生理がこない妊娠以外の原因とは?受診の目安と対処法を解説


生理予定日を過ぎても生理がこないのに、妊娠検査薬は陰性という結果になった方もいるでしょう。妊娠以外に何が起きているのか、このまま様子を見てよいのか、判断がつかないまま不安だけが続きます。


生理がこない妊娠以外の原因は一つではなく、ストレスや急激な体重変動によるホルモンバランスの乱れのほか、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や甲状腺の病気といった疾患が背景にあることもあります。


数日の遅れなら経過を見てよい一方、妊娠していないのに3か月以上生理がこない状態は続発性無月経にあたり、婦人科での確認が必要です。この記事では、生理がこない妊娠以外の原因を年代別の傾向もあわせて整理し、受診の目安と自分でできる対処法まで解説します。

この記事の監修者

国家公務員共済組合連合会虎の門病院救急科部長

東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)

1995年長崎大学卒業。亀田総合病院臨床後研修、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年より国家公務員連合連合会虎の門病院救急科部長(現職)。東京大学医学部附属病院 総合研修センター講師。東京大学医学部講師。KAKENプロフィール。『早わかり! 救急科診療マニュアル』(共訳者)。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の医療行為・医薬品の使用を推奨するものではありません。治療や服薬に関しては必ず医師にご相談ください。※オンライン診療では触診や精密検査が行えないため、症状によっては対面受診を勧められる場合があります。※記載の料金・診療時間・処方薬の取り扱い等は2026年7月時点の情報です。最新情報はクリニックの公式サイトをご確認ください。

生理がこない・遅れるのは何日から?正常な生理周期の基準

生理がこないと感じたとき、まず必要になるのは、自分の周期が正常の範囲に収まっているかどうかの確認です。正常とされる幅を知らないまま日数だけを数えても、様子を見てよいのか受診すべきなのかを判断できません。ここでは生理が起こる仕組みと、正常とされる周期・期間の目安を紹介します。


  • 生理が起こる仕組みと2つの女性ホルモン
  • 正常な生理周期・期間の目安
  • 何日の遅れから「生理がこない」を疑うか

生理が起こる仕組みと2つの女性ホルモン

生理は子宮だけで完結する現象ではありません。脳の視床下部・下垂体から出た刺激が卵巣に働きかけ、卵巣から分泌されるエストロゲンによって子宮内膜が厚くなります。妊娠が成立しなければ、厚くなった内膜ははがれ落ち、経血として体外に排出されます。これが生理です。


この一連の流れは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンによって調整されています。脳から卵巣、子宮へと続くこの流れのどこかに障害が起きて機能しなくなると、生理がこない(無月経)状態になります。


つまり、生理がこない背景にあるのは子宮の問題とは限らず、脳やホルモンの働きが関わっている場合もあるということです。

正常な生理周期・期間の目安

生理周期は、生理が始まった日を1日目と数え、次の生理が始まる前日までの日数で計算します。正常な生理周期は25〜38日、正常な生理期間は3〜7日とされています。


この範囲から外れる状態には、それぞれ呼び名がついています。周期が24日以内と短ければ頻発月経、39日以上3か月以内と長ければ希発月経(稀発月経)です。妊娠していないのに3か月以上生理がこない状態は、続発性無月経といいます。


呼び名を覚える必要はありませんが、自分の周期がどの位置にあるかを知っておくと、受診したときに医師へ伝えやすくなります。


区分 正常の目安 範囲外の状態の呼び方
生理周期 25〜38日 24日以内は頻発月経、39日以上3か月以内は希発月経(稀発月経)、妊娠していないのに3か月以上こない場合は続発性無月経
生理期間 3〜7日 —

何日の遅れから「生理がこない」を疑うか

一時的な遅れであれば、過度に心配する必要はありません。健康で普段は正常に生理がある人でも、疲労やストレスによって一時的に周期が乱れることはよくあります。


そのうえで、遅れの日数を周期の日数に置き換えてみると、自分の状態を判断しやすくなります。普段の周期の日数に遅れている日数を足して、25〜38日の範囲に収まっていれば、今回の周期は正常の範囲内です。たとえば普段が28日周期なら、10日の遅れで38日となり、ちょうど上限にあたります。生理周期には個人差があり、毎回同じ日数になる必要はありません。


この幅を超えているなら、一度きりの乱れなのか繰り返しているのかを確かめる段階です。毎回のように周期が正常範囲から外れる状態が続いているなら、体質と決めつけずに婦人科で確認しておくことをおすすめします。そして、妊娠していないのに3か月以上生理がこない場合は続発性無月経にあたり、受診が必要です。

生理がこないときはまず妊娠の可能性を確認する

妊娠以外の原因を探す前に、まず済ませておきたいのが妊娠の可能性の切り分けです。心当たりがない場合でも、確認しておくことで、そのあとに考えるべき原因の範囲がはっきりします。妊娠検査薬を使うタイミングと、陰性だったのに生理がこないときの考え方から見ていきます。


  • 妊娠検査薬を使うタイミング
  • 陰性なのに生理がこないときの再検査の目安

妊娠検査薬を使うタイミング

市販の妊娠検査薬には、生理予定日の約1週間後から検査できる製品があります。この時期が目安になるのは、検査薬が妊娠の成立によって分泌されるホルモンを検出する仕組みだからです。


妊娠すると、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)と呼ばれるホルモンがつくられ、尿の中に排出されるようになります。妊娠検査薬が見ているのは、この尿中のhCGです。


検査の時期が早すぎると、hCGが検出に必要な量に達しておらず、正確に判定できないことがあります。生理予定日の当日や翌日に試して陰性だった場合、まだ判定できる時期に達していないケースも考えられます。

陰性なのに生理がこないときの再検査の目安

妊娠検査薬は、妊娠しているかどうかを補助的に検査するものであり、妊娠の確定診断を行うものではありません。陰性という結果が出ても、それだけで妊娠の可能性が完全に否定されるわけではないという前提を持っておくと安心です。


陰性だったのに生理がこない場合は、日をあけてもう一度検査してみましょう。判断の目安になるのは、検査した時点が生理予定日の約1週間後を過ぎていたかどうかです。その前に試していたなら、hCGが検出に必要な量にまだ達しておらず、正確に判定できなかった可能性があります。


再検査でも陰性で、それでも生理がこない場合は、妊娠以外の原因を考える段階に入っている可能性があります。ここから先は、その具体的な原因を紹介します。

妊娠以外で生理がこない主な原因


妊娠の可能性が低いとわかったら、次は妊娠以外の原因を見ていきます。原因は大きく2つに分けられます。ホルモンバランスの乱れを招く生活面の要因と、排卵や女性ホルモンに関わる疾患です。自分に当てはまりそうなものから見当をつけていくと、状況を把握しやすくなります。


原因 特徴・あわせて出やすい症状 受診を検討するサイン
強いストレス 生活環境の変化や強い緊張が続いている時期に周期が乱れる 3か月以上生理がこない
急激な体重変動 過度なダイエットによる体重減少や肥満がある。低体重の目安は成人でBMI 17.5以下 体重が戻っても生理が再開しない
過度な運動 運動量に見合った食事が摂れていない。練習量が増えた時期と重なる 3か月以上生理がこない
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 月経異常や不妊のほか、多毛・男性化・肥満などを伴うことがある 周期が正常範囲から外れる状態が続く
甲状腺の病気 動悸・体重減少・手の震え、または疲れやすさ・むくみ・寒がりなど全身の症状を伴う 生理以外の全身症状がある
高プロラクチン血症 妊娠・産褥期以外に乳汁が分泌されることがある。乳汁が出ず月経異常のみの場合もある 乳汁の分泌がある、または無月経が続く
早発閉経 40歳未満で生理がなくなる。のぼせ・ほてりなど更年期障害に似た症状が出ることがある 40歳未満で生理が止まった
ピルなど薬の影響 服用中に出血の量やタイミングが変わる。睡眠薬・精神安定剤の長期服用でも起こる 服薬中に生理がこない

強いストレス(「考えすぎ」も含む)

無月経や月経不順の原因として多いのは、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れです。進学や就職、転職、引っ越しといった環境の変化や、仕事・人間関係の負担が続くと、女性ホルモンのバランスが崩れて生理がこなくなることがあります。


生理を止める仕組みは、子宮や卵巣だけの問題ではありません。心因性の要因は、脳を介して生理を止める中枢性無月経の原因になります。ストレスは気持ちの問題として片づけられがちですが、実際には脳とホルモンの経路を通じて体に表れます。


生理がこないこと自体を繰り返し考えてしまう状態も、ストレスとして影響することがあると考えられます。ただし、これは心の持ちようが悪いという話ではありません。強い負荷がかかれば体が反応するのは自然なことだという前提で、次のチェックリストを見てみましょう。


☐ 最近、進学・就職・転職・引っ越しなど生活環境の変化があった

☐ 仕事や人間関係で強い緊張が続いている

☐ 寝つきが悪い、睡眠時間が不足している

☐ 食欲の増減や体重の変化がある

☐ 気分の落ち込みやイライラが続いている

☐ 生理が遅れていること自体を繰り返し考えてしまう


当てはまる項目が多いほど、生活の負荷が周期に影響している可能性があります。生活を見直しても改善しない場合は、婦人科での相談を検討する段階です。

急激な体重変動(過度なダイエット・肥満)

過度なダイエットや肥満は、女性ホルモンのバランスを崩し、続発性無月経の引き金になります。問題になるのは体重の絶対値だけではありません。


体重が急激に減って低体重の状態になると、脳からのホルモン分泌が低下し、生理が止まります。慢性的な低体重の目安は、成人でBMI 17.5以下です。


注意しておきたいのは、体重が戻れば生理もすぐ戻る、とは限らない点です。一度無月経になると、体重が回復してもなかなか生理が戻ってこないことがあります。生理が止まっている期間が長引く前に相談しておくほうが安心です。

過度な運動

激しい運動は、脳を介して生理を止める中枢性無月経の原因になります。ただし、運動そのものが悪いわけではありません。スポーツをする女性で最も多い無月経の原因は、運動量に見合った食事が摂れていない「利用可能エネルギー不足」です。


つまり問題は運動量の多さではなく、消費するエネルギーに対して摂取が追いついていない状態にあります。このエネルギー不足が続くと、脳からのホルモン分泌が低下し、無月経となります。


急に体重が減った時期や、練習量・運動量が増えた時期があり、そのころから生理が止まっているなら、食事から摂る摂取エネルギーを増やすよう心がけましょう。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、両側の卵巣が多嚢胞化し、排卵が障害されることで月経異常や不妊を起こす疾患です。月経異常や不妊のほかに、多毛・男性化・肥満などを伴うことがあります。


女性の約5〜10%にみられ、不妊症の原因にもなる疾患です。生理がこない状態が続いていて、体毛の濃さや体重の増加が気になっている場合は、選択肢の一つとして念頭に置いておく価値があります。


妊娠を希望しない場合の治療では、低用量ピルなどのホルモン剤を用いて生理のような出血(消退出血)を定期的に起こす方法がとられます。これは症状を和らげるだけでなく、排卵がない状態が続くことによる子宮内膜がんのリスクを回避する目的も持っています。

甲状腺の病気

生理以外にも体の不調が重なっているなら、甲状腺を疑う余地があります。甲状腺の病気は女性に多く、月経異常や不妊、流産の原因になることも多い病気です。甲状腺は代謝を調節するホルモンを出す器官で、その働きが過剰でも不足でも月経に影響が出ます。


甲状腺ホルモンが過剰に作られるバセドウ病では、動悸、食欲があるのに体重が減る、指の震え、暑がり、汗をかきやすいといった症状とともに、月経が止まることがあります。


反対に、甲状腺ホルモンが不足する橋本病(甲状腺機能低下症)では、無気力、疲れやすさ、全身のむくみ、寒がり、体重増加などが生じ、月経過多になることがあります。


いずれも生理以外の全身症状を伴う点が特徴です。生理がこないことに加えて、体重や体温の感じ方、疲れやすさに変化があるなら、甲状腺の病気も念頭に医療機関へ相談しましょう。

高プロラクチン血症

高プロラクチン血症では、卵胞の発育障害・排卵障害が引き起こされ、無月経となります。


この状態では、妊娠・産褥期以外に乳汁が分泌されることがあります。ただし、乳汁漏出がみられず、月経異常のみが現れる場合もあるため、乳汁の有無だけで判断はできません。


原因として挙げられるのは、抗精神病薬・血圧降下薬・抗潰瘍薬などの薬剤、原発性甲状腺機能低下症、下垂体の病変などです。睡眠薬や精神安定剤といった薬の長期的な服用でも、ホルモンバランスが崩れて月経不順をきたすことがあります。服用中の薬に心当たりがあるなら、その可能性も含めて婦人科で確認してもらうとよいでしょう。

早発閉経

閉経はまだ先の話だと思っている方ほど、見落としやすい原因です。早発閉経(早発卵巣不全)は、40歳未満で閉経となり生理がなくなる状態をいいます。閉経は50歳前後で迎えるものというイメージがありますが、それより大幅に早い時期に起こることもあります。


頻度としては、40歳未満の100人に1人にみられます。症状は生理不順や無月経にとどまりません。のぼせやほてりなど、更年期障害に似た症状が出ることがあります。20代や30代でこうした症状を自覚した場合、年齢を理由に候補から外さないほうがよいと考えられます。


また、長期間のエストロゲン不足により、骨粗鬆症などのリスクが上がると考えられています。生理が止まった状態を放置しないほうがよい理由の一つが、ここにあるわけです。早発閉経かどうかは、婦人科でホルモンの検査を受ければ確かめられます。心当たりがあるなら、年齢で判断せず検査で切り分けるほうが確実です。

ピルなど薬の影響

原因を体の中に探す前に確かめたいのが、いま飲んでいる薬です。低用量ピルは休薬期間に消退出血が起こる仕組みの薬で、服用中は出血の量やタイミングが変わることがあります。ピルを飲んでいて出血が軽くなった、来なかったという場合、薬の作用として説明がつくことも考えられます。


ピル以外にも、睡眠薬や精神安定剤などの薬物治療を長期的に行った結果、ホルモンバランスが崩れて月経不順をきたすことがあります。抗潰瘍薬や抗精神病薬といった薬剤が、高プロラクチン血症を通じて月経不順を引き起こすこともあります。


いずれにしても、服薬中に生理がこないときは、自己判断で中止したり続けたりせず、処方した医師に相談してください。薬の変更や量の調整は、医師の判断のもとで行うものです。

年代別に見る生理がこない原因の傾向

同じ「生理がこない」でも、背景になりやすい原因は年代によって変わります。10代は周期そのものがまだ安定していない時期です。20〜30代は生活面の負荷や疾患、40代以降は閉経に向かう変化が関わってきます。自分の年代ではどの原因を先に疑うとよいか、目安をまとめました。


  • 10代(中学生・高校生):周期が未熟で乱れやすい
  • 20〜30代:ストレス・生活習慣・疾患が背景になりやすい
  • 40代〜閉経前後:更年期・早発閉経の可能性

10代(中学生・高校生):周期が未熟で乱れやすい

初経を迎えて間もない時期は、体の準備がまだ整いきっていません。思春期は性機能が未熟で、初経後まもなく無月経になることもあります。初経から1〜2年は、排卵を伴わない月経(無排卵性月経)のことが多いともいわれています。


そのため、この年代では周期が不安定でも、すぐに治療の対象になるとは限りません。思春期は排卵が未確立なことも多く、1年に3〜4回生理が来ていれば、成長を待って治療を相談することがあります。


一方で、確認しておくべき目安もあります。15歳になっても初経がこない場合は、原発性無月経を疑って婦人科の受診が勧められます。年齢的に受診をためらいやすい時期ですが、保護者と相談したうえで、一度診てもらうと安心です。

20〜30代:ストレス・生活習慣・疾患が背景になりやすい

この年代は、働き方も生活環境も大きく動く時期です。続発性無月経は、過度のダイエット、肥満、ストレスや環境の変化によって女性ホルモンのバランスが崩れることで起こります。転職や異動、一人暮らしの開始、繁忙期の疲労といった変化が、そのまま周期に表れることがあります。


生活面だけでなく、疾患が背景にある場合もあります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性の約5〜10%にみられる疾患です。不妊症の原因にもなります。また、甲状腺の病気のうちバセドウ病は20〜30代の若い女性に多く、月経が止まることがあります。


30歳後半になると、月経不順を訴える人も多くみられます。この年代は生活要因と疾患のどちらもありうるため、生活を見直しても戻らないときは、原因を確かめる段階です。

40代〜閉経前後:更年期・早発閉経の可能性

一般的な閉経年齢は50歳前後です。その手前の時期は、閉経に向けて周期が乱れやすくなる段階にあたります。40代に入ると、閉経へ向かう体の変化から周期の乱れがはっきりしてくることがあります。


ただし、この年代の生理の乱れをすべて更年期の変化として片づけるのは早計です。40歳未満で閉経となり生理がなくなる状態は早発閉経(早発卵巣不全)と呼ばれ、40歳未満の100人に1人にみられます。40歳前後で生理が止まった場合も、年齢による自然な変化と決めつけず、他の病気が隠れていないか、一度確認しておきたいところです。


婦人科では、ホルモンの検査によって卵巣の働きを確認できます。年齢的なものと決めつける前に、一度状況を把握しておくほうが、そのあとの見通しを立てやすくなります。

生理がこないのを放置するリスクと受診の目安

生理がこない状態は、痛みのような分かりやすい自覚症状を伴わないこともあり、忙しさの中で後回しにされがちです。しかし、無月経が長引くことには具体的なリスクがあり、受診の目安もはっきりしています。放置した場合に何が起こりうるか、どの時点で婦人科に行くべきかを順に解説します。


  • 3か月以上の無月経を放置するリスク
  • 受診の目安となる日数と危険なサイン
  • 婦人科で行う検査・治療の流れ

3か月以上の無月経を放置するリスク

先に触れた続発性無月経、つまり妊娠していないのに3か月以上生理がこない状態は、放置してよいものではありません。生理がないこと自体は困らない、むしろ楽だと感じる方もいますが、体の中では別のことが進んでいます。


無月経に伴う低エストロゲン状態が続くと、若い女性でも骨量の低下につながります。骨への影響は自覚症状が出にくく、気づいたときには進んでいる種類のリスクです。なお、これは3か月以上の無月経が続いた場合の話で、数日から数週間の遅れで起こるものではありません。


また、回復までの道のりも短くはありません。一度無月経になると、体重が戻ってもなかなか生理が戻ってこないことがあります。ホルモン療法で見かけ上は生理が再開しても、原因が改善されないまま治療を中止すれば、再び無月経になります。


放置した期間が長いほど、元の状態に戻すための道のりも長くなると考えて、早い段階で相談するほうが結果的に負担は軽く済みます。

受診の目安となる日数と危険なサイン

受診すべきかどうかの判断に迷ったときは、日数を基準にすると分かりやすくなります。3か月以上生理が止まっている場合は、婦人科の受診が勧められます。この日数を超えた状態が続発性無月経であり、様子見の段階を過ぎていると考えてよい水準です。


年代によっては別の目安もあります。15歳になっても初経がこない場合も、婦人科の受診が勧められます。


一方で、日数を待たずにすぐ動くべき場合もあります。妊娠の可能性があり、強い下腹部痛や大量の出血を伴う場合は、検査結果にかかわらず速やかに医療機関を受診してください。これは様子を見てよい状況ではありません。


状況 目安となる期間・症状 とるべき行動
妊娠の可能性がある場合 生理予定日の約1週間後 まず妊娠検査薬で確認し、陰性でも生理がこなければ日をあけて再検査する
妊娠の可能性がない場合 15歳になっても初経がこない 原発性無月経を疑い、婦人科を受診する
3か月以上生理がこない場合 3か月以上 続発性無月経にあたるため、婦人科を受診する
強い痛みや大量の出血がある場合 強い下腹部痛、大量の出血 日数にかかわらず、速やかに医療機関を受診する

婦人科で行う検査・治療の流れ

受診をためらう理由の一つが、何をされるか分からない不安です。婦人科ではまず問診が行われ、家族歴・既往歴・生活習慣が詳しく確認されます。内診がいきなり行われるわけではなく、話を聞くところから始まります。


受診してから診断までの流れは、次の3段階が基本です。


  • STEP1問診「家族歴・既往歴・生活習慣を詳しく確認する」
  • STEP2ホルモンの採血検査「LH・FSH・プロラクチンなどを測定し、無月経のタイプを診断する」
  • STEP3画像診断「必要に応じて超音波などを行う」

治療の内容は原因によって変わります。続発性無月経でダイエットやストレスが背景にある場合は、ホルモン補充療法とカウンセリングという組み合わせです。妊娠を望まない場合はホルモン補充を行って経過を見る、妊娠を望む場合は排卵誘発剤を用いるというように、希望によっても方針が分かれます。


検査や治療の進め方は医療機関によって差があるため、気になる点は受診時に確認しておくと安心です。

生理がこないときの対処法と生活習慣の見直し

原因の見当がついたら、次は自分でできることに取り組む段階です。生活習慣の見直しは、ホルモンバランスを整える土台になります。ただし、セルフケアで対応できる範囲には限りがあるため、改善しない場合に何を考えるかまで、あわせて取り上げます。


  • 睡眠と生活リズムを整える
  • 栄養バランスを見直す
  • 過度な運動を控え、適正体重を保つ
  • ストレスと上手に付き合う
  • 基礎体温をつけて周期を把握する
  • セルフケアで整わないときは医療で周期を整える

睡眠と生活リズムを整える

健康な人でも、疲労やストレスで一時的に周期が乱れることはよくあります。逆に言えば、疲労をためない生活を心がけることは、それだけで周期の安定につながる余地があるということです。


まず取り組みやすいのは、就寝と起床の時刻を一定に保つことです。休日も平日との差を小さくしておくと、リズムを保ちやすくなります。


睡眠の質を高める工夫も取り入れられます。就寝前のスマートフォンの使用を控える、ぬるめのお湯で入浴して体を温めるといった方法は、特別な準備がいらず始めやすい部類です。

栄養バランスを見直す

過度なダイエットは女性ホルモンのバランスを崩し、続発性無月経の原因になります。体重を落とすこと自体が目的になっていないか、一度立ち止まって考える価値があります。


医療機関でも、過度なダイエットによるやせがあるときには、定期的な栄養指導やカウンセリングが行われることがあります。食べる量を戻すことが治療の一部として扱われる場面がある、ということです。


日々の食事では、たんぱく質・炭水化物・ビタミン・ミネラルといった栄養素を、偏りなく摂ることが基本になります。特定の食品を摂れば生理不順が改善するわけではなく、食事全体のバランスを整えることが土台です。

過度な運動を控え、適正体重を保つ

運動は健康によいものですが、量が多過ぎると生理には逆に働きます。激しい運動や長時間の運動が続いている場合は、運動量や強度を見直す時期かもしれません。


問題になりやすいのは、運動量に見合った食事が摂れておらず、エネルギー不足から無月経になるパターンです。運動を減らすか、食事を増やすかで迷うなら、まず食べる量を確保するほうが理にかなっています。


体重の面では、先に挙げた成人でBMI 17.5以下という低体重の目安を下回っていないかを確かめます。下回っているなら、増やす方向で調整する段階です。加えて、急激な体重の増減そのものが女性ホルモンのバランスを崩す要因になるため、短期間で大きく動かさず安定させることを優先しましょう。

ストレスと上手に付き合う

ストレスや環境の変化は女性ホルモンのバランスを崩す要因になるため、負荷そのものを減らす工夫が必要です。とはいえ、ストレスをゼロにするのは現実的ではありません。


まず有効なのは、自分が何にストレスを感じているかを具体的に把握することです。漠然と疲れていると捉えている状態から、一歩踏み込んでみます。通勤時間なのか、特定の人間関係なのか、締め切りの重なりなのかまで分けられると、避けられるものと避けられないものが見えてきます。


そのうえで大切になるのが、避けられない負荷に対する回復の時間です。趣味に充てる時間、軽い運動、人と話す時間など、自分に合う方法は人によって違います。他人に効いた方法をそのまま持ち込むより、自分が実際に楽になる感覚があるものを選ぶほうが続きます。

基礎体温をつけて周期を把握する

基礎体温表を記録して自分のホルモンバランスを管理することは、周期の状態を知るうえで役立ちます。毎朝の測定は手間に感じられますが、体温の動きには周期の情報が現れます。


排卵があると、基礎体温は低温期と高温期の2つの相に分かれます。逆に、基礎体温が一相性を示す場合には、無排卵周期症と診断されることがあります。つまり、生理が来ていても排卵が起きていない状態を、体温の記録から拾える可能性があるということです。


記録したデータは、婦人科を受診するときにも役立ちます。いつから乱れているか、排卵があるかどうかを口頭で説明するのは難しく、記録があれば原因を絞り込む手がかりになります。

セルフケアで整わないときは医療で周期を整える

生活を見直しても周期が戻らない場合、次は医療の力を借りる段階です。続発性無月経の治療では、原因への対応に加えてホルモン補充療法が行われます。月経困難症を合併している場合には、治療として低用量ピルが使われます。


ここで押さえておきたいのは、ホルモン療法は原因の特定とセットで意味を持つという点です。原因が改善されないままホルモン療法を中止すると、再び無月経になります。見かけ上の生理が戻ったことをゴールにせず、なぜ止まったのかを確かめる過程が欠かせません。


治療の方針は、妊娠を望むかどうかでも変わります。望まない場合はホルモン補充で経過を見る形になり、望む場合は排卵誘発剤を用いる形になります。どちらにしても、まず婦人科で原因を確かめるところが出発点です。

通院せず低用量ピルで生理周期を整えるならDMMオンラインクリニック

婦人科に行ったほうがよいと分かっていても、平日に時間が取れない、対面での相談に抵抗があるといった理由で先延ばしになることがあります。そうしたときの選択肢がオンライン診療です。自宅から医師に相談し、必要に応じて処方まで受けられます。周期を整える手段として使われる低用量ピルの働きと、オンラインで完結する流れを紹介します。


  • 低用量ピルが周期を安定させる仕組み
  • オンライン診療なら相談・処方まで自宅で完結する

低用量ピルが周期を安定させる仕組み

低用量ピルは、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という2種類の女性ホルモンの成分を合わせた薬です。避妊のための薬というイメージが強いものの、月経困難症を改善できる薬でもあります。


種類 特徴 向いている方
低用量ピル 黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2種類の女性ホルモンの成分を合わせた薬 高い避妊効果がほしい方、生理前のイライラや肌荒れを改善したい方、ピルを初めて服用する方
超低用量ピル 卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が少なく、副作用が起こりにくい 吐き気やむくみなどの副作用を抑えたい方、生理痛やPMSをしっかり改善したい方
ミニピル 卵胞ホルモンを含まず、血栓症のリスクがほとんどない 40歳以上の方、喫煙される方など、低用量ピル・超低用量ピルを服用できない方

期待できるのは避妊効果だけではありません。生理不順や生理痛、経血量、PMS(月経前症候群)の改善などにも効果が期待できます。ただし、効果の出方には個人差があり、すべての人で同じように整うわけではありません。


治療の場面でも使われています。先に触れた多嚢胞性卵巣症候群で妊娠を希望しない場合の治療も、低用量ピルなどで定期的に消退出血を起こす方法です。


なお、低用量ピルは医師の処方が必要な薬です。体質や既往歴によっては服用できない場合もあるため、服用の可否は必ず医師の診察を受けたうえで判断してください。

オンライン診療なら相談・処方まで自宅で完結する

DMMオンラインクリニックでは、低用量ピル・超低用量ピル・ミニピルの3種類を取り扱っており、目的や体質に合わせて選べます。24時間オンライン診療に対応しているため、通院の時間を確保しにくい方でも相談を進めやすい体制です。診察料は0円で、1か月あたり2,980円(税込)から利用でき、お薬は最短で当日に届きます。


低用量ピルを服用できない方に向けた選択肢もあります。ミニピルは卵胞ホルモンを含まないため、40歳以上の方や喫煙される方など、低用量ピルや超低用量ピルを服用できない方の選択肢になります。年齢や生活習慣を理由にピルを諦めていた場合でも、相談する価値のある選択肢です。


診療実績は200万件以上あります。これは2022年4月から2025年9月までの全診療科目の合計で、ピル処方単独の件数ではありません。それでも、オンライン診療のプラットフォームとして、多くの方に継続的に利用されています。


生理がこない状態が続いていて、まず誰かに相談したいという段階でも、オンラインなら移動の負担なく話を聞いてもらえます。周期の乱れを様子見のまま長引かせる前に、一度相談してみてはいかがでしょうか。

生理がこない妊娠以外の原因に関するよくある質問

すぐに生理をこさせる方法はあるのか、吐き気や下腹部痛との関係など、よくある疑問をまとめました。


  • すぐに生理をこさせる方法はありますか?
  • 生理がこないうえに気持ち悪いのは妊娠以外の原因もありますか?
  • 生理がこないのに下腹部痛だけ続くのはなぜですか?

すぐに生理をこさせる方法はありますか?

自宅で今すぐ生理を起こせる方法は、自己判断で試せるものではありません。医療機関ではホルモン剤を投与して子宮からの出血をみることがありますが、これは無月経のタイプを診断するための検査であり、生理をこさせるための処置ではありません。


治療としては、妊娠を望まない場合にホルモン補充を行って経過を見る方法がとられます。多嚢胞性卵巣症候群のように、ホルモン剤で定期的に消退出血を起こす治療が選ばれる場合もあります。いずれも医師が原因を確かめたうえで選ぶもので、自己判断で試せる方法ではありません。


急いでいるときほど、まず婦人科で原因を特定するほうが近道です。

生理がこないうえに気持ち悪いのは妊娠以外の原因もありますか?

まず確認したいのは妊娠の可能性です。市販の妊娠検査薬には生理予定日の約1週間後から使用できる製品があるため、その時期を目安に確かめてみましょう。


妊娠以外の可能性としては、甲状腺の病気が挙げられます。バセドウ病では動悸や体重の減少、疲れやすさといった全身の症状を伴うことがあり、月経が止まる場合もあります。甲状腺の不調は女性に多く、月経異常や不妊の原因にもなる病気です。


ただし、吐き気や気持ち悪さの原因を一つに絞り込むことはできません。生理以外の症状が続く場合は、自己判断せず医療機関に相談してみてください。

生理がこないのに下腹部痛だけ続くのはなぜですか?

妊娠の可能性がある場合は、まず妊娠検査薬で確認するところから始めます。痛みの有無だけで妊娠しているかどうかは判断できません。


3か月以上生理がこない場合は続発性無月経にあたるため、受診の対象です。痛みの原因を自分で特定しようとするより、無月経という状態そのものを確かめるほうが確実です。


痛みが長引く場合や、いつもより明らかに強い痛みがある場合は、日数を待たずに医療機関の受診が必要です。

まとめ:生理がこないときは原因を見極め、続くならオンライン相談へ

生理がこない妊娠以外の原因には、大きく2つの系統があります。ストレスや急激な体重変動、過度な運動といった生活面の要因と、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や甲状腺の病気、高プロラクチン血症、早発閉経といった疾患です。年代によって疑うべき原因の傾向も変わります。


数日の遅れであれば経過を見て構いませんが、普段の周期に遅れの日数を足して38日を超えるなら、確認の段階に入ります。3か月以上生理がこない続発性無月経は、婦人科での確認が必要です。放置すると骨量の低下や回復の遅れにつながるため、様子見を長引かせないことが大切になります。


睡眠・栄養・運動量・ストレスの見直しは自分で始められます。それでも周期が戻らない場合は、低用量ピルなどで整える方法が選択肢に入ります。


通院の時間が取りにくいなら、オンライン診療で相談から処方まで自宅で進められます。

未承認医薬品等に関する注意事項

本記事で触れているミニピル(プロゲスチン単剤の経口避妊薬)には、国内で製造販売承認を取得したものと、避妊を目的とした使用が国内で承認されていないものが含まれます。国内未承認のミニピルに関する注意事項は次のとおりです。


【入手経路等】

提携クリニックで処方する国内未承認のミニピルは、医師が個人輸入により入手したものです。


【国内の承認医薬品等の有無】

同じプロゲスチン単剤の経口避妊薬(ミニピル)には、避妊を目的として国内で製造販売承認を取得した医薬品があります。


【諸外国における安全性等に係る情報】

国内未承認のミニピルは、欧州をはじめとする諸外国で避妊薬として承認されています。主な副作用として、不正出血や月経周期の変化、頭痛、吐き気、乳房の張りなどがみられることがあります。これらは服用を続ける中で落ち着くこともありますが、まれに重い副作用が起こる可能性もあります。


【医薬品副作用被害救済制度について】

国内未承認のミニピルは、万が一重篤な副作用が生じた場合でも、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

【免責事項】 本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、医師による診断・治療の代替となるものではありません。記事中で紹介した対策や治療法の効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。実際の治療や医薬品の服用にあたっては、必ず医師の診察を受け、ご自身の体質・症状に合わせた判断を仰いでください。服用中に体調の異変を感じた場合は、自己判断で中止・継続せず、速やかに処方医または最寄りの医療機関へご相談ください。
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