薄毛が目立たない女性の髪型|部位・長さ・年代別に似合うスタイルを紹介

「ふと気づけば、分け目やつむじが薄くなっていた」

「トップがぺちゃんこで老けて見える…」


そんな薄毛の悩みを抱えている女性は、年代を問わず増えています。髪のボリュームは見た目の印象に直結するため、気になり出すと鏡を見るたび憂うつになりますよね。


実は、髪型やスタイリングを工夫すれば、薄毛を自然にカバーしつつ、自分らしい魅力を引き出せます。


この記事では、薄毛が目立たない髪型の選び方、年代別のおすすめスタイル、セルフケアのポイントを詳しく解説します。ぜひ、自分にぴったりの髪型を見つけて毎日のスタイリングを楽しんでください。


※監修者は医療的専門分野についてのみ監修を行っており、掲載されている商品・サービスの選定には関与しておりません。
※当サイトは、マスク・絆創膏・消毒液などの衛生関連商品を含む物販収益の他、本コンテンツを通じて広告収益が発生する場合がありますので、予めご了承ください。

【部位別】薄毛をカバーする女性の髪型|つむじ・分け目の悩みを解決

薄毛の悩みは、それぞれの部位に合った髪型やスタイリングを取り入れることで、より自然にカバーできます。ここでは、つむじ、分け目、生え際などの悩みを解決する工夫を見ていきましょう。

つむじの薄毛をカバーする髪型・スタイリング

根元が立ち上がるカットでつむじ割れを防ぐ

つむじ割れを防ぐには、根元が自然に立ち上がるようなカットがポイントです。トップにレイヤーを入れて毛流れを調整すると、髪の重なりによって地肌の透け感をカバーできます。


髪質やつむじの向きによっても適切なカット方法は異なるため、薄毛カバーに慣れている美容師に相談するのがおすすめです。

ふんわりパーマで自然な立体感をつくる

つむじ周辺にボリュームが出にくい場合、部分的なパーマや根元パーマをかけるとよいでしょう。とくに、エアウェーブやポイントパーマは、髪に自然な動きと立体感を与えます。


スタイリングも楽になるため、忙しい方にもおすすめです。パーマによるダメージが心配な場合、美容室で髪質に合った薬剤や施術方法を提案してもらいましょう。

ドライヤーでボリュームを出す簡単スタイリング法

毎朝のスタイリングでは、ドライヤーの使い方がポイントです。つむじとは逆方向に髪を持ち上げながら根元に温風を当て、冷風で固定すると、根元が立ち上がりやすくなります。


ロールブラシや手ぐしで乾かすと、ふんわり自然なボリュームが出やすくなり、つむじ割れをカバーしやすくなるでしょう。根元にスタイリング剤を少量なじませておくと、ボリュームをキープしやすく、仕上がりも崩れにくくなります。

分け目の薄毛を自然に隠す髪型・スタイリング

分け目の薄毛が気になる場合、髪の分け方や立ち上げ方を少し工夫することで、見た目の印象が大きく変わります。

分け目を定期的に変えてボリューム感をキープする

毎日同じ分け目にしていると、その部分の頭皮に負担がかかります。1〜2週間ごとに左右を変えたり、中央に寄せたりと分け目を変えることで、根元がふんわり立ち上がり、自然なボリューム感を出すことが可能です。


スタイリング時は、軽く濡らしてからドライヤーを使うと、クセがリセットしやすくなります。

ジグザグな分け目でカバーする

まっすぐな分け目は地肌がくっきりと見えやすく、薄毛が強調されがちです。ジグザグに分けると髪の重なりができ、地肌の露出を自然にぼかせます。


手ぐしやコームを使って、ラフに分けるのがコツです。整えすぎないほうが、自然に仕上がります。

トップの立ち上がりを意識したスタイリング法

分け目周辺のトップにボリュームがあると、全体的に若々しく見えます。髪をかき上げるように持ち上げながら根元に温風を当て、冷風で固定しましょう。


仕上げに軽めのワックスやスプレーを使うと、ふんわり感をキープしやすくなります。

前髪・生え際の薄毛を目立たせない髪型・スタイリング

前髪や生え際の薄毛が気になる場合も、髪型やスタイリングの工夫で自然にカバーできます。

厚め前髪で生え際を自然にカバーする

おでこが透けて見える場合、厚めにカットした前髪で自然に生え際をカバーするのがおすすめです。とくに、奥行きのある前髪は密度感を出しやすく、視線を分散させる効果があります。


前髪の根元を立ち上げるようにスタイリングすると、より自然に仕上がります。

流し前髪で顔周りに動きを出す

生え際の薄毛が目立ちやすい場合、前髪を横に流すのも効果的です。サイドに流すことで視線が自然に横にずれるため、薄毛部分が目立ちにくくなります。


毛先を少しカールすると立体感や柔らかさが出て、顔まわりが華やかになるでしょう。

あえて額を出すヘアスタイルで若々しさを演出する

思い切って額を見せるのも、一つの方法です。生え際にボリュームを出すパーマやドライヤーの使い方を工夫し、額を出すことで、すっきりと若々しい印象になります。


髪色を明るくすると、さらに軽やかな雰囲気になるでしょう。

髪全体のボリューム感をアップさせる髪型・スタイリング

髪全体のボリューム不足は、ヘアスタイルやスタイリングの工夫でふんわり感を演出できます。

重めレイヤーカットで全体をふっくら見せる

トップにボリュームを出したい場合、重めのレイヤーカットがおすすめです。段差を入れて髪の流れを整えることで、自然な立体感が出て、全体的に髪が多く見えるシルエットに仕上がります。


毛先は重たすぎず、動きを出す工夫もポイントです。

ゆるふわパーマで動きと立体感をプラスする

全体にゆるやかなパーマをかけると、髪にボリュームと空気感を出せます。エアウェーブやデジタルパーマなら、髪質に合わせて選べば、ダメージを抑えつつスタイルを維持しやすいでしょう。


ドライヤーで根元から乾かし、軽めのワックスやムースを使うと、ふんわり感がキープしやすくなります。

重たいストレートロングやぺたんこヘアは避ける

直線的で重たいロングヘアやぺたんこヘアは、ボリューム不足を強調してしまいます。とくに、ストレートロングで毛量が少ない場合、顔まわりの印象が重くなり、実年齢より上に見えやすいため、注意しましょう。


ふんわり感や動きをプラスすると、全体のシルエットが若々しく見えるため、ボリュームを意識した髪型がおすすめです。

【長さ別】薄毛が目立たない女性の髪型|ショート・ミディアム・ロング

ふさわしい画像が一般の素材には見当たらず。以下(他記事のスクショ)のような、トップがふんわりした髪型の挿入を想定しています。https://precious.jp/articles/-/9617#heading02


薄毛が気になる方にとって、髪の長さは印象を左右する重要なポイントです。ここでは、ショート・ミディアム・ロング別に、薄毛カバーに効果的な髪型のポイントを紹介します。

ショートヘア|トップにボリュームを出して薄毛をカバーする

ショートヘアは、トップにボリュームを出しやすく、薄毛をカバーしやすいスタイルです。とくに、トップにレイヤーを入れたひし形シルエットのスタイルは、頭の形を美しく見せつつ、つむじ割れや分け目の薄毛を目立たなくしてくれます。


ショートは髪の重なりが増えるため、自然な立体感が出しやすいのも魅力。全体的に動きをつけやすいため、アレンジも簡単です。


根元を立ち上げるようにドライヤーを当てたり、軽いワックスで束感を出すと、ふんわりとした若々しい印象に仕上がります。


シャンプーやドライヤーを当てる時間も短いため、髪を傷めずにすむこともショートヘアのメリットです。

ミディアムヘア|パーマやカールでフェミニンな印象に見せる

ミディアムヘアは、柔らかな印象を演出してくれます。毛先にパーマやカールをプラスすることで動きが生まれ、全体的なボリューム感を出しやすいことが特徴です。


とくに、肩ラインでくびれるシルエットやレイヤー入りのスタイルは、顔まわりの薄毛も自然にカバーできます。前髪を厚めにとったり、斜めに流したりすることで、額の透け感も目立ちにくくなります。


毛の流れに逆らうようにブラシを当て、髪の根元を立ち上げるようにプロ―してみてください。ムースやオイルを軽くなじませるだけでも、ナチュラルなボリューム感が続きます。

ロングヘア|レイヤーとウェーブで軽やかにする

ロングヘアの場合、ストレートで毛量が少ないと、ぺたんこになりやすく、薄毛が強調されてしまいます。


全体的にレイヤーを入れて毛流れを作り、さらにソフトなウェーブやパーマをかけて空気感を出してみましょう。髪の動きと立体感によって、頭頂部や顔まわりをふんわりと見せてくれます。


ロングヘアは、いろいろなアレンジが楽しめるのも魅力です。お団子ヘアにすれば、トップの薄毛も自然にカバーできます。

【年代別】薄毛が目立たない女性の髪型

ふさわしい画像が一般の素材には見当たらず。以下(他記事のスクショ)のような、年代やヘアスタイルが異なる女性が複数写っているイメージを想定しています。https://precious.jp/articles/-/9617#heading01



ここでは、薄毛が目立たない女性の髪型を年代別に紹介します。薄毛カバーしつつ、魅力を引き出せるヘアスタイルが見つかるでしょう。

30代|レイヤーとパーマで自然なボリュームを演出する

30代は、産後の脱毛や生活の変化によって、髪のボリュームダウンが気になり始める時期です。ベースは、ミディアム〜セミロングがおすすめです。トップにレイヤーを入れたり、毛先にパーマをかけたりすることで、自然な立体感を作れます。


前髪に奥行きをもたせると、生え際の透け感もカバーしやすくなります。


トレンド感のあるヘアカラーを取り入れてもよいでしょう。 柔らかく動く毛流れを作ることで、ボリューム不足を感じさせない、若々しい印象に仕上がります。

40代|ひし形シルエットでフェイスラインをすっきり見せる

40代は、エラやフェイスラインのたるみが気になり始める年代です。


ひし形シルエットのショート〜ミディアムヘアは、顔まわりに適度なボリュームをもたせながら、全体を引き締めて見せてくれます。どのような顔型にも似合いやすく、薄毛をカバーしながら小顔に見せる効果も期待できます。 


トップとサイドのバランスをとるようにレイヤーを入れ、前髪は厚めにカットしたり、斜めに流したりすることで、分け目や生え際の薄毛を自然に隠すことも可能です。


毛先を軽く巻くだけでも、ぐっと華やかな印象になります。カラーは、明るすぎない落ち着いた色を選ぶとよいでしょう。

50代|ショートレイヤーで上品で洗練された印象に仕上げる

50代になると、髪質の変化や白髪が増えてくる方も多く、髪型選びに悩む年代です。おすすめは、全体的に軽さを出したショートレイヤースタイルです。


トップに高さを出しやすく、全体に立体感が生まれるため、つむじの割れや分け目の透け感をカバーできます。 襟足をすっきりさせると横顔も美しく見えるため、バランスもきれいに整います。


スタイリング時には、根元を立ち上げるように乾かし、軽めのワックスで動きを出しましょう。洗練された大人の女性らしさが引き立ちます。

60代|ふんわりショートでお手入れ簡単&白髪をカバーする

60代は、髪の細さや薄さが気になるだけでなく、白髪の割合も高くなります。おすすめなのは、ふんわりと仕上がるショートスタイルです。


トップにボリュームをもたせつつ、サイドに自然な毛流れを作ることで、全体の立体感をキープできます。 スタイリングも簡単で、毎日のお手入れもしやすいため、快適に過ごせるでしょう。


髪色は明るめのグレージュやベージュ系にすると、白髪とのなじみがよく、根元の伸びも目立ちにくくなります。

女性の薄毛を悪化させないヘアカラー・パーマの選び方

カラーやパーマでおしゃれを楽しみたいけれど、頭皮への影響が気になるという方は多いのではないでしょうか。ここでは、女性の薄毛を悪化させないヘアカラーとパーマの選び方を解説します。

髪と頭皮に優しいヘアカラーの種類と選び方

まずは、ヘアカラーの種類と選び方のポイントを見ていきましょう。

ヘアマニキュアやカラートリートメント

ダメージが気になる方には、ヘアマニキュアやカラートリートメントなどの一時的に色をのせるタイプがおすすめです。


表面(キューティクル)に色素を吸着させるため、薬剤が毛髪の内部まで浸透しません。髪と頭皮にやさしく、負担が比較的少ないのが特徴です。


ただし、洗髪やドライヤーなどの影響で色が薄くなりやすいため、長持ちさせるには、カラー用のシャンプーなどを取り入れるとよいでしょう。

ヘナ

ヘナはインドなどで古くから使用されている植物性染料で、髪を傷めにくく頭皮への刺激も少ないのが特徴です。とくに、化学染料にアレルギーのある方や、薄毛が気になる方には、低刺激のカラーとして注目されています。


ただし、市販されている製品の中には、発色や染毛力を高めるためにジアミン系染料などの化学成分を混ぜている商品もあります。成分表示を確認し、信頼できるメーカー・販売元を選ぶとよいでしょう。

アルカリカラー

アルカリカラーは、いわゆる一般的なヘアカラーのことです。ドラッグストアや美容室でよく使用されている永久染色剤に該当します。


しっかり染まりますが、毛髪内部に浸透するため、髪や頭皮への負担が大きくなります。とくに、アレルギーのリスクがあるパラフェニレンジアミン(PPD)を含む製品には、注意が必要です。


施術前には必ずパッチテストを行い、カラー後は低刺激性のシャンプーや頭皮の保湿ケアを取り入れましょう。

パーマの種類とダメージを抑えるポイント

パーマは選び方を間違えるとダメージが蓄積し、かえって抜け毛の原因になる場合もあります。ここでは、パーマの種類とダメージを抑えるポイントを解説します。

コールドパーマ

コールドパーマとは、加熱せずに薬剤の化学反応でウェーブをつくる一般的なパーマのことです。低温で施術できるため、髪のダメージは比較的少ないといえるでしょう。


ただし、薬剤が髪の内部構造に作用するため、細毛や軟毛の方はダメージに注意が必要です。


また、パーマの繰り返しは、髪のタンパク質を変性させる恐れがあります。施術間隔は、少なくとも2〜3か月開けるのが望ましいでしょう。


頭皮の乾燥や炎症を防ぐためにも、パーマ後の保湿ケアは重要です。たとえば、アミノ酸系の低刺激シャンプーを使用したり、紫外線による乾燥を防ぐため帽子をかぶったりするなど、髪を保護しましょう。

デジタルパーマ

デジタルパーマは、薬剤処理後に専用の加温ロッドを使い、熱で形状記憶させるパーマです。髪の内部までしっかりカールがつきやすく、スタイリングが持続することが特徴です。


ただし、熱ダメージと薬剤の影響が重なるため、施術後は髪の水分や油分が失われやすくなります。保湿力の高いトリートメントや、スカルプローション・頭皮ミストなどを活用するのもおすすめです。


また、髪や頭皮が敏感な方は、アルカリ度の低い弱酸性や、刺激の少ないシステイン系・スピエラ・GMT系の薬剤を選ぶとよいでしょう。

女性の薄毛カバーを成功させる美容室オーダーのコツ

美容室でのカットやスタイリングは、薄毛カバーの悩みを解決する力があります。しかし、希望のスタイルをうまく伝えられず、後悔してしまう方も少なくありません。


ここでは、女性の薄毛カバーを成功させるオーダーのコツを紹介します。

薄毛の悩みを素直に相談する

薄毛の悩みはデリケートなため、美容室で相談しにくいと感じている方も多いでしょう。しかし、プロに理想のスタイルを提案してもらうには、悩みを率直に伝えることが大切です。


たとえば、次のように伝えてみてください。


  • トップのボリュームがなく、ぺたんとして見えるのが悩み

  • 分け目が割れてしまい、地肌が目立つので困っている

  • 生え際が薄くなって、顔全体が寂しく感じる


気になる箇所を具体的に伝えると、髪質や毛量に合ったカットやスタイリング方法を提案してもらえます。


美容師は、日々多くの悩みに向き合っています。恥ずかしがらずに相談することで、仕上がりの満足度も高まるでしょう。

写真で理想のイメージを共有する

言葉だけで希望のヘアスタイルを伝えるのは、意外と難しいものです。美容師との認識のズレを防ぐため、画像や雑誌の写真を2〜3枚準備し、イメージを共有しましょう。


ただし、髪質や頭の形によっては、同じ仕上がりになるとは限りません。「雰囲気だけでも近づけたい」と柔軟に伝えるのがポイントです。


写真は、正面だけでなく、横・後ろ姿など複数の角度があると、より的確なオーダーができるでしょう。NGなヘアスタイルの写真も同時に用意しておけば、失敗するリスクを減らすことも可能です。

仕上がりの希望を具体的に伝える

希望の仕上がりは、できるだけ具体的に伝えます。たとえば、次のようにお願いしてみましょう。


  • 全体にふんわりした印象にしたい

  • 分け目を変えて、薄毛を目立たなくしたい

  • 前髪を厚めにして、額をカバーしたい


目的や仕上がりのイメージを明確にすることがポイントです。気になる部位とその対処法の希望を伝えると、美容師も的確にカットやスタイリングを調整がしやすくなります。


すべてをおまかせするのではなく、悩みや目的を前提におまかせすることが、満足のいく仕上がりにつながるでしょう。

自宅でできる女性の薄毛予防|セルフケア7選

ここでは、自宅でもできるセルフケアについて解説します。今日から実践できる手軽な方法も取り上げているので、ぜひ試してみてください。

1.頭皮にやさしいシャンプー剤を使う

シャンプー剤は、洗浄力が強すぎない頭皮にやさしいタイプを選びましょう。石油系界面活性剤を避け、アミノ酸系など低刺激の成分が配合された製品がおすすめです。


頭皮に必要な皮脂を残しつつ汚れを落とすことで、バリア機能を保ちながら清潔な状態を維持できます。


ある研究では、低刺激性のシャンプーとトニックの併用によって頭皮の皮脂量が減少し、髪のツヤが改善されたと報告されました。頭皮環境の改善だけでなく、脱毛予防にも効果があることもわかっています。[1]


シャンプー剤が合わないと、かゆみやフケ、炎症による悪化など、抜け毛リスクが高まる可能性があります。購入する際は、成分表示をよく確認して選びましょう。

2.正しい洗髪方法とドライヤーの使い方を身につける

髪や頭皮に負担をかけない洗髪やドライヤーの使用は、薄毛予防の基本です。頭皮の毛穴詰まりやべたつきは、薄毛を進行させる要因になるため、正しい頭皮ケアが欠かせません。


次の手順で、頭皮を傷つけないようにやさしく洗いましょう。


  1. シャンプー前にブラッシングし、 髪のもつれやホコリをとる

  2. 38℃前後のぬるま湯で予洗いする

  3. 手のひらでシャンプーをよく泡立てる

  4. 指の腹でやさしく頭皮マッサージする

  5. すすぎはたっぷりのぬるま湯で丁寧に行う


38℃前後のぬるま湯で予洗いすると、皮脂や頭皮上の微生物量が大幅に減少し、乾燥やかゆみなどの症状が改善することがわかっています。[2]


洗髪後は自然乾燥を避け、ドライヤーで根元から手早く乾かしてください。雑菌の繁殖や、頭皮トラブルを防げます。


高温を長時間当てると髪が傷むため、15cm以上離して風を当てるようにしましょう。

3.栄養バランスのよい食事を意識する

髪の健康を維持するには、たんぱく質・ビタミン・ミネラルをバランスよく摂ることが重要です。[3]なかでも、女性の薄毛改善に役立つとされる食べ物を意識的に摂取しましょう。


たんぱく質は髪の主成分であるケラチンの材料で、不足すると抜け毛の原因になります。

また、ビタミンB群は代謝を促進し、亜鉛は毛髪の成長をサポートします。


  • たんぱく質:大豆製品、卵、魚介類など

  • ビタミンB群:レバー、緑黄色野菜など

  • 亜鉛:牡蠣、ナッツ類など


偏った食事や過度なダイエットは、薄毛を進行させる恐れがあるため、避けましょう。

4.良質な睡眠をとる

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、頭皮や毛根の修復が促されます。質の高い睡眠は、薄毛予防に欠かせません。


たとえば、以下のような方法であれば、手軽に実践できるでしょう。


  • 寝る前のスマホやカフェインを控える

  • 照明を暗めに設定する

  • ぬるめのお風呂に浸かる


また、アロマは入眠を促す作用があると報告されています。[4]ラベンダーの精油をティッシュに1〜2滴垂らして枕元に置いたり、アロマディフューザーで香りを広げたりしてもよいでしょう。


髪の健康を守るために、良質な睡眠をとるための習慣をぜひ取り入れてみてください。

5.適度に運動する

運動は血流を促進するとされ、頭皮環境の改善や薄毛予防に寄与する可能性があります。


実際に、高齢者が軽いストレッチを継続したところ、末梢の血流が改善されたという報告もあります。[5]血流が改善されることで、体全体の栄養供給がスムーズになり、頭皮環境にもよい影響を与えると考えられます。


たとえば、以下のように日常動作を少し工夫してみましょう。


  • エレベーターの代わりに階段を使う

  • テレビを見ながら足踏みする

  • 歯磨きの前にスクワットをする


自分に合った運動習慣で、無理なく髪の健康をサポートしてください。

6.ストレスを溜めない

強いストレスは自律神経や血流に影響し、薄毛の一因になる可能性があります。完全になくすことは難しいため、上手に対処する習慣が大切です。


たとえば、以下のような簡単にできる方法も効果的です。


  • 深呼吸をする

  • 自然の音を聴く

  • 日記に気持ちを書き出す


実際に、7日間毎日10〜15分程度、自分のストレスや感情を書くことで、ストレスレベルが明らかに低下したという報告もあります。[6]


また、SNSやニュースから一時的に離れるデジタルデトックスも、気持ちを落ち着かせる方法の一つです。日常的にストレス対処を意識して、心の負担を軽くしましょう。

7.女性向け育毛剤を使用する

一部の育毛剤には、頭皮環境を整えることで発毛をサポートするとされるものがあります。

とくに、ミノキシジルを1%配合した外用薬は、女性型脱毛症に対して医学的に効果があるとされ、市販品でも入手可能です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、使用が強く推奨されています。[7]

髪型や生活習慣でカバーできない女性薄毛の対処法

女性の薄毛は、髪型の工夫やセルフケアではカバーできない場合もあります。ここでは、医療機関で相談したほうがよい症状や、受診のメリットを見ていきましょう。

医療機関で相談すべき薄毛の症状

脱毛の進行が早い、抜け毛が急増しているなどの変化を感じたときは、医療機関の受診を検討してみてください。薄毛の進行は加齢によるものか、別の疾患が関係しているのかという点もポイントです。


日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、女性型脱毛症の診断において、以下のような他の脱毛症や全身性疾患を除外することが重要とされています。


  • 慢性休止期脱毛:ストレスや出産後に一時的に脱毛が増加する

  • 膠原病や甲状腺疾患に伴う脱毛:自己免疫やホルモン異常による

  • 貧血:栄養不足による

  • 急激なダイエット後の脱毛:栄養バランスの乱れによる


また、ホルモン補充療法や経口避妊薬などによる脱毛にも、注意が必要です[7]。


症状が続いていたり、市販の育毛剤や生活習慣の見直しでも改善が見られなかったりする場合は、早めに医療機関を受診するとよいでしょう。

皮膚科や薄毛専門クリニックを受診するメリット

自己流のケアでは、原因に合わない対策を続けてしまうリスクがあります。医療機関を受診することで、脱毛の原因を調べ、より適した治療法を検討することができます。


科学的根拠に基づいた治療が受けられ、医学的に十分な効果が確認されていない施術や商品を避けられることも重要なポイントです。


また、医療機関では、年齢やホルモン状態、持病などを考慮しながら、個々に適した治療の提案が受けられます。たとえば、甲状腺疾患や貧血などの持病がある場合、必要な検査を行い、体調に配慮した対応が可能です。


専門的な判断は、医療機関を受診する大きなメリットといえるでしょう。

女性の薄毛の原因とタイプ|産後脱毛症・FAGA・びまん性脱毛症

女性の薄毛にはさまざまな原因があり、タイプによって対処法も異なります。まずは、代表的な3つの種類を見ていきましょう。

産後脱毛症|ホルモン変化による一時的な脱毛

産後脱毛症は出産後2〜4か月で始まり、多くは5か月前後にピークを迎える一時的な現象です。妊娠中にエストロゲンやプロゲステロンの影響で成長期だった毛が、出産後の急激なホルモン低下により一斉に休止期に移行し、抜け毛が増加するためとされています。


産後脱毛症は、軽度のスカルプケアや栄養の見直しで半年〜1年程度で自然に回復するのが一般的です。ただし、自覚症状が長引く場合は、他の脱毛症の可能性もあります。


また、産後脱毛症をきっかけに、もともと目立っていなかった女性型脱毛症や、髪を強く引っ張る習慣による牽引性脱毛症が顕在化するケースもあると報告されています。これらが重なっている場合もあるため、医療機関で診察を受けることが重要です[8]。


FAGA(女性男性型脱毛症)|加齢や遺伝による薄毛

FAGAは、更年期以降の女性に多く見られる進行性の脱毛症で、頭頂部や分け目を中心に徐々に薄くなるのが特徴です。一方で、額の生え際は比較的保たれる傾向があります[7]。


かつては女性の男性型脱毛症と呼ばれていましたが、現在ではFPHL(女性型脱毛症)という呼び方が主流です。


原因は完全に解明されていませんが、加齢や遺伝的要因、女性ホルモンの低下などのホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。


FAGAの診断には、びまん性脱毛症との鑑別や、甲状腺疾患・貧血など他の全身性疾患の除外が重要です。これらの基礎疾患が関係している場合、治療方針も変わるため、自己判断せず医療機関の受診を検討しましょう。


治療には一般的にミノキシジル外用薬が用いられます。あわせて生活習慣を整えることで、薄毛の進行を抑えられる可能性があるとされています。

びまん性脱毛症|髪全体が薄くなる進行性の脱毛症

びまん性脱毛症は、頭部全体の毛髪が均一に薄くなる進行性の脱毛症で、女性に多くみられます。とくに、頭頂部や分け目の地肌が目立ちやすく、FAGAと症状が似ているため混同されがちです。


びまん性脱毛症は遺伝よりも環境や体調の影響が大きく、精神的ストレス、栄養不足(とくに鉄欠乏)内分泌異常などが原因とされています[9]。


以下に、FAGAとの違いを表にまとめました。


項目

FAGA(女性男性型脱毛症)

びまん性脱毛症

脱毛パターン

頭頂部〜分け目を中心に徐々に薄くなる(生え際は保たれやすい)

頭部全体が均一に薄くなり、分け目や頭頂部がとくに目立つ

原因

加齢・遺伝・ホルモン変化(エストロゲンの低下)

ストレス、栄養不足、内分泌異常

回復の可能性

進行性で自然回復しにくい

原因の改善で回復することもある


びまん性脱毛症もFAGAは見た目がよく似ているため、ご自身で見分けるのは難しいものです。実際には原因や治療法が異なることもあるため、正しい診断を受けることが大切です。まずは医師の診察を受け、適切な治療を受けましょう。

薄毛が目立たない女性の髪型に関するよくある質問

ここでは、薄毛が目立たない女性の髪型についてよく寄せられる質問に回答しました。

Q. 女性の薄毛にはショートヘアがよいのですか?

ショートヘアは髪全体のボリュームが出やすく、若々しい印象を与えます。とくに、トップにレイヤーを入れたり、分け目をぼかしたりするスタイルは、地肌の透け感を目立ちにくくする工夫のひとつです。


また、ロングヘアに比べて髪の重みで引っ張られる力が少ないため、頭皮への負担が減る点でもおすすめです。ただし、カットによっては、スタイリングが難しかったり、パーマが必要になったりする場合もあります。


薄毛の進行度や髪質に応じて、美容師と相談しながらスタイルを選ぶとよいでしょう。

Q. 女性の薄毛の初期症状は何ですか?

女性の薄毛は、頭頂部の比較的広い範囲で髪のボリュームが徐々に減っていくのが特徴です[7]。とくに、更年期以降に多く「抜け毛が増えた」「髪の根元が透けて見える」と感じたら、初期症状の可能性があります。


髪全体が均一に薄くなるびまん性脱毛は、進行が緩やかです。初期には気づきにくいこともあるため、髪にハリやコシがなくなったと感じた時点で専門医に相談することをおすすめします。早めに受診することで、治療の選択肢が広がる可能性があります。

Q. びまん性脱毛症の女性の特徴を教えてください

びまん性脱毛症は、頭部全体の毛髪が均一に薄くなるのが特徴です。分け目や頭頂部の地肌が目立ちやすく、髪のふんわり感がなくなり、髪型が崩れやすくなると感じることが多いです。


FAGA(女性男性型脱毛症)と似た症状ですが、びまん性脱毛症は急激なストレスや栄養不足、ホルモンバランスの乱れなどが原因です。加齢に伴って地肌の透け感が目立ちやすくなる場合があります。

Q. 女性のてっぺんが薄くなるのはなぜですか?

女性のてっぺんが薄くなるおもな原因は、FAGA(女性男性型脱毛症)やびまん性脱毛症によるものです。


FAGAでは、女性ホルモンの減少や遺伝的要因により、毛包がミニチュア化します。成長期が短くなることで頭頂部を中心に髪が細くなり、密度が低下することが特徴です[10]。とくに、更年期以降は女性ホルモンの分泌が減るため、症状が目立ちやすくなります。


びまん性脱毛症も同様に、分け目や頭頂部の地肌が目立ちやすくなる傾向があります。

Q. 女性の薄毛を確実に治す方法はありますか?

現時点では、薄毛を確実に治す方法は確立されていません。しかし、進行を遅らせ、改善が期待できる治療法は複数あります。


FAGAやびまん性脱毛症には、ミノキシジル外用薬が用いられることが多いです。日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」でも、行うよう強く勧めています[7]。


ただし、効果には個人差があるため、まずは原因を特定し、医師と相談のうえで継続的な治療を行うことが重要です。

Q. 紫外線で抜け毛は増えますか?

過度に紫外線を浴びると、頭皮が日焼けして炎症を起こし、ヒリヒリと痛みを感じることもあると思います。炎症が続くと毛根にもダメージが及び、酸化ストレスなどにより間接的に抜け毛のリスクが高まる可能性があります[11]。


帽子や日傘、スプレータイプの日焼け止めなどで、頭皮のUVケアを行うとよいでしょう。

薄毛が目立たない髪型で自信を取り戻しましょう

薄毛が目立たない髪型は、隠すよりも魅力を引き出す視点で選ぶことがポイントです。髪のボリュームや生え際、フェイスラインの変化など、年代ごとの悩みに合わせてスタイルを工夫すると、印象は大きく変わります。


髪の長さやシルエット、スタイリング次第で、薄毛をカバーしながら自分らしいおしゃれも楽しめるはずです。美容室でオーダーする場合は、悩みを相談しながら、なりたい印象に近づける髪型を提案してもらいましょう。


また、髪型や生活習慣の見直しでカバーできない場合は、医療機関で相談するのも選択肢の一つです。ぜひ、今回紹介した髪型を参考に、気分が上がるヘアスタイルを見つけて自信を取り戻してください。

【参考文献】

[1]Kim, M. K., & Han, S. H. (2023). The effect of functional shampoo and tonic on hair loss prevention and scalp improvement.

https://www.earticle.net/Article/A431594


 [2]Oshima, M., Sogawa, M., Matsunaka, H., Murakami, Y., Saya, Y., Sugita, T., & Ogawa, H. (2014). Improvement of scalp condition and quality of life through proper skin care of dry scalp. Journal of Cosmetics, Dermatological Sciences and Applications, 4(4), 284–292. 

https://www.scirp.org/journal/paperinformation?paperid=50024


[3]Almohanna, H. M., Ahmed, A. A., Tsatalis, J., & Tosti, A. (2018). The Role of Vitamins and Minerals in Hair Loss: A Review. Dermatology and Therapy, 9(1), 51–70.

https://link.springer.com/article/10.1007/s13555-018-0278-6


[4]Salamung, N., & Elmiyanti, N. K. (2023). Effect of Aromatherapy on Sleep Quality: A Systematic Review. International Journal of Nursing and Health Services (IJNHS).

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0965229919303735


[5]Hotta, K., Batchelor, W., Graven, J., et al. (2019). Daily passive muscle stretching improves flow-mediated dilation of popliteal artery and 6-minute walk test in elderly patients with stable symptomatic peripheral artery disease. Cardiovascular Revascularization Medicine. 

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S155383891930301X?via%3Dihub


[6]Mohamed, N. H., Beckstein, A., Winship, G., Khan Mou, T. A., Pang, N., & Relojo-Howell, D. (2023). Effects of self-expressive writing as a therapeutic method to relieve stress among university students. Journal of Poetry Therapy, 36(4), 243–255.

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/08893675.2023.2174678


[7]日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版.

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf(最終閲覧日:2025年8月16日)


[8]Samrao, A., & Mirmirani, P. (2022). Postpartum Telogen Effluvium Unmasking Traction Alopecia. Skin Appendage Disorders, 8(4), 328–332.

https://karger.com/sad/article-abstract/8/4/328/826790/Postpartum-Telogen-Effluvium-Unmasking-Traction?redirectedFrom=fulltext


[9]Kataria, U., & Chhillar, D. (2015). Diffuse alopecia in females: An update.

https://ijamscr.com/ijamscr/article/view/132/146


[10]Mubki, T., Shamsaldeen, O., McElwee, K., & Shapiro, J. (2013). An update on diagnosis and treatment of female pattern hair loss. Expert Review of Dermatology, 8(4), 427–436. 

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1586/17469872.2013.814858


[11]Ramkar, S., Sahu, H. K., Hemnani, N., Parashar, R., & Suresh, P. K. (2023). Oxidative stress: Insights into the Pathogenesis and Treatment of Alopecia. Journal of Ravishankar University (PART-B). 

https://doi.org/10.52228/jrub.2023-35-2-4

戻る