生理前の食欲が止まらない原因は?我慢しない対策と受診の目安


生理が近づくと、食欲が急に強くなって止められなくなります。気づけば普段より多く食べていて、体重計の数字も増えています。毎月そのたびに、意志が弱い自分を責めてしまう方もいるのではないでしょうか。


生理前に食欲が増えるのは、月経前症候群(PMS)の症状の1つとして知られています。はっきりした原因は分かっていないものの、排卵の後に起こる女性ホルモンの大きな変動が影響しているといわれています。体の仕組みによる変化であり、意志の強さの問題ではありません。


この記事では、生理前に食欲が止まらなくなる原因と、食欲が強くなる時期、増えた体重の中身を解説します。あわせて、我慢を前提にしない食べ方と食材の選び方、婦人科への相談を考える目安、PMSの治療の選択肢まで紹介します。

この記事の監修者

国家公務員共済組合連合会虎の門病院救急科部長

東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)

1995年長崎大学卒業。亀田総合病院臨床後研修、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より国家公務員連合連合会虎の門病院救急科部長(現職)。東京大学医学部附属病院 総合研修センター講師。東京大学医学部講師。KAKENプロフィール。『早わかり! 救急科診療マニュアル』(共訳者)。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の医療行為・医薬品の使用を推奨するものではありません。治療や服薬に関しては必ず医師にご相談ください。※オンライン診療では触診や精密検査が行えないため、症状によっては対面受診を勧められる場合があります。※記載の料金・診療時間・処方薬の取り扱い等は2026年7月時点の情報です。最新情報はクリニックの公式サイトをご確認ください。

生理前に食欲が止まらない原因

生理前の食欲は、PMSによって起こる体の変化の一部です。ホルモンの変動を土台に、気分の変化や睡眠の乱れといった複数の要因が重なると考えられています。ここでは、生理前に食欲が止まらなくなる背景を4つに分けて説明します。


  • 生理前の過食・偏食はPMSの症状の1つ
  • 排卵後の女性ホルモンの大きな変動が関わっている
  • 気分が不安定になり、食べることに向かいやすくなる
  • ストレスや睡眠不足が食欲の乱れに重なる

生理前の過食・偏食はPMSの症状の1つ

生理前に食欲が増えたり、特定のものばかり食べたくなったりするのは、月経前症候群(PMS)の体の症状の1つです。PMSは月経の前に現れる心と体の不調で、症状は月経前3〜10日ほど続き、月経が始まると自然に軽快・消失します。この時期は、排卵の後から月経までの黄体期にあたります。


PMSの体の症状には、偏食や過食のほか、むくみ、お腹や乳房の張り、便秘などがあります。食欲の変化は、こうした症状と並ぶPMSの一部として位置づけられています。月経前に何らかの不調を自覚しているのは、日本人女性の70〜80%です。


つまり、生理前に食べる量が増えるのはPMSの症状の一つであり、自分を責める必要はありません。ただし、PMSかどうかを診断するのは医師です。つらさが続くようであれば、自己判断で片づけず婦人科に相談してみてください。

排卵後の女性ホルモンの大きな変動が関わっている

PMSのはっきりした原因は分かっていませんが、排卵の後に起こる女性ホルモンの変動が影響しているといわれています。


排卵から月経が始まるまでの黄体期には、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンが多量に分泌されます。黄体期の後半に入って血液中のこの2つのホルモンが急激に低下すると、脳でホルモンや神経伝達物質のバランスが乱れると考えられています。


さらに、女性ホルモンの変動だけがPMSを起こすわけではありません。ストレスなどいくつもの要因が重なり合って発症すると考えられています。生理前の食欲も、こうした複数の要因が重なるなかで現れる症状の1つです。

気分が不安定になり、食べることに向かいやすくなる

PMSでは体の症状だけでなく、心の症状も現れます。情緒が不安定になる、イライラする、気分が落ち込む、不安を感じる、集中力が低下するといった変化が、月経前の時期に起こります。


こうした心の不調は、脳でセロトニンなどの神経伝達物質が減少し、バランスが乱れることと関わっているといわれています。気持ちが不安定になりやすい時期は、食行動にも表れやすいものです。気分が沈んだり落ち着かなかったりするときほど、食べることで気持ちを保とうとしやすくなります。


なお、生理前に甘いものなど特定の食べ物を欲しくなる仕組みは、はっきり解明されていません。よく耳にする説明のなかにも根拠のはっきりしないものがあるため、この記事では分かっている範囲にとどめて説明します。

ストレスや睡眠不足が食欲の乱れに重なる

PMSの背景には、ホルモンの変動に加えて、そのときの生活の状態が重なっているといわれています。なかでも睡眠は影響が出やすい部分です。


PMSの心の症状には、不眠や眠気といった睡眠障害も含まれます。眠れない夜が続けば、影響は気分だけにとどまりません。睡眠不足が数日続くだけで、食欲を抑えるレプチンの分泌は減り、食欲を高めるグレリンの分泌が増えて食欲が強くなります。


生理前は眠りが乱れやすい時期でもあるため、ホルモンの変動に睡眠不足の影響が重なりやすいと考えられます。生理前の食欲が強くなる背景には、複数の要因が同時に働いています。

生理前に食欲が増えるのは排卵後の黄体期


生理前に食欲が強くなるのは、排卵の後から月経が始まるまでの黄体期です。PMSの症状は、月経前3〜10日ほどのあいだ続きます。「何日前から食欲が出るのか」という問いへの答えは、この月経前3〜10日です。


食欲の変化を含むPMSの症状が現れるのは、この黄体期の後半にあたります。月経が始まれば、症状は自然に軽快・消失します。増えた食欲がいつまでも続くわけではありません。


時期 その時期の位置づけ 起こりやすい変化
卵胞期 月経の終わりから排卵に向かう時期 PMSの症状が現れていない時期にあたる
排卵期 排卵が起こり、黄体期に切り替わる ここを境に、PMSの症状が現れる期間に入る
黄体期(生理前) エストロゲンとプロゲステロンが多量に分泌され、後半に急激に低下する 月経前3〜10日にかけて、過食・偏食、むくみ、お腹や乳房の張りなどが現れる
月経期 月経が始まる 症状は自然に軽快・消失する

ただし、症状が現れる時期や続く期間には個人差があり、毎月まったく同じとは限りません。自分の食欲の変化が生理の周期と連動しているかどうかは、日々の症状を記録すると確認できます。

生理前に増える体重の正体

生理前に体重が増えると、そのまま脂肪が増えたと感じてしまいます。ただし、この時期に増えた分の中身は1つではありません。水分によるものと、実際にエネルギーのとりすぎで増えるものは、分けて考える必要があります。ここでは、生理前の体重増加の中身と、この時期の目標の置き方を説明します。


  • 増えた体重には水分によるものが含まれる
  • 空腹後のドカ食いは血糖値が急上昇して脂肪をため込みやすい
  • 生理前は減量より体重維持を目標にする

増えた体重には水分によるものが含まれる

生理前に増えた体重には、水分がたまることによるものが含まれると考えられます。PMSの体の症状にはむくみやお腹の張りが含まれ、婦人科でも、むくみなど水分の貯留症状に対して利尿剤を使用することがあります。体に水分をため込んでいる状態が、体重計の数字に表れているわけです。


もちろん、増えた分がすべて水分によるものとは限りません。食べた量が多ければ、その分のエネルギーは体に残ります。それでも、生理前の数字の変化を、すべて脂肪だと受け取る必要はありません。


むくみが気になる時期は、塩分のとり方も見直す価値があります。日本人女性の食塩摂取量は目標量を上回っており、ふだんの食事から控えることが望ましい状態です。

空腹の時間が長引くと次の食事で食べすぎやすくなる

脂肪が増える側には、別の経路があります。空腹の時間が長くなるほど、次に食べるときの量は増えやすくなります。食べる量が増えれば、とるエネルギーもその分だけ多くなるためです。


このとき選びやすいのが、清涼飲料水や菓子類です。これらに含まれる糖質は速やかに吸収され、血糖値を急激に上昇させます。食事を抜いてまとめて食べるより、1日3食を規則正しくとるほうが、血糖値の急上昇を抑えられます。


食べ方の面では、食物繊維に血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。生理前に食欲が強くなる時期こそ、空腹をつくらない食べ方が体重の変化を小さくします。

生理前は減量より体重維持を目標にする

生理前はむくみやお腹の張りが起こりやすく、体重が一時的に変動しやすい時期です。この数字を基準に減量の成果を測ろうとすると、うまくいっていないように見えてしまいます。生理前は減量ではなく、体重を維持することを目標にするのがおすすめです。


目標を維持すると、日々の数字に一喜一憂しなくて済み、ストレスをためにくくなります。食欲を我慢しすぎることもストレスになり、その反動でかえって食べすぎにつながりかねません。抑え込もうとするほど苦しくなる時期だからこそ、目標を下げておくほうが結果的に安定します。


なお、増えた分を取り戻そうとして極端な食事制限に走ることは避けてください。食事を抜くことは体調を崩す原因になり、次の食事での食べすぎも招きます。減らすのは生理が終わってからでも遅くありません。

生理前の食欲を我慢せずに抑える食べ方

食欲を我慢で抑え込む必要はありません。食べ方を整えることで、強い空腹と食べすぎの往復を小さくできます。今日から順番に取り入れられる4つの工夫を紹介します。


  1. 食事の回数と時間を決める
  2. 食べる順番を決める
  3. 噛む回数を増やす
  4. 食べる量を先に決める

食事を小分けにして空腹の時間をつくらない

まず整えたいのは食事のリズムです。1日3食を基本に、時間を決めて規則正しく食べ、3食の量にも偏りが出ないようにします。朝を抜いて昼と夜に寄せると、空腹の時間が長くなります。


欠食、遅い時間の夕食、まとめ食いを避けることで、血糖値の急上昇や高血糖の持続は防げます。空腹の時間が長くなるほど、次の食事で食べすぎやすくなるためです。生理前に食欲が強くなる時期は、この影響がとくに出やすくなります。


3食では足りないと感じるときは、1日の総量を変えずに間食をはさむとよいでしょう。食事の量を少しずつ減らし、そのぶんを間食に回せば、総量は同じまま強い空腹感を避けられます。食べる量を増やすのではなく、配分を変えるという考え方です。

食物繊維の多い食べ物から先に食べる

同じ食事でも、食物繊維の多いものから先に食べると、血糖値の急激な上昇を抑えられます。食物繊維にはこの働きがあり、玄米、大麦、野菜、豆類、きのこ、海藻などに多く含まれます。食べる順番を変えるだけで済むため、量を減らす必要はありません。


PMSに対しても、食物繊維の多い複合炭水化物を積極的にとることが勧められています。玄米や全粒粉パンのように、精製度の低い穀類がよい例です。主食を変えるのが難しければ、副菜の野菜やきのこ、海藻を先に口に運ぶだけでも順番は整います。


一方で、精製された糖(単純炭水化物)の摂取は控えたほうがよいといわれています。生理前は甘いものに手が伸びやすい時期のため、先に食物繊維を入れておくことが、そのまま食べすぎの抑制にもつながります。

よく噛んでゆっくり食べる

体重に関わるのは、食べる量だけではありません。食べるのが速い人ほど、BMIが高い傾向にあります。さらにその傾向が強いのは、速く食べる習慣と、お腹いっぱいまで食べる習慣が重なった場合です。生理前に勢いよく食べてしまう自覚があるなら、速さを落とすところに効果が見込めます。


厚生労働省の検討会は、一口30回噛む習慣を勧める「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を提唱しています。回数という具体的な数字になっているぶん、目安として意識しやすくなっています。


30回が難しければ、いつもより数回多く噛むところから始めてもかまいません。厚生労働省の情報でも、ゆっくりと時間をかけて食べることが勧められています。食べる速さは、意識すればその場で変えられる数少ない要素です。

食べる量をあらかじめ決めて我慢しすぎない

食欲を完全に我慢しようとすると、それ自体がストレスになり、その反動で食べすぎることがあります。ストレスは、PMSの症状に関わる要因の1つとされています。我慢を積み上げる方向は、この時期の対処として向きません。


代わりに効くのが、食べる前に量を決めてしまうやり方です。袋やパッケージのまま食べると、どこで止めるかの判断を食べながら下すことになります。先に器へ取り分けておけば、その1回分で区切りがつきます。


間食も同じで、時間と量を決めてとります。「食べない」ではなく「これだけ食べる」と決めておくほうが、生理前の食欲とは付き合いやすくなります。

生理前におすすめの食べ物と控えたい食べ物

食べ方を整えたら、次は選ぶものです。生理前に強くなる食欲を、我慢ではなく置き換えで乗り切るための食材があります。反対に、むくみや症状の面から控えたい飲食物もあります。買い物や外食の場面で使えるよう、次の表にまとめました。


分類 食品の例 理由
自然な甘みの食材 さつまいも、かぼちゃ、果物 食物繊維を含み、血糖値の急激な上昇を抑えながら甘さを満たせる
たんぱく質の多い間食 大豆製品、乳製品、ナッツ類 たんぱく質は筋肉や血液などの材料となる栄養素で、噛みごたえの面でも取り入れやすい
カリウムの多い食材 野菜、果物、いも類 カリウムにはナトリウムを体外に出しやすくする作用があり、塩分のとりすぎの調節に役立つ
控えたい飲食物 清涼飲料水、菓子類、インスタント食品、加工食品、アルコール 糖質が速やかに吸収されて血糖値を急激に上昇させるもの、塩分が多くなりやすいものが含まれる

甘いものが欲しいときは自然な甘みの食材を選ぶ

甘いものが欲しくなったときは、さつまいもやかぼちゃ、果物のように、食物繊維を含む自然な甘みの食材に置き換える方法があります。単純な糖分を減らしながら、甘さを満たせます。


置き換えが効くのは、吸収の速さが違うためです。清涼飲料水や菓子類に含まれる糖質は速やかに吸収され、血糖値を急激に上昇させます。同じ甘さでも、食物繊維をあわせてとれば、上がり方はゆるやかになります。


果物については、1日200gの摂取が目標とされています。甘いものを完全に断つのではなく、目標の範囲で果物を取り入れるほうが、生理前は続けやすくなります。

間食はたんぱく質・食物繊維が多く腹持ちのよいものを選ぶ

空腹をしっかり満たしたいときは、たんぱく質や食物繊維を含み、噛みごたえのあるものを間食に選びます。たんぱく質は筋肉や血液などの材料となる栄養素で、魚、肉、大豆、卵などに多く含まれます。甘さで満たす場合と比べ、空腹が戻るまでの時間は長くなりがちです。


間食として取り入れやすいのは、ナッツ類や大豆製品、乳製品です。いずれも噛みごたえがあり、自然と噛む回数が増えます。噛む回数が増えれば、食べる速さも落ちます。


PMSに対しては、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ビタミンB6を積極的にとることも勧められています。間食を甘いものの我慢に使う時間ではなく、不足しがちな栄養を足す時間と考えると、選ぶものは変わってきます。

むくみが気になるときはカリウムの多い食材をとる

生理前のむくみが気になる時期は、カリウムを多く含む食材を意識してとる方法があります。カリウムにはナトリウムを体外に出しやすくする作用があり、塩分のとりすぎを調節するのに役立ちます。


カリウムの摂取目標量は、成人女性で1日2,600mg以上とされています。特別な食品を用意する必要はありません。野菜、果物、いも類といったふだんの食材から積み上げれば足ります。果物は1日200gが目標とされているため、ここを埋めるだけでもカリウムの量は増えます。


生理前に体重が増えたと感じたときは、食事量を削る前に、まず塩分とカリウムのバランスを見直すとよいでしょう。

塩分やアルコールは控える

むくみの側から見ると、控えたいものの筆頭は塩分です。食塩相当量の目標量は18歳以上の女性で1日6.5g未満ですが、20歳以上の女性の平均摂取量は1日9.1gと、目標量を上回っています。生理前に限らず、日常的に減らす余地が残されている状態です。


塩分が増えやすいのは、インスタント食品や加工食品を使う場面です。生理前は調理が面倒に感じることもあり、こうした食品に頼りがちになります。使う場合は汁を残す、味付けを足さないといった工夫で、量を抑えられます。


アルコールについても、PMSでは摂取を控えたほうがよいといわれています。喫煙も同じ扱いです。むくみや気分の落ち込みが重なりやすい時期は、いったん量を減らしておくほうが過ごしやすくなります。

食べる以外で生理前の食欲を落ち着かせる方法

食べ方と食材を整えても、生理前の食欲が完全に収まるとは限りません。食欲の背景にはホルモンの変動だけでなく、ストレスや睡眠の乱れも重なっています。食事の外側から働きかける方法を、3つ取り上げます。


  • 軽い運動やストレッチで気分を切り替える
  • 睡眠を十分にとって食欲に関わるホルモンを整える
  • リラックスする時間をつくってストレスをためない

軽い運動やストレッチで気分を切り替える

PMSとうまく付き合うために勧められているのが、気分転換やリラックスする時間をつくることです。体を動かすことは、この気分の切り替えに役立ちます。食べること以外に意識を向ける時間ができれば、食欲だけに向き合わずに済みます。


選ぶのは、ウォーキングやストレッチなど、自分が心地よいと思える範囲の運動です。強度を上げる必要はありません。数分の散歩でも、部屋でのストレッチでも、体を動かした感覚があれば十分です。


ただし、生理痛や体のだるさがつらいときは無理をしないでください。動くことが負担になる日は、休むほうが優先されます。運動は義務ではなく、気分を切り替える手段の1つと考えれば足ります。

睡眠を十分にとって食欲に関わるホルモンを整える

睡眠不足で崩れる食欲のホルモンのバランスは、睡眠時間を確保することで整えられます。食事の工夫と並べて考えたい部分です。


睡眠不足の影響は食欲だけにとどまりません。膵臓から分泌されるインスリンの作用が現れにくくなり、同じ食事をしても血糖が高くなります。生理前に食事を整えていても、睡眠が削れていれば効きにくくなるということです。


やることは単純で、就寝と起床の時間をそろえ、睡眠時間を確保します。生理前は寝つきが悪くなることもあるため、就寝前に照明を落とすなど、眠りやすい環境を整えておくと入りやすくなります。

リラックスする時間をつくってストレスをためない

PMSの発症には、ホルモンの変動だけでなく、ストレスなどいくつもの要因が関わると考えられています。ストレスを減らすことは、生理前の食欲に対しても遠回りな対処ではありません。


症状が重い場合は、仕事の負担を減らすことが治療になるときもあります。休みを取る、引き受ける量を調整する、周囲に事情を伝えるといった対応も、この時期の対処に入ります。無理を通したまま食欲だけを抑えようとしても、負担は残ったままです。


そのうえで、自分が心地よいと思えるセルフケアを探すことが勧められています。決まった正解はないため、音楽でも入浴でも、続けられるものを選べばかまいません。食べ物から気持ちがそれる時間を意識してつくることが、結果として食欲との距離につながります。

生理前に食欲が減るときは胃腸を休めて消化のよいものをとる

生理前の変化は、食欲が増える方向だけではありません。反対に、生理前になると食欲が落ちる人もいます。PMSの体の症状には、お腹の張りや便秘といった消化器の不調も含まれるためです。


ただし、生理前に食欲が落ちる仕組みは、はっきり解明されていません。PMS自体のはっきりした原因が分かっておらず、女性ホルモンの変動が影響しているといわれている段階だからです。


食欲がないときは無理に食べようとせず、消化のよいものを少量ずつとれば足ります。おかゆ、うどん、スープのように胃腸への負担が軽いものを選び、一度に量を入れないようにします。食べられる量が戻ってから、通常の食事に近づけていく順番でかまいません。


項目 食欲が増えるとき 食欲が減るとき
食事の量 1日の総量を変えずに回数を分け、空腹の時間をつくらない 無理に食べようとせず、少量ずつに分ける
食事の内容 食物繊維の多いものから先に食べ、血糖値の急な上昇を抑える おかゆやうどんなど、胃腸への負担が軽いものを選ぶ
気をつけること 我慢しすぎず、食べる量を先に決めておく 食事から入る水分が減るため、こまめに水分をとる

水分にも気をつけたいところです。食事の量が減ると、食事から入る水分も一緒に減ります。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分をとるようにします。


食欲が戻らない状態が続く場合は、早めに婦人科に相談してみてください。症状が月経の周期と連動しているかどうかは、セルフチェックで確認できます。

生理前の食欲で受診を考えたほうがよい人のセルフチェック

生理前の食欲が毎月つらい場合、どこからを相談の目安にすればよいのか、判断しにくいところです。目安になるのは、症状が月経の周期と連動しているかどうかです。毎月決まって月経の前に現れ、月経が始まると和らぐなら、月経周期に関わる症状として扱いやすくなります。


婦人科でも、日々の症状を症状日誌に記録してもらい、月経の周期と関連するかを確認します。手元で記録を始めておくと、受診したときの説明が具体的になります。


次の項目のうち、当てはまるものがいくつあるかを確認します。


☐ 食欲の増加が毎月、月経前の決まった時期に現れる

☐ 月経が始まっても食欲が戻らない

☐ 食べすぎで胃腸の調子を崩すことがある

☐ 食欲をコントロールできず、生活や仕事に支障が出ている

☐ イライラや気分の落ち込みが強く、人間関係に影響している

☐ 症状のせいで外出や出社がつらくなることがある

☐ 食欲不振が続き、ふだんの食事量がとれない日がある


月経前に何らかの症状があっても、日常生活に支障がない場合は治療の必要はないとされています。反対に、生活や仕事に支障が出ている項目に当てはまるなら、相談してよい段階です。日本人女性の5%は、重いPMSで日常生活に困難を感じています。


とくに心の症状が重く、日常生活も困難な場合は、月経前不快気分障害(PMDD)と診断されることもあります。ただし、これらを判断するのは医師です。当てはまる項目があっても自分で結論を出さず、婦人科で相談してみてください。まだ婦人科にかかったことがない場合や未成年の場合は、保護者に相談したうえで受診すると進めやすくなります。

生理前の食欲を軽くするPMSの治療

生活の工夫で足りない場合、PMSには治療という選択肢があります。毎月同じつらさを繰り返しているなら、症状そのものを軽くする方向に切り替える方法です。治療にはいくつかの種類があり、何に働きかけるかが異なります。


治療 何に働きかけるか 向いている状態
低用量ピル 排卵を止め、女性ホルモンの変動を少なくする 症状の原因である女性ホルモンの変動そのものを抑えたい場合
漢方薬 症状や体質(証)に合わせて不調をやわらげる 体質に合わせて不調を整えたい場合
SSRI 脳内のセロトニンを増やす 気分の落ち込みやイライラなど、心の症状が強い場合
鎮痛剤・利尿剤 痛みやむくみなど、個々の症状を抑える 痛みや水分の貯留症状がつらい場合

低用量ピルでホルモンの変動そのものを抑える

PMSの主な原因は、排卵の後に女性ホルモンが大きく変動することです。低用量ピルで排卵を止め、女性ホルモンの変動を少なくすると、PMSの症状の軽快が期待できます。原因の側に直接働きかけるため、食欲を含む症状全体に対して選ばれています。


ただし、効果の出方には個人差があります。症状が完全になくなるとは限らず、どの程度軽くなるかは人によって変わります。


低用量ピルは一時的に排卵を止めるもので、服用をやめれば排卵は速やかに回復し、その後の妊娠・出産にも影響しません。将来の妊娠を考えている場合でも、この点は妨げになりません。


低用量ピルにはいくつか種類があるため、どれを使うかは医師と相談して決めます。自己判断で選ぶものではありません。

漢方薬で体質に合わせて不調をやわらげる

ピル以外の選択肢としては、漢方薬があります。PMSでは、症状や体質(証)に合わせて漢方薬を使用します。同じPMSでも人によって出方が違うため、体質に応じた使い分けが必要です。


よく処方されているのは、加味逍遥散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、抑肝散(よくかんさん)などです。ただし、このなかのどれが合うかは症状と体質によって変わります。


どの漢方薬を使うかを判断するのは医師です。市販薬を自分で選んで試すより、症状を診てもらったうえで処方を受けるほうが、体質に合った選び方に近づきます。

心の症状が強い場合はSSRIなどが検討される

気分の落ち込みやイライラが強い場合に検討されるのが、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)です。脳でセロトニンという神経伝達物質が減少すると、気持ちが不安定になり、心の症状が出やすいといわれています。SSRIで脳内のセロトニンを増やすことで、PMSの症状は軽快します。


海外では、SSRIによる治療が主流になりつつあります。心の症状が中心で、食欲の乱れもそこに引きずられている場合は、この方向が検討される対象に入ります。


このほか、痛みに対して鎮痛剤、むくみなど水分の貯留症状に対して利尿剤が使用されることもあります。いずれの薬も、選択と使用を判断するのは医師です。症状を伝えたうえで、どれを使うかは診察の中で決まります。

生理前の食欲はDMMオンラインクリニックで相談できる

婦人科に行く時間が取れないまま、毎月やり過ごしている場合もあります。通院の時間を確保しなくても、オンライン診療なら医師に相談できます。なかでも低用量ピルは、PMSの原因そのものに働きかける治療で、オンラインでも相談しやすい選択肢です。DMMオンラインクリニックが扱っているのは、低用量ピル・超低用量ピル・ミニピルです。相談から薬を受け取るまでの流れと料金を説明します。


  • オンライン診療で医師に相談して低用量ピルを処方してもらえる
  • 診察から薬の受け取りまで自宅で完結する
  • 続けやすい料金と受け取り方から選べる

オンライン診療で医師に相談して低用量ピルを処方してもらえる

DMMオンラインクリニックはオンライン診療のプラットフォームサービスで、診療は提携先の医療機関が行っています。扱っているピルは低用量ピル・超低用量ピル・ミニピルの3種類で、避妊効果に加え、生理不順やPMSの改善などにも効果があります。生理前の食欲がPMSの症状として続いているなら、相談の対象です。


診療は24時間オンラインで受けられます。日中に通院の時間を取れない場合でも、仕事や学校の後に予約を入れられます。


なお、公的医療保険が適用されない自由診療です。また、医師の判断により処方できない場合があります。相談したうえで、処方の可否は診察の中で決まります。

診察から薬の受け取りまで自宅で完結する

予約、WEB問診票の記入、ビデオ通話での診察、薬の受け取りまで、通院なしで完結します。婦人科の待合室で待つ時間も、移動の時間も必要ありません。


  1. 予約(約30秒)
  2. WEB問診票の記入(約5分)
  3. ビデオ通話での診察(約5分)
  4. 薬の受け取り(最短当日)

事前にWEB問診票を記入しておくため、診察の場で一から症状を説明し直す必要はありません。生理前の食欲や気分の変化について、問診票の段階で伝えておけます。


薬の受け取り先は自宅に限りません。コンビニやロッカーへの配送にも対応しているため、家族と同居していて受け取りのタイミングを選びたい場合にも使えます。


なお、受診できるのは15歳以上です。15歳以上18歳未満の場合は、保護者の同伴が必須となります。

続けやすい料金と受け取り方から選べる

低用量ピルは1か月あたり2,980円(税込)からです。診察料は0円で、配送料が550円(税込)かかります(2026年7月時点)。毎月続けることを前提にした料金設定のため、負担の見通しを立てやすくなっています。


受け取りは最短当日に対応しています。当日到着の対象は東京都23区と大阪市24区で、別途追加費用がかかります。対象の地域以外でも、薬を受け取るために通院の予定を組む必要はありません。


診療実績は200万件以上です。これは2022年4月から2025年9月までの期間における、全診療科目のお薬の発送実績および診療件数を含む合計です。


飲み始めには、むくみなどの副作用が出ることがあります。多くは服用を始めてから1〜2か月程度で自然に解消されるとされていますが、体調の異変を感じた場合は、自己判断で中止・継続せず処方医に相談してください。


食べ方の工夫を続けてもつらさが変わらない場合は、医師に相談する方法があります。診察は自宅からビデオ通話で約5分、薬は最短当日に届きます。まずは話を聞いてもらうところから始めてみてください。

生理前の食欲に関するよくある質問

低用量ピルと食欲・体重の関係や、食べすぎた翌日の過ごし方など、気になりやすい疑問をまとめました。


  • 低用量ピルを飲めば生理前の食欲はなくなりますか?
  • ピルを飲むと太りますか?
  • 生理前に食べすぎた翌日はどうすればよいですか?

低用量ピルを飲めば生理前の食欲はなくなりますか?

排卵を止めて女性ホルモンの変動を少なくすることで、PMSの症状の軽快が期待できます。生理前の食欲もPMSの症状の1つのため、軽くなることが見込めます。


なお、効き方には個人差があります。食欲がゼロになると決めてかからず、服用を始めてからの変化を医師と確認していくほうが現実的です。

ピルを飲むと太りますか?

ピルの服用が直接的に体重増加につながることはないとされています。太る薬という受け取られ方をすることがありますが、そうした影響は確認されていません。


ただし、飲み始めに起こる副作用のむくみの影響で、一時的に太ったと感じることがあります。むくみなどの症状は、服用を始めてから1〜2か月程度で自然に解消されることが一般的です。それでも続く場合や、体調の異変を感じた場合は、処方医に相談してください。

生理前に食べすぎた翌日はどうすればよいですか?

欠食で埋め合わせようとせず、1日3食を規則正しくとる生活に戻すのが基本です。前日の分を取り返そうとして食事を抜くと、空腹の時間が長くなり、次の食事でまた食べすぎることになります。


体重計の数字も、翌日の時点では判断材料になりません。生理前に増えた体重には水分がたまることによるものが含まれると考えられるため、月経が始まってからの変化を見るほうが実態に近づきます。

まとめ:生理前の食欲は我慢せず整える、続くつらさは治療で軽くする

生理前に食欲が止まらなくなるのは、月経前症候群(PMS)の症状の1つです。排卵の後に起こる女性ホルモンの変動が影響しているといわれ、意志の弱さの問題ではありません。症状が続くのは月経前3〜10日ほどで、月経が始まれば自然に軽快・消失します。


増えた体重には水分によるものが含まれるため、数字のすべてを脂肪として受け取る必要はありません。この時期は減量より維持を目標に置き、食事を小分けにする、食物繊維の多いものから先に食べる、よく噛む、量を先に決めるといった工夫で、我慢せずに整える方向が現実的です。


それでも毎月のつらさが変わらない場合は、治療で症状そのものを軽くする選択肢があります。生活や仕事に支障が出ている状態であれば、相談してよい段階です。


通院の時間が取れない場合でも、オンライン診療なら自宅から医師に相談できます。毎月のつらさが続いているなら、一度話を聞いてもらいましょう。

【免責事項】 本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、医師による診断・治療の代替となるものではありません。記事中で紹介した対策や治療法の効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。実際の治療や医薬品の服用にあたっては、必ず医師の診察を受け、ご自身の体質・症状に合わせた判断を仰いでください。服用中に体調の異変を感じた場合は、自己判断で中止・継続せず、速やかに処方医または最寄りの医療機関へご相談ください。

未承認医薬品等に関する注意事項

本記事で触れているミニピル(プロゲスチン単剤の経口避妊薬)には、国内で製造販売承認を取得したものと、避妊を目的とした使用が国内で承認されていないものが含まれます。国内未承認のミニピルに関する注意事項は次のとおりです。


【入手経路等】

提携クリニックで処方する国内未承認のミニピルは、医師が個人輸入により入手したものです。


【国内の承認医薬品等の有無】

同じプロゲスチン単剤の経口避妊薬(ミニピル)には、避妊を目的として国内で製造販売承認を取得した医薬品があります。


【諸外国における安全性等に係る情報】

国内未承認のミニピルは、欧州をはじめとする諸外国で避妊薬として承認されています。主な副作用として、不正出血や月経周期の変化、頭痛、吐き気、乳房の張りなどがみられることがあります。これらは服用を続ける中で落ち着くこともありますが、まれに重い副作用が起こる可能性もあります。


【医薬品副作用被害救済制度について】国内未承認のミニピルは、万が一重篤な副作用が生じた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

戻る

スキマ時間に医師の診察!

DMMオンラインクリニック公式サイトを見る