ハイドロキノンの経過は?赤くなる・濃くなるときの原因と対処、がんなど副作用の不安、やめると戻るのかを解説
ハイドロキノンを使い始めると、いつごろから変化があらわれるのか、今の肌の状態は順調な経過なのかが気になるものです。塗った部分が赤くなる、シミがかえって濃くなったように見えるといった変化に、不安を感じる方も少なくありません。
ハイドロキノンは、シミのもとになるメラニンが作られるのを抑える成分で、変化があらわれるまでには時間がかかります。経過のなかで起こりやすい変化と、その原因を知っておくと、続けてよいのか、やめて相談したほうがよいのかを判断しやすくなります。
この記事では、ハイドロキノンを使用した際の経過の目安、赤みが出たりシミが濃くなったりする原因と対処法、発がん性に関する不安や副作用、使用をやめるとシミが戻るのかについて解説します。
※本記事に関するご注意
本記事は、執筆時点で確認できた公開情報をもとにした一般的な情報提供を目的としており、特定の効果を保証するものではありません。
ハイドロキノンの経過や、効果、副作用のあらわれ方には個人差があります。
ハイドロキノンは、シミの治療薬として国内で承認されておらず、医療機関での処方は保険適用外の自由診療となります。医師の判断により処方されない場合もあります。使用方法については、必ず医師の診察と指示にしたがってください。
本記事では、海外で承認されているハイドロキノン配合薬の添付文書の内容を紹介していますが、この薬は国内では承認されていません。
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ハイドロキノンの経過の目安
ハイドロキノンを使い始めてから、肌がどのような経過をたどるのかを整理します。経過には個人差があるため、あくまで目安として参考にしてください。
ハイドロキノンで変化があらわれる仕組み
ハイドロキノンは、メラニンを作る酵素のはたらきを抑えることで、新しいメラニンが作られるのを抑えるとされる成分です。すでに肌にあるメラニンを、その場で分解するわけではありません。
肌は、一定の周期で新しい細胞に入れ替わっています。ハイドロキノンで新しいメラニンが作られにくくなった状態を保ちながら、肌の生まれ変わりによって古いメラニンが外へ押し出されていくことで、シミは少しずつ薄くなっていきます。
このため、ハイドロキノンの経過は、塗った翌日に変化が見えるようなものではなく、週から月の単位でゆっくり進みます。
使い始めからの経過
ハイドロキノンを使い始めてからの経過の目安を、時期ごとにまとめました。
時期 |
肌の変化の目安 |
確認したいこと |
使い始めから1〜2週間 |
シミの見た目の変化はほとんどない |
赤み、ヒリヒリ感、かゆみが出ていないか |
数週間 |
色みが少しやわらいだと感じる人が出てくる |
紫外線対策ができているか、塗り忘れがないか |
数か月 |
変化を感じる人が増える |
変化がない場合は、続けるかどうかを医師と相談する |
使用をやめたあと |
紫外線や刺激で再び濃くなることがある |
紫外線対策と、こすらないスキンケアを続ける |
使い始めの数日から1〜2週間では、シミの見た目に変化を感じないことも少なくありません。この時期は、シミの変化だけでなく、赤みやヒリヒリ感などの皮膚への刺激が出ていないかにも注意しましょう。
数週間たつと、シミの色が少し薄くなったと感じる方もいます。ハイドロキノン4%を含む配合薬を使用した肝斑の治療では、早い場合、4週間ほどで改善がみられることがあります。
ただし、この薬はトレチノインとステロイドも含む配合薬で、ハイドロキノンだけを使った場合の経過とは異なります。
変化をはっきり感じるまでには、数か月単位の時間がかかることが多いとされています。数か月使っても変化がない場合は、シミの種類が合っていない可能性もあるため、続けるかどうかを医師と相談しましょう。
ハイドロキノンのみで使う場合の経過
シミの治療では、ハイドロキノンとトレチノインを併用する方法が知られていますが、ハイドロキノンのみを使う方法もよく行われています。
ハイドロキノンのみで使う場合の経過は、併用する場合と比べて、ゆるやかに進むのが一般的です。トレチノインには肌の生まれ変わりを促すはたらきがあり、古いメラニンの排出が早まるのに対して、ハイドロキノンのみの場合は、自然な肌の生まれ変わりを待つことになるためです。
その一方で、ハイドロキノンのみの場合は、トレチノインで起こりやすい強い赤みや皮むけが出にくく、肌への負担は軽くなります。肝斑や、刺激で悪化しやすい色素沈着では、ハイドロキノンのみが選ばれることも少なくありません。変化がゆっくりでも、あせらずに経過を見ることが大切です。
シミの種類による経過の違い
ハイドロキノンの経過は、シミの種類によっても変わります。
ニキビ跡や傷、やけどのあとに残る茶色い色素沈着は、もともと時間とともに薄くなっていくことが多いシミです。ハイドロキノンは、その経過を助ける目的で使われます。色素沈着ができてからの期間が短いほど、変化を感じやすいとされています。
紫外線でできた輪郭のはっきりしたシミは、薄くなるまでに時間がかかり、濃いものでは変化を感じにくいこともあります。そばかすは、薄くなっても、紫外線を浴びると再び濃くなりやすいシミです。
肝斑は、ハイドロキノンによって薄くなることが期待できます。しかし、皮膚への刺激や紫外線の影響で再び濃くなることもあり、改善と悪化をくり返しやすい特徴があります。
ハイドロキノンで赤くなる原因と対処法
赤くなる原因
ハイドロキノンを塗った部分が赤くなる原因は、大きく2つあります。
1つめは、ハイドロキノンそのものの刺激による反応です。濃度が高いとき、肌が乾燥しているとき、洗顔の直後に塗ったときなどに起こりやすくなります。ヒリヒリ感や軽い赤みとしてあらわれます。
2つめは、ハイドロキノンに対するアレルギーによるかぶれです。赤みに加えて、かゆみ、腫れ、ぶつぶつがあらわれ、使い続けると悪化します。
また、ハイドロキノンは酸化しやすい成分で、変質して茶色っぽくなったものを使うと、刺激が強くなり、赤くなることがあるとされています。トレチノインやレチノールなど、刺激の出やすい成分と一緒に使っている場合も、赤みが出やすくなります。
赤くなる時期は、使い始めて数日から数週間のうちが多いとされていますが、しばらく問題なく使えていた方が、途中から赤くなることもあります。アレルギーによるかぶれは、くり返し使ううちに起こることがあるためです。
赤みが出たときの対処
ハイドロキノンで赤くなったときは、まず使用を中止して、肌の状態を見ましょう。赤みがあるまま塗り続けると、炎症が強くなり、そのあとに色素沈着が残ることがあります。
中止して数日で赤みが引いた場合も、自己判断で同じように再開せず、処方を受けた医療機関に相談してください。塗る回数を減らす、濃度を下げる、保湿をしてから塗るといった調整が行われることがあります。
赤みが出ている間は、洗顔やスキンケアでこすらないようにし、保湿と紫外線対策をていねいに行いましょう。
ハイドロキノンを使用すると、塗った部分に赤みやかゆみ、ヒリヒリ感、乾燥などが生じることがあります。これらは皮膚への刺激によって起こる反応で、症状が強い場合や長引く場合は、使用を中止して医師に相談しましょう。
受診したほうがよい赤み
ハイドロキノンの使用を中止しても赤みが引かない場合や、強いかゆみ、腫れ、水ぶくれ、ただれなどが生じた場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。また、塗った範囲を超えて赤みが広がる場合も注意が必要です。
顔や唇、舌が急に腫れたり、息苦しさが現れたりした場合は、重いアレルギー反応の可能性があるため、直ちに救急受診してください。
ハイドロキノンでシミが濃くなる原因と対処法
濃くなったように見える原因
1つめは、かぶれや刺激による炎症のあとの色素沈着です。ハイドロキノンで赤くなったり、かゆくなったりしたあとに、その部分が茶色くなることがあります。赤みをがまんして使い続けた場合に起こりやすい変化です。
2つめは、紫外線の影響です。紫外線を浴びると、新しいメラニンが作られます。
ハイドロキノンを使用していても、紫外線を浴びるとメラニンの生成が促され、シミが濃くなることがあります。そのため、治療中は日焼け止めなどによる紫外線対策が大切です。
3つめは、ハイドロキノンの変質です。酸化して変色したハイドロキノンは、刺激が強くなり、肌トラブルの原因になるとされています。
4つめは、見え方の変化です。シミのまわりの肌の色が明るくなることで、シミとの差が目立ち、濃くなったように感じることがあります。
また、表面のくすみがとれて、もともとあったシミの輪郭がはっきり見えるようになることもあります。
まれではありますが、ハイドロキノンを長期間使った場合に、肌が青黒く変色する副作用が起こることも報告されています。
濃くなったときの対処
ハイドロキノンを使用していてシミが濃くなった場合は、赤みやかゆみなどの症状がなかったか確認しましょう。皮膚への刺激によって炎症後色素沈着が起きている可能性もあります。使用を中止し、皮膚科で原因を確認してもらいましょう。
赤みやかゆみなどの刺激症状がない場合は、紫外線対策が十分にできているか、ハイドロキノンの色やにおいが変わっていないか、使用期限を過ぎていないかを確認しましょう。
シミが濃くなった状態が続く場合は、自己判断でハイドロキノンの濃度を上げたり、塗る量や回数を増やしたりせず、皮膚科に相談してください。
肝斑が濃くなる場合
肝斑は、刺激に弱いシミです。ハイドロキノンによる軽い刺激や、塗るときの摩擦がきっかけで、濃くなることがあります。
日本皮膚科学会などが作成した美容医療の診療指針では、肝斑の治療では遮光がもっとも重要とされています。肝斑がある方は、ハイドロキノンをこすらずにやさしく塗ること、毎日の紫外線対策を欠かさないことが、経過をよくするうえで大切です。
頬に左右対称に広がるシミが濃くなってきた場合は、肝斑の可能性も考えて、皮膚科で診断を受けましょう。
ハイドロキノンの副作用とがんの関係
ハイドロキノンの主な副作用
ハイドロキノンで起こりやすい副作用は、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、乾燥、かぶれといった、塗った部分の刺激症状です。
米国の食品医薬品局は、医師の処方なしに販売されているハイドロキノン配合製品について、発疹、顔の腫れ、肌の変色といった重い副作用の報告を受けているとして、注意を呼びかけています。
がんとの関係についてわかっていること
国際がん研究機関(IARC)は、ハイドロキノンをヒトに対する発がん性について分類できない「グループ3」に分類しています。これは、発がん性があると確認されたわけでも、安全性が証明されたわけでもないことを意味します。
動物実験では発がん性を示唆する結果が報告されていますが、ハイドロキノンを皮膚に塗ることでヒトにがんが発生するという十分な科学的証拠はありません。
ただし、長期間の使用による安全性が十分に確立されているわけではないため、自己判断で高濃度の製品を使用したり、広い範囲に長期間塗り続けたりすることは避け、医師の指示に従って使用しましょう。
長期使用で注意したい副作用
ハイドロキノンを長期間使用すると、まれに皮膚が青黒く変色する「外因性組織褐変症(外因性オクロノーシス)」が起こることがあります。一度生じると改善が難しく、色が元に戻らない場合もあります。皮膚の色に異常を感じた場合は、使用を中止して皮膚科を受診しましょう。
また、ハイドロキノンを高い濃度で長く使い続けたり、シミのない部分にまで広く塗ったりすると、肌の色がまわりより白く抜けたようになることがあります。
こうした副作用を防ぐためには、決められた期間をこえて漫然と使い続けないこと、シミの部分にだけ塗ること、肌の色に変化を感じたら早めに受診することが大切です。
ハイドロキノンをやめるとシミは元に戻る?
やめたあとの経過
ハイドロキノンは、使っている間、メラニンが作られるのを抑える成分です。メラニンを作る細胞そのものをなくすわけではないため、やめたあとは、メラニンを作るはたらきが少しずつ元に戻ります。
そのため、やめた直後にシミが急に元どおりになるわけではありませんが、紫外線を浴びたり、肌に刺激が加わったりすると、再びメラニンが作られ、シミが濃くなることがあります。
シミが戻りやすい場合
やめたあとに戻りやすいのは、原因が続いているシミです。
肝斑は再発しやすいシミの代表例です。ハイドロキノンによって薄くなっても、使用をやめると再び濃くなることがあります。
また、この薬は肝斑の短期間の治療に使うもので、よい状態を保つための維持療法には使わないこととされています。
そばかすも、紫外線を浴びると再び濃くなりやすいシミです。紫外線を多く浴びる生活が続いている場合は、紫外線でできたシミも戻りやすくなります。
ニキビ跡や傷跡にできた色素沈着は、原因となった炎症が治まっていれば、薄くなったあとに再び濃くなることは比較的少ないと考えられます。
このように、ハイドロキノンをやめると戻るかどうかは、ハイドロキノンの使い方よりも、シミの種類と、やめたあとの過ごし方に左右されます。戻ることを前提に、やめたあとのケアまで含めて計画を立てておくと安心です。
やめ方と休む期間の考え方
ハイドロキノンをいつやめるか、やめたあとにどうするかは、医師の指示にしたがいましょう。戻るのが心配だからといって、自己判断で長く使い続けることは、副作用の面からすすめられません。
皮膚科では、一定の期間使ったあとに、使わない期間を設けるよう指示されることがあります。休んでいる間は、ハイドロキノン以外の成分を使ったスキンケアや、飲み薬に切り替えることもあります。
やめたあとの経過をよく保つために、もっとも大切なのは紫外線対策です。日焼け止めを毎日使い、帽子や日傘を活用し、肌をこすらないスキンケアを続けましょう。
イドロキノンを使用するときの注意点
紫外線対策を毎日行う
ハイドロキノンを使っている間は、季節や天気にかかわらず、毎日の紫外線対策が欠かせません。日焼け止めは朝に塗るだけでなく、外出時にはこまめに塗り直しましょう。
海外で承認されているハイドロキノン配合薬の添付文書では、日中はSPF30の日焼け止めを使い、衣服などで肌を守り、日光を避けることとされています。室内でも、窓から入る紫外線には注意が必要です。ハイドロキノンを夜だけ使っている場合も、日中の紫外線対策は欠かせません。
塗る範囲と量を守る
ハイドロキノンは、シミの部分にだけ、少量を塗るのが基本です。早く薄くしたいからといって、厚く塗ったり、回数を増やしたりしても、経過が早まるわけではなく、赤みやかぶれが起こりやすくなります。
保管方法も経過に関わります。光や熱を避け、指示された方法で保管し、色が変わったものは使わないでください。
経過を記録して受診時に伝える
ハイドロキノンの変化はゆっくり進むため、毎日見ていると気づきにくいものです。使い始めた日、塗った回数、赤みなどの症状が出た日をメモしておくと、受診の際に経過を正確に伝えられます。
同じ場所、同じ明るさで肌の状態を見くらべると、変化に気づきやすくなります。
ハイドロキノンの使用中に赤みが出たり、シミが濃くなったりした場合は、次の受診を待たずに医師に相談しましょう。
ハイドロキノンの経過に関するよくある質問
トレチノインと併用した場合の経過はどう違いますか?
トレチノインを併用すると、使い始めに赤みや皮むけが強く出る時期があり、そのあと肌が落ち着いていく経過をたどります。ハイドロキノンのみの場合は、こうした強い反応は出にくく、変化はゆるやかです。
レチノールと一緒に使うと経過は早まりますか?
レチノールとハイドロキノンは、どちらも刺激が出ることのある成分です。一緒に使うと赤みやかぶれが起こりやすくなり、かえって経過が悪くなることがあります。併用したい場合は、医師に相談しましょう。
ハイドロキノンは何か月続けてよいですか?
続けてよい期間は、濃度やシミの状態によって変わるため、処方を受けた医師の指示にしたがってください。自己判断で長期間使い続けることは避けましょう。
数か月使っても経過に変化がないときは?
シミの種類がハイドロキノンに合っていない可能性があります。盛り上がりのあるシミや、皮膚の深い層にメラニンがあるタイプでは、変化を感じにくくなります。皮膚科で、ほかの治療も含めて相談しましょう。
ハイドロキノンの経過のまとめ
ハイドロキノンの経過で確認したいこと
ハイドロキノンの経過は、週から月の単位でゆっくり進み、変化を感じるまでに数か月かかることも少なくありません。経過中に赤くなるときは、刺激やかぶれの可能性があるため、使用を中止して相談しましょう。濃くなるときは、炎症のあとの色素沈着や紫外線の影響などが考えられます。
ハイドロキノンのヒトに対する発がん性は、現時点では明らかになっていません。ただし、長期間の使用では、まれに皮膚が青黒く変色する副作用が起こることがあります。また、使用をやめたあとにシミが再び濃くなるかどうかは、シミの種類や紫外線対策などによって異なります。使用中に気になる症状が現れた場合は、使用を中止して皮膚科に相談しましょう。
参照リンク
-
DailyMed:TRI-LUMA (fluocinolone acetonide, hydroquinone, and tretinoin) cream
-
IARC Monographs Volume 71:Hydroquinone
-
U.S. Food and Drug Administration:FDA works to protect consumers from potentially harmful OTC skin lightening products
-
公益社団法人日本皮膚科学会ほか:美容医療診療指針