【医師監修】ニキビ跡に有効な皮膚科の処方薬|ニキビ跡の種類別のお薬とニキビ跡のセルフケアも解説
せっかくニキビが治っても、ニキビ跡が残っていると鏡を見るたびにガッカリしてしまいます。なかなか治らないニキビ跡も、皮膚科のお薬で改善することが可能です。
この記事では、皮膚科のお薬で改善が期待できるニキビ跡について解説します。ニキビ跡を徐々に目立たなくするためにセルフケアも紹介するので、ニキビ跡でお悩みの方は必見です。
この記事の監修者
国家公務員暇組合連合会虎の門病院救急科部長
東京大学医学部救急医学 非常勤講師
軍神 正隆(ぐんしん まさたか)
1995年長崎大学卒業。亀田総合病院臨床後研修、東京大学医学部救急医学入局。米国ピッツバーグ大学UPMCメディカルセンター内科、カリフォルニア大学UCLAメディカルセンター救急科、米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学MPH大学院を経て、東京大学医学部救急医学講師。日本救急医学会認定救急科専門医・指導医。2019年国家より公務員連合連合会虎の門病院救急科部長(現職)。
ニキビ跡の種類と治療法
ニキビ跡には主に3種類あり、それぞれ適した治療法が異なります。
赤みのあるニキビ跡(炎症後紅斑)
原因 |
皮膚の毛細血管が拡張し、集中・うっ血状態となったもの |
肌の状態 |
皮膚の表皮・真皮にダメージが残り、血管や炎症細胞の影響で赤く見える |
主な治療法 |
内服・外用薬、ピーリングや光治療 |
ニキビの炎症が収まった後に残る赤みのことを炎症後紅斑と呼びます。毛細血管が拡張した状態が続いているために起こるニキビ跡で、比較的軽度のニキビ跡です。
通常は数か月から1年程度で自然に薄くなることが多いですが、改善には個人差があります。赤みが強い場合や長い期間にわたって肌に残る場合は、皮膚科の治療や処方薬での対処で改善を早められるでしょう。
紫外線や摩擦などの刺激により悪化することがあるため、日常的なケアも欠かせません。
茶色いニキビ跡(炎症後色素沈着)
原因 |
ニキビの炎症でメラノサイトが活性化しメラニン色素が生成・沈着する |
肌の状態 |
炎症部位に茶色いシミとして残る |
主な治療法 |
内服・外用薬、レーザー |
茶色いニキビ跡はニキビの炎症によってメラニン色素が活性化し、肌に茶色いシミのような跡が残った状態です。
日本人などのアジア系の肌質に多くみられる症状で、紫外線の影響を受けやすいという特徴があります。
適切なケアを行わないと数年にわたって残ることもありますが、美白成分を含む処方薬やホワイトニング重視のスキンケアにより改善が期待できます。
ただし、完全に消すには時間がかかることもあるため、根気強い治療が必要です。
凹みのあるニキビ跡(クレーター)
原因 |
繰り返される炎症で毛穴や皮膚の真皮層の組織が破壊 |
肌の状態 |
皮膚が窪んでクレーター状となる |
主な治療法 |
CO2フラクショナルレーザー、ダーマペンなど |
肌が凹凸になったクレーターは、重度の炎症性ニキビによって真皮層が破壊され、肌表面に凹みができた状態です。
アイスピック型、ボックスカー型、ローリング型の3種類に分類され、それぞれ形状や深さが異なります。クレーターのニキビ跡は自然治癒が難しく、外用薬だけでの改善は限定的です。
根本的な改善には皮膚科でのマシン治療を必要とすることが多く、複数回の治療を要する場合がほとんどです。
皮膚科でもらえるニキビ薬でニキビ跡の改善が期待で着る場合もある
皮膚科で処方される外用薬は、市販品と比較して有効成分の濃度が高く、より確実なニキビ跡改善が期待できます。
赤みタイプや色素沈着タイプのニキビ跡は、皮膚科でもらえる処方薬で改善が見込めるでしょう。
治療期間は症状や肌質により異なりますが、一般的に3ヶ月から6ヶ月程度の継続治療が必要です。
赤いニキビ跡に有効な処方薬
赤みのあるニキビ跡には、下記のような抗炎症作用や血行促進作用のある成分が配合された処方薬が効果的です。
●外用薬●
- デュアック配合ゲル
- ダラシンTゲル・ローション
- エピデュオゲル
- ビタミンC誘導体配合薬
- ヘパリン類似物質外用薬
- アゼライン酸外用薬
●内服薬●
- トラネキサム酸(トランサミンなど)
- ビタミンC(シナールなど)
- L-システイン(ハイチオールなど)
- ビタミンE(ユベラなど)
- 抗生物質
上記のお薬は赤いニキビ跡の炎症を抑え、ターンオーバーを促して色素沈着や慢性的な赤みの改善に役立ちます。
赤いニキビ跡は、まだニキビの炎症が続いていることもあるため今あるニキビを治療するお薬と併用する可能性があり、効果的に使用するには医師の判断が必要です。
茶色いニキビ跡(色素沈着)に有効な処方薬
色素沈着タイプのニキビ跡には美白効果の高い処方薬が用いられます。
●外用薬●
- トレチノイン
- ハイドロキノン
●内服薬●
- ビタミンC(シナールなど)
- L-システイン(ハイチオールなど)
- トラネキサム酸(トランサミンなど)
- ビタミンE(ユベラなど)
- ビタミンB群
ハイドロキノンやトレチノインは効果が高い反面、刺激が強いため、医師の指導のもとで休薬期間を設けながら使用します。
凹みのあるニキビ跡(クレーター)には処方薬よりもマシン治療がおすすめ
クレータータイプのニキビ跡は真皮層の構造的な損傷による症状であるため、処方薬だけでの改善は難しいでしょう。
根本的な治療にはフラクショナルレーザー、ダーマペン、ケミカルピーリングなどの機器治療が必要です。
美容医療機器による治療は肌の再生を促し、コラーゲンの生成を活性化させることで凹みの改善を図ります。
トレチノインなどの処方薬で多少の改善が期待できる場合もあるため、まずは皮膚科で相談しましょう。
ニキビ跡のセルフケア
ニキビ跡のケアには処方薬による治療とあわせて、基本的なスキンケアから生活習慣の改善といったセルフケアも欠かせません。
紫外線対策
赤や茶色のニキビ跡の改善には、紫外線対策が必要です。
紫外線ダメージは、メラニンを活性化させて色素沈着を増やす原因です。
特に茶色い色素沈着タイプのニキビ跡は紫外線によってメラニン生成が促進され、より濃くなってしまう可能性があります。
シーンに合った日焼け止めを年中無休で使用し、紫外線をブロックします。曇りの日や屋内でも紫外線は降り注いでいるため、天候に関わらず対策を怠らないことが大切です。
帽子や日傘なども併用して、紫外線をできるだけ浴びないようにしましょう。
保湿
適切な保湿も、ニキビ跡の改善に欠かせません。
肌の乾燥は角質が厚くなり、色素沈着の排出が滞ったり、炎症が長引いたりする原因です。
朝晩のスキンケアで、十分な保湿を行います。クリームの油分が気になる場合は、ジェルタイプやミルクタイプの保湿アイテムがおすすめです。
ニキビができやすいからといって保湿を怠ると、余計に皮脂の分泌が活発になり新たなニキビができやすくなります。
処方薬を使用している場合は肌が敏感になりやすいため、低刺激の保湿剤で十分に肌表面を潤わせましょう。
正しい洗顔
洗顔はスキンケアの基本であるため、正しい洗顔で肌に優しく汚れをきれいに取り去ることが大切です。
過度な洗顔や刺激の強い洗顔は、ニキビ跡を悪化させたり新しいニキビができやすくなったりする可能性があります。
1日2回、朝と夜に優しく洗顔することが基本です。洗顔料はしっかりと泡立て、泡で包み込むようにこすらず優しく洗います。
熱すぎるお湯は肌の必要な油分まで奪ってしまうため、水温は38℃のぬるま湯がちょうどいいでしょう。洗顔後はタオルで強くこすらず、軽く押さえるようにして水分を取り除きます。
摩擦や刺激を避ける
ニキビ跡が気になるからといって、肌をこすったり触りすぎたりすることは避けましょう。
下記のような肌への物理的な刺激は炎症を悪化させ、ニキビ跡の治りを遅らせる原因です。
- 洗顔時のこすりすぎ
- タオルでの強い摩擦
- 頬づえや触る癖
- スキンケア時の過度なタッピング
化粧品を塗布する際は手のひらで優しくプレスするように行い、コットンを使用する場合は質の良いものを選び、力を入れすぎないよう注意します。
枕カバーやタオルなどの肌に直接触れるものは清潔に保ち、可能であれば毎日交換がおすすめです。マスクによる摩擦も注意すべき要因の一つでしょう。
生活習慣を改善する
健康に気をつけて、肌を内側から整えることも大切です。
良質な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は肌の自然治癒力を高め、ニキビ跡の改善を促進します。
睡眠不足はホルモンバランスを崩し、肌の再生サイクルを乱すため、1日7~8時間の睡眠を心がけましょう。
食事では、ビタミンやミネラルを豊富に含む野菜や果物を積極的に摂取し、糖分や脂質の過剰摂取は控えめにします。
ストレスも肌荒れの大きな要因となるため、ご自身なりのストレス解消法を見つけることも必要です。禁煙や飲酒を控えることも、肌の健康維持に役立ちます。
ビタミン類を摂取する
ビタミン類は、肌の修復やメラニンの排出に役立つ栄養素です。
ビタミンCは コラーゲン生成を促進し、メラニンの生成を抑制する作用があります。柑橘類、キウイ、パプリカなどに豊富に含まれています。
ビタミンEは抗酸化作用により肌の老化を防ぎ、血行を促進するビタミンです。ナッツ類や植物油に多く含まれています。
ビタミンAは肌のターンオーバーを正常化する作用があるため、色素沈着の改善に役立つでしょう。レバー、うなぎ、緑黄色野菜などに含まれています。
食事からの摂取が理想ですが、不足する場合はサプリメントで補いましょう。
市販の美白化粧品を使う
茶色い色素沈着タイプのニキビ跡には、市販の美白化粧品を使うことも有効です。
処方薬よりも効果は限定的ですが、スキンケアによって肌表面がクリアでなめらかになると相対的に色素沈着が目立たなくなる効果が期待できます。
ただし、処方薬との相性や刺激の程度を考慮し、刺激の少ない製品を選ぶことが肌トラブルを避けるポイントです。
特に処方薬でトレチノインやハイドロキノンを使用している場合は、ビタミンCやレチノールのような高濃度美容液を使うと肌トラブルを引き起こす可能性があります。
高濃度の美白化粧品を使う場合は、外用薬を塗布している部分を避けるなど工夫して使いましょう。
ニキビ跡の処方薬はDMMオンラインクリニックで
ニキビ跡の治療には、ニキビ跡の種類に合った治療が必要です。
赤みや色素沈着タイプであれば皮膚科での処方薬治療で改善が期待でき、凹みタイプでも軽度であれば処方薬での改善の可能性があります。
自己判断での治療は効果が限定的であったり、かえって悪化させるリスクもあるため、医師に相談してください。
DMMオンラインクリニックでは、ニキビ跡の相談から処方薬の処方まで、オンラインで医師の診療を受けられます。
シミや肌荒れのお薬も含めてニキビやニキビ跡に有効な処方薬を多数取り揃えているため、ご自身のニキビ跡に合ったお薬がきっと見つかるでしょう。
なかなか改善しないニキビ跡にお困りの方は、DMMオンラインクリニックの無料オンライン診療に一度ご相談ください。
【参考文献】
花ふさ皮膚科
https://hanafusa-hifuka-beauty.com/disease/vbeam/cure_red_pimple/
赤みがあるニキビ跡の原因と治療方法を解説
花ふさ皮膚科
https://hanafusa-hifuka-beauty.com/disease/acne-scars/self-reliance/
自力で治せるニキビ跡の種類と治し方を解説
日比谷皮フ科クリニック
https://www.hibiya-skin.com/column/202010_02.html
クレータータイプのニキビ痕
花ふさ皮膚科
ニキビ跡による色素沈着の原因と治療方法を解説
https://hanafusa-hifuka-beauty.com/disease/acne-scars/pigmentation/
花ふさ皮膚科
https://hanafusa-hifuka-beauty.com/disease/acne-scars/in-men/
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