クラミジアを放置する危険性について合併症や再感染リスクをふまえて解説

クラミジアは誰にでも感染する可能性のある性感染症の一つで、治療を受けないと深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。しかし、多くの場合、無症状またはごく軽い症状なため、感染に気づかずに放置してしまうことがあります。

この記事では、クラミジアを放置することの危険性、症状、そして適切な治療の重要性について詳しく解説します。あなたや大切な方の健康を守るため、正しい知識を身につけ、必要な場合は躊躇せず医療機関を受診しましょう。

クラミジアを放置するとどうなる

クラミジアを放置すると、菌が体内に残り続けて感染が進行します。また、パートナーへの感染拡大や再感染のリスクもあるので、軽い症状だからと言って無視できません。

ここでは、クラミジアを放置すると起こり得るリスクについて3つ解説します。

感染拡大のリスク

クラミジアを放置すると、感染が体内で広がる可能性があるので注意が必要です。

男性の場合、尿道から始まった感染が進行し、精巣上体炎などの合併症を引き起こす可能性があります。

女性の場合はさらに深刻で、子宮や卵管へと感染が広がり、骨盤内炎症性疾患(PID)などの重篤な合併症のリスクが高まります。

不妊のリスク

クラミジア感染を放置することは、将来の妊娠に深刻な影響を与える可能性があります。

不妊は人生に長く影響し、将来設計にも影を落とす深刻な課題です。

男性の場合、副睾丸への感染により精子の通り道が塞がれ、男性不妊症の原因となります。

女性の場合は、卵管炎を引き起こし、卵管が癒着や閉塞を起こすことで不妊症のリスクが高まります

クラミジアによる不妊は、早期に抗菌薬で菌を除去すれば防げる問題です。

合併症のリスク

クラミジアを放置すると、さまざまな合併症のリスクが高まります。

女性の場合の合併症は、以下のとおりです。

起こる可能性がある合併症 説明
骨盤内炎症性疾患(PID) 卵巣の炎症による下腹部痛
子宮外妊娠 胎児が子宮外で着床
子宮頸管炎 子宮頸部の炎症による不正出血や性交痛
卵管周囲癒着 不妊や慢性的な痛みの原因

男性に起こり得る合併症は、以下のとおりです。

起こる可能性がある合併症 説明
尿道炎 排尿時の痛みや不快感、分泌物
前立腺炎 排尿障害、骨盤の痛み
精巣上体炎 睾丸の痛みや腫れ、発熱

早期発見と治療をすれば、合併症を過度に心配する必要はありません。

クラミジアを放置してしまう理由

クラミジアは治療が必要にもかかわらず、放置されてしまうケースが多くあります。その主な理由として、症状が現れにくいことや、感染の認識が不十分であることが挙げられます。また、恥ずかしさや不安から医療機関の受診をためらう方も少なくありません。

しかし、クラミジアを放置することは、自身の健康と周囲の方々の健康を危険にさらしていることを忘れないでください。

クラミジアは無症状でも感染力がある

クラミジアは、症状がなくても感染力を持つ性感染症です。

感染していても自覚症状がないため、気づかないうちにほかの方にうつしてしまう可能性があります。1回の性行為におけるクラミジアの感染率は30〜50%と言われており、比較的高い感染力を持ちます。

つまり、症状がないからといって安心はできず、むしろ無症状であることが感染拡大のリスクを高めている要因です。

完治していないのに服薬を止めてしまう

クラミジアの治療では、処方された抗生物質を決められた期間きちんと服用することが必要です。

しかし、自覚症状が乏しいため、症状が改善したと感じた時点で自己判断で服薬をやめてしまうことがあります。これは危険です。

たとえ症状が消えても、体内に菌が残っていると再燃のリスクがあり、また感染力も残るため、ほかの方への感染リスクや合併症のリスクが続きます

医師の指示通りに最後まで服薬を続けましょう。

クラミジアは無症状なことも多く、感染に気づきにくい

クラミジア感染の特徴として、無症状で感染に気づきにくいことが挙げられます。

女性の約80%、男性の50~60%が無症状といわれています。

そのため、感染しているにもかかわらず、ご自身が気づかないままでいることが多いです。

無症状であることが、感染の早期発見を難しくし、結果として治療のタイミングを逃してしまう原因となっています。定期的な性病検査の重要性がここにあります。

クラミジアの症状

クラミジアの症状は性別によって異なり、また感染部位によってもさまざまです。ここでは、性別ごとの一般的な症状と、性器以外の感染部位における症状について詳しく見ていきましょう。

女性の症状

女性のクラミジア感染では、以下のような症状が現れます。

  • おりものの増加
  • 不正出血
  • 下腹部痛
  • 性交痛

上記の症状はほかの婦人科疾患でもよくある症状で、単なる体調不良の際にも感じることがあります。そのため症状だけでクラミジアと気づくことは難しいです。

自己判断せずに医療機関での診断を受けましょう。

男性の症状

男性のクラミジア感染では、以下のような症状が現れることがあります。

  • 排尿時の痛みや不快感
  • 尿道のかゆみや不快感
  • 尿道からの分泌物

尿道からの分泌物は、透明または白っぽい膿で、朝起きたときに気づくケースが多いです。

症状は軽度であることも多く、気づかないまま放置してしまうことも。症状がないか、ご自身やご家族の身体を注視してみましょう。

性器以外の症状

クラミジアは性器だけでなく、ほかの部位にも感染します。主な感染部位と症状を解説します。

咽頭クラミジア

咽頭クラミジアは、オーラルセックスなどによって喉に感染するケースです。

男女ともに無症状であることが多いですが、症状が出る場合はかぜに似た症状が現れます。

喉の腫れや痛み、違和感などが主な症状です。咳や発熱をともなうこともありますが、一般的なかぜと区別がつきにくいので要注意です。性行為の経験がある場合は感染機会があったことを医師に相談しましょう。

結膜クラミジア感染症

結膜クラミジア感染症は、目に感染したクラミジアです。

主な症状は、以下のとおりです。

  • まぶたの腫れ
  • 結膜の充血
  • めやにの増加
  • まぶたの裏側にブツブツ

上記の症状は一般的な結膜炎と似ているため、性感染症の可能性を考慮して診断を受けることが大切です。

肛門クラミジア

肛門クラミジアは、肛門や直腸に感染するケースです。

主な症状は、以下のとおりです。

  • 肛門周辺のヒリヒリした痛み
  • 排便時の出血
  • 血液の混じったベタベタとした分泌物
  • 直腸粘膜のブツブツ

肛門クラミジアは、感染した分泌物が肛門に触れることで感染します。

医療機関での検査と治療が必要な理由

クラミジア感染症の管理には、医療機関での検査と治療が必要です。自己判断や市販薬での対処は危険であり、むしろ症状を悪化させたり、感染を広げたりする可能性があります。

ここでは、なぜ医療機関での対応が必要なのかを詳しく説明します。

完治したかどうかの検査が必要

クラミジアは無症状のケースが多いため、症状が消えたからといって完治したとは言えません。

無症状でも体内に菌が残っている可能性があり、残存菌があると、再発や他者への感染リスクが続くためです。

服薬後の再検査で菌が検出されなければ、治療終了と判断できます。

自己判断ではなく、医師の指示に従って再検査を受けることが大切です。

抗体ができないので何度でも感染する

クラミジアの特徴として、感染しても体内に持続的な抗体ができないことが挙げられます。

つまり一度完治しても、再び感染する可能性があります。また、過去の感染歴は将来の感染に対する防御にはなりません。

そのため、一度治療を受けたからといって安心せず、継続的な予防策と定期的な検査が必要です。

クラミジアは自然治癒しない

クラミジアは自然に治る病気ではありません。放置すると感染が進行し、より深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。

合併症の管理も含めて、医療機関での治療が必要です。

早期に適切な治療を受けることで、合併症や感染拡大のリスクを大幅に減らせます。

症状の有無にかかわらず、感染の可能性がある場合は放置せず医療機関を受診しましょう。

クラミジアは日本承認の市販薬がない

日本国内では、クラミジア治療用の承認された市販薬は存在しません。個人輸入の治療薬を検討する方もいますが、安全性の面では不適切です。

医療機関で処方される厚生労働省認可の抗生物質を使用することで、安全性と効果が両立した適切な治療が可能です。

自己判断での治療は避け、必ず医療専門家の指導のもとで治療を受けましょう。

クラミジアの治療について

クラミジア感染症の治療について、重要なポイントをまとめました。

診察を受ける医療機関は、以下のとおりです。

性別 診察を受ける医療機関
男性 泌尿器科またはオンラインクリニック
女性 婦人科またはオンラインクリニック

喉や目、肛門に感染疑いがある場合は、性感染症専門クリニックがおすすめです。

匿名で治療したい場合は、性感染症専門のクリニックで対応してくれるケースがあります。

主な治療法は、抗生物質の投与です。

通常1日〜1週間程度の服薬期間で、重症の場合は点滴治療が3〜5日ほど必要なこともあります。

医師の指示に従い、再検査で陰性が確認されるまで油断せずに治療を続けることが、クラミジアの完治につながります。

パートナーとの同時治療で再感染を防ぐことも大切です。

クラミジアかな?と思ったらDMMオンラインクリニックがおすすめ

クラミジアは早期発見・早期治療で完治が見込める性感染症です。

しかし、症状がなくても感染している可能性があり、放置すると深刻な合併症のリスクが高まります。

「クラミジアかも」と少しでも思ったら、自宅にいながら診察から治療まで完了するDMMオンラインクリニックがおすすめです。

スマホやパソコンから24時間いつでも受診可能で、医師が状態を丁寧に診断し、診察料0円で適した処方薬を提案してくれます。

比較的軽い性感染症だからといって放置せず、あなたとあなたの大切な方の健康のために、定期的な検査を受けましょう。

【参考文献】

クラミジア放置による男性のリスク|GOETHEメンズクリニック

クラミジア放置による女性のリスク|GOETHEメンズクリニック

https://goethe.clinic/std/issue/chlamydia_leave_chlamydia

クラミジアの感染を放置することで起きる症状|ノワール大宮クリニック

https://noir-omiya-aga.com/vd/column/chlamydia_infertility/

クラミジアは、性感染症(STI)や眼の感染症、気道感染症などの病気をヒトに引き起こす細菌です|MSDマニュアル

https://x.gd/cxrlk

サイト:フィットクリニック

タイトル:クラミジアを放置するとどうなる?

https://fit.clinic/topic/056

実は…症状が出ない人のほうが多い|プライベートケアクリニック東京

https://pcct.jp/std/info-genital-chlamydial-infection/

クラミジアについて|浅草西口クリニックMO

https://asakusabashi-mo.jp/urology/chlamydia

クラミジアの症状|プライベートケアクリニック東京

https://pcct.jp/std/info-genital-chlamydial-infection/

クラミジア性尿道炎|ノワール大宮クリニック

クラミジア性結膜炎|ノワール大宮クリニック

咽頭クラミジア|ノワール大宮クリニック

肛門クラミジア|ノワール大宮クリニック

https://noir-omiya-aga.com/vd/column/chlamydia_infertility/

確認検査(治ったかどうかの検査)について|あおぞらクリニック

https://www.aozoracl.com/chlamydia

クラミジアは自然に治りますか?|モイストクリニック

https://clinic-3t.com/sti/genital-chlamydial-infection

一般的な治療方法|ネオクリニック

https://neoclinic-w.com/column/std/726

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