レタトルチドとは?3つのホルモンに作用する開発中の肥満治療薬の効果と入手できない理由

GLP-1やGIPという言葉を目にしたことがある人にとって、レタトルチドは「もう1つ増えた薬」に見えるかもしれません。実際にこの薬は、GIP、GLP-1、グルカゴンという3つの受容体に同時に作用する、これまでにない種類の分子です。


公表されている第3相試験では、レタトルチド12mgを80週間投与した群で、体重が開始時から平均28.3%減少しました。さらに、開始時のBMIが35以上で延長試験に参加した人では、104週時点で平均30.3%の体重減少が報告されています。


一方で、現時点ではレタトルチドを治療薬として使用することはできません。レタトルチドはまだ開発段階にあり、日本を含め、どの国でも承認されていないためです。現在、正規に使用できるのは臨床試験の参加者に限られています。


この記事では、レタトルチドがどのような薬なのか、臨床試験でどのような効果や副作用が報告されているのか、そしてなぜ現時点では入手できないのかを、一次情報をもとに解説します。



※注意事項

  • この記事は執筆時点で公開されている製薬企業の公式発表をもとにした一般的な情報提供であり、特定の医薬品の使用を推奨するものではありません。個別の診断や治療方針を示すものでもありません。

  • レタトルチドは開発段階にある医薬品で、日本を含むいずれの国においても承認されていません。開発元は、臨床試験の参加者にのみ合法的に利用可能な開発中の分子であると説明しています。医療機関で処方を受けることはできません。

  • インターネット上でレタトルチドとして販売されている製品が存在する場合、それは正規の医薬品ではありません。研究用試薬として流通しているものを含め、人への使用を想定して品質が管理されたものではなく、健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

  • この記事で扱う数値は、開発元が公表した臨床試験の結果です。試験段階の情報であり、承認後の用法・用量や効能・効果を示すものではありません。効果や副作用の出方には個人差があります。開発状況は更新されるため、最新の情報は製薬企業の公式発表で確認してください。

※監修者は医療的専門分野についてのみ監修を行っており、掲載されている商品・サービスの選定には関与しておりません。
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レタトルチドとは

まず最初に、レタトルチドがどういう位置づけのものかを確認します。


レタトルチドは3つのホルモン受容体に作用する注射剤

レタトルチドは、週1回の投与を想定して開発されている注射剤です。GIP受容体、GLP-1受容体、グルカゴン受容体という3つの受容体に、1つの分子で作用します。開発元はこれを、この種類として初めての三重ホルモン受容体作動薬と説明しています。


既存の薬と並べると位置づけがはっきりします。セマグルチドはGLP-1受容体のみ、チルゼパチドはGLP-1受容体とGIP受容体の2つに作用します。レタトルチドはそこにグルカゴン受容体が加わる形です。


薬剤

GLP-1

GIP

グルカゴン

剤形と回数

セマグルチド

注射(週1回)または経口(1日1回)

チルゼパチド

注射(週1回)

オルフォルグリプロン

経口(1日1回)

レタトルチド

注射(週1回)


レタトルチドがここまで注目されている理由

開発段階の薬にもかかわらず名前が広く知られているのは、第2相試験の段階で報告された数値が大きかったためです。この時期から、既存薬を上回る可能性がある薬として話題になりました。


第2相試験では、肝臓の脂肪量に対する影響も評価され、高用量群で大幅な低下が報告されています。体重以外の指標にも変化が及ぶ可能性が示されたことで、脂肪性肝疾患を対象とした試験にもつながりました。


ただし、第2相の結果がそのまま第3相で再現されるとは限らず、実際に開発が中止される薬も少なくありません。注目度の高さと、承認される確実性は別のものです。


レタトルチドはイーライリリーが開発している

開発元はイーライリリーです。開発コードはLY3437943で、まだ商品名は付いていません。


同社は、チルゼパチドを有効成分とするゼップバウンドや、経口のオルフォルグリプロンも手がけており、レタトルチドはその系列の中で三重受容体作動薬という新たなアプローチでの開発が進められています。


レタトルチドはどの国でも承認されていない

2026年9月時点で、レタトルチドは日本を含むいずれの国でも承認されていません。開発元は公式発表の中で、臨床試験の参加者にのみ合法的に利用可能な開発中の分子である、と明記しています。


この一文が意味するのは、試験の外で正規に入手する経路が存在しないということです。医療機関で処方を受けることも、薬局で購入することもできません。

レタトルチドの作用の仕組み

レタトルチドが作用するGLP-1受容体の働き

GLP-1は、食事をとると小腸から分泌されるホルモンです。血糖値に応じてインスリンの分泌を促し、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑えます。胃の内容物が排出される速度を遅らせる作用や、脳の食欲に関わる部位に働きかける作用も知られています。


既存のGLP-1受容体作動薬が食欲を抑える方向に働くのは、この経路によるものです。


レタトルチドが作用するGIP受容体の働き

GIPも消化管から分泌されるホルモンで、インスリンの分泌を促す働きがあります。加えて、脂肪組織や中枢神経への作用を通じて、体重や食欲に影響する可能性が検討されています。

チルゼパチドがGLP-1とGIPの2つに作用するのは、この組み合わせによる上乗せ効果を狙ったものです。


レタトルチドが作用するグルカゴン受容体の働き

グルカゴンは、血糖値が下がったときに分泌され、肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解して血糖値を上げるホルモンとして知られています。血糖値を上げる作用のあるホルモンが、なぜ肥満治療薬の標的になるのか、疑問に思う方もいるでしょう。


グルカゴンにはエネルギー消費を高める方向の作用や、肝臓での脂肪代謝に関わる作用があると考えられています。食事量を減らす方向の作用に、消費側を高める作用を組み合わせるという設計思想です。


ただし、この3つ目の経路が実際にどれだけ寄与しているのかを、人において厳密に切り分けたデータが公表されているわけではありません。仕組みとしての説明と、確認された事実は分けて理解しておく必要があります。

レタトルチドの効果として報告されていること

レタトルチドについて公表されている第3相試験の結果を、条件とあわせて整理します。次はいずれも試験段階の情報です。


レタトルチドの肥満を対象とした試験の結果

TRIUMPH-1試験は、肥満または体重に関連する健康上の問題を1つ以上持つ過体重で、糖尿病のない成人2,339人を対象とした80週間の試験です。参加者は2ミリグラムから開始し、4週間ごとに段階的に増量して、4ミリグラム、9ミリグラム、12ミリグラムのいずれかの目標用量に到達する方法が採用されました。 


開始時の平均体重は112.7キログラム、平均BMIは40.0です。80週時点での体重の平均変化率は、4ミリグラム群でマイナス19.0パーセント、9ミリグラム群でマイナス25.9パーセント、12ミリグラム群でマイナス28.3パーセント、プラセボ群でマイナス2.2パーセントでした。


体重が25パーセント以上減少した人の割合は12ミリグラム群で62.5パーセント、30パーセント以上では45.3パーセント、35パーセント以上では27.2パーセントでした。腹囲は12ミリグラム群で平均24.1センチメートル減少しています。


また、12ミリグラム群の65.3パーセントが80週時点でBMI30未満に到達し、開始時にBMI40以上だった人のうち37.5パーセントも同様に到達したと報告されています。


項目

4mg

9mg

12mg

プラセボ

体重の平均変化率

−19.0%

−25.9%

−28.3%

−2.2%

体重の平均変化量

−21.4kg

−29.2kg

−31.9kg

−2.5kg

25%以上減少した人

27.8%

52.9%

62.5%

2.2%

30%以上減少した人

15.3%

37.9%

45.3%

0.5%

35%以上減少した人

5.9%

20.8%

27.2%

0.3%

腹囲の変化

−16.3cm

−21.8cm

−24.1cm

−3.6cm


※対象は肥満または体重関連の健康上の問題を1つ以上持つ過体重で糖尿病のない成人2,339人。開始時の平均体重112.7kg、平均BMI 40.0。


レタトルチドの延長期間で報告された結果

この試験には、あらかじめ設定された延長期間がありました。開始時のBMIが35以上で、80週の試験を完了し、割り当てられた用量に耐えられた532人が対象です。


延長期間では、盲検のまま忍容できる最大用量まで増量する設計で、追加の24週間、合計104週まで投与が続けられました。104週時点での体重の平均変化率は、12ミリグラムから最大耐用量へ進んだ群でマイナス30.3パーセント、平均38.5キログラムの減少でした。


注目したいのは、この延長期間の対象が、80週を完走し用量に耐えられた人に限られている点です。途中で中止した人や副作用に耐えられなかった人は含まれていません。数値だけを見て全体の結果と受け取ることはできません。


レタトルチドの2型糖尿病や心血管疾患を対象とした試験の結果

2型糖尿病と肥満または過体重を併せ持つ成人を対象としたTRIUMPH-2試験では、80週時点での体重の平均変化率が4ミリグラムでマイナス12.7パーセント、9ミリグラムでマイナス19.1パーセント、12ミリグラムでマイナス20.8パーセントと報告されました。HbA1cの低下もあわせて示されています。


重度の肥満と心血管疾患を持つ成人を対象としたTRIUMPH-3試験では、80週時点で最大平均マイナス22.6パーセントの体重減少が報告されました。


膝の変形性関節症を持つ人を対象とした試験では、体重の減少に加えて膝の痛みの軽減もみられたとされています。このほか、閉塞性睡眠時無呼吸、慢性腰痛、代謝機能障害に関連する脂肪性肝疾患、心血管や腎臓の転帰を評価する試験が進められています。


レタトルチドの臨床データを読むときの前提

数値を見るときに、確認しておきたい前提があります。


まず、対象となった集団です。TRIUMPH-1の参加者の平均BMIは40.0で、これは高度肥満に分類される水準です。日本で体型を整えたいと考えている人の体格とは大きく異なります。


次に、これらが試験段階の結果である点です。承認された場合の用法・用量や効能・効果が、試験と同じになるとは限りません。承認されない可能性も残っています。


そして、いずれの試験も健康的な食事と身体活動の補助療法として評価する設計で行われています。薬だけで得られた結果ではありません。

レタトルチドの副作用として報告されていること

レタトルチドについては、効果の数字が大きいぶん、安全性の情報も同じ精度で見ておく必要があります。


レタトルチドで頻度の高い消化器症状

TRIUMPH-1試験で報告された有害事象は、既存のインクレチン関連薬の試験と概ね一致する傾向でした。


用量ごとの発現割合は、悪心が4ミリグラムで28.6パーセント、9ミリグラムで38.4パーセント、12ミリグラムで42.4パーセント、プラセボで14.8パーセントでした。下痢はそれぞれ25.2パーセント、34.1パーセント、32.0パーセント、プラセボで13.5パーセント。便秘は23.8パーセント、25.9パーセント、26.1パーセント、プラセボで10.9パーセント。嘔吐は10.6パーセント、22.8パーセント、25.3パーセント、プラセボで4.8パーセントです。


レタトルチドで報告された知覚異常と尿路感染症

既存の薬とは異なる項目として、感覚の異常が報告されています。発現割合は4ミリグラムで5.1パーセント、9ミリグラムで12.3パーセント、12ミリグラムで12.5パーセント、プラセボで0.9パーセントでした。


尿路感染症は4ミリグラムで7.5パーセント、9ミリグラムで8.8パーセント、12ミリグラムで8.4パーセント、プラセボで5.3パーセントです。


開発元は、これらの事象は概ね軽度から中等度で、多くは投与中に回復し、ほとんどの参加者が投与を継続したと説明しています。ただし、プラセボとの差が明確についている項目であり、承認審査でも評価の対象になる部分と考えられます。


症状

4mg

9mg

12mg

プラセボ

悪心

28.6%

38.4%

42.4%

14.8%

下痢

25.2%

34.1%

32.0%

13.5%

便秘

23.8%

25.9%

26.1%

10.9%

嘔吐

10.6%

22.8%

25.3%

4.8%

感覚の異常

5.1%

12.3%

12.5%

0.9%

尿路感染症

7.5%

8.8%

8.4%

5.3%

有害事象による中止

4.1%

6.9%

11.3%

4.9%


レタトルチドの試験で報告された中止率

有害事象を理由に投与を中止した人の割合は、4ミリグラムで4.1パーセント、9ミリグラムで6.9パーセント、12ミリグラムで11.3パーセント、プラセボで4.9パーセントでした。


4ミリグラム群の中止率はプラセボを下回っており、開発元もこの点に触れています。一方で12ミリグラムでは11.3パーセントに上がります。効果が最も大きい用量が、最も続けやすい用量とは限らないという構図です。


レタトルチドは最も効く用量が最適とは限らない

TRIUMPH-1の結果を用量ごとに並べると、興味深い構図が見えてきます。最も低い4ミリグラムでも80週で平均19.0パーセントの減量が報告されており、これは既存の薬の試験で報告されている水準に並びます。しかもこの用量は、開始用量から1段階の増量で到達できます。


一方、12ミリグラムでは平均28.3パーセントと数値は大きくなりますが、有害事象による中止率は11.3パーセントに上がります。4ミリグラムの中止率4.1パーセントはプラセボの4.9パーセントを下回っており、開発元もこの点に言及しています。


つまり、最大用量が全員にとって最適とは限りません。どこまでの効果を求め、どこまでの負担を受け入れるかは、承認された後も医師と相談して決める部分になります。数値の大きさだけで薬を評価できない理由がここにあります。

レタトルチドとマンジャロ・ゼップバウンドの違い

レタトルチドを既存薬と並べると、位置づけがわかりやすくなります。


レタトルチドとチルゼパチドの作用する受容体の違い

マンジャロとゼップバウンドの有効成分であるチルゼパチドは、GLP-1受容体とGIP受容体の2つに作用します。レタトルチドはこれにグルカゴン受容体が加わります。


投与方法はどちらも週1回の皮下注射で、この点に違いはありません。


レタトルチドとチルゼパチドの試験結果を単純比較できない理由

数値だけを並べると、レタトルチドの試験で報告された減量率のほうが大きく見えます。しかし、これらは直接比較した試験の結果ではありません。


試験の対象、期間、開始時のBMI、併用する生活介入の内容がそれぞれ異なります。TRIUMPH-1の参加者は平均BMI40.0で、チルゼパチドの肥満症を対象とした試験の集団とは条件が違います。異なる試験の数値を並べて優劣を判断することはできません。


レタトルチドとマンジャロ・ゼップバウンドの承認状況の違い

最も実際的な違いはここにあります。マンジャロは国内で2型糖尿病を効能・効果として承認されています。ゼップバウンドは一定の基準を満たす肥満症などを効能・効果として承認されています。


レタトルチドはどの国でも承認されておらず、臨床試験の外で使うことはできません。


薬剤

日本

米国

マンジャロ

2型糖尿病

承認済み

ゼップバウンド

肥満症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群

承認済み

オルフォルグリプロン

未承認(申請中と報道)

2026年4月承認

レタトルチド

未承認

未承認(2027年第1四半期に申請予定)

タトルチドが入手できない理由

レタトルチドについて、購入や個人輸入という言葉で調べている人に向けて、状況を正確に説明します。


レタトルチドは臨床試験の参加者にのみ提供されている

開発元は公式発表の中で、レタトルチドは臨床試験の参加者にのみ合法的に提供されている開発中の薬であると明記しています。 


承認前の医薬品は、製造販売の承認を受けていないため、市場に出ることがありません。医療機関も薬局も、正規のルートで入手する手段を持っていません。


レタトルチドとして販売されているものがある場合

それにもかかわらず、インターネット上でレタトルチドという名称の製品を見かけることがあります。多くは研究用試薬として流通しているもので、人への使用を想定して品質が管理されたものではありません。


含まれている成分が表示どおりである保証も、不純物が含まれていない保証も、無菌性が確保されている保証もありません。用量の設定も、承認された基準にもとづくものではありません。


レタトルチドの個人輸入で健康被害が起きた場合

医薬品副作用被害救済制度は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず副作用による重篤な健康被害が生じた場合に給付を行う制度です。個人輸入した医薬品による健康被害は、この制度の対象外です。


未承認の開発中の分子であればなおさらで、重篤な事象が起きても治療費の補償も、その後の影響への補償も公的には受けられません。入手元が海外の事業者である場合、責任の追及も現実的に困難になります。


レタトルチドを自己判断で使うことのリスク

試験では、2ミリグラムから開始して4週間ごとに増量する設計が採られていました。医師の管理下で、副作用の発現を確認しながら進める前提です。


用量の設定、副作用が出たときの対応、他の薬との併用の可否。これらの判断材料が国内向けに整理されていない段階で、自分で判断して使うことになります。感覚の異常や尿路感染症といった、既存薬とは異なる事象も報告されている薬です。


  • 開発中の分子であり、正規の医薬品として流通していない

  • 研究用試薬として販売されているものは人への使用を想定していない

  • 成分・純度・無菌性のいずれも保証されない

  • 日本人における適切な用量が確立していない

  • 感覚の異常や尿路感染症など、既存薬と異なる事象が報告されている

  • 健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象外

  • 副作用が出たときに相談・対応できる医療機関がない

レタトルチドの日本での承認見通し

レタトルチドの承認申請の状況

開発元は、2027年の第1四半期に米国食品医薬品局へ生物学的製剤承認申請を提出する計画を示しています。これは米国での申請予定であり、承認の予定ではありません。


日本での申請時期について、公表された具体的な情報は確認できていません。


レタトルチドの承認までに必要な手続き

医薬品の承認は国ごとに独立した制度のもとで行われます。米国で申請されたからといって、日本で同時に手続きが進むわけではありません。


国内での承認には、有効性と安全性の審査、日本人を対象としたデータの確認、対象となる患者の設定、用法・用量の決定、薬価の算定が必要になります。承認された後も、薬価収載を経て販売開始となります。


レタトルチドの発売時期を断定できない理由

申請前の段階にある薬について、発売時期を具体的に示すことはできません。申請が予定どおり行われる保証も、審査で承認される保証もありません。


開発元自身も、計画中または進行中の試験が予定どおり完了する保証、将来の結果がこれまでと一致する保証、規制当局の承認を得られる保証はないと明記しています。発売時期を断定している情報を見かけた場合、その根拠を確認してください。

レタトルチドを待つあいだに考えられること

レタトルチドの代わりに国内で承認されている選択肢

肥満症の治療としては、一定の基準を満たす場合に保険診療で使える医薬品が国内にあります。高血圧、脂質異常症または耐糖能障害のいずれかを有し、食事療法・運動療法で十分な効果が得られず、BMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有するか、BMIが35以上であることが条件とされています。


自分がこの基準に該当するかは医師の判断によります。TRIUMPH-1の参加者の平均BMIが40.0であったことを踏まえると、レタトルチドが想定している対象は、こうした基準に該当するような状態にある人だと考えられます。


レタトルチドを待つことにともなうリスク

承認されるかどうかも、いつになるかもわからない薬を待つあいだ、体重や健康上の状態が変わらないとは限りません。血圧や血糖、脂質に問題が出ている場合、待つこと自体にリスクが生じます。

新しい薬が登場するかどうかと、現在治療が必要かどうかは別の問題です。治療の必要性については、医師の診察を受けて判断することが大切です。


レタトルチドについて医師に相談するときの視点

自分の状態が保険診療の対象になるのか、そもそも薬物治療の対象なのか。まずここを確認するのが出発点です。


そのうえで、新しい薬が承認された場合に自分が対象になり得るのか、いま始めた治療との関係はどうなるのかを聞いておくと、見通しが立ちます。

レタトルチドに関するよくある質問

レタトルチドについて寄せられることの多い疑問をまとめます。


レタトルチドは日本でいつ発売されますか

現時点ではどの国でも承認されておらず、発売時期は決まっていません。開発元は2027年第1四半期に米国で申請する計画を示していますが、これは申請の予定であって承認の予定ではありません。日本での申請時期について公表された情報は確認できていません。


レタトルチドは購入できますか

できません。開発元は、臨床試験の参加者にのみ合法的に利用可能な開発中の分子であると明記しています。医療機関で処方を受けることも、薬局で購入することもできません。


レタトルチドを個人輸入するとどうなりますか

正規の医薬品として流通していないため、入手できるものは品質が保証されていません。健康被害が生じても医薬品副作用被害救済制度の対象外となり、副作用が出たときに相談できる医療機関もありません。


レタトルチドはマンジャロより効果が高いですか

直接比較した試験がないため、判断できません。試験の対象、期間、開始時のBMIが異なる数値を並べても、優劣の根拠にはなりません。


レタトルチドの副作用は何ですか

公表されている試験では、悪心、下痢、便秘、嘔吐といった消化器症状が多く報告されました。加えて、感覚の異常と尿路感染症がプラセボより高い割合で報告されています。承認前の段階であり、長期使用時の情報は限られています。


レタトルチドはどのくらい痩せますか

80週間の試験では最高用量で平均28.3パーセント、延長期間の104週時点では平均30.3パーセントの体重減少が報告されました。ただし対象は平均BMI40.0の集団で、延長期間の対象は試験を完走し用量に耐えられた人に限られています。


レタトルチドとオルフォルグリプロンは何が違いますか

レタトルチドは週1回の注射剤で、GIP、GLP-1、グルカゴンの3つの受容体に作用します。オルフォルグリプロンは1日1回の経口薬で、GLP-1受容体のみに作用します。オルフォルグリプロンは米国で承認済みですが、レタトルチドはどの国でも承認されていません。

レタトルチドは承認前の段階にある開発中の薬

レタトルチドについて現時点でわかっていること

レタトルチドは、イーライリリーが開発している週1回投与の注射剤で、GIP、GLP-1、グルカゴンの3つの受容体に作用します。この種類として初めての分子です。


肥満または過体重の成人を対象とした80週間の試験では、最高用量で平均28.3パーセントの体重減少が報告されました。延長期間の104週時点では平均30.3パーセントに達しています。副作用としては消化器症状が多く、感覚の異常と尿路感染症もプラセボより高い割合で報告されました。


どの国でも承認されておらず、開発元は臨床試験の参加者にのみ合法的に利用可能な分子であると明記しています。米国での申請は2027年第1四半期に予定されています。


レタトルチドの情報は更新される前提で確認する

この分野は動きが速く、試験結果も開発状況も更新されていきます。この記事の内容も執筆時点のものです。


確認すべき情報源は、製造販売元の公式発表と規制当局の公表資料です。個人が発信している情報、購入方法を案内している情報、発売時期を断定している情報については、根拠を確かめてから受け取ってください。


数値の大きさに目を引かれやすい薬ですが、承認前であるという事実は変わりません。いま何をすべきかは、新しい薬が出るかどうかとは別に、医師と相談して判断する部分になります。

参照リンク

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