ドライアイの症状とは?症状チェックと重症度チェックの目安、充血や見た目の特徴、ドライアイの原因

目が乾く、ゴロゴロする、疲れやすいといった症状が続き、ドライアイではないかと気になっている方も多いのではないでしょうか。ドライアイの症状は目の乾きだけではなく、目の痛みや充血、涙が出る、見えにくいなど、さまざまな形であらわれます。


ドライアイは、涙の層が不安定になることで起こる病気です。症状の出方には個人差があり、自分ではドライアイだと気づきにくいこともあります。


この記事では、ドライアイとは何か、ドライアイの症状と頻度、充血や見た目の特徴、自分でできる症状チェック、重症度チェックの目安、ドライアイの原因、眼科を受診する目安までを、眼科医の講演資料や研究をもとに解説します。



※本記事に関するご注意

本記事は、執筆時点で確認できた公開情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、ドライアイの診断を行うものではありません。

症状チェックは、受診のきっかけにするための目安です。ドライアイかどうかの診断は、眼科で検査を受けて行います。

目の痛みが強い、急に見えにくくなったなどの症状がある場合は、早めに眼科を受診してください。

目薬などを使う場合は、添付文書をよく読み、わからないことは医師や薬剤師に相談してください。

※監修者は医療的専門分野についてのみ監修を行っており、掲載されている商品・サービスの選定には関与しておりません。
※当サイトは、マスク・絆創膏・消毒液などの衛生関連商品を含む物販収益の他、本コンテンツを通じて広告収益が発生する場合がありますので、予めご了承ください。

ドライアイとは?

ドライアイの定義

日本眼科医会の記者懇談会で紹介された資料によると、2016年にドライアイ研究会が示した定義では、ドライアイは、さまざまな原因によって涙の層が不安定になり、目の不快感や見え方の異常が生じる病気とされています。また、目の表面に傷ができることもあります。


ドライアイは、単に目が乾くだけの状態ではありません。涙の量が足りない、涙の質が悪いなどの理由で涙の層が崩れやすくなり、さまざまな症状が起こる病気です。


涙は、目の乾燥を防ぐだけでなく、ものをはっきり見るためにも大切な役割を果たしています。ドライアイになると、目が乾くだけでなく、視界がかすんだり、ものが見えにくくなったりすることがあります。


ドライアイの人はどのくらいいるか

順天堂大学の発表では、ドライアイの人は国内に約2,000万人、世界に10億人以上いると推測されています。身近な病気の1つといえます。


眼科医の講演資料では、大阪で行われたパソコンなどの画面を使って仕事をする人を対象とした調査で、76%がドライアイだったという報告も紹介されています。


講演資料では、ドライアイの人の数は、1995年には800万人以上、2003年には潜在的な人を含めて約2,200万人と推計されてきたことも紹介されています。背景には、パソコンやスマートフォンなどの画面を見る時間が増えた社会や、高齢化があるとされています。

ドライアイの症状

自覚症状の一覧と頻度

ドライアイの患者80人を対象とした調査では、主な自覚症状とその頻度が報告されています。もっとも多かったのは目の疲れで57%、次いで目の不快感が36%、乾いた感じが31%でした。


このほか、重い感じ、まぶしさ、痛み、かすみ、目やに、異物感、充血、かゆみ、涙が出るといった症状もみられました。乾いた感じを訴えた人は3割ほどで、ドライアイだからといって、必ずしも目の乾きを感じるとは限らないことがわかります。ドライアイの自覚症状と頻度を、表にまとめました。


自覚症状

頻度

目の疲れ

57%

目の不快感

36%

乾いた感じ

31%

重い感じ

29%

まぶしさ

29%

痛み

28%

かすみ

22%

目やに

22%

異物感

21%

充血

21%

近くが見えにくい

14%

遠くが見えにくい

13%

かゆみ

12%

涙が出る

11%


目の疲れや痛み、異物感

ドライアイでもっとも多い症状は、目の疲れです。涙の層が不安定になると、目の表面がなめらかに保たれず、見ることに負担がかかりやすくなると考えられています。


目が重い、目が痛い、目がゴロゴロして何か入っているように感じるといった症状も、ドライアイでよくみられます。朝起きたときに目が痛い、目が開けにくいと感じる人もいます。


涙が出る、目やにが出る

ドライアイでは、目が乾くだけでなく、涙が出ることもあります。ドライアイの患者80人を対象とした調査では、11%に涙が出る症状がみられました。


目の表面が乾いて刺激を受けると、それに反応して涙が出ることがあると考えられています。ただし、このとき出る涙は、目の表面を安定して守る働きが十分ではないことがあります。目やにが出る症状も、22%にみられたとされています。


見えにくさやまぶしさ

ドライアイでは、かすむ、まぶしい、なんとなく見えにくいといった症状が起こることがあります。ドライアイでは、視力検査で1.0の視力があっても、ものがかすんだり、見えにくく感じたりすることがあります。


これは、涙の層が不均一になることで、目の表面の光学的な面が乱れることが関係していると考えられています。また、時間の経過とともに見え方を調べる検査では、ドライアイの人で見え方の低下が示されているとされています。


頭痛など目以外の症状

ドライアイでは、目の疲れに加えて、頭痛がみられることもあります。

ドライアイによる目の疲れが続くと、頭痛や肩こりを感じることもあります。また、ドライアイによる不快な症状は、仕事の効率に影響することもあります。


朝起きたときの症状

ドライアイでは、朝起きたときに目が痛い、目が開けにくいと感じることがあります。眠っている間は涙の分泌が少なくなるうえ、まぶたが完全に閉じていないと、目の表面が乾きやすくなると考えられています。


朝の症状が続く場合や、目を開けたときに強い痛みがある場合は、目の表面に傷ができていることもあるため、眼科で相談しましょう。

ドライアイの充血

ドライアイで充血が起こる理由

ドライアイの人の21%に充血がみられたとされています。目の表面が乾いて刺激を受けたり、炎症が起きたりすると、白目の血管が広がって、目が赤く見えることがあると考えられています。


パソコンやスマートフォンを長時間見たあとや、コンタクトレンズを長く使ったあとに充血しやすい場合は、ドライアイが関わっている可能性もあります。


コンタクトレンズの使用中に充血や痛みが生じた場合は、すぐにレンズを外し、眼科を受診しましょう。ドライアイ以外の病気が原因となっている可能性もあります。


充血が続くときに考えたいほかの病気

目の充血は、ドライアイだけでなく、結膜炎やアレルギーなど、さまざまな病気で起こります。充血が続く場合や、目やにが多い、かゆみが強いといった場合は、ほかの病気の可能性もあるため、眼科で原因を確かめてもらいましょう。


特に、強い目の痛みや頭痛、吐き気をともなう充血や、急に見えにくくなった場合は、すぐに眼科を受診してください。充血を抑える目薬で様子をみるのではなく、原因を確かめることが大切です。

ドライアイの見た目の特徴

外から見てわかる変化

ドライアイで外から見てわかる変化としては、白目の充血や、目やに、涙目などがあります。目が疲れて目が開けにくい、まぶしくて目を細めるといった様子がみられることもあります。


ただし、ドライアイの多くは、外から見ただけではわかりにくい病気です。見た目に変化がなくても、目の乾きや疲れ、見えにくさなどの症状があれば、ドライアイの可能性があります。見た目だけで判断せず、症状の有無もあわせて確認しましょう。


眼科の検査でわかる目の表面の変化

眼科では、目の表面に特殊な色素をつけて、涙の状態や角膜に傷がないかを調べます。


ドライアイでは、まばたきをしてから涙が乾き始めるまでの時間が短くなることがあります。この時間を測ることで、涙が目の表面をどの程度安定して覆っているかを確認します。


また、まぶたのふちにあるマイボーム腺という、涙の蒸発を防ぐ油分を分泌する腺の状態も調べます。この腺の働きが悪くなると、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイの原因になることがあります。

ドライアイの症状チェック

ドライアイの症状に当てはまるか確認してみましょう。ただし、このチェックだけでドライアイと診断することはできません。


自分でできる症状チェック

ドライアイの自覚症状として多く報告されている症状をもとに、チェック項目をまとめました。当てはまる項目が多い場合や、症状が続いている場合は、眼科で相談しましょう。


  • 目が疲れやすい

  • 目に不快感がある

  • 目が乾いた感じがする

  • 目が重い、目が開けにくい

  • 光をまぶしく感じる

  • 目が痛い

  • 目がかすむ、なんとなく見えにくい

  • 目やにが出る

  • 目がゴロゴロする、何か入っているように感じる

  • 目が充血しやすい

  • 理由もなく涙が出る

  • まばたきを12秒間がまんできない


まばたきをがまんする時間でのチェック

順天堂大学の研究では、まばたきをせずに目を開けていられる時間が、ドライアイのチェックに役立つことが報告されています。


まばたきを12秒間がまんできない場合は、ドライアイの可能性があります。


チェックする際は、時計やスマートフォンのタイマーを使い、まばたきをせずに何秒間目を開けていられるかを測ります。無理にがまんする必要はありません。


ただし、この方法だけでドライアイと診断することはできません。症状が続く場合は、眼科を受診しましょう。


チェックで当てはまったときは

症状チェックで当てはまる項目が多かった場合や、まばたきを12秒間がまんできなかった場合は、ドライアイの可能性があります。まずは、パソコンやスマートフォンを見る時間、コンタクトレンズの使い方、部屋の乾燥など、症状を悪化させる要因がないかを見直しましょう。


それでも症状が続く場合は、眼科を受診しましょう。症状チェックで当てはまる項目が少なくても、目の痛みや見えにくさが強い場合は、早めに受診することが大切です。

ドライアイの重症度チェックの目安

国内には統一された重症度分類がない

国内のドライアイの診断基準では、ドライアイかどうかを判断する基準は示されていますが、重症度を分ける統一された基準は確認できませんでした。自分で重症度を判定できるような、決まったチェック方法もありません。


そのため、症状の重さは、症状が続いている期間、生活への影響、眼科での検査の結果などをもとに、医師が判断します。症状が重いと感じる場合は、自己判断せずに眼科で相談しましょう。


症状が軽い場合は、パソコンやスマートフォンの使用時間を減らす、コンタクトレンズの装用時間を短くする、室内を加湿するなどの対策が役立ちます。


こうした対策をしても症状が改善しない場合は、眼科を受診しましょう。症状や検査結果に応じて、点眼薬などによる治療が行われます。


重症化しやすいケース

まぶたのふちにあるマイボーム腺は、涙の蒸発を防ぐ油分を分泌しています。この腺の働きが悪くなると、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイの症状が悪化することがあります。


また、自己免疫の病気であるシェーグレン症候群にともなうドライアイは、涙の量が大きく減ることがあります。目の痛みが強い、目の表面に傷がある、日常生活に支障が出ているといった場合は、早めに眼科を受診しましょう。


眼科での検査と診断

2016年に示された国内の診断基準では、目の乾きや不快感などの自覚症状があり、まばたきをしてから涙の層が崩れるまでの時間が5秒以下の場合、ドライアイと診断されます。


眼科では、症状の聞き取りや涙の状態、目の表面の検査などを行い、ドライアイかどうかを判断します。

ドライアイの原因

涙が少ないタイプと蒸発しやすいタイプ

ドライアイは、涙の量が少なくなる涙液減少型と、涙の質や目の表面の状態が悪くなって涙が蒸発しやすくなる蒸発亢進型に大きく分けられるとされています。いずれのタイプも、涙の層が不安定になることが共通しています。どのタイプのドライアイかによって治療の考え方が変わるため、眼科で検査を受けて確かめることが大切です。


ドライアイには、涙の量が少なくなるタイプと、涙の量は十分でも、目の表面を涙が安定して覆えなくなるタイプがあります。


それぞれ原因や特徴が異なるため、主なタイプを次の表にまとめました。


タイプ

国内の調査での割合

特徴

涙液減少型

35.0%

涙の量が少なく、涙の層が崩れやすい

涙の層がすぐに崩れるタイプ

26.7%

涙の量は保たれていても、涙の層が崩れるまでの時間が短い

コンタクトレンズに関連するもの

7.8%

コンタクトレンズの装用で涙の層が不安定になる

マイボーム腺機能不全

7.6%

涙の油の成分を出すまぶたの腺の働きが悪くなり、涙が蒸発しやすい

シェーグレン症候群

7.6%

自己免疫の病気で、涙の量が減る

まぶたと目の表面の摩擦に関連するもの

6.4%

まぶたと目の表面がこすれることで症状が起こる

その他

8.8%

ほかのタイプに当てはまらないもの


パソコン作業やコンタクトレンズなど生活の要因

パソコンやスマートフォンを長時間使用すると、まばたきの回数が減り、目が乾きやすくなります。


また、コンタクトレンズの使用によって涙の状態が不安定になったり、エアコンによる室内の乾燥で涙が蒸発しやすくなったりすることも、ドライアイの原因になります。


年齢や病気、薬による要因

ドライアイは、加齢による涙の分泌量の減少や、マイボーム腺の機能低下によって起こることがあります。また、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患が原因となる場合もあります。


抗ヒスタミン薬や抗うつ薬、一部のニキビ治療薬なども、ドライアイに関係することがあります。服用中の薬が気になる場合は、自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。


ほかの病気や手術との関係

ドライアイ診療ガイドラインでは、糖尿病やうつ病、顔面神経麻痺などの全身の病気と、ドライアイとの関係が検討すべき課題として取り上げられています。全身の病気の治療に使う飲み薬や手術、目の手術や視力を矯正する手術の影響も、検討の対象とされています。


持病がある方や、目の手術を受けたことがある方は、眼科を受診するときに伝えるようにしましょう。ドライアイの原因を確かめる手がかりになります。

ドライアイの症状で眼科を受診する目安

早めに受診したい症状

目の乾きや疲れ、異物感などの症状が続く場合は、眼科を受診しましょう。


目の痛みが強い、充血が続く、見えにくさが続く、市販の目薬を使っても症状がよくならないといった場合も、早めに受診しましょう。ドライアイ以外の病気が隠れていることもあります。


受診するときは、症状がいつから続いているか、パソコンやスマートフォンを使う時間、コンタクトレンズの使用、飲んでいる薬、持病などを伝えると、原因を確かめる手がかりになります。


眼科での治療の流れ

眼科では、問診や検査でドライアイかどうか、どのタイプのドライアイかを確かめたうえで、治療を検討します。治療には、涙を補う目薬や、涙の成分を増やす目薬などが使われます。


あわせて、パソコン作業の時間やコンタクトレンズの使い方、部屋の湿度など、症状を悪化させる要因を見直すことも大切です。

ドライアイの症状に関するよくある質問

片目だけ症状が出ることはありますか?

ドライアイの症状が片目だけに強く出ることもあります。ただし、片目だけに充血や痛み、目やにが続く場合は、ドライアイ以外の病気の可能性もあるため、眼科で確かめてもらいましょう。


涙が出るのにドライアイなのはなぜですか?

ドライアイでは、目の表面が乾燥して刺激を受けると、反射的に涙が出ることがあります。そのため、涙が出るからといって、ドライアイではないとは限りません。


ドライアイで頭痛が起こることはありますか?

ドライアイによる目の疲れが続くと、頭痛を感じることがあります。ただし、頭痛にはさまざまな原因があります。強い頭痛に目の痛みや吐き気をともなう場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。


ドライアイの症状は季節によって変わりますか?

ドライアイ診療ガイドラインでは、地域や年齢、季節などの外的な要因とドライアイの関係も、検討すべき課題として取り上げられています。空気が乾燥する季節や、エアコンを長時間使う時期は、涙が蒸発しやすくなるため、症状が出やすいと感じる人もいます。加湿や、エアコンの風が直接目に当たらないようにするなどの工夫をしましょう。


ドライアイで視力は下がりますか?

ドライアイでは、視力検査で1.0見えていても、なんとなく見づらいと感じることがあります。見えにくさが続く場合や、急に見えにくくなった場合は、ほかの病気の可能性もあるため、眼科を受診しましょう。

ドライアイの症状と原因のまとめ

ドライアイは、涙の層が不安定になることで起こる病気で、目の疲れ、不快感、乾いた感じ、痛み、充血、涙が出る、見えにくいなど、さまざまな症状があらわれます。見た目ではわかりにくいことも多く、自分でできる症状チェックは受診のきっかけの目安です。


国内には統一された重症度分類はなく、ドライアイかどうかは眼科での検査で確かめます。パソコン作業やコンタクトレンズ、乾燥した環境、年齢や病気、薬などが原因になるため、症状が続く場合は眼科で相談しましょう。

参照リンク

戻る