる発汗
ストレスや緊張などの精神的な負荷がかかると、体温調節とは関係なく汗が出ることがあります。痛みや不安を感じたときや、人前で強く緊張したときに手のひら・足の裏ににじむ汗が、この精神性発汗です。大勢の前で話す前や、大事な面接を控えた場面で急に汗が出た経験のある方も多いはずです。
発汗は、もともと交感神経の刺激で始まります。不規則な生活やストレスで自律神経のバランスが乱れると、体温調節とは別のきっかけで汗をかきやすくなることがあります。忙しさや寝不足が続く時期に汗が増えたと感じるなら、自律神経の乱れが関係しているのかもしれません。
代謝・体格による発汗量の違い
運動や労働で体温が上がると、それを下げようとして温熱性発汗が起こります。このとき、体の中で熱をたくさんつくる人ほど、冷やすために汗をかきやすい傾向があります。基礎代謝が高い人や筋肉量が多い人が、その代表です。日ごろから体を動かす習慣がある人ほど汗をかきやすいと感じるのは、こうした熱産生の多さも一因と考えられます。
ただし、代謝や体格は汗の量を決める要因の一つにすぎません。汗が多いことを「代謝が良いから」とだけ考えると、ほかの原因を見落としてしまいます。
肥満による熱のこもりと発汗
体に脂肪が多いと、皮下脂肪が熱を逃がしにくくなり、体の内側に熱がこもりやすくなります。このこもった熱を下げようとして発汗の指令が強まり、汗をかきやすくなることがあります。つまり、体型も汗のかきやすさに関わってくるわけです。
体重が増えれば、動くときのエネルギー消費や発熱も大きくなります。その分、汗の量も増える場合があります。体格が変わるにつれて汗の量も増えてきたなら、熱のこもりやすさもその一因です。
ちょっと動くと汗が出るのは代謝のせいとは限らない
「少し動いただけで汗が噴き出すのは、代謝が良い証拠」と聞いたことがあるかもしれません。たしかに代謝は汗の量に関わる要因の一つですが、それだけで説明できるわけではありません。
そもそも、軽く動いただけで汗をかくこと自体は、体温を一定に保つための生理的な反応です。体を動かせば熱が生まれ、その熱を逃がすために汗が出ます。これは自然な体のはたらきであり、汗が多いことが、そのまま異常を意味するわけではありません。
また、汗には温熱性発汗のほかに、緊張などで出る精神性発汗、辛いものなどで出る味覚性発汗があります。暑さや運動と関係なく出る汗もあるということです。たとえば、辛いものを食べて顔や頭から汗が噴き出すのは味覚性発汗、強い緊張で手に汗をにぎるのは精神性発汗で、どちらも体温調節とは別の仕組みで起こります。「代謝が良いから汗っかき」とは限らず、自律神経の乱れやストレスといった代謝以外の要因でも、汗は増えやすくなります。
汗の量が多いことが、そのまま基礎代謝の高さを意味するわけでもありません。代謝はあくまで数ある要因の一つとして捉え、自分の汗の背景を幅広く見ていくことが、対策の第一歩になります。
汗っかきの根本解決には体質改善が必要
ここまで見てきたように、汗っかきにはさまざまな要因が関わっています。では、実際に汗を減らしていくにはどうすればよいのでしょうか。
汗への対策は、大きく分けて2つあります。その場で汗を抑える「応急処置」と、汗をかきやすい体質そのものを変えていく「体質改善」です。両者は役割が異なります。ここからは、その違いと、根本改善がなぜ必要になるのかを説明します。
- 今すぐ抑えたいときの応急処置とその限界
- 根本から変えるには汗腺・自律神経を整える必要がある
今すぐ抑えたいときの応急処置とその限界
汗が気になる場面では、まずその場で抑えたいものです。手軽にできる応急処置には、次のようなものがあります。
制汗剤は、汗腺の出口を一時的にふさぐなどして汗を抑えるものです。通気性のよい服装を選んだり、体を冷やしたりする工夫も、その場の汗や不快感をやわらげるのに役立ちます。とくに、脇の下や首すじなど太い血管が通る部位を冷やすと、体のほてりや汗を抑えやすくなります。冷たいペットボトルや保冷剤を当てるだけでも、ひとまずの対処になるでしょう。
ただし、これらの応急処置は一時的な対処にすぎず、汗をかきやすい体質そのものを変えるものではありません。応急処置と体質改善は、目的も効果の持続も異なります。下の表に、両者の違いをまとめました。
| 比較項目 | 応急処置 | 根本的な体質改善 |
|---|---|---|
| 目的 | その場の汗・不快感を抑える | 汗をかきやすい体質そのものを変える |
| 効果の持続 | 一時的(その場かぎり) | 続けることで持続しやすい |
| 手段 | 制汗剤・通気性のよい服装・体の冷却 | 運動・入浴・食事・睡眠などの習慣 |
根本から変えるには汗腺・自律神経を整える必要がある
根本から汗を変えるには、汗腺と自律神経のはたらきを整えることが欠かせません。
汗腺は、汗をかく機会が減るとはたらきが鈍りやすい一方、繰り返し汗をかくことで分泌のはたらきが高まると考えられています。この習慣を通じて汗腺をはたらかせていくと、塩分濃度の低いサラサラの汗に近づき、汗の質そのものを整えていくことが期待できます。
あわせて、自律神経のバランスが安定してくると、緊張やストレスによる余分な汗も抑えやすくなるでしょう。
こうした変化は、一度の対策ですぐに得られるものではありません。運動・入浴・食事・睡眠といった毎日の習慣を、時間をかけて見直していきましょう。次に、その具体的な方法を紹介します。
汗っかきを根本から体質改善する方法
体質改善のポイントは、「良い汗」をかける体を取り戻すことです。汗は、血液からつくられる前駆汗の段階で、汗腺の管を通るあいだにナトリウムなどの塩分が再吸収され、薄められてから皮膚に出てきます。この再吸収がうまくはたらくと、塩分濃度の低いサラサラの汗になります。
ところが、汗をかかない生活を数日続けるだけでも、暑さへの慣れ(暑熱順化)は徐々に失われていきます。少しずつかいた汗はサラサラですが、ふだんかき慣れていない人が急に大量にかく汗は、べたついて塩分濃度が高くなりがちです。
つまり、日ごろから適度に汗をかき、汗腺をはたらかせておくことが、良い汗への近道になります。ここからは、無理なく続けられる5つの方法を紹介します。
- 有酸素運動でサラサラの汗をかく習慣をつける
- 手足高温浴・半身浴で発汗を促す
- エアコンに頼りすぎず汗をかく習慣をつける
- 発汗を促す飲食物を控え、体を冷やす食材を取り入れる
- 体質タイプに合う漢方薬を取り入れる
有酸素運動でサラサラの汗をかく習慣をつける
良い汗を取り戻すうえで、まず取り入れたいのが有酸素運動です。ウォーキングやジョギング、軽い水泳など、じんわりと汗ばむ運動を習慣にすると、体が暑さに慣れて、汗の分泌機能が高まっていきます。
ふだんから運動を続けている人は、塩分濃度の低い良い汗をかきやすく、汗のコントロールもしやすくなると考えられています。
大切なのは、激しく追い込むことよりも続けることです。息が弾みすぎない程度のペースで、じんわり汗をかく運動を、こまめに重ねていくとよいでしょう。
いきなり毎日行うのが難しければ、短い時間のウォーキングを週に数回から始めるだけでもかまいません。エレベーターを階段に替える、ひと駅分を歩くなど、日常の中で体を動かす機会を増やす工夫も役立ちます。
少しずつでも汗をかく習慣が積み重なると、体は変わっていきます。汗腺のはたらきは一度に変わるものではないため、数週間は続けるつもりで、生活の一部にしていくとよいでしょう。
手足高温浴・半身浴で発汗を促す
シャワーだけで済ませていると、汗をかく機会はどうしても減ってしまいます。湯船に浸かって定期的に汗をかくことは、汗の分泌機能を整えるのに役立つとされています。
とくに取り入れやすいのが、手足高温浴と半身浴です。体への負担を抑えながら、じっくり汗をかける入浴法として、汗腺をはたらかせるのに向いています。手足高温浴は、次の手順で行います。
- STEP1 準備『やや熱めのお湯を用意する』
- STEP2 温める『肘から先と膝から下を、お湯に浸けて温める』
- STEP3 半身浴へ『一定時間温めたあと、ぬるめのお湯での半身浴に移る』
湯温や浸かる時間には個人差があります。のぼせや動悸を感じたら無理をせず、体調に合わせて調整してください。持病がある方や体調が優れないときは、事前に医師に相談すると安心です。
エアコンに頼りすぎず汗をかく習慣をつける
夏の冷房は快適ですが、涼しい環境に頼りきりでいると、汗をかく機会が減ってしまいます。先ほど触れたように、暑さへの慣れ(暑熱順化)は、汗をかかない日が数日続くだけでも徐々に薄れていきます。
だからこそ、冷房に頼りすぎず、適度に汗をかく機会を残しておくことが大切です。冷房の設定温度を下げすぎない、季節に合わせて少しずつ体を暑さに慣らすといった工夫が、発汗機能の維持に役立ちます。涼しく過ごしながらも、まったく汗をかかない状態が続かないように意識してみてください。
たとえば、朝夕の涼しい時間帯に軽く体を動かす、冷房の効いた部屋でも1枚羽織って冷やしすぎを防ぐなど、小さな工夫から始められます。暑さを避けることと、暑さに慣れることのバランスを取ることが、汗っかきの体質改善につながります。
発汗を促す飲食物を控え、体を冷やす食材を取り入れる
毎日の食事や飲み物も、汗のかき方に関わっています。まず気をつけたいのが、辛い料理などの刺激物です。辛み成分のカプサイシンには発汗をうながすはたらきがあり、顔や頭を中心に汗が出る味覚性発汗を引き起こします。大事な予定の前など、汗をかきたくない場面では控えめにしましょう。
飲み物では、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェイン、そしてアルコールにも注意が必要です。交感神経を刺激し、発汗をうながすことがあるため、汗が気になる時期は常温の水や麦茶などに置き換えると安心です。
反対に、体の熱を冷ますとされる食材を取り入れる工夫もあります。きゅうりやトマトといった夏野菜や、豆腐・納豆などの大豆製品は、体を内側から整える食事に役立つとされています。特定の食材だけで汗が止まるわけではありませんが、バランスのよい食事の中に取り入れてみてください。
体質タイプに合う漢方薬を取り入れる
体質改善の後押しとして、漢方薬という選択肢もあります。漢方では、汗の悩みを体全体のバランスから捉え、その人の体質(証)に合わせて薬を選びます。汗に関わる代表的な漢方薬を、体質のタイプ別に見てみましょう。
体力中等度以下で疲れやすく、汗をかきやすい、いわゆる水太りの傾向がある人に用いられるのが、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)です。多汗症や肥満にともなうむくみなどに使われます。一方、体力が虚弱で疲れやすい人には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)が、疲労倦怠やねあせ(寝汗)などに用いられます。
| 向く体質 | 主な症状 | 代表的な漢方薬 |
|---|---|---|
| 体力中等度以下・疲れやすく汗をかきやすい・水太りの傾向 | 多汗症、汗のかきやすさ、むくみ | 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう) |
| 体力が虚弱・疲れやすい | 疲労倦怠、ねあせ(寝汗) | 補中益気湯(ほちゅうえっきとう) |
漢方薬は、同じ汗の悩みでも体質によって合うものが異なるため、医師や薬剤師に相談して選んでもらうのが安心です。オンライン診療でも、漢方薬を相談できます。
体質改善しても汗が減らないときは多汗症かも
ここまでの体質改善を続けても汗が減らない場合や、日常生活に支障が出るほど汗が多い場合は、「多汗症」の可能性も考えられます。
多汗症とは、明らかな原因がないのに大量の汗が出て、日常生活に支障をきたす状態のことです。ただの汗っかきとの境目は、汗の量そのものよりも、生活にどれだけ支障が出ているかにあります。ここからは、多汗症かどうかを見分けるセルフチェックと、受診を考える目安を紹介します。
- 多汗症かどうかを確かめるセルフチェック
- 受診を考える目安
- 多汗症の相談は何科?
多汗症かどうかを確かめるセルフチェック
自分の汗が多汗症にあたるのか、気になる方も多いはずです。まずは、次の項目でセルフチェックをしてみましょう。
☐ 最初に多汗の症状が出たのが25歳以下だった
☐ 左右対称に汗をかく
☐ 睡眠中は汗が止まっている
☐ 週に1回以上、多く汗をかくことがある
☐ 家族に汗の多い人(多汗症)がいる
☐ 発汗で日常生活に支障が出ている
医療機関では、明らかな原因のない過剰な発汗が6か月以上続き、上のような6つの症状のうち2項目以上あてはまる場合に、多汗症と診断されます。あわせて、汗による生活への支障の程度をはかる目安に、HDSS(多汗症の重症度分類)があります。
1 発汗は全く気にならず,日常生活に全く支障がない.
2 発汗は我慢できるが,日常生活に時々支障がある.
3 発汗はほとんど我慢できず,日常生活に頻繁に支障がある.
4 発汗は我慢できず,日常生活に常に支障がある.
(出典: 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」 )
このHDSSでは、3または4にあてはまる状態が、重症の目安とされています。ただし、セルフチェックはあくまで受診を検討するための目安であって、診断ではありません。気になる項目が多い場合は、自己判断だけで済ませず、医療機関への相談を考えてみてください。
受診を考える目安
では、どのくらいの状態になったら受診を考えればよいのでしょうか。一つの目安になるのが、セルフケアを続けても汗が改善しないかどうかです。運動や入浴、食事などの体質改善をしばらく試しても変化が見られないときは、専門家に相談するタイミングと考えられます。
とくに、発汗によって日常生活に支障が出ている場合(HDSSの3・4にあたる状態)は、早めに医療機関へ相談することがすすめられます。仕事や人づきあい、着る服の選択にまで影響が出ているなら、我慢を続ける必要はありません。汗が原因で外出や人との対面を避けるようになっているなら、それも相談を考えるサインになります。
また、急に汗の量が増えた、大量の寝汗が続くといった場合は、後で述べるように別の病気が隠れていることもあります。とくに、体重の減少や動悸など、汗以外の変化をともなうときは、早めの受診が安心につながります。気になる症状があるときは、放置せず早めに相談してみてください。
多汗症の相談は何科?
いざ相談しようと思ったとき、迷いやすいのが何科にかかればよいかという点です。多汗症の相談先は、主に皮膚科になります。汗の症状を専門的に診てもらえるため、まずは皮膚科を目安にするとよいでしょう。
最近は、通院して対面で診てもらう方法のほかに、オンライン診療という選択肢もあります。自宅にいながら医師に相談でき、通院の時間や手間をかけずに済むのが利点です。汗の悩みは一人で抱え込まず、まず医師に相談することで解決に近づきます。
体質改善を続けても汗が減らない、生活に支障が出ているというときは、我慢せず一度医師に相談してみてください。オンラインなら、まずは話を聞いてもらうところから気軽に始められます。
大量の汗の裏に隠れた病気や体の不調
大量に汗をかく背景には、体質や多汗症だけでなく、別の病気が隠れていることもあります。「顔から滝のように汗が出るのは病気ではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。
医学的には、ほかの病気が原因で起こる汗を続発性の多汗と呼び、甲状腺機能亢進症や低血糖などが原因になります。また、女性では更年期の体の変化も、大量の汗の背景になることがあります。これらは汗だけでなく、それぞれ特有の症状をともなうものです。汗の量そのものよりも、いつから・どんなときに増えたか、ほかにどんな症状があるかに目を向けることが、背景にある病気に気づく手がかりになります。ここでは、代表的な3つを取り上げます。
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
- 糖尿病・低血糖による発汗
- 更年期障害によるホットフラッシュ
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
甲状腺機能亢進症は、のどぼとけの下にある甲状腺から、甲状腺ホルモンが過剰につくられる病気です。その代表がバセドウ病で、汗の多さと関わりの深い病気の一つです。
甲状腺ホルモンや、交感神経を刺激するカテコールアミンが過剰になると、体の代謝が必要以上に高まってしまうのです。その結果、動悸や体重の減少、指の震え、暑がり、汗かきといった症状があらわれます。甲状腺機能亢進症では体の熱をつくる量が増えるため、発汗の量も増えます。
動悸や体重減少などをともなう汗の増加に心当たりがあるときは、内分泌内科などの受診を検討してみてください。血液検査などで調べられる病気のため、気になる場合は早めに相談すると安心です。
糖尿病・低血糖による発汗
汗が、糖尿病や低血糖と関わって出ることもあります。糖尿病そのものよりも注意したいのが、血糖値が下がりすぎる低血糖の状態です。糖尿病の治療中などに血糖値が大きく下がると、体にさまざまな症状があらわれます。
血糖値がおよそ70mg/dL以下になると、汗をかくなどの交感神経の症状があらわれるとされています。冷や汗のような汗に加えて、動悸や手の震え、強い空腹感などをともなうのが特徴です。
こうした症状が急に起こる場合は、低血糖の可能性も考えられます。とくに糖尿病の治療を受けている方は、自己判断せず、糖尿病内科など主治医に相談することが大切です。
更年期障害によるホットフラッシュ
女性の場合、更年期の体の変化が汗に影響することもあります。更年期障害の主な原因は、女性ホルモンであるエストロゲンが、大きくゆらぎながら低下していくことです。
このホルモンの変化によって起こる代表的な症状が、ホットフラッシュです。ホットフラッシュは、上半身ののぼせやほてり、急な発汗などが起こる、更年期障害の代表的な症状です。女性ホルモンの分泌が急激に減り、体のバランスが崩れることで起こると考えられています。
顔や上半身の急なほてりと汗に心当たりがあり、年齢的にも更年期が気になる場合は、婦人科などで相談できます。治療の選択肢もあるため、つらさを我慢せずに相談してみてください。
多汗症の主な治療法
多汗症と診断された場合、どのような治療があるのかを見ていきましょう。多汗症の治療には、塗り薬や飲み薬を中心に、重症の場合には機器を使った治療や外科的な治療まで、複数の選択肢があります。まずは体への負担が少ない方法から検討されるのが一般的です。
塗り薬では、汗腺への発汗の指令を抑えるはたらきを持つ外用抗コリン薬が2020年11月に保険適用となり、手のひらの多汗症についても2023年6月に外用薬が保険収載されました。汗腺の出口に作用させる塩化アルミニウムの外用は、保険適用のある外用薬がなく、院内製剤として処方されています。飲み薬では、内服の抗コリン薬に多汗症への保険適用を持つものがあり、全身の発汗に用いられます。
手のひらや足の裏の多汗症には、水道水に電気を通す水道水イオントフォレーシス療法を行うことがすすめられます。重度のわき(腋窩)の多汗症には、ボツリヌス毒素製剤を局所に注射して発汗を抑える方法があり、保険適用となっています。
さらに、既存の治療で効果が出にくい重症例では、交感神経遮断術という手術が選択肢になりますが、手術後に別の部位の汗が増える代償性発汗などのリスクがあります。
| 治療の種類 | 保険・自由診療 | 特徴 |
|---|---|---|
| 塗り薬(外用抗コリン薬) | 保険適用 | わき・手のひらなどに塗って局所の発汗を抑える |
| 塗り薬(塩化アルミニウム) | 保険適用外(院内製剤) | 汗腺の出口に作用させて発汗を抑える |
| 飲み薬(内服抗コリン薬) | 保険適用(一部) | 全身の発汗に用いる |
| イオントフォレーシス | 保険適用 | 手のひら・足の裏を水道水に浸して通電する |
| ボツリヌス毒素製剤の注射 | 重度のわきのみ保険適用 | 局所に注射して発汗を抑える |
| 手術(交感神経遮断術) | 重症・難治例の選択肢 | 代償性発汗などのリスクがある |
このほか、体質に合わせた漢方薬も治療に用いられます。どの治療が向いているかは、症状の程度や部位によって異なるため、医師と相談しながら選んでいくことになります。
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- 自宅で医師に相談し、塗り薬・内服・漢方を処方してもらえる
- セルフケアで汗が減らないときの選択肢になる
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DMMオンラインクリニックの多汗症の診療は自由診療ですが、そのぶん自分の状態やライフスタイルに合わせて相談しやすい環境が整っています。セルフケアで汗が改善しないと感じたら、処方薬の診療という選択肢を検討してみてください。
まとめ:汗っかきは体質改善で変えられる、続けても改善しなければ受診を
汗っかきは「体質だから」と諦めるものではなく、生活習慣の見直しによって変えていける余地があります。汗をかきやすい原因には、遺伝的な素因や自律神経の乱れ、代謝や体格、肥満などが関わっています。少し動くだけで汗をかくこと自体は生理的な反応であり、必ずしも異常ではありません。
根本的な改善には、有酸素運動や入浴で汗をかく習慣をつけ、食事や漢方も取り入れながら、良い汗をかける体へ整えていくことが役立ちます。
一方で、こうした体質改善を続けても汗が減らない、日常生活に支障が出るという場合は、多汗症の可能性も否定できません。大量の汗の裏に、甲状腺や更年期などの体の変化が隠れていることもあります。
まずはできることから体質改善に取り組み、それでも汗の悩みが続くときは、我慢せずに医師へ相談してみてください。オンライン診療なら、自宅から気軽に一歩を踏み出せます。
未承認医薬品等に関する注意事項
本記事で触れている汗っかき・多汗症の対策として汗を抑える目的で用いられる内服薬のなかには、別の疾患に対しては国内で承認されているものの、発汗を抑える目的での使用が承認の範囲外(適応外使用)となるものが含まれます。適応外使用に関する注意事項は次のとおりです。
【入手経路等】
提携クリニックで処方する医薬品は、国内の医薬品販売代理店等を通じて正規に入手しています。
【国内の承認医薬品等の有無】
これらの医薬品は、過活動膀胱など別の疾患に対しては国内で承認されていますが、発汗を抑える目的での使用は承認の範囲外(適応外使用)となります。
【安全性等に係る情報】
内服薬の主な副作用として、口の渇きや便秘などがみられることがあります。まれに重い副作用が起こる可能性もあります。
【医薬品副作用被害救済制度について】
適応外使用と判断された場合、万が一重篤な副作用が生じても、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
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