【医師監修】ピルの主な副作用3つ|吐き気、眠気、腹痛がひどいときの対処法を解説

ピルの副作用には吐き気や頭痛、胸の張りや痛みがありますが、服用を続けると落ち着くケースがほとんどです。重大な副作用として血栓症があります。この記事では、症状が起こったときの対処法や注意点について解説します。

 

「ピルの副作用にはどんな症状がある?」

 

「副作用で太ったり妊娠しにくくなったりしないか不安」

 

上記のように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

ピルは、配合されている女性ホルモンによって生理痛の改善や避妊効果が得られる薬です。

 

人によっては吐き気や頭痛などが起こりますが、副作用の多くは服用しているうちに改善します。

 

ただし、これまでにかかった病気や健康状態によっては、血栓症や脳卒中のリスクが高くなる場合もあります。

 

安全にピルを服用するには、副作用について知っておくことが大切です。

 

本記事では、ピルの副作用と対処法、服用時の注意点について解説します。

 

体重増加や不妊など、副作用に関してよくある疑問にも回答していますので、ぜひ参考にしてください。

 

<この記事で解決できるお悩み>

 

 

 

 

ピルの副作用3つ

 

低用量ピルは、女性ホルモンが配合されている薬です。

 

プロゲステロンとエストロゲンの2つのホルモンの働きにより排卵を抑制します。

 

ピルの副作用は大きく分けて3つあります。

 

 

副作用を正しく理解しておけば、過度に恐れる必要はありません。それぞれについて詳しく説明します。

 

ホルモンバランスの変化による症状

 

ピルを服用してホルモンバランスが変化すると、吐き気や胸の張り、頭痛などの症状を引き起こす場合があります。

 

国内での試験結果によると、発症頻度は以下のとおりです。

 

副作用 発生頻度(%)
吐き気・嘔吐 1.2~29.2
胸の張り 0.1~20.0
頭痛 3.4~15.7
胸の痛み 1.0~12.3
下腹部痛 0.1~6.9
下痢 0.6~4.0
むくみ 1.0~3.2

 

そのほか眠気、食欲亢進などさまざまな副作用がありますが、頻度としては1~2%に満たない程度です。

 

上記のような症状は、服用するうちに緩和していくと言われています。

 

血栓症

 

血栓症とは、血の塊ができて血管が詰まってしまう病気です。

 

ピル服用者は、ピルを服用していない者に比べて、血栓症のリスクが上がるとされています。

 

年間での血栓症になる割合は、以下のとおりです。

 

ピルを服用していない方 1~5人 / 1万人
低用量ピルを服用している方 3~9人 / 1万人
妊娠中の方 5~20人 / 1万人

 

ピルを服用すると血栓症のリスクは上がるものの、妊娠中の女性よりも低い割合です。

 

また、処方には医師の診断が必須であり、血栓症のリスクが高いと判断されると処方されません。

 

処方に注意が必要な方の例は、以下のとおりです。

 

  • 高血圧である
  • 脂質異常症がある
  • 喫煙している
  • 前兆を伴う片頭痛がある
  • 血栓症になったことがある
  • 年齢が40歳以上である

 

安全に服用するには、健康状態や過去にかかった病気について、医師に正しく伝えることが大切です。

 

服用に問題がなく処方を受けた場合、体調の変化に注意すれば過度に心配する必要はないでしょう。

 

脳卒中や心筋梗塞

 

もともと脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高い方がピルを服用すると、発症するリスクがさらに高くなるとされています。

 

脳卒中や心筋梗塞に影響するのは血栓症の場合と同様に、高血圧や脂質異常症、喫煙などです。

 

そのため、血液検査に異常のある方やタバコを吸っている方は、ピルを処方されない場合があります。

 

避妊目的ならコンドームを、生理痛の改善なら痛み止めを使って十分に休息をとるなど、他の方法に切り替える必要があるでしょう。

 

疾患があれば一律にピルの服用ができないのではなく、症状の程度によって処方の有無が判断されます。

 

服用しても問題ないかどうか自己判断せず、医師に相談してみてください。

 

ピルの副作用が落ち着くまでの期間

 

ピルを服用し始めて吐き気や胸の張り、眠気などが現れた場合、3ヶ月程度服用すれば落ち着くケースが多いとされています。

 

我慢できないほどでなければ、3ヶ月程度様子をみる場合が多いです。

 

また、服用を開始してから4ヶ月間は血栓症を起こすリスクが高いと報告されています。

 

「ピルの服用で副作用が起こったときの対処法」で詳しく説明しますが、血栓症が疑われる場合はただちに服用を中止し、受診が必要です。

 

処方を受けた医療機関でなくても、ピルを服用していると伝えれば問題ありません。

 

どの症状が危険なのかわからない場合や様子をみていいかどうか迷った場合も、医療機関を受診して相談しましょう。

 

ピルの服用で副作用が起こったときの対処法

 

ピルの服用中に副作用が起こったときの対処法は、以下のとおりです。

 

 

対処方法を知っていれば、症状があっても落ち着いて対応できるでしょう。それぞれ順番に解説します。

 

服用時間を変える

 

副作用が起こったときの対処法の一つは、服用時間を寝る前に変えることです。

 

吐き気や頭痛、眠気などがある場合、副作用症状が出やすい時間帯に睡眠をとると気にならなくなる場合があります。

 

服用時間を変更する場合は、新しいシートに変わるタイミングがおすすめです。

 

ほんの数時間であれば服用時間をずらしても問題ないとされていますが、時間帯を大きくずらすとピルの効果が得られない可能性があります。

 

症状緩和の薬を処方してもらう

 

ピルを飲み始めると吐き気や頭痛が起こる場合があります。

 

吐き気が収まらない場合は吐き気止め、頭痛がある場合は痛み止めなど、症状に応じた薬を服用するのも一つの方法です。

 

症状がひどい場合は、医療機関を受診して相談しましょう。

 

市販薬も服用できますが、飲み合わせに問題がないか薬剤師に確認する必要があります。

 

薬を変えてもらう

 

ピルの種類を変更するのも一つの方法です。

 

ピルによって配合されているホルモンの種類や配合量が異なり、種類を変えると改善する場合があります。

 

例えば、同じ低用量ピルでも、配合ホルモン量が同じ1相性と、配合量が3段階ある3相性の2つのタイプがあります。

 


女性ホルモンの配合量 ピルの例
1相性 シート内のピル(21錠)すべて同じ配合量で作られている マーベロン
3相性 体内のホルモン分泌量に合わせて、3段階に分かれている アンジュ

 

このほか、配合される黄体ホルモンにも違いがあります。

 

吐き気や頭痛などの症状が強い場合や、3ヶ月程度服用しても改善しない場合は医師に相談しましょう。

 

ピルの切り替えのタイミングは、症状の程度やピルの周期によって異なります。

 

現在のシートが終わるまで服用を続けるのか、次の生理周期まで服用を中止すべきか、医師に相談しましょう。

 

血栓症の疑いがあればすぐに受診する

 

血栓症は、放置すると命に関わる恐れがある病気です。

 

ピルの服用中に以下の症状があれば、ピルの服用を中止し、すぐに医療機関を受診しましょう。

 

  • 激しい腹痛
  • 胸の痛み、呼吸困難
  • 激しい頭痛
  • 視野・言語・意識の障害
  • ふくらはぎの赤みや痛み、熱感

 

ピルを飲み始めてから4ヶ月間は特に血栓症のリスクが高いため、いつもと違う症状に注意が必要です。

 

突然あるいは激しい症状の場合には、救急外来を受診しましょう。

 

ピルを服用後に吐いてしまったときの対処法

 

体調不良やピルの副作用により、吐いてしまう場合もあるでしょう。

 

ピルを服用後に吐いてしまったときの対処法は、以下のとおりです。

 

服用後2時間以内に吐いてしまった できるだけ早く新しいピルを服用する
24時間以上嘔吐が続き、1~2日服用できなかった 症状が落ち着き次第できるだけ早く1錠服用し、服用時間に予定通り服用する
嘔吐が続き、服用できない ピルの服用を中止し、医療機関を受診する

 

服用後2時間以内に嘔吐した場合は、ピルが体内に吸収されていない可能性が高いため、再度服用する必要があります。

 

副作用で吐いてしまう場合は、医師にピルの変更を相談しましょう。

 

また、アフターピルを3時間以内に嘔吐した場合も、避妊効果を得るには再度服用が必要です。処方を受けた医療機関を受診し、処方してもらいましょう。

 

ピル服用時の注意点

 

ピルを服用する際に知っておきたい注意点は、以下のとおりです。

 

 

ピルを安全かつ効果的に服用するには、3つのポイントを押さえておきましょう。

 

定期検診を受ける

 

ピルを安全に服用するには、定期的に検査を受けましょう。

 

前述したとおり、健康状態によっては血栓症や脳卒中など病気のリスクが高くなるためです。

 

定期検診が勧められる検査項目は、以下のとおりです。

 

  • 血圧測定
  • 体重測定
  • 血液検査
  • 性感染症の検査(疑いがある場合)
  • 子宮頸がん検診
  • 乳がん検診

 

子宮頸がんは20代後半から、乳がんは30代からかかりやすい病気です。早期発見が大切なため、ピルの服用にかかわらず検診を受けるよう勧められています。

 

ピルの服用開始時や継続時には、医師に健康状態を正しく伝え、服用によるリスクが高くないか、医師に判断してもらうことが大切です。

 

気になる症状がある方や過去に病気をした方は、医師に隠さずにきちんと伝えましょう。

 

また、何らかの手術を受ける場合は、ピルの服用を中止する必要があります。

 

性感染症を防ぐ効果はない

 

ピルに避妊の効果はありますが、性感染症を防ぐ効果はありません。

 

性感染症とは、性的な行為によって感染する病気です。性器だけでなく、のどに感染している場合は口からも移ります。

 

感染するとかゆみや痛みだけでなく、不妊や後遺症を引き起こす恐れがあるのです。

 

感染してから症状が現れるまでに時間がかかる場合もあり、気付かぬうちにパートナーに移してしまうケースもあります。

 

性感染症を防ぐには、コンドームを正しく使用しましょう。

 

飲み忘れると効果が得られない可能性がある

 

低用量ピルは、毎日決まった時間に飲むことで女性ホルモンのバランスを整え、排卵を抑制できる薬です。毎日服用する時間がバラバラだったり、飲み忘れる日があると避妊効果が得られない場合があります。

 

服用を忘れないようアラームをセットしておく、手帳にチェックをつけるなど飲み忘れないよう工夫しましょう。

 

1日飲み忘れた場合はすぐに服用し、次の分は予定通り服用します。2日以上服用し忘れた場合は、コンドームを使用する必要があるでしょう。

 

ピルの副効用6つ

 

ピルには、避妊や生理日の移動のほか、以下の効果が期待できます。

 

  • 生理痛や頭痛などの月経困難症を改善する
  • 子宮内膜症を改善する
  • 経血量を減少させる
  • 卵巣がん・子宮体がん・大腸がんのリスクを低下させる
  • にきびを改善する
  • 卵巣嚢胞のリスクを下げる

 

ピルを服用すると、月経困難症や子宮内膜症を改善する効果が期待できます。

 

子宮内膜症とは、子宮内膜が子宮の内側以外の場所で発生し、痛みや不妊の原因になる病気です。

 

月経困難症と子宮内膜症の改善目的でピルを服用する場合は、保険が適用されます。

 

また、服用により経血量の減少や、にきびや肌荒れの改善がみられるという報告もあります。

 

ピルの効果には個人差がありますが、生理の悩みを改善できれば、ストレスが軽減できるでしょう。

 

生理痛がひどくて日常生活に支障をきたしている場合は、症状が軽くなって勉強や仕事に集中できるようになるかもしれません。

 

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ピルの副作用や注意点を知って正しく服用しよう

 

ピルは女性ホルモンの働きにより、避妊効果や生理痛の改善が期待できる薬です。

 

服用するとホルモンバランスの変化によって吐き気や頭痛、胸の張りなどの症状が起こる可能性があります。

 

ただし、3ヶ月程度服用すれば症状が落ち着くことがほとんどです。

 

重要な副作用に血栓症があり、服用中に普段と異なる症状が表れた場合はすぐに受診が必要です。

 

安全に服用するには、健康状態を正しく医師に伝えて、ピルの服用が問題ないか判断してもらう必要があります。

 

オンライン診療でも、医師との診察を通して副作用のリスクを判断してもらい、安全にピルを服用できます。

 

生理の悩みを改善したい方は、婦人科やオンライン診療でピルの相談をしてみてください。

 

ピルの副作用に関するよくある質問

 

ピルの副作用に関するよくある質問をまとめました。

 

ピルの副作用で太る?

 

「ピルの服用で太る」という医学的根拠はありません。

 

海外で行われた研究でも、ピルと体重増加の因果関係は証明されなかったと報告されています。

 

ただし、ピルに含まれるプロゲステロンには水分を溜め込む作用があります。手足がむくみ、一時的に太ったと感じる場合もあるでしょう。

 

女性ホルモンには食欲を促す作用もあるため、食事量が増えて体重が増える場合があります。

 

女性ホルモンによる食欲増加やむくみの副作用は一時的であり、3ヶ月ほどピルを服用すると落ち着くケースが多いとされています。

 

ピルの副作用で胸が大きくなる?

 

ピルの服用で胸が張り、大きくなったように感じる方もいるでしょう。

 

服用し始めてから胸が大きくなったと感じた方は0.2~1.4%、胸の張りを感じた人は0.1~20.0%という報告もあります。

 

胸の張りや痛みを含め、ピルによる副作用は3ヶ月程度服用すれば落ち着くケースが多いです。

 

大きくなったと感じても、服用をやめると元に戻る可能性が高いでしょう。

 

ピルはあくまで避妊や、月経困難症の改善などを目的としたものであり胸を大きくする目的では服用できません。

 

ピルの副作用で不妊になる?

 

ピルは、服用した期間や種類に関わらず、不妊の原因にはならないと考えられています。

 

海外で行われた研究によると、ピルを服用していた方のうち、避妊を中止し妊娠した人の割合は8割程度でした。

 

将来的には妊娠を考えている方も、気にせず服用できます。

 

ピルの副作用が起こりやすい人はいる?

 

ホルモンバランスの変化によって起こる吐き気や頭痛、胸の張りなどの副作用は、個人差があり、起こりやすい人の傾向は特にありません。

 

ただし、血栓症や脳卒中、心筋梗塞といった合併症は、以下にあてはまるとリスクが高くなります。

 

  • 喫煙している
  • 高血圧である
  • 血液検査でコレステロール値が高い
  • 過去に血栓症にかかったことがある
  • 前兆のある片頭痛がときどき起こる

 

診察や検査によって副作用のリスクが高いと判断された場合は、ピルの服用が難しい場合があります。

 

副作用がでたらピルの服用をやめたほうがいい?

 

頭痛や不正出血などは、3ヶ月程度服用すれば落ち着く場合が多いです。

 

そのため、ピルの副作用が出てもやめずに飲み続けるよう推奨されています。

 

3ヶ月以上服用を続けても改善しない場合や、副作用が重く続けられない場合は、ピルの種類を変えてもらえないか医師に相談するとよいでしょう。

 

ただし、血栓症が疑われる場合は、ピルの服用を中止し、ただちに受診が必要です。

 

 

【参考文献】

 

・日本産婦人科学会「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」

 

http://www.jsognh.jp/common/files/society/guide_line.pdf

 

・日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2023」

 

https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_fujinka_2023.pdf

 

・厚生労働省「性感染症」

 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/index.html

 

・Tadele Girum,Abebaw Wasie.Return of fertility after discontinuation of contraception: a systematic review and meta-analysis.Contracept Reprod Medicine.2018

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30062044

 

・国立がん研究センター「子宮頸がん検診について」https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/cervix_uteri.html

 

・大阪市「乳がん検診を受けましょう」

 

https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000018725.html#1-3

 

・「スマート・ライフ・プロジェクト 事務局(厚生労働省 健康局 健康課)」

 

https://www.smartlife.mhlw.go.jp/event/womens_health/2021/lecture1

 

・アンジュ21錠、アンジュ28錠

 

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057518.pdf

 

・マーベロン21 マーベロン28

 

https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00052379.pdf

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