インフルエンザ予防に飲み物は役立つ?お茶や乳酸菌飲料と水分補給の考え方

インフルエンザが流行する季節になると、紅茶や緑茶が予防によいという話を目にすることがあります。乳酸菌を含む飲み物を毎日続けているという人もいるでしょう。


一方で、こうした話がどこまで確かなものなのかは、判断が難しいところです。テレビやインターネットで紹介される内容には、研究の一部だけが切り取られて伝わっているものも少なくありません。


特定の飲み物を飲むことで、インフルエンザを予防できるわけではありません。
ただし、冬に不足しやすい水分をこまめに補うことは、のどや鼻の状態を保つうえで意味のある習慣です。


ここでは、インフルエンザ予防と飲み物の関係、お茶や乳酸菌を含む飲み物について報告されている内容とその読み方、控えたい飲み物、子どもや高齢者の水分のとり方までを整理します。



※注意事項

  • この記事は執筆時点で公開されている情報にもとづく一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療方針、栄養指導を示すものではありません。

  • 特定の飲み物にインフルエンザの感染や発症を防ぐ効果が確認されているわけではありません。ここで紹介する内容は、体調を整えるための考え方であり、医薬品のような効果を期待するものではありません。

  • 必要な水分の量や適した飲み物には個人差があります。心臓や腎臓の病気で水分の量を制限されている人、糖尿病などで食事の指導を受けている人、薬を服用している人、妊娠中の人は、飲み方を変える前に医師に相談してください。

  • 研究の内容や公的機関の案内は更新されることがあります。最新の情報は、厚生労働省や自治体の公式サイトで確認してください。

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インフルエンザ予防に飲み物は役立つのか<

飲み物でインフルエンザを予防できるわけではない

最初に押さえておきたいのは、特定の飲み物を飲むことでインフルエンザを予防できるわけではないという点です。飲料は食品であり医薬品ではないため、感染や発症を防ぐ効果が確認されているものではありません。


紅茶や緑茶については、いくつかの研究が公表されています。ただし、その多くは試験管の中で成分とウイルスを接触させた実験であり、飲むことで感染を防げることを示したものではありません。


インフルエンザの予防を、特定の飲み物だけに頼ることはできません。


水分をとること自体には意味がある

一方で、適切な水分補給は、体調管理のために大切です。


のどや鼻の粘膜は乾燥によって本来の機能が低下することがあります。冬は空気が乾燥しやすいため、こまめな水分補給を心がけましょう。


ただし、水分をとること自体にインフルエンザを予防する効果があるわけではありません。


公的機関が示すインフルエンザ予防の基本

厚生労働省では、インフルエンザの予防として、流行前のワクチン接種、手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取などを挙げています。また、インフルエンザが流行している時期には、人混みや繁華街への不要不急の外出を控えることも大切です。


飲み物の話は、このうち休養と食事にかかわる部分にあたります。優先順位としてはワクチンや手洗いが先に来ることを踏まえたうえで、日常の習慣として取り入れるものと考えてください。

インフルエンザ予防で意識したい水分補給

インフルエンザが流行する時期も、体調管理のために適切な水分補給を心がけることが大切です。


冬に水分が不足しやすい理由

夏と違って冬は汗をかく機会が少なく、のどの渇きも感じにくくなります。そのため水分をとる量が自然と減りやすい季節です。


一方で、空気が乾燥していることに加え、暖房を使うことで室内はさらに乾燥します。呼吸や皮膚から失われる水分は冬でも続いており、気づかないうちに不足していることがあります。


渇きを感じてから飲むのではなく、時間を決めてこまめにとることが望ましいと考えられています。


のどや鼻の粘膜と乾燥の関係

のどや鼻の粘膜は、体内に入ろうとする異物を外に運び出すはたらきを持っています。このはたらきは、粘膜が適度に潤っている状態で発揮されやすいとされています。


乾燥した状態が続くと、こうしたはたらきが低下しやすくなると考えられています。水分をとることに加えて、室内の湿度を保つことも同じ目的に沿った対策です。


こまめにとる目安

一度に大量に飲むよりも、少量ずつ回数を分けてとるほうが体に負担がかかりにくいとされています。起床時、食事のとき、入浴の前後、就寝前といったタイミングを決めておくと習慣にしやすくなります。


必要な量には個人差があり、体格や活動量、季節によって変わります。心臓や腎臓の病気で水分を制限されている場合は、必ず医師の指示に従ってください。

お茶についてインフルエンザ予防に関連して報告されていること

インフルエンザと飲み物の関係では、緑茶や紅茶についてさまざまな研究が行われています。ここでは、これまでに報告されている内容を紹介します。


緑茶に含まれるカテキンについて

緑茶に含まれるカテキンは、ポリフェノールの一種です。試験管の中での実験で、インフルエンザウイルスが細胞に付着するのを妨げるはたらきが示されたと報告されています。


また、日本で行われた小学生を対象とした調査で、緑茶を飲む習慣がある子どものほうがインフルエンザにかかる割合が低かったとする報告もあります。ただし、これは緑茶を飲むことでインフルエンザを予防できることを証明したものではありません。食生活や生活習慣など、ほかの要因が影響している可能性もあります。


緑茶は日常的な水分補給の選択肢のひとつです。ただし、緑茶を飲むことでインフルエンザの感染を予防できると考えるのは適切ではありません。


紅茶に含まれるテアフラビンについて

紅茶の赤い色のもとになるテアフラビンについても、試験管の中での実験でウイルスのはたらきを抑えたとする報告があります。製茶メーカーが公表した試験では、他の飲料と比べて作用が強かったとされています。


ただし、これは飲料とウイルスを直接接触させた実験です。飲んだ人がインフルエンザにかかりにくくなることを確かめたものではありません。

乳酸菌を含む飲み物について報告されていること

報告されている内容

乳酸菌を含む飲料については、腸内環境にかかわるはたらきが研究されています。体を守るはたらきを担う細胞の多くが腸に集まっているとされることから、関心が持たれている分野です。


一部の製品では、特定の菌について体調に関する調査結果が公表されています。ただし、インフルエンザの感染や発症を防ぐと表示することは認められていません。機能性表示食品として表示できる内容にも決まりがあります。


先に触れた製茶メーカーの試験では、乳酸菌飲料がウイルスを直接抑えるはたらきは強くなかったとされています。乳酸菌については、ウイルスに直接作用するのではなく、腸内環境や免疫機能との関係について研究が行われています。


期待しすぎない考え方

腸内環境は数日で大きく変わるものではありません。まとめて飲むよりも、少量を毎日続けるほうが理にかなっているとされています。


飲んでいるからインフルエンザにかからないと考えるのではなく、日常の食生活の一部として取り入れる程度に考えておくのがよいでしょう。

インフルエンザ予防の時期に選びたいそのほかの飲み物

白湯と温かいスープ

白湯は刺激が少なく、就寝前や起床時にも取り入れやすい飲み物です。温かいものを飲むと体が温まり、冷えやすい冬の時期には無理なく続けやすくなります。


みそ汁やスープであれば、水分と一緒に野菜やきのこもとれます。具を多めにすると、飲み物としてだけでなく食事の一部としても役立ちます。


ココアや牛乳

ココアはポリフェノールを含む飲み物として知られています。牛乳と合わせればたんぱく質も一緒にとれます。


ただし砂糖を多く含む製品もあるため、表示を確認して選んでください。飲む量が多くなりすぎないよう注意が必要です。


果汁を含む飲料

かんきつ類などの果汁にはビタミンCが含まれます。果汁100パーセントの製品であれば、水分とあわせてビタミンCを補えます。


一方で、果汁の割合が低い製品は糖分が中心になっていることがあります。飲み物の種類ごとの特徴は次のとおりです。


飲み物

特徴

注意したい点

水・白湯

刺激が少なく、就寝前や起床時にも取り入れやすい

続けやすいが栄養は補えない

麦茶

カフェインを含まず、子どもや高齢者にも選びやすい

常温か温かい状態のほうが冬は続けやすい

緑茶

カテキンを含む。水分補給とあわせて取り入れやすい

カフェインを含むため就寝前は控える

紅茶

テアフラビンを含む。温かい状態で飲みやすい

カフェインを含む。砂糖の入れすぎに注意

乳酸菌を含む飲料

腸内環境にかかわるはたらきが研究されている

糖分が多い製品がある。表示の確認を

ココア・牛乳

たんぱく質やポリフェノールをあわせてとれる

砂糖を多く含む製品がある

果汁100パーセントの飲料

ビタミンCを水分とあわせて補える

果汁の割合が低い製品は糖分が中心

みそ汁・スープ

水分と一緒に野菜やきのこをとれる

食塩の量に注意が必要

インフルエンザ予防の時期に控えたほうがよい飲み物

アルコールを含む飲み物

アルコールには利尿作用があり、飲んだ量以上の水分が失われることがあります。水分補給を目的として飲むには適していません。
体調管理のためにも、過度な飲酒は控えましょう。


カフェインを多く含む飲み物

コーヒーや濃く淹れた茶類には、カフェインが多く含まれます。カフェインにも利尿作用があるため、水分補給を目的とする場合には向きません。


就寝前に飲むと寝つきに影響することがあります。夕方以降は控えるか、カフェインの少ない飲み物に切り替えるとよいでしょう。妊娠中の人や子どもは、摂取量に注意が必要です。


糖分を多く含む飲み物

清涼飲料水やエネルギー系の飲料には、糖分が多く含まれているものがあります。習慣的に飲む量が増えると、栄養の偏りにつながることがあります。


栄養ドリンクを飲めば体調が整うと考えて量が増えてしまうこともあります。あくまで嗜好品として位置づけ、水分補給の中心はお茶や水にするのが現実的です。

飲み物とあわせて意識したい食事

主食と主菜と副菜をそろえる

栄養素を細かく数えるのは現実的ではありません。主食、主菜、副菜がそろっているかを目安にすると、結果として偏りを避けやすくなります。


主食はごはんやパン、主菜は肉や魚や卵や大豆製品、副菜は野菜やきのこや海藻の料理です。この3つがそろっているかを確認するだけでも、気づきやすくなります。


温かい料理を取り入れる

鍋物や煮込み料理は、複数の食材を一度にとれるうえ、水分もあわせて補えます。寒い時期には、スープや鍋料理などの温かい料理を取り入れるのもよいでしょう。


汁物を1品加えるだけでも、野菜やきのこの量を増やしやすくなります。


朝食を抜かない

食事の回数が減ると、1日に必要な量を確保しにくくなります。特に朝食を抜く習慣があると、栄養が不足しやすくなるとされています。


手のこんだ調理は必要ありません。ヨーグルトと果物、納豆ごはんとみそ汁といった簡単な組み合わせでも、抜くよりは大きく違います。

子どもと高齢者の水分のとり方

子どもの場合

子どもは自分から渇きを訴えないことがあります。遊びに集中していると飲むことを忘れがちなため、大人が声をかけてタイミングをつくることが必要です。


甘い飲み物ばかりになると、糖分のとりすぎにつながります。麦茶や水を中心にし、カフェインを含む飲み物は量に注意してください。


<h3>高齢者の場合</h3>

高齢になると渇きを感じにくくなるとされています。トイレの回数を気にして水分を控えてしまう人もいますが、不足した状態が続くことは望ましくありません。


時間を決めて少量ずつとる方法が取り入れやすい形です。飲み込みにくさがある場合は、とろみをつけるなどの工夫について医療機関で相談してください。


<h3>持病がある場合の注意</h3>

心臓や腎臓の病気で水分の量を制限されている人は、自己判断で増やさないでください。糖尿病などで食事の指導を受けている人は、糖分を含む飲み物の扱いについて確認が必要です。


服用中の薬によっては、特定の飲み物との組み合わせに注意が必要なものがあります。気になる場合は医師や薬剤師に相談してください。

飲み物以外に必要なインフルエンザ予防

ワクチンの接種

インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、発病を一定程度抑え、重症化を予防する効果が期待されています。

接種を受けるかどうかは、年齢や持病の有無によって判断が変わります。医師に相談したうえで決めてください。


手洗いと手指の消毒

外出後の手洗いは、手についたウイルスを物理的に取り除く方法として基本とされています。アルコール製剤による手指の消毒も有効とされています。


湿度の管理と換気

空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜のはたらきが低下しやすくなります。室内では適度な湿度を保つことがすすめられています。


加湿器を使う、洗濯物を室内に干すといった方法があります。あわせて、こまめな換気も対策のひとつとされています。

インフルエンザ予防と飲み物に関するよくある質問

紅茶を飲めばインフルエンザを予防できますか

紅茶を飲むことでインフルエンザを予防できるという十分な根拠はありません。紅茶の成分については、主に試験管内での研究が報告されていますが、紅茶を飲むことで感染を防げることを示したものではありません。


<h3>お茶でうがいをするのは効果がありますか</h3>

お茶でのうがいによってインフルエンザを予防できるという十分な根拠はありません。インフルエンザの基本的な感染対策として、手洗いを心がけましょう。


1日にどれくらい水分をとればよいですか

必要な量は体格や活動量、季節によって変わるため、一律の目安を示すことは適切ではありません。渇きを感じる前にこまめにとることを意識してください。水分の制限を受けている場合は医師の指示に従ってください。


乳酸菌飲料は毎日飲んだほうがよいですか

毎日少量を続けるほうが理にかなっているとされていますが、必ず飲まなければならないものではありません。ヨーグルトや納豆など、続けやすい形で構いません。糖分の量は確認しておくとよいでしょう。


冷たい飲み物は避けたほうがよいですか

冷たいものが体調に直接影響すると確認されているわけではありません。ただし冬は体が冷えやすいため、温かい飲み物のほうが続けやすい人が多いようです。飲みやすさを優先して構いません。


栄養ドリンクを飲めば体調が整いますか

栄養ドリンクは食品または医薬部外品にあたり、インフルエンザを予防するものではありません。糖分やカフェインを多く含む製品もあるため、常用は避け、休養と食事を優先してください。

インフルエンザ予防と飲み物の考え方のまとめ

特定の飲み物を飲むことで、インフルエンザを予防できるわけではありません。飲み物は、日頃の体調管理に必要な水分を補給するものとして考えましょう。


意識したいポイント

緑茶や紅茶、乳酸菌を含む飲み物について報告されている内容の多くは、試験管の中での実験結果や限られた規模の調査です。飲めば予防できると受け取るのは適切ではありません。


一方で、こまめな水分補給はのどや鼻の状態を保つうえで意味のある習慣です。アルコールやカフェインを多く含む飲み物は水分補給には向かないため、水やお茶を中心に据えるのが現実的です。


そのうえで、ワクチンの接種や手洗い、湿度の管理といった対策が予防の中心にあることを踏まえてください。飲み物はそれらを補うものという位置づけになります。


迷ったときの相談先

水分の制限を受けている人、糖尿病などで食事の指導を受けている人、薬を服用している人は、飲み方を変える前に医師や薬剤師に相談してください。子どもの水分のとり方について心配がある場合は小児科が相談先になります。

参照リンク

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