インフルエンザ予防接種の副反応は何日後に出る?症状と続く期間を解説

インフルエンザの予防接種を受けた後、腕が腫れた、熱が出たといった変化が起きると、これは副反応なのか、それとも別の病気なのかと不安になるものです。


副反応がいつ出るのか、どのくらい続くのかを知っておけば、慌てずに対応しやすくなります。とくに子どもの接種では、保護者が判断する場面が出てきます。


一方で、頻度は低いものの注意が必要な症状もあります。どのような場合に受診すべきかの目安を持っておくことも大切です。


ここでは、インフルエンザ予防接種の副反応が何日後に出るのか、どのくらいの期間続くのか、よく見られる症状と頻度、まれに報告される重い症状、出たときの対処、子どもの場合の見方、救済制度までを整理します。



※注意事項

  • この記事は執筆時点で公開されている情報にもとづく一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。

  • 副反応の出方や程度には個人差があり、すべての人に同じ症状が生じるわけではありません。ここで示す日数や頻度は目安であり、当てはまらない場合もあります。接種後の体調について判断に迷う場合は、必ず接種を受けた医療機関または医師に相談してください。

  • インフルエンザの予防接種は、定期接種の対象となる場合を除いて自費での接種となります。健康被害が生じた場合に適用される救済制度も、定期接種と任意接種で異なります。

  • 制度の内容や公的機関の案内は更新されることがあります。最新の情報は、厚生労働省やお住まいの自治体の公式サイトで確認してください。

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インフルエンザ予防接種の副反応とは

インフルエンザ予防接種では、接種後にさまざまな症状がみられることがあります。ここでは、ワクチン接種後にみられる『副反応』について解説します。 


副反応と副作用の違い

ワクチンを接種すると、免疫がつく以外の反応がみられることがあります。これを副反応といいます。厚生労働省も同じ定義で説明しています。


一般の医薬品でいう副作用とほぼ同じ意味ですが、ワクチンの場合は副反応という言葉が使われます。予防接種後に生じた体調の変化を指す言葉として用いられます。


ワクチンによって副反応が起こるしくみ

ワクチンは、体に免疫をつくらせるために接種するものです。体が接種された成分に反応する過程で、接種した部位の炎症や発熱といった変化が現れることがあります。


つまり、副反応の多くは体が反応している過程で起きるものです。反応が出たから接種が失敗したという意味ではありません。逆に、症状が出なかった場合に免疫がついていないというわけでもありません。


ワクチンでインフルエンザを発症することはない

接種後に発熱すると、ワクチンでインフルエンザにかかったのではないかと考える人がいます。


日本で広く使われている注射タイプのインフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、ウイルスの感染力をなくした材料からつくられています。このワクチンによってインフルエンザを発症することはないとされています。


接種後の発熱は副反応によるものか、たまたま別の感染症にかかった可能性が考えられます。判断に迷う場合は医療機関に相談してください。

インフルエンザ予防接種の副反応は何日後に出るのか

インフルエンザ予防接種の副反応は、接種当日から数日以内に現れることが一般的です。 


多くは接種後24時間以内に現れる

インフルエンザ予防接種の副反応は、そのほとんどが接種後24時間以内に現れるとされています。つまり、接種した当日から翌日にかけてが最も注意すべき時間帯です。


とくに急激なアレルギー反応は接種後30分以内に現れることが特徴とされており、医療機関で接種後しばらく様子を見るのはこのためです。


ワクチン接種部位の症状が出る時期

接種した場所の赤み、腫れ、痛みは、当日の夕方から翌日にかけて現れることが多いとされています。腕を動かしたときに痛みを感じる、押すと痛いといった形で気づきます。


腫れのピークは接種の翌日ごろにあたることが多く、そこから徐々に引いていく経過をたどります。


インフルエンザワクチンによって全身の症状が出る時期

発熱、頭痛、寒気、だるさといった全身の症状も、多くは接種当日から翌日にかけて現れます。夜になって熱が上がるという形で気づくことがあります。


接種から3日以上たってから発熱した場合は、副反応ではなく別の原因による可能性も考えられます。時期の目安は次のとおりです。


時期

主な症状

目安

接種後30分以内

じんましん、呼吸困難、血圧の低下

急激なアレルギー反応が現れやすい時間帯

接種当日から翌日

接種部位の赤み、腫れ、痛み

最も多くみられる。腫れは翌日ごろがピーク

接種当日から翌日

発熱、頭痛、寒気、だるさ

全身の反応。夜に熱が上がることがある

接種の2日後から3日後

症状が軽くなる時期

多くはこの時期までに治まる

接種の3日以降

新たに出た発熱など

副反応以外の原因も考えられる



インフルエンザ予防接種の副反応が続く期間

通常は2日から3日で治まる

接種した場所の赤みや腫れ、痛みは、通常2日から3日で治まります。発熱や頭痛、寒気、だるさといった全身の症状についても、多くは2日から3日で治まります。


副反応が長引く場合の考え方

副反応の多くは2日から3日程度で治まりますが、症状の程度や続く期間には個人差があります。


症状が少しずつ軽くなっているのであれば、経過を見て問題ないことが多いとされています。一方で、日を追って悪化している場合は別の原因を考える必要があります。


日数を過ぎても改善しないとき

接種から1週間近くたっても症状が改善しない場合、腫れが広がっている場合、熱が下がらない場合は、接種を受けた医療機関に相談してください。


とくに接種部位が熱を持って強く腫れている、赤みが腕全体に広がっているといった場合は、早めに受診することがすすめられます。

よく見られるインフルエンザ予防接種の副反応

接種した場所の赤み、腫れ、痛み

最も多いのは、接種した部位にみられる反応です。赤みや腫れ、痛みなどが、接種を受けた人の10~20%程度にみられます。


多くは軽度で、腕を動かすと痛む、押すと痛いという程度にとどまります。日常生活に支障が出るほど強く腫れる人もいますが、通常は2日から3日で治まります。


発熱、頭痛、寒気、だるさ

全身の反応として、発熱、頭痛、寒気、だるさなどが、接種を受けた人の5~10%程度にみられます。


接種部位の反応に比べると頻度は低くなります。こちらも通常は2日から3日で治まるとされています。


下痢や腹痛などその他の症状

頻度は高くありませんが、下痢、腹痛、吐き気、めまい、リンパ節の腫れ、関節痛などがみられることもあります。


いずれも多くは軽度で、数日以内に落ち着くとされています。ただし症状が強い場合や続く場合は、医療機関に相談してください。

まれに報告される重いインフルエンザ予防接種の副反応

インフルエンザ予防接種の副反応については、頻度は極めて低いものの、注意が必要な症状があります。


アナフィラキシー

アナフィラキシーは、ワクチンの成分に対する急激なアレルギー反応です。じんましん、発赤、かゆみ、呼吸困難、血圧の低下などが現れます。


接種後30分以内に症状が出ることが特徴とされています。医療機関で接種後しばらく院内で待つよう案内されるのは、この時間帯に対応できるようにするためです。


神経に関する障害

手足の力が入りにくくなる神経の障害や、脳や脊髄に炎症が起こる病気が報告されることがあります。いずれも発生する頻度は極めて低いとされています。


接種後に手足に力が入らない、しびれが広がる、意識がはっきりしないといった症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。


接種後30分の観察が必要な理由

重い反応の多くは接種直後に現れます。そのため、接種後は医療機関の中か近くで一定時間過ごし、体調に変化がないか確認することがすすめられています。


接種後すぐに車を運転して遠方へ移動する、一人で人けのない場所に行くといった行動は避けたほうがよいでしょう。

インフルエンザ予防接種の副反応が出たときの対処

ワクチン接種部位に症状が出たとき

接種した場所の赤みや腫れ、痛みは、多くの場合そのまま様子を見ていて問題ないとされています。


痛みが気になる場合、冷やすことで楽になることがあります。腫れがひどい、痛みで腕が上がらないといった場合は、接種を受けた医療機関に相談してください。


発熱したとき

発熱した場合は、水分をとりながら安静に過ごしてください。多くは2日から3日で下がるとされています。


解熱鎮痛薬を使う場合、持病や年齢によって使える薬が異なります。自己判断で市販薬を使う前に、薬剤師や医師に確認してください。子どもの場合はとくに注意が必要です。


受診を検討する目安

次のような場合は、接種を受けた医療機関または医師に相談してください。


高熱が続く場合、腫れや赤みが広がっている場合、日を追って症状が悪化している場合、けいれんを起こした場合、意識がはっきりしない場合、呼吸が苦しい場合、じんましんが急に広がった場合です。

インフルエンザ予防接種の副反応と別の感染症の見分け方

インフルエンザワクチンの接種後に体調を崩した場合、副反応だけでなく、インフルエンザやほかの感染症などが原因の可能性もあります。症状が現れた時期だけで、副反応か感染症かを判断することはできません。


副反応が出た時期で見分ける

インフルエンザ予防接種による一般的な副反応は、接種後比較的早い時期に現れ、多くは2日から3日程度で治まります。ただし、症状が現れた時期や続く期間だけで、副反応か感染症かを判断することはできません。


接種から数日たってから症状が現れた場合は、ワクチンの副反応だけでなく、インフルエンザやほかの感染症なども考える必要があります。


症状が現れた時期だけで原因を判断することはできないため、症状が強い場合や長引く場合は医療機関に相談してください。


副反応の症状の内容で見分ける

副反応による発熱は、接種した部位の腫れや痛みをともなうことが多いとされています。腕の症状がまったくなく、のどの痛みや強い咳、鼻水が中心である場合は、別の感染症の可能性が考えられます。


インフルエンザでは、急な発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、強いだるさなどの全身症状がみられることがあります。ただし、症状だけでワクチンの副反応とインフルエンザを見分けることは困難です。


副反応の経過で見分ける

副反応であれば、多くは日を追って軽くなっていきます。逆に、日ごとに悪化している、いったん下がった熱が再び上がったという場合は、別の原因を考える必要があります。


いずれの場合も、判断に迷うときは自己判断せず医療機関に相談してください。接種した日と症状が出た日を伝えると、状況を把握してもらいやすくなります。

子どものインフルエンザ予防接種の副反応

子どもの場合、本人が副反応の症状をうまく伝えられないことがあります。保護者が見ておきたい点を整理します。


子どもに出やすい症状

子どもでも、接種部位の赤みや腫れ、痛み、発熱といった症状が中心です。大人と比べて特別に異なる症状が出るわけではありません。


年齢が低い場合、腕を触られるのを嫌がる、機嫌が悪い、食欲が落ちるといった形で現れることがあります。言葉で説明できない分、様子の変化から読み取る必要があります。


保護者が見ておきたい点

接種当日から翌日にかけて、体温、機嫌、食事や水分がとれているか、睡眠の様子を確認してください。


腕を動かさない、触ると強く泣くといった場合は、接種部位の症状が強く出ている可能性があります。腫れの範囲が広がっていないかもあわせて見ておくとよいでしょう。


子どもの受診の目安

高熱が続く、水分がとれない、ぐったりしているなど、普段と違う様子がみられる場合は、医療機関に相談してください。けいれんを起こした、呼吸が苦しそう、意識や反応がおかしいなどの症状がある場合は、速やかな対応が必要です。


判断に迷う場合は、小児科や救急相談窓口などに相談してください。


1回目に副反応の症状が出た場合の2回目の考え方

13歳未満では2回接種が基本とされています。1回目で副反応が出た場合、2回目を受けてよいか迷う保護者は少なくありません。


軽い発熱や接種部位の腫れであれば、2回目を受けられることがあります。ただし、じんましんが広く出た、呼吸が苦しくなったといった強い反応があった場合は判断が変わります。1回目の症状を具体的に医師に伝えたうえで相談してください。

インフルエンザ予防接種の副反応が出やすい人はいるのか

インフルエンザ予防接種による副反応の現れ方には個人差があります。


副反応と体質との関係

副反応の出方には個人差があり、なぜ出る人と出ない人がいるのかを事前に予測することは困難です。腫れやすい体質の人がいる一方で、毎年まったく症状が出ない人もいます。


症状が出なかったからといって、免疫がついていないわけではありません。反応の強さと効果の強さは対応するものではないと考えられています。


前回のワクチン接種で症状が出た場合

以前のワクチン接種後に強い腫れや高熱、アレルギー症状などがみられた場合は、接種前に医師へ伝えてください。


前回どのような症状が現れ、いつからどのくらい続いたのかを伝えることも大切です。


卵アレルギーがある場合の考え方

インフルエンザワクチンは製造の過程で鶏卵が使われるため、卵アレルギーがあると接種できないと考えている人がいます。


実際には、含まれる成分はごくわずかとされており、卵アレルギーがあっても接種できる場合が多いとされています。ただし、卵で強いアレルギー症状を起こしたことがある場合は慎重な判断が必要です。アレルギーの程度を医師に伝えて相談してください。

インフルエンザ予防接種の前後に気をつけたいこと

インフルエンザの予防接種前に伝えておくこと

問診票には、その日の体調だけでなく、これまでの接種で症状が出たことがあるか、アレルギーがあるか、服用している薬があるかを正確に記入してください。


前回の接種で腫れや発熱があった場合は、それが何日後に出て、どのくらい続いたかも伝えると判断の材料になります。持病がある場合や治療中の病気がある場合も、あわせて申告してください。


インフルエンザの予防接種当日の過ごし方

接種後は、医療機関の中か近くで30分程度様子を見ることがすすめられています。急激なアレルギー反応の多くは、この時間帯に現れるためです。


当日は激しい運動と飲酒を控え、無理のない範囲で過ごしてください。入浴は差し支えないとされていますが、接種した部位を強くこすらないようにします。


接種後は体調の変化に注意して過ごしてください 。


インフルエンザの予防接種後の記録のとり方

症状が出た場合に備えて、接種した日、症状が出た日、内容、体温の推移を簡単に記録しておくと役立ちます。何日後にどのような症状が出たかがわかると、受診したときに説明しやすくなります。

インフルエンザ予防接種の副反応と健康被害救済制度

予防接種によって健康被害が生じ、予防接種との因果関係が認定された場合には、健康被害救済制度による給付を受けられることがあります。


インフルエンザワクチンの定期接種の場合

65歳以上の人と、60歳から65歳未満で心臓や腎臓、呼吸器に重い障害がある人は、予防接種法にもとづく定期接種の対象です。


この場合、健康被害が生じたときは予防接種法にもとづく健康被害救済制度の対象となります。申請の窓口はお住まいの自治体になります。


インフルエンザワクチンの任意接種の場合

定期接種の対象外の人が受ける場合は任意接種となります。この場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象となります。


制度を運営しているのは医薬品医療機器総合機構です。給付の内容や請求の方法は制度によって異なります。


インフルエンザ予防接種の申請の相談先

どちらの制度にあたるか、どのような手続きが必要かは、接種を受けた医療機関やお住まいの自治体で確認できます。


まずは接種を受けた医療機関に相談し、経過を記録しておくことが手続きの助けになります。症状が出た日、内容、受診した医療機関を記録しておいてください。

インフルエンザ予防接種の副反応に関するよくある質問

予防接種した日に入浴してもよいですか

接種当日の入浴は差し支えないとされています。ただし接種した部位を強くこすることは避けてください。激しい運動や飲酒は控えるようすすめられています。


予防接種した部位が腫れたときは冷やしたほうがよいですか

痛みが気になる場合、冷やすことで楽になることがあります。強く揉むことは避けてください。腫れが広がっている、熱を持っているといった場合は医療機関に相談してください。


予防接種の3日後に熱が出ました。副反応ですか

副反応の多くは接種後24時間以内に現れ、2日から3日で治まるとされています。3日以上たってからの発熱は、別の原因による可能性も考えられます。医療機関で相談してください。


副反応が出ないと効果がないのですか

そのようなことはありません。症状が出るかどうかには個人差があり、反応の強さと免疫のつき方が対応するわけではないと考えられています。


副反応が心配で毎年接種を迷っています

副反応の起こりやすさと、インフルエンザにかかって重症化するリスクを比べて判断することになります。持病の有無や年齢によって考え方が変わるため、医師に相談してください。


解熱剤を飲んでもよいですか

使える薬は年齢や持病によって異なります。とくに子どもの場合は使える解熱剤が限られます。自己判断で市販薬を使う前に、薬剤師や医師に確認してください。

インフルエンザ予防接種の副反応を理解しておくためのまとめ

インフルエンザ予防接種による一般的な副反応は、接種後比較的早い時期に現れ、多くは2日

から3日程度で治まります。


押さえておきたいポイント

接種した場所の赤みや腫れ、痛みは接種を受けた人の10から20パーセントに、発熱や頭痛、寒気、だるさは5から10パーセントに起こるとされています。いずれも通常は2日から3日で消失します。


急激なアレルギー反応は接種後30分以内に現れることが多いため、接種後しばらくは医療機関の近くで様子を見ることがすすめられています。


3日以上たってからの発熱や、日を追って悪化する症状は、副反応以外の原因を考える必要があります。日数と経過を目安にすると、判断しやすくなります。


インフルエンザの予防接種の副反応についての相談先

副反応と思われる症状が強い場合や長引く場合は、接種を受けた医療機関などに相談してください。子どもの場合は、小児科に相談してもよいでしょう。

参照リンク

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