シミの原因と種類|クリニックでの治療や予防法を解説

「急にできたシミの原因は?」

「シミの種類に応じたケアをしたい」

このような悩みを抱えている方も多いでしょう。

シミは年齢を感じさせる要因でもあり、一度気になりはじめるとずっと気になってしまうもの。

なかには、急にシミができたり増えたりして、心配になっている方もいるかもしれません。

そこで今回は、シミの種類と原因を詳しく解説します。クリニックでの治療や、自宅でできる予防法も合わせて解説するため、シミに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

シミの種類は大きく7種類

シミの種類は、大きく7種類に分けられます。

種類 特徴 原因
老人性色素班 数ミリから数センチ大 年齢と共に増加する 紫外線 摩擦
花弁状色素班 背中や上腕あたりにできる 花弁状、金平糖状 紫外線 肌代謝の乱れ
そばかす(雀卵斑) 2~3ミリ大 目の下や頬骨あたりにできる 紫外線量が多い季節に濃くなる 遺伝 紫外線
肝斑 左右対称にできる 境界がはっきり ホルモンバランス 婦人科系の疾患
炎症後色素沈着 炎症後にできる 境界がぼんやり 赤みを帯びた黒褐色 肌の炎症 肌代謝の乱れ 摩擦
脂漏性角化症 イボのように膨らむ ザラザラした感触 数ミリから数センチ大 肌の老化 老人性色素斑の放置
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス) 数ミリ大 左右対称にできる いくつかのシミがまとまっている 遺伝 ホルモンバランスの変化・乱れ

ここでは、それぞれの特徴や原因を詳しく解説します。

老人性色素班

老人性色素班は、紫外線ダメージによってできるシミで、日光黒子とも呼ばれます。

30~40代ごろから、顔や手の甲、腕、足、首など、男女問わず紫外線が当たる部位であればどこにでも現れます。

長年の紫外線ダメージの蓄積が原因のため完全な予防は難しく、改善にはレーザー治療や内服薬・外用薬による積極的なアプローチが有効です。

ほとんどの高齢者の身体のどこかに老人性色素班が見られるほど、もっともポピュラーなシミです。

日光性花弁状色素班

日光性花弁状色素班は、紫外線による強いダメージを受けたあと、背中や肩、腕、胸などに、花弁状や金平糖状に現れるシミです。

紫外線が強い地域や夏のレジャーなどで紫外線対策をせずに過ごし、肌が強いダメージを受けてからしばらく経って現れる傾向にあります。

紫外線による肌ダメージがおもな原因で、十分な紫外線対策をすると予防できます。

また、内服薬やレーザー治療による改善が期待できますが、背中や腕の皮膚は顔に比べて厚いため、効果の実感には時間を要するでしょう。

そばかす(雀卵斑)

そばかす(雀卵斑)は、幼少期に現れ思春期になると2~3ミリ大のシミに変化するシミです。

鼻と頬を中心に現れ、紫外線量が多くなると濃褐色に変化する特徴があります。

明確な原因は特定されておらず、遺伝、体質、紫外線ダメージなどが関係していると考えられています。

そのため、スキンケアでの改善は難しく、レーザー治療や内服薬によるアプローチが有効です。

また、そばかすは治療後も紫外線ダメージにより再発しやすく、紫外線対策や内服薬による予防を続ける必要があります。

肝斑

肝斑は、30代以降の女性の顔にできやすいシミで、頬の高い位置に左右対称にできるのが特徴です。

ホルモンバランスの変化や乱れが発症に深く関係し、妊娠、ピルの服用、閉経後のホルモン補充療法に合併症としても現れます。

スキンケアによる予防や改善は難しく、ホルモンバランスを整える生活習慣や、内服薬の服用、外用薬による治療などが有効です。

肝斑はレーザー治療で悪化する可能性があるため、その他のシミと重なって発症している場合は慎重に治療を進めましょう!

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、ニキビ、虫刺され、火傷、かぶれなど、肌が炎症を起こしたあとに残る色ムラです。

炎症から回復する過程でメラニン色素が増殖し、赤から褐色の境界がはっきりしない色ムラが残ります。

炎症後色素沈着は、その名の通り炎症後にできる色素沈着のため、時間の経過で薄くなるケースがほとんどです。

炎症を早く鎮めるよう心がけ、紫外線や摩擦などのダメージを避けるよう過ごすと早い回復が見込めるでしょう。

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、触るとざらざらした盛り上がりのあるシミ(できもの)です。

長年の紫外線や摩擦によるダメージの蓄積や老化がおもな原因で、老人性色素班が進行した状態でもあります。

スキンケアによる改善は見込めず、レーザー治療や冷凍療法などの物理的な切除が有効です。

また、脂漏性角化症は皮膚疾患や悪性腫瘍の可能性も含んでいるため、必要に応じて病理検査を行うことがあります。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、思春期以降の女性の顔にできるシミのようなあざの一種です。

一般的なシミは肌の浅い層(表皮、基底層)にメラニン色素が沈着しますが、ADMは肌の深い層(真皮)にメラニン色素が沈着することが特徴です。

詳しい原因は解明されておらず、遺伝や女性ホルモンの乱れ、紫外線、摩擦などの要因が重なり発症すると考えられています。

肌の深い層(真皮)でメラニン色素が沈着しているため、内服薬や外用薬による改善は期待できず、レーザー治療が適しています

シミができる原因6つ

シミの原因は種類により異なり、多くのケースでいくつかの要因が重なって発症します。

シミができる要因にあげられるものは、おもに次の6つがあげられます。

  • 紫外線(UV)の影響
  • ホルモンバランスの変化
  • 加齢と肌の老化
  • 遺伝的な要因
  • 不適切なスキンケアと生活習慣
  • 病気や疾患によるシミ

ここでは、シミができる原因を詳しく解説します。

紫外線(UV)の影響

シミの原因の大半を占める紫外線には、UVA・UVBの2つの波長があり、シミの原因なるのは肌の浅い層(表皮、基底層)に影響を与えるUVAです。

肌は紫外線によるダメージを受けると、肌の浅い層(表皮、基底層)が防衛反応を示してメラニンが生成されます。

メラニンは紫外線を吸収する特性があり、メラニンの生成は次の紫外線ダメージから肌を守る身体の防衛反応です。

紫外線対策を行わないとメラニンが生成され続けるため、肌代謝での排出が追いつかず沈着したものがシミとなります。

紫外線は日焼け止めクリームのほか、帽子、日傘、アームカバーなど、物理的に遮断する方法を組み合わせるとよいでしょう。

ホルモンバランスの変化

ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール(副腎皮質ホルモン)」は、メラニン生成を指示するメラノサイトを活性化させるホルモンです。

慢性的な疲れ、不規則な生活習慣、寝不足など、精神的・身体的にストレスを感じると副腎皮質からコルチゾールが分泌されます

男性の場合はテストステロンの分泌量が増えると、皮脂が過剰に分泌され、肌の水分・油分バランスが崩れ、シミができやすい環境になります。

女性の場合は月経や妊娠、閉経期に増加するエストロゲンの影響で、肝斑が発症しやすくなります。

自分の身体をいたわるような生活を心がけると、ホルモンバランスを整えられるでしょう!

加齢と肌の老化

紫外線や摩擦などのダメージで生成されたメラニン色素は、身体の細胞が活発な20代ごろまでは肌代謝により肌の表面に押し出され、やがて角質や垢となり剥がれ落ちます。

しかし、年齢を重ねると身体の細胞の働きが弱くなり、加齢とともに肌代謝も衰えるのは自然な現象です。

すると、これまで肌代謝により排出されていたメラニンが蓄積され、褐色のシミとなって現れはじめます。

老人性色素班や脂漏性角化症は、加齢や肌の老化で現れる代表的なシミのひとつです。

遺伝的な要因

シミのなかには、遺伝や肌質、体質によって発症するものがあります。

遺伝的な要因が関係しているシミにそばかす(雀卵斑)やADM(後天性真皮メラノサイトーシス)があげられ、詳しい原因は解明されていません。

また、肌が白く日焼けをすると赤くなる方は、シミができやすかったり目立ちやすかったりする肌質といえるでしょう。

さらに、夏でも手足が冷えている方は血流が滞りやすく、身体の不調だけでなく肌代謝の低下からシミができやすい体質に当てはまります。

不適切なスキンケア

近ごろは美白や肌代謝の活性化に有効な成分などが配合された、さまざまなスキンケアアイテムが販売されています。

しかし、自分の肌質に合わない成分や、組み合わせの悪い成分、刺激が強い成分など、不適切なスキンケアにより肌が過敏になるトラブルも珍しくありません。

過敏になった肌は紫外線や摩擦などのダメージを吸収しやすく、シミができやすくなる悪循環を招きます。

有効成分が配合されたスキンケアアイテムを使うときは、肌質に合うかどうか試したうえで取り入れるよう注意しましょう。

急にできたシミは病気が隠れている可能性も

急にシミができたり、シミが大きくなったりする場合は、皮膚疾患が隠れている可能性があります。

なかでも注意が必要なのは、次の3つです。

  • 皮膚疾患
  • 内蔵疾患
  • ホルモン異常

ここでは、急にシミができる原因や考えられる疾患を解説します。気になる場合は皮膚科を受診し、医師の診断を受けましょう。

皮膚疾患とシミ

シミやほくろのように見える皮膚の色ムラが、急に増えたり濃くなったりする場合は、皮膚疾患が原因かもしれません。

ほくろのように盛り上がる「基底細胞がん」や、いびつな形の黒い色むらが起こる「悪性黒色腫」などは、皮膚科での治療が必要なシミです。

また、皮膚がんは痛みやしびれなどの症状を感じづらく、進行してから発見されるケースも珍しくありません。

内臓疾患とシミ

近ごろの研究では、脂肪肝やメタボリックシンドロームと、皮膚疾患のひとつである「乾癬(かんせん)」との密接な関連が報告されています。

乾癬は、肌の表面に大きなフケのようなものが付着する、赤い発疹が全身に現れる慢性の皮膚疾患です。

そのほか、不規則な生活習慣やストレスにより胃腸がダメージを受け、肌代謝の乱れを引き起こしシミができやすい状態になっている可能性もあるでしょう。

ホルモンの異常とシミ

甲状腺機能低下症や閉経後のホルモン療法など、ホルモンが関連している疾患の合併症として肝斑が発症することがあります。

甲状腺機能低下症では肌代謝が悪くなるため、シミの原因であるメラニン色素が肌に残りやすくなるでしょう。

また、ホルモンバランスが乱れると、メラニン色素を生成するメラノサイトが刺激され、シミができやすい状態になります。

シミの種類に応じた治療法・予防法

シミは種類に応じて治療法・予防法が異なります。

シミの種類は医師の診断を受け、適した方法でケアを続けると、シミ悩みを解消できるでしょう。

ここでは、シミの種類に適した治療法・予防法を解説します。

シミの予防に有効な対策

すでにできたシミをセルフケアで薄くすることは難しいですが、いくつかのポイントを抑えるとシミを予防できます。

シミを予防するには、次の3つを意識してみましょう。

  • 徹底した紫外線対策
  • ホルモンバランスを整える
  • 病気予防としての食事と運動

シミは紫外線ダメージが深く関係しているため、季節、天候、屋内外問わず紫外線対策をしましょう。

また、ホルモンバランスの乱れはシミができやすい肌になるほか、皮脂の過剰分泌やニキビなど、さまざまなトラブルを招きます。

偏った食生活を見直し、適度な運動を心がけると、ホルモンバランスが整うほか、全身疾患の予防にも有効です。

医療機関での積極的な治療

医療機関ではシミの種類に適した治療を受けられます。

治療 期待できる効果
レーザー治療 メラニン色素の破壊 盛り上がりのあるシミの切除
光治療 肌代謝の促進 シミやくすみの改善
外用薬 肌代謝の促進 メラニン色素を漂白 メラニン色素の生成を抑制
内服薬 肌代謝の促進 メラニン色素の生成を抑制 抗酸化作用で肌の老化を予防 血行を促進し血色感のある肌に改善 肌代謝を活性化し肌再生をサポート

積極的に治療をするなら、レーザー治療、光治療、外用薬のアプローチが有効です。

レーザー治療や光治療は医療機関で施術を受ける必要がありますが、外用薬であれば自宅でコツコツとケアできます。

また、内服薬はシミの予防や肌の土台の底上げに有効です。

外用薬と内服薬を併用すると、シミや肌トラブルが起こりにくい肌質への改善も期待できるでしょう。

DMMオンラインクリニックでは、手軽なオンラインで医師と相談でき、処方された内服薬は最短当日に自宅へ配送されます。

医療機関まで出向くのが面倒な方、すぐにケアをはじめたい方も、気軽な相談からはじめてみましょう!

スキンケアでできるシミ予防

自宅のスキンケアでシミを予防するには、丁寧な保湿と内服薬の服用がシミ予防に有効です。

化粧水や美容液、乳液のあと、肌の状態に応じた保湿クリームをつかい、乾燥しないようしっかり保湿しましょう。

食事で補えない栄養素や、シミ対策を意識した栄養素を取り入れるため、内服薬で内側からのアプローチも有効です。

食事では、ビタミンやミネラルを多く含む野菜を取り入れ、糖質の取りすぎにも注意しましょう。

肌代謝が乱れないよう体調やストレス管理、不規則な生活習慣の見直しも欠かせません!

健康診断の重要性

ただのシミだと思っていたものが、実は身体のSOSサインである可能性もあります。

身体の不調や疾患を早期発見・治療できるよう、1年に一度の間隔で定期的に健康診断を受けましょう。

定期健診を受けるときに、肌トラブルやシミなど気になることも相談できますよ。

シミは正しい原因を知り、内服薬で日々の予防ケアを続けよう

シミの原因は、ホルモンバランスの乱れや不規則な生活習慣などがあげられますが、なかでも紫外線を浴びメラニン色素を過剰に作り出していることが多いでしょう。

多くのシミは紫外線対策を行い、コツコツと内服薬によるケアを続けると予防できます。

シミができないよう予防も大切ですが、すでにできたシミには肌代謝を促す内服薬の服用がおすすめです。

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【参考文献】

出典:昭和大学 保健室

https://www.tais.ac.jp/wp/wp-content/uploads/health/blog_images/%E4%BF%9D%E5%81%A5%E5%AE%A4%E3%81%A0%E3%82%88%E3%82%8A%EF%BC%88%E7%A6%81%E7%85%99%E9%80%B1%E9%96%93%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%8F%B7%EF%BC%89.pdf

出典:埼玉医科大学総合医療センター 研究成果のご報告

https://www.kawagoe.saitama-med.ac.jp/info_data/kenkyu/kenkyu003.php

出典:名古屋大学医学部付属病院 乳腺・内分泌外科

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/nyusen/sick/adrenal/about/

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