子どものインフルエンザ薬は年齢で変わる?種類ごとの違いと注意点を解説
子どもがインフルエンザと診断されたとき、どの薬が処方されるのか、年齢によって何が変わるのかは気になるところです。タミフル、イナビル、リレンザ、ゾフルーザといった名前を聞いても、違いがわかりにくいという声は少なくありません。
子どもの場合、薬を選ぶうえで大人と異なる事情があります。年齢や体重によって使える薬が変わるだけでなく、粉薬を飲めるか、吸入をうまくできるかといった点も判断に影響します。
また、薬を飲ませる場面での苦労や、途中でやめてよいのかという疑問、解熱剤の選び方など、家庭で判断に迷う場面も出てきます。
ここでは、子どものインフルエンザで使われる薬の種類、年齢別の違い、それぞれの薬の使い方と注意点、飲ませ方の工夫、解熱剤の選び方、異常行動への備えまでを整理します。
※注意事項
この記事は執筆時点で公開されている情報にもとづく一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。
どの薬が適しているかは、年齢、体重、症状、持病、アレルギーの有無などによって変わります。必ず医師の診察を受けたうえで処方を受けてください。家族に処方された薬を子どもに飲ませることは避けてください。
抗インフルエンザ薬は医療用医薬品であり、薬局で市販されているものではありません。個人輸入で入手する方法は、偽造品や健康被害のおそれがあるため避けてください。
薬剤の承認内容や学会の指針は更新されることがあります。最新の情報は、受診する医療機関や公的機関の公式サイトで確認してください。
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子どものインフルエンザで薬が処方される場面
まず、子どものインフルエンザでどのようなときに薬が使われるのかを整理します。
抗インフルエンザ薬の役割
抗インフルエンザ薬は、体内でウイルスが増えるのを抑える薬です。熱を下げる薬や咳を止める薬とは役割が異なります。
ウイルスの増殖を抑えることで、発熱している期間を短くする効果が報告されています。おおむね1日程度の短縮とされており、飲めばすぐに治るという性質のものではありません。
発症から48時間以内という目安
抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内に使い始めることで効果が期待できるとされています。この時間を過ぎると、ウイルスがすでに増えきっているため、効果が限られると考えられています。
子どもが急に高熱を出した場合、早めに受診することがすすめられるのはこのためです。ただし、発症から時間が経っていない段階では検査で陽性にならないこともあるため、受診の時期については医療機関に相談してください。
インフルエンザ薬を使わずに様子を見る場合もある
すべての子どもに抗インフルエンザ薬が処方されるわけではありません。症状が軽い場合や、発症から時間が経っている場合は、薬を使わずに経過を見る判断がなされることもあります。
インフルエンザは、健康な子どもであれば自然に回復することが多い病気です。薬を使うかどうかは、年齢、症状の程度、持病の有無などをもとに医師が判断します。
子どもに使われるインフルエンザ薬の種類
子どもに使われる抗インフルエンザ薬には、内服薬、吸入薬、点滴薬があります。
内服薬
口から飲むタイプの薬です。タミフルとゾフルーザがこれにあたります。
タミフルには粉状のドライシロップとカプセルがあり、体重によって使い分けられます。ゾフルーザには錠剤と顆粒があります。
飲み薬は吸入の操作が必要ないため、吸入が難しい年齢の低い子どもにも使用できます。
吸入薬
口から粉を吸い込むタイプの薬です。リレンザとイナビルがこれにあたります。
薬を直接のどや気管に届けるため、全身に回る量が少ないという特徴があります。一方で、自分で正しく吸い込めることが前提になります。
小さな子どもでは吸入の操作が難しく、薬が十分に届かないことがあります。また、喘息などがある場合は使用を避けたほうがよいとされています。
点滴薬
点滴で投与するタイプの薬です。ラピアクタがこれにあたります。
飲むことも吸うこともできない場合や、症状が重く入院が必要な場合に使われます。医療機関で実施するため、家庭で使うものではありません。
薬の種類ごとの特徴は次のとおりです。
薬剤 |
剤形 |
使い方 |
特徴 |
タミフル |
内服(ドライシロップ・カプセル) |
1日2回を5日間 |
年齢の下限がなく幅広く使える。体重37.5kg未満はドライシロップ |
リレンザ |
吸入 |
1日2回を5日間 |
体格の大きい子どもでも十分な量を投与できる。合計10回の吸入が必要 |
イナビル |
吸入 |
1回の吸入で完了 |
通院と服薬管理の負担が小さい。1回で終わるため適切に吸入操作を行えることが前提 |
ゾフルーザ |
内服(錠剤・顆粒) |
1回の服用で完了 |
服薬管理の負担が小さい。年齢と体重で量が変わる |
ラピアクタ |
点滴 |
医療機関で実施 |
飲むことも吸うこともできない場合や入院時に使用 |
年齢別に見る子どものインフルエンザ薬の違い
子どもの場合、年齢によって使用できる抗インフルエンザ薬が異なります。また、薬によっては体重に応じて使用する量が決まります。
1歳未満の場合のインフルエンザ薬
1歳未満の乳児では、使用できる抗インフルエンザ薬の選択肢が限られます。タミフルのドライシロップが使われることがあり、月齢や体重、症状などを考慮して治療が行われます。
年齢が低いほど、全身状態をみながら慎重に治療方針を判断することが大切です。
1歳から2歳の場合のインフルエンザ薬
この年齢では、吸入の操作ができないため吸入薬は使えません。内服薬が中心となり、タミフルのドライシロップが選ばれることが一般的です。
3歳から5歳の場合のインフルエンザ薬
吸入薬は、年齢だけでなく、薬を確実に吸入できるかどうかを確認したうえで使用が判断されます。
吸入が難しい場合には、内服薬など別の薬が検討されます。
6歳から10歳未満の場合のインフルエンザ薬
この年齢になると、吸入薬も選択肢に入ってきます。リレンザやイナビルが使われることがあります。
この場合も判断の中心になるのは、その子が実際に吸入の操作をできるかどうかです。練習用の器具で確認したうえで処方されることがあります。
10歳以上の場合のインフルエンザ薬
10歳以上では、内服薬と吸入薬のどちらも使いやすくなります。イナビルは10歳を境に使用する量が変わります。
12歳以上になると、ゾフルーザが他の内服薬と同様に選択肢として扱われます。年齢ごとの目安は次のとおりです。
年齢 |
内服薬 |
吸入薬 |
備考 |
1歳未満 |
タミフルのドライシロップ |
使用しない |
月齢と体重に応じた調整が必要 |
1歳から2歳 |
タミフルのドライシロップ |
使用しない |
吸入の操作ができないため内服が中心 |
3歳から5歳 |
タミフルのドライシロップ |
原則として使用しない |
5歳以上でも吸入できるかを個別に確認 |
6歳から10歳未満 |
タミフル |
リレンザ、イナビル(2吸入) |
適切に吸入操作を行えるかで判断 |
10歳から12歳未満 |
タミフル |
リレンザ、イナビル(4吸入) |
ゾフルーザは学会が注意を促している年齢 |
12歳以上 |
タミフル、ゾフルーザ |
リレンザ、イナビル(4吸入) |
ゾフルーザが他の内服薬と同様に扱われる |
タミフルを子どもに使う場合
タミフルは何歳から使えるのか
タミフルは、新生児や乳児を含む子どもにも使用される抗インフルエンザ薬です。
子どもでは年齢や体重、症状などを考慮して、医師が使用するかどうかや投与量を判断します。
体重による用量と剤形
体重37.5kg未満ではドライシロップ、体重37.5kg以上ではカプセルが使われます。
幼小児の治療では、体重1kgあたり2mgを1日2回、5日間服用します。ドライシロップとしては体重1kgあたり66.7mgにあたります。1回あたりの最高用量は75mgとされています。
体重によって量が変わるため、前回処方された量をそのまま使うことはできません。成長にあわせて量が変わることがあります。
タミフルを飲む回数と間隔
治療目的の場合、1日2回、5日間服用します。朝と夜など、おおむね12時間の間隔をあけて飲むのが基本です。
食事のタイミングと厳密に合わせる必要はありませんが、毎日同じ時間帯にそろえると飲み忘れを防ぎやすくなります。間隔について指示がある場合は、処方時の説明に従ってください。
子どもに多いタミフルの副作用
報告されている副作用には、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などがあります。消化器の症状が比較的多いとされています。
服用後すぐに吐いてしまった場合の対応は、飲んだ量や経過した時間によって変わります。自己判断で飲み直さず、処方を受けた医療機関に確認してください。
じんましんが急に広がる、呼吸が苦しそうといった症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。
吸入薬を子どもに使う場合
インフルエンザの吸入薬は、正しく吸えることが使用の前提になります。
リレンザの使い方
リレンザは、1日2回、5日間吸入する薬です。子どもも大人も同じ量を使用します。
5日間で合計10回の吸入が必要になるため、保護者が毎回付き添える環境かどうかも判断の材料になります。一方で、体格の大きい子どもでも十分な量を投与できるという特徴があります。
イナビルの使い方
イナビルは、1回の吸入で治療が完了する抗インフルエンザ薬です。
ただし、十分な効果を得るためには、薬を正しく吸入する必要があります。そのため、子どもでは年齢だけでなく、確実に吸入できるかどうかを確認して使用を判断します。
また、自分で粉末を吸入することが難しい子どもには、ネブライザーを使って吸入するタイプの薬が使用されることもあります。
吸入できるかどうかの見極め
吸入薬は、年齢だけでなく、薬を確実に吸い込めるかどうかを確認して使用を判断します。
まく吸入できない場合は、無理に吸入薬を使用せず、内服薬など別の薬が検討されます。
ゾフルーザを子どもに使う場合
ゾフルーザは、1回の服用で治療が完了する内服薬です。
ゾフルーザの使い方と特徴
ゾフルーザは単回の服用で治療が完了します。錠剤と顆粒があり、年齢と体重によって使用する量が変わります。
12歳以上では40mgを単回服用しますが、体重80kg以上では80mgとなります。12歳未満では、体重に応じた量が定められています。
飲む回数が1回で済むため、服薬の管理という点では負担が小さい薬です。
ゾフルーザを子どもに使う際に指摘されている点
ゾフルーザでは、服用後に薬が効きにくい変異ウイルスが検出されることがあり、特に年齢の低い子どもでは注意が必要です。
日本小児科学会では、12歳以上では他の抗インフルエンザ薬と同様に推奨しています。6~11歳ではB型インフルエンザへの使用を提案する一方、A型では慎重に判断するとしています。また、5歳以下では積極的な使用を推奨していません。
そのため、子どもにゾフルーザを使用するかどうかは、年齢やインフルエンザの型などを考慮して判断されます。
医師が判断する要素
どの薬を選ぶかは、年齢と体重だけで決まるわけではありません。症状の重さ、持病の有無、家庭で服薬や吸入の管理ができるか、過去に薬で問題が起きたことがあるかといった要素があわせて判断されます。
保護者に希望がある場合は、診察の場で伝えてください。ただし、最終的な処方は医師が判断します。
子どもにインフルエンザ薬を飲ませるときの工夫
インフルエンザ薬が苦いと感じる理由
タミフルのドライシロップは、飲んだ後に苦味を感じることがあるとされています。甘い風味がつけられていますが、後味が残るという声があります。
このため、口に入れた直後は問題なくても、後から嫌がるという場面が起きやすくなります。
インフルエンザ薬に混ぜてよいものと避けたいもの
薬を飲みやすくするために、食べ物に混ぜる方法があります。アイスクリームやプリンなど、冷たくて甘いものに混ぜると飲みやすくなることがあります。
一方で、酸味の強いものと混ぜると苦味が強く出ることがあるとされています。何に混ぜてよいかは薬によって異なるため、処方時に薬剤師へ確認してください。
また、主食となるごはんやミルクに混ぜることは避けたほうがよいとされています。その食品自体を嫌いになってしまう可能性があるためです。
インフルエンザ薬を飲んだ後に吐いてしまったとき
飲んですぐに吐いてしまった場合と、しばらくたってから吐いた場合では対応が変わります。自己判断でもう一度飲ませることは避けてください。
いつ飲んで、どのくらいの時間で、どの程度吐いたかを記録し、処方を受けた医療機関または薬局に確認してください。
インフルエンザ薬を飲み忘れたとき
飲み忘れに気づいた時点で、次の服用時間まで間があれば1回分を飲ませます。次の時間が近い場合は1回分を飛ばし、2回分をまとめて飲ませることは避けてください。
判断に迷う場合は、医療機関または薬局に確認してください。
子どものインフルエンザ薬を途中でやめてよいのか
熱が下がると、処方されたインフルエンザ薬を途中でやめてもよいのか迷うことがあります。
飲みきることが基本とされる理由
タミフルやリレンザは、5日間続けて使うことを前提に設計されています。熱が下がっても、体内にウイルスが残っている状態が続くことがあります。
途中でやめると、ウイルスが再び増えて症状がぶり返す可能性や、薬が効きにくいウイルスが生じる可能性が指摘されています。処方された分は飲みきることが基本とされています。
熱が下がった後も続ける
抗インフルエンザ薬を使っても、解熱するまでには2日前後かかることがあります。熱が下がった時点では、まだ服用期間の途中であることがほとんどです。
元気になったように見えても、残りの分を続けてください。登校や登園の再開時期については、学校保健安全法で基準が定められているため、医療機関や学校に確認してください。
自己判断で中断した場合
副作用が心配で中断したい、子どもが強く嫌がって飲ませられないといった事情がある場合は、自己判断でやめる前に医療機関へ相談してください。
別の剤形に変更できることがあります。また、すでに中断してしまった場合も、その旨を伝えれば対応を相談できます。
子どものインフルエンザで薬を使わない場合
薬を使わなくても治るのか
インフルエンザは、健康な子どもであれば自然に回復することが多い病気です。抗インフルエンザ薬を使わない場合でも、多くは1週間程度で症状が落ち着くとされています。
抗インフルエンザ薬に期待されているのは、発熱している期間を1日程度短くすることです。使わなければ治らないという性質のものではありません。
ただし、年齢が低い場合や持病がある場合は、合併症のリスクを考えて薬が使われることがあります。判断は医師が行います。
医師が処方しないと判断する場面
発症から48時間以上経過している場合、薬の効果が限られると考えられるため、処方されないことがあります。
症状が軽く、すでに回復に向かっている場合も同様です。また、過去に薬で問題が起きたことがある場合や、持病との関係で使いにくい場合も判断に影響します。
処方されなかった場合、それは対応が不十分ということではありません。理由が気になる場合は、診察の場で確認してください。
薬を使わないときに家庭で見ておくこと
薬を使わない場合でも、水分がとれているか、尿が出ているか、呼吸が苦しそうでないか、意識がはっきりしているかを確認してください。
高熱が続く、けいれんを起こした、ぐったりして反応が鈍い、水分がとれない、呼吸が苦しそうといった場合は、すぐに医療機関を受診してください。
薬を使わない選択をした場合も、経過の見守りは必要です。
子どものインフルエンザで使う解熱剤の注意
子どもに使える解熱剤
インフルエンザにかかった子どもに使う解熱剤は、アセトアミノフェンが基本とされています。小児科で処方される解熱剤の多くはこの成分です。
熱があること自体は、体がウイルスに反応している状態です。熱の数字だけで判断せず、つらそうか、眠れているか、水分がとれているかを目安に使うことがすすめられています。
使ってはいけない解熱剤がある
インフルエンザにかかった子どもには、使用を避けるべきとされている解熱鎮痛成分があります。
アスピリンなどのサリチル酸系の成分は、子どもで重い合併症との関連が指摘されています。また、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸についても、インフルエンザ脳症との関連が指摘されており、子どもへの使用は避けることとされています。
家にある解熱剤を自己判断で使うことは避けてください。処方された薬を使うか、使用前に医師や薬剤師に確認してください。
市販の風邪薬を使わない理由
市販の総合感冒薬には、複数の成分が含まれています。そのなかに、子どもに使うべきでない解熱鎮痛成分が含まれていることがあります。
また、抗インフルエンザ薬そのものは市販されていません。市販薬でインフルエンザを治療することはできません。
子どもが高熱を出した場合は、市販薬で対応しようとせず、医療機関を受診してください。
インフルエンザにかかった子どもの異常行動
インフルエンザにかかった子どもでは、異常な行動が現れることがあると報告されています。
薬の有無にかかわらず起こること
突然走り出す、部屋から飛び出そうとする、おびえて泣き叫ぶといった行動が報告されています。
こうした行動は、抗インフルエンザ薬を使った場合にも、使っていない場合にも報告されています。特定の薬だけが原因とは限らないとされています。
薬を使わなくても十分というわけではないため、いずれの場合も見守りが必要です。
少なくとも2日間の見守り
異常行動は、発熱から2日以内に現れることが多いとされています。このため、少なくとも発症から2日間は、子どもを一人にしないことが求められています。
日中だけでなく、夜間も含めて注意が必要です。保護者が交代で見守る、寝る場所を同じ部屋にするといった対応が考えられます。
家庭でできる対策
玄関や窓に鍵をかける、補助錠を使うといった対策がすすめられています。ベランダに面した窓も対象になります。
集合住宅の場合は、できるだけ低層階の部屋で過ごさせる、ベランダに出られないようにするといった対応が挙げられています。
一戸建ての場合も、2階以上の部屋に一人にしないことがすすめられています。
子どもがインフルエンザにかかったとき家族に薬が処方される場合
予防投与という選択肢
家族がインフルエンザを発症した場合、まだ発症していない人が予防を目的として抗インフルエンザ薬を服用する方法があります。これを予防投与といいます。
治療目的とは飲み方が異なり、期間も長くなります。家族に処方された薬を分けて飲むことはできません。
対象となる人
抗インフルエンザ薬の予防投与は、インフルエンザ患者の同居家族などのうち、高齢者や慢性呼吸器疾患・慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害がある人などが対象となります。
予防投与は、インフルエンザ患者に接触してから2日以内に開始する必要があります。
自費となること
予防を目的とした服用は、健康保険の対象になりません。診察料も薬剤費も全額が自己負担となります。
費用は医療機関によって異なるため、受診前に確認してください。予防目的の使用では、健康被害が生じた場合の救済制度の対象とならない可能性がある点も、あわせて理解しておく必要があります。
子どもがインフルエンザ薬を処方されるまでの受診の流れ
受診するタイミング
抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に使い始めることで効果が期待できるとされているため、高熱が出たら早めの受診がすすめられます。
一方で、発熱してすぐの段階では検査で陽性にならないことがあります。あまりに早い時間帯に受診すると、検査を受け直すことになる場合があります。受診の時期に迷う場合は、医療機関に電話で相談してください。
受診時に伝えること
いつから熱が出たか、最高体温は何度か、他に症状があるか、水分がとれているかを伝えてください。周囲にインフルエンザにかかった人がいる場合も、あわせて伝えます。
薬の選択に関わる情報として、現在の体重、服用している薬、これまでにアレルギー症状が出たことがあるか、粉薬や吸入ができるかも重要です。前回の受診でどの薬が処方され、飲めたかどうかも判断の材料になります。
子どもが薬を強く嫌がる、毎回吐いてしまうといった事情がある場合は、診察の場で伝えてください。剤形を変えられることがあります。
処方を受けたあとの確認
薬局で薬を受け取るときに、1日何回か、何日分か、いつまで飲むのか、混ぜてよい食品は何かを確認しておくと、家庭で迷いにくくなります。
吸入薬の場合は、使い方を実際に見せてもらうとよいでしょう。飲み忘れたときや吐いてしまったときの対応も、あわせて聞いておくと安心です。
子どものインフルエンザ薬に関するよくある質問
兄弟に処方された薬を飲ませてもよいですか
兄弟に処方された薬を飲ませるのは避けてください。子どもの薬は年齢や体重などを考慮して処方されます。同じ薬でも用量が異なることがあるため、他の人に処方された薬を自己判断で使用しないようにしましょう。
薬を飲んでも熱が下がりません
抗インフルエンザ薬を使っても、解熱するまでには2日前後かかることがあります。ただし、熱が下がらない状態が続く場合や、いったん下がった熱が再び上がる場合は、医療機関に相談してください。
市販薬でインフルエンザは治せますか
抗インフルエンザ薬は医療用医薬品であり、市販されていません。市販の風邪薬には子どもに使うべきでない成分が含まれていることもあるため、自己判断での使用は避けてください。
薬を飲ませないと登園できませんか
登園や登校の再開時期は、学校保健安全法で発症後の日数と解熱後の日数をもとに定められています。薬を飲んだかどうかで決まるものではありません。通っている施設に確認してください。
吸入薬は何歳からできますか
一律に「何歳から」と決まっているわけではありません。薬を確実に吸入できるかどうかを確認したうえで、使用できるか判断されます。
薬を飲んだ後に眠くなるのは副作用ですか
インフルエンザにかかると、発熱や体力の消耗によって眠くなることがあります。薬によるものか病気によるものかの区別は難しいため、気になる場合は医療機関に相談してください。
子どものインフルエンザ薬の選び方のまとめ
子どものインフルエンザ薬は、年齢や症状、薬を確実に飲めるか・吸入できるかなどを考慮して選ばれます。また、薬によっては体重に応じて使用量が決まります。
押さえておきたいポイント
年齢の低いうちは内服薬が中心となり、タミフルのドライシロップが選ばれることが一般的です。吸入薬には添付文書上の年齢の下限がなく、確実に吸入できるかどうかで判断されます。
ゾフルーザは12歳以上で他の内服薬と同様に扱われている一方、12歳未満については学会が注意を促しています。
処方された薬は、熱が下がっても飲みきることが基本です。解熱剤については、インフルエンザにかかった子どもに使うべきでない成分があるため、自己判断で家にある薬を使わないでください。
また、異常行動は薬の有無にかかわらず報告されているため、発症から少なくとも2日間は一人にしない対応が求められます。
参照リンク
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KEGG MEDICUS タミフルカプセル75 電子添付文書
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KEGG MEDICUS タミフルドライシロップ3% 電子添付文書
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KEGG MEDICUS リレンザ 電子添付文書
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KEGG MEDICUS イナビル吸入粉末剤20mg 電子添付文書
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KEGG MEDICUS ゾフルーザ錠10mg 他 電子添付文書
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公益社団法人 日本小児科学会 インフルエンザ治療・予防指針
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一般社団法人 日本感染症学会 バロキサビル マルボキシルの使用についての新たな提言
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厚生労働省 インフルエンザ(総合ページ)